特別インタビュー第6弾 ながら聴きで「思考力」を養え!Voicyの中の人が取り入れている「耳活」とは〜Voicy 長谷部祐樹さん〜

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明日、今日より少し成長できる現場で使えるノウハウを先輩から教えてもらう特別企画第6弾!

今回お話を伺ったのは、音声プラットフォームVoicyの長谷部 祐樹さんです。イベント企画、ビジネス開発などに携わってきた長谷部さんから、社会人として大事な「思考力」、そしてこれからの時代に大切な考え方について教えてもらいました!

長谷部 祐樹
新卒でJTB、その後ベクトル、スペースマーケットを経て、2021年1月に、音声プラットフォームを開発・運営しているVoicyへ入社し、事業開発の責任者を務める。

これからの時代に大切なのは「手触り感」

ー 簡単な職歴と今のお仕事内容を教えてください。

新卒でJTBへ入社しました。企業のイベントやキャンペーンに関する企画・ディレクションや新規事業の推進に携わっていました。海外でイベントをする機会が多かったので、仕事で海外に行けたのが楽しかったですね、単純ですけど。

その後、PR会社のベクトルにて、PRディレクターを務めたのち、あらゆるスペースを簡単に貸し借りできるシェアサービスを提供するスペースマーケットにてビジネス開発を担当しました。

その後2021年1月に、音声プラットフォームを開発・運営している、Voicyへ入社しました。Voicyでは、事業開発の責任者として、企業における音声活用の提案やアライアンス、ブランディングなどのビジネス開発に携わっています。

具体的には、企業へのスポンサー提案や、パーソナリティとのタイアップ放送企画、企業やサービスがVoicyチャンネルを持ちオリジナルコンテンツを発信する取り組みなどを行っています。また、企業向けに社内コミュニケーションの手段として「声の社内報」の提案もしています。

どれも正解のない事業で、日々悩むことばかりですが、やりがいがあります。

株式会社Voicy
2016年設立。日本発音声プラットフォームを開発・運営する会社。音声×テクノロジーでワクワクする社会をつくるをミッションに掲げ、年間1,100万人が利用する音声プラットフォーム「Voicy(ボイシー)」を提供。

ー 「正解のない事業」とはどういうことでしょうか。

日本の音声市場は今後盛り上がっていくであろうといわれていますが、世界でもまだ形にはなっていなくて、決まったビジネスモデルや勝ち筋があるわけではありません。だからこそ、正解がないものに向き合って、新しい産業をつくっています。

少しサービスの話をすると、Voicyは審査制で選ばれたパーソナリティ個人が、声のブログとしてご自身のノウハウや知識、エピソードなど発信されていて、リスナーは耳だけで楽しめるアプリです。

徐々に認知され年間1100万人に利用されるようになりました。発信者がマネタイズできる仕組みも少しずつ充実してきていました。

しかし、発信者とリスナーの双方にもっと音声の魅力を感じてもらい、日本に音声が文化や産業として根付いていくためには、自分たちで日本の音声市場に、新たな価値を生み出していく必要があります。

決まった型がないので、他のビジネスモデルを真似すれば出来上がるものでもありません。音声と広告コミュニケーションの掛け合わせを、新たにつくり成果を出さなければいけない状況なのです。

その中で、本質的に大事になってくるのは「手触り感」だと思います。

ー 手触り感。

フォーマット化されて量産されているものよりも、「息遣いが感じられるもの」や「手触り感があるもの」が選ばれるような時代になってきていると考えています。

たとえば駅前にあるビジネスホテルは便利で素晴らしいけれども、どれも画一的で横展開されているものです。それとは違い、古い建物でもオーナーのこだわりや思いが込められているゲストハウスを選ぶ人も増えています。これがいわゆる「イミ消費」です。手触り感やこだわり、本音のほうが受け入れられやすい状態になってきている状況なのです。

私がPR会社にいたときにも、メディア露出されても、情報が編集され希釈されすぎている中で、結局大事にしている考え方が伝わらなくて悔しい思いをしたこともありました。今の時代は「想い」への共感が大事になってきていると感じています。

ー たしかに「人の熱量」に動かされて選択することが増えているように思います。

Webの検索結果が充実しているおかげで、なんでも調べれば求めている答えが出てきます。でも、無味無臭な感じがしませんか?メディアからの情報だけでは選びきれず、つくっている人の想いやビジョンに共感して選んだりする。

