特別インタビュー第10弾 仲間に恵まれてきた「巻き込み力」でオンリー1を目指せ〜株式会社ビズリーチ インサイドセールス部部長 茂野明彦さん〜

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明日、今日より少し成長できる。現場で使えるノウハウを先輩から教えてもらう特別企画、第10弾!

本日お話を伺ったのは株式会社ビズリーチのHARMOS事業部インサイドセールス部部長の茂野明彦さんです。著書も出されているほどインサイドセールス業界の第一人者としてご活躍される茂野さんの今までの社会人経験、昔の失敗エピソードから、成長に必要な○○力について聞いてきました!

茂野 明彦
2012年8月、株式会社セールスフォース・ドットコムに入社し、グローバルで初のインサイドセールス企画トレーニング部門立ち上げに携わる。2016年12月、ビズリーチ入社。現在はHARMOSインサイドセールス部 部長を務める。著書にインサイドセールス -訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド-(翔泳社)。

成長環境を求めて外資系ITベンダーへ!インサイドセールスとの出会い

ー 今までのキャリアについて教えてください。

社会人のキャリアでは2つのポイントがあります。1つ目は2012年8月に入社したセールスフォースドットコム、2つ目は2016年12月に入社した現職のビズリーチです。

まずセールスフォースドットコムでは、インサイドセールスとしてインバウンド対応を一年、アウトバウンド対応を半年ほど経験しました。

次のステップとしてフィールドセールスに異動することも考えましたが、自分のスペシャリティを作ること組織を作ることを早く経験したかったので、インサイドセールスに関するトレーニングや企画部門がなかったことに着目し、ここのニッチトップになろうと決意しました。

早速、社内コンペでインサイドセールスの企画トレーニング部門の立ち上げを発案し、承認されたことで、数多くのチャレンジの機会をもらったことは良い経験につながりました。

ー 貪欲ですね。小さい頃から向上心が強かったのでしょうか?

幼少期は承認欲求がとにかく強かったです。父は小さな会社を経営をしていたのですが、とても厳しい人で、褒められた経験が人生一度もないんですよね。また、姉は優秀でスポーツも勉強もできる、努力の天才のような人でした。そんな環境だったので劣等感しかなくて、とにかく褒められたい、認められたいという気持ちが強くなったと思います。

そんな環境で育ったのでナンバー1になるのは難しい、オンリー1なら自分でもなれるんじゃないかと思っていました。だから夢中になれるものに出会ったら、絶対10年は投資しようと決めていたところにインサイドセールスに出会えました。

ー お父様が会社経営をされていたということは、将来的には起業もお考えですか?

それはまだわかりません。父を超えたいという思いは全くなくて、全力で取り組むことでこれまで経験したことがない領域でも認めてもらえることが嬉しかったですし、素敵な人たちに出会えていく実感もありましたね。

特に秀でた才能がない私ですが、唯一自信を持っていることは仲間に恵まれることです。頑張った先に認めてくれる人が多くて、その人たちが新たなチャンスや支援の場を提供してくれたり、時には叱ってくれたりする。

まっすぐ向き合って頑張ることで認めてもらえたから、次に挑戦していきたいという気持ちに繋っていることがモチベーションになっているのかもしれません。

ー 2つ目のビズリーチさんの入社経緯と今のお仕事について教えてください。

入社の経緯については、note(https://note.com/insidesales_job/n/n980778a0ee39)に詳しく書きましたが、ビズリーチ創業者の南とビズリーチ代表取締役社長の多田に強く誘ってもらったことがきっかけです。紆余曲折を経て、出会いから2年後にビズリーチへ転職しました。

今の仕事内容としては、人財活用プラットフォーム「HRMOS(ハーモス)」の事業部で、インサイドセールス部部長を勤めており、部門の戦略策定や採用、事業全体の方針決定に携わるような仕事をしています。

他にもインサイドセールス自体の認知向上や市場の盛況に向けた活動をしており、インサイドセールスカンファレンスの開催を支援したり、書籍も執筆してきました。

ビズリーチに入社して感銘を受けたのは、カルチャーへの熱量ですね。セールスフォースと近しいところがあり、社員がカルチャーの意義を理解し大切にしながら変化を楽しんでいます。

変化が激しい中でルールを全て定義することは難しいことも多いです。しかしルールは、カルチャーを浸透させるためにあるので、どんどん変わっていくべきだと思います。そういうことを受け入れて前に進められるのはビズリーチの魅力ですね。

完全なるキャパオーバーで、商談予算の大幅未達

ー そんな茂野さんにも失敗エピソードはあるのでしょうか?

