明日、今日より少し成長できる。現場で使えるノウハウを先輩から教えてもらう特別企画、第3弾!
本日お話を伺ったのは、「情報資産の銀行」をコンセプトにローコード開発プラットフォーム「SPIRAL®︎」を提供する株式会社パイプドビッツの新卒入社6年目、佐竹こすもさんです。
思うように結果が出せず苦しんだ研修時代から、今では営業部門で新人の教育係を任されている佐竹さんに、成長の原動力となった「○○力」や仕事をしている上で大切にしていることなどを伺ってきました!
佐竹 こすも
2016年株式会社パイプドビッツ入社。小売サービスソリューション事業部営業担当としてSPIRAL®︎の新規顧客開拓を担当。2020年チャネルパートナー事業本部に異動しSDPおよび代理店等のパートナー企業の販売支援活動やソリューション強化支援を担当。
「IT」でキャリアパスを描き就活を
ー まずは新卒でパイプドビッツさんに入社された経緯から教えてください。
大学時代は経済学部でマーケティングを学んでいました。自分のキャリアパスを考えた時に、経済・英語・ITの3つのキーワードを重視しました。社会に出る上で経済について理解することは必須として、グローバル社会を見据えて英語も学びました。あとは、ITを身につけたら社会で必要とされる人材になれるのではないかと思い、会社の理念に共感できたパイプドビッツに就職を決めました。
株式会社パイプドビッツ
2000年4月設立。「情報資産の銀行」を事業コンセプトに、ローコード開発プラットフォーム「SPIRAL®︎」の開発・提供を通じてあらゆる業界の企業や団体の情報活用を支援。サービス導入実績は延べ11,000社を超え、顧客には幅広い業界の著名企業・団体が顔をそろえる。
ー どのような理念に共感したのですか?
当時パイプドビッツが掲げていた「情報資産の銀行として明日のあるべき豊かな情報社会に貢献する」という理念に共感しました。IT業界で、かつ、社会貢献の一端を担える仕事に就きたいという自分の考えに合うと感じ、パイプドビッツへ入社しました。
ー 大学生から社会貢献を意識されていたのはすごいですね。
それほど視座高く考えていたわけではありません。仕事っていやでも人生の中で大部分の時間を占めるのでせっかく時間を使うなら自分が意義のあると思うことをしたいなと思いました。自分が意義あると思うことを仕事にすれば、精神衛生上良いですし、最終的に自分の幸せにも帰結するかという気持ちもあったので、社会貢献というとおこがましいですかね。
膨大な業務に対応する秘訣は「とにかくメモ」
ー 2016年にご入社されて今6年目と伺いました。ご入社されてからのお仕事のお話を聞かせてください。
まず10ヶ月間の研修を受けてから、営業職として本配属になりました。最初は小売サービスソリューション事業部で約4年間、その後、チャネルパートナーの営業部(正式にはチャネルパートナー第一ソリューション部と第二ソリューション部)に異動して今、1年と半年ほどが経ちました。
ー 小売サービスソリューション事業部ではどのようなお仕事をされていたのでしょうか?
弊社の事業はSPIRAL®というクラウド型のローコード開発プラットフォームを提供しており、企業様の課題解決のためのシステム提案をしています。そのSPIRAL®を新規に導入していただくお客様の開拓から始まり、徐々に既存のお客様の担当も任せてもらえるようになりました。
ー 新規の開拓と既存の深耕とでは、業務内容はかなり違いますか?
そうですね。新規の場合は、SPIRAL®を知らないお客様向けに、アウトバウンドコール(発信型の営業電話)を行うことから始まるので「アポ取りのスキル」と「折れない心」が必要になります。
反対に既存の深耕では、すでにSPIRAL®を導入いただいているお客様をお相手にします。お客様の業界特性や課題、SPIRAL®の運用状況など、業界と自社サービスについての深い知識が必要となるので、本当に苦労しました。
ー 結果はついてきましたか?