人の「覚悟」や「熱量」、「想い」に突き動かされて初めて、購買意欲が湧き上がるようになってきているのです。

世の中の価値観も、「優れているものがいい」と差別化された点が評価されて選ばれるところから、何かしら意義があったり、本音が含まれていたりと、その「想い」に共感して選ばれるマインドセットへと変化してきています。

こうした手触り感が大事にされるようになってきている今、声だからこそ本音で価値観を届けることをVoicyでは大事にしています。あえて編集機能を設けていないのも、「声の一番搾り」を届けることで、齟齬なくその人の本質や思いを伝えたいからです。

いわゆる「正論」は誰の心も動かせない

ー こうした世の中の変化がある中で、社会人として大事な能力・スキルは何ですか?

「思考力」ですね。あらゆる情報をインプットしたあと、自分がどう咀嚼するか、が求められています。なぜなら、本質的な価値観でしか、共感を得られたり、人を動かしたりすることができないからです。

物事や事象をそのまま受け入れるのではなくて、まず一回、自分のフィルターに通して考えてみてください。「この人がこう言ったからこっちだ」と素直に受け止めすぎないほうがいいですね。

私自身、社会人になってからすぐに思考力が身についたわけではありませんし、思考力が大事だとも思っていませんでした。

ですが、自分自身に思考力がないことで、自信がないと感じた瞬間がありました。たとえば会議で「どう思う?」と聞かれたときに、とっさに答えることができない。その結果、発言することが怖くなったり、誰かの考えをそのまま鵜呑みにして、自分が何をどう感じているのか、心が分からなくなったりもしました。

ー 思考力がなくて失敗したこともありますか?

ありますね。知識を取り入れることばかりに執着していた結果、頭でっかちな状態になっていて、会社でディスカッションしていても、いわゆる「正論」しか出てこなかったんです。「これってこういうものじゃないですか〜」と。

もちろん20代は知識がないので、とにかく情報収集して世間で正しいとされている情報や知識をインプットすることに集中し、自身の考えとしてトレースしていました。ですが、その考えには自身の魂や想いが乗っていないので、自分の身になっていない感覚もあったんです。

知識ばかりひけらかしていて、実際に行動したことはない。そういう人まわりにいませんか? 私も、自分が納得していない、うわべだけの知識をお客さんに提案しても、届いていないなと感じたことはありましたね。

大失敗とまではいかないものの、「誰の心も動かせていない」というような虚無感がありました。だからこそ、このままではいけないと思い、意識的に「思考」するようにしました。

ー 思考力が身につくとどうなりますか?

思考力が身につくことで、ニュートラルでいられるなと考えています。柔軟に方向を変えることができるんです。熱くもできるし、淡々ともできる。

パッと判断が求められたときに、情報を整理して適切な方針を打ち立てることができます。それだけでなく、方針が変わったときに柔軟に考えて、どちらにもすぐに足を踏み出せますね。

具体的な業務においては、思考力があれば、会議で自信をもって発言できるようになりますよ。言語化したりアウトプットしたりすることが得意になっていくと思います。

今よりもっと仕事の幅が広がっていき、新たな情報をインプットしながら精度の高い判断が求められるとき、思考力があるとどんな領域にでもチャレンジできるようになると思いますよ。

「思考力」を鍛えるなら「耳活」が便利

ー 思考力を鍛える、ってなにから始めればいいですか?

まず、一朝一夕には思考力は身につけられるものではないと思っています。コツコツと本を読んだり、仲間とディスカッションしたりして、多様な考えを取り入れることから始めるのがいいと思います。私もいわゆるビジネス書といった本をたくさん読んできました。

もしハードルが高いなら、自社ごとで恐縮ですが「音声」は思考力を鍛えるのに相性がいいと思います。音声ならスキマ時間や「ながら時間」に聞くことができます。メイク中や通勤時間中、洗い物などをしている最中に、目と手が離せない状況でも、耳は空いているので聴けます。最近では「耳活」なんて言われています。

私たちが提供するVoicyでは第一線で活躍するビジネスパーソンや、専門家の話を聞くことができます。巻き戻してもう一度聞いたり、納得するまで聞いて考えたり。発信者も日々成長しているので、彼らの思考の変遷をインプットしながら一緒に考えるうちに、自分ならではの考え方ができたり、腑に落ちたりすると思います。