徐々に、ですね。新規のアウトバウンドは、初めは本当に苦労していました。自分が一定の割合でアポイントをいただけるようになったのは、架電先の業界はもちろん、電話口の方の部署や役職、その会社の事業内容、業界課題の仮説に合わせてトーク内容を組み立てて話せるようになってからです。具体的な方法としては、質問に対する切り返しトークをあらゆるパターンに合わせて細かい単位で登録しておき、それを会話に合わせて組み立てて話していました。
2年目になる頃には、既存のお客様の深耕に注力し、伴走の成果として売上もついてきました。そして4年目になる頃にSPIRAL®を販売をしてくれている企業、いわゆる弊社の代理店様を支援する部署へと異動となりました。
ー 仕事内容が変わったんですか?
はい。元々は、クライアント企業様に課題をヒアリングして、解決の仕組みをシステム要件から提案する、という営業スタイルでした。それが、今はシステムに精通している代理店担当者様をお相手に、要求・要件に対してSPIRAL®でどのように実現するか提案するスタイルが主です。技術的な側面のお話をすることが多いので、覚えなくてはならないことがまだまだたくさんあり日々勉強です。そんな中でも、営業職の後輩メンバーが増え、そのメンバーの教育担当も任せてもらっています。
ー 覚えることが多くて大変ですね。
そうですね。営業職の業務が広範囲で覚えることがたくさんあり大変です。
社内申請や、契約周りの調整に加え、あとは請求管理などの営業事務もあったり、システム構築案件の要件定義や概要設計、受注をしたら納品までのディレクション業務もあります。
入社当初は、営業活動を頑張って新規の案件を取れば取れるだけ嬉しかったのですが、業務的にはどんどんやることが増えて、時間に追われることになりましたね。
ー これだけ業務を幅広く抱えて、覚えることもたくさんある中で、どうやって仕事を回しているんですか?
わたしすごいメモ魔なんです。知識や経験したことって覚えたつもりになってもすぐ忘れちゃうじゃないですか。私は自分の記憶力をそこまで過信してません。だから、わたしは次回も使う知識だったり有益なことはとにかくすぐにパソコンのメモアプリに書き込むようにしています。
業務に関する基礎知識から、仕事の流れ、上司からのアドバイスとか大切にしたい指針とかもうなんでも。営業系、事務系、ディレクション系などのカテゴリー分けで管理していて、今でも日々更新しています。そして必要なときには都度キーワード検索して見返します。
ー そのメモのおかげで、失敗しない?
いえ、大小含めてミスはたくさんしていますが、メモのおかげで未然に防ぐことができたこともあります。
もちろん、メモだけではなく、同じ部署の先輩や同僚、プロジェクトに関わるメンバーのおかげというのもありますが。
ー 膨大なメモもすごいですが、仕事で関わる人たちへの感謝の気持ちが強いのですね。
そうですね。そう考えるようになったきっかけは、配属前の新人研修での経験が影響しているのかなと思っています。
優秀な同期に劣等感しかなかった、苦い新人研修。
ー 配属前の新人研修とはどのようなことをするのですか?
当時はパイプドビッツが、最長10ヶ月間に及ぶ新人研修を実施していました。課題が決まっていてすべてクリアすると卒業となり現場配属されます。個人で期限目標を設定し、マイルストーンも立てて、目標達成を目指すという研修です。
周りが優秀な人ばかりだということにまず驚きました。新入社員の3分の2が開発職というのもあり、IT知識も豊富で優秀な方ばかり。大学時代にIT処理技術者試験を取得していたので研修前はあまり不安はありませんでしたが、研修が始まり一変しました。自分が難しいと感じる課題に同期がどんどんクリアしていき、焦りと劣等感を感じ自信を無くしていました。
周りの同期は目標達成して研修を卒業できていたのに、私は自分で立てた期限目標を達成できず教育プログラムとして決められている期限の直前ぎりぎり卒業という悔しい結果となりました。
ー 苦い思い出ですね。今の佐竹さんだったら達成できたと思いますか?
その時の反省を改善すればできると思います。
あの時の自分に必要だったのは「頼る力」
ー どのような反省があったのでしょうか?
一番の反省は、人に頼らず独りよがりに進めていたことです。
あの時はひたすら自分で答え合わせばかりすることに時間を割きすぎていました。
周りを見れば、協力しあって課題を進めている人も多くいました。自分ももっと人にわからないところを聞いたりして、頼りながら進めればよかったと反省してます。
ただ答えを聞くだけは意味がないので、インプットする時間と自分で考える時間のバランスを考えることで、より効率的に進められたのではないかと思います。
ー そこから、どのように這い上がったんですか?
当時の自分に必要だと気づいたのは、「頼る力」でした。わたしはもともと人に頼ったり聞いたりすることが苦手で、聞く前に自分で解決しなくてはならないという思考が強い人間でした。でも、ビジネスの現場に出ることになれば、自分の失敗だけで済まなくなりますよね。また、考えているだけで時間はすぎてしまう。
なぜ、目標達成できなかったのか?それを自問自答した結果、自分だけで考えてる無駄な時間が圧倒的に長かったからだと気づきました。
ー 自分で振り返り、自分で気づいたんですか?
はい、そうですね。その結果、配属されてからは、わからないことはすぐに聞くようにして、もらったアドバイスから進化させていくやり方が私には合っていました。「頼る力」が成長を加速させてくれたと思っています。
ー 聞くことに抵抗はなかったんですか?
会社において一年目って漏れなく全員先輩じゃないですか。すぐに頼ることは苦手ですがプライドもなかったですし、それよりもお客さんに迷惑がかかることのほうが問題だと思ったので聞くことは抵抗なかったです。とは言っても、やっぱり周囲の方々が聞きやすかったというのはあります。所属になった部署の風通しがよく、的確なことを親身に教えてくれる親切な上司、先輩が多かったという環境が後押ししてくれたことは間違いありません。
おかげで、色々な人に質問して成長しながら、人を巻き込んでいく大切さも学びました。教えてもらったことで、「合っていた」という答え合わせの積み重ね一つ一つが自信につながっていったこともプラスに働いています。
「ネガティブシンキング、ポジティブアクション」で歩む
ー 佐竹さんのように自分を客観的に見つめて成長のヒントを見つけるというのは簡単にできないと思うのですが、何か心掛けていることはありますか?
他者評価と自己評価がずれないように意識しています。半年に一度の会社の人事評価では、半年間の活動における自己評価をアウトプットする機会があるので、なるべく定量的に、事実に基づいた表現になるよう心がけています。他者評価とのズレがあった場合、自分のことを客観的に見れていないということ自体がマイナス評価に繋がると思うので気をつけています。
ー 評価の点数ではなく自分の認識とのズレを気にされるんですね。
そうですね、私はもともとポジティブすぎる人間なので、現状との乖離がないか意識するようにしています。実は、ポジティブすぎて「きっと大丈夫!」と、すぐ行動を起こしてミスを連発していたことがありました。そんな自分に悩んでいた時に、今のチャネルパートナー事業本部の本部長から「ネガティブシンキング、ポジティブアクション」という言葉をかけていただいたんです。
ー 「ネガティブシンキング、ポジティブアクション」いいですね。
それまでミスを発生させてしまっていたのは、「まあ大丈夫だろう」という私のポジティブすぎる考え方が原因だったと気づきました。行動に起こすこと自体はよいのですが、ポジティブに考えすぎることを一度やめて、「本当に大丈夫なのか?」と一度ネガティブに考えることによってミスの頻度が減ったように思います。この言葉は、ネガティブに考えるだけではなく、行動はポジティブに!が合わさっているので、自分の性格的にもしっくりきましたね。いまでも「ネガティブシンキング、ポジティブアクション」を肝に銘じながら仕事に取り組むことで日々成長できているのではないかと思います。
佐竹さん、楽しいお話をありがとうございました!
取材/文:BizLog編集長 大久保佳美