「彼はこのように言っていたが、自分ならどう考えるのか?」と深堀りすることで、思考力を磨き上げられます。

ー 最近だと、ビジネス書の内容が10分程度の動画にまとめられているものが、YouTubeで見れますよね。

手っ取り早く知識をインプットするなら、YouTubeもいいですね。ただ、YouTubeだと編集や演出が気になって、内容に集中できていないときもありませんか?中身が大事なのに、外側ばかり気になるというか。必要な情報が入ってこないんです。関連動画の誘惑もありますし(笑)。

Webセミナーに参加して情報収集するのもいいと思いますが、グラフや映像など情報量が多ければ多いほど、自分の頭を使って思考はできていないと思っていたほうがいいです。ほぼ思考停止でインプットしているのと変わりない状態です。

その点、いわゆる「想像の余地がある」ほうが、落ち着いて思考を深めやすいと感じています。音声だけの場合、映像やグラフなどといった補助情報がない分、自分で想像しなければいけないので、自然と思考することに繋がります。

なによりも「声は嘘をつかない」です。発信者がちょっと言いよどんだり、言葉選びに迷ったりしていると、発信者自身の思考の変遷も感じ取ることができます。

ー 長谷部さんはいつ音声を聞いているんですか?

まず、朝ごはんを食べながらニュースを配信しているチャンネルを聞いています。Alexaからも聞ける、日本経済新聞社とVoicyが制作している「ながら日経」というチャンネルは、毎朝10分間でニュースが知れるのでいいですね。

世の中の動きをインプットしたあとは、脳内を仕事モードに切り替えるために、ビジネスについて話をしているチャンネルを、20〜30分ほど聞いています。たとえば、新R25編集長の渡辺将基さん、書籍要約サービスflierのアドバイザー・グロービス経営大学院の元教員でもある荒木博行さん、お笑い芸人のキングコング西野さんの放送を聞いています。

私が音声を聞くときに大事にしているのは、他の人の考えを取り入れたあと、必ず自分でも考えてみることです。気になったキーワードがあれば書き留めています。

先程ご紹介したチャンネルは、思考を深めていくのにおすすめです。抽象度の高い話を聞くことで、「自分ならどうするか?」「どう考えるか?」を振り返りやすいですよ。

「本人性」が重視される世の中がくる

ー 20〜30代ビジネスパーソンがアンテナを張っておくべき、今後の世の中の変化を教えてください。

先ほどもお話ししたとおり、差別化ではなく「唯一化」が大事になっていくと思います。だんだん差別化に意味がなくなって「イミ消費」が増えていくなか、ユニークさが大事です。そして、最後に重視されるのが「本人性」だと思っています。

Voicyでも、企業がVoicy内でチャンネルを持って、その企業で働くメンバーの考え方や生き方を発信していて、それが共感を生み、採用に繋がったりしています。また、企業やサービスとパーソナリティとのコラボ放送企画では、パーソナリティと話すことによって、理念や背景が伝わり、より共感や理解が深まってブランディングにつながります。

2021年12月に実施した、株式会社ツムラとのコラボ企画「#OneMoreChoice」では、「心身の不調を我慢するのではなく、我慢に変わる選択肢を」というコンセプトのもと、賛同いただいたVoicyパーソナリティに「#我慢に代わる私の選択肢」というテーマで放送してもらいました。

その結果、「そうそう、わかる。一人じゃないんだなって思いました」といったリスナーの声を多くいただきました。どの放送も素敵なものばかりで、企業の(広告的な)取り組みを聞かされている感覚はしないと好評でした。声は本音じゃないとバレてしまうから、その分伝わるものがあるんだと思っています。これぞ「本人性」の力だなと感じています。

今後もっともっと「本人性」が重視される時代へと変わっていくと思います。ビジネスパーソンとして、いろんな考え方を受け入れ、思考し、自分ごと化して提案し、人を動かしていくスキルが求められていくと思います。

ー 思考力があれば、多様な考え方を受け止めて、手触り感のあるサービスづくりができそうですね。興味深いお話ありがとうございました!

取材/文:BizLog編集長 大久保佳美

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