ビズリーチに転職して2年目のことは印象的です。当時の事業ほぼすべての商談創出を担う管掌するインサイドセールス部門を任せてもらったにもかかわらず、自分のスキル不足により、目標に対して大幅に未達という結果を引き起こしてしまいました。

計画の規模も大きなプロジェクトでしたが、10名未満でスモールスタートしたらすぐに成果に繋がったことで安心して、「このままのやり方でいける」と一気に組織を拡大させてしまいました。

最初は小さな数字のずれだったものが、どんどん大きくなり、いつもなら見過ごさないようなことも見過ごしてしまう。気づいても打ち手も考えられない状態になり、最後は完全に思考停止状態でした。

結果的には、周囲が助け舟を出してくれたこと、そしてメンバーが非常に頑張ってくれたおかげで目標との乖離は最小限に抑えられましたが、それでも自分のスキル不足で皆に迷惑をかけてしまった。このときの反省は忘れられません。

参考URL:https://note.com/insidesales_job/n/nf9e3d893603e

ー 具体的にどのようなスキルが足りなかったのでしょうか?

全ての算段が甘かったですね。数字の計算も、人員配置も、その上周りを頼ることもできなかった。打ち手に対して思考が至らなかったことも、完全に自分の経験と能力不足です。戦力をたくさん授けてもらっていたので、「今あるリソースでなんとかしなければいけない」と思い続けていました。

そんな時に、取締役を筆頭に事業責任者クラス5名との会議が登録されたカレンダーが飛んできた時のことは忘れません。緊張して参加したその会議は、全員が私に対して助け舟を出してくれ、これからどうすべきかを議論する場でした。本当に救われました。

ー 聞いただけで吐きそうなエピソードですね。

先程カルチャーのお話をしましたが、以前、創業者の南が「目の前のゴミを跨ぐな」という話をしていたことがあります。ゴミを跨ぐということは、ゴミがあると認識して通り過ぎることですよね。どんな小さなことであれ違和感を感じたらすぐに対処するように全力で当たろうという意味です。

まさに私が見過ごした小さな数字のズレもこのひとつですよね。失敗を経たからこそ、カルチャーの意義を一層深く理解できた気がします。

「巻き込み力」で自分の世界は変えられる

ー 社会人1年目から今の自分へ、半分のスピードで至るとしたらどんな力を身につけたいと思いますか?

「巻き込み力」です。つまり、人を巻き込む力ですね。一人でできることには限界がありますから、何事もたくさんの人を巻き込むことで、より大きなことを実現しようということです。

ー 人を巻き込む、ってとても難しいと思うのですが、身につけるためにまずはどのようなことから始めたら良いのでしょうか?

まずは相手を知るところからですね。相手を知らないと何もできません。例えば社内に知り合いをたくさん作ることも大切です。といっても、人を巻き込むことに抵抗がある人も多いですよね。

これには2つ理由があると思います。

1つ目は、巻き込み方がわからない

2つ目は、相手に申し訳ないという気持ちになる精神的な障壁ですね。

1つ目の「巻き込み方がわからない」という人は、ぜひ何事にも巻き込まれてみることから始めてみてください。社内のイベントでも外部の勉強会でも、誰かが始めてることに積極的に参加することで、巻き込み方がわかるでしょうし、気づいたら自分が巻き込む側に回ってることもあります。

2つ目の「精神的な障壁」については、例えばお財布を忘れた場合、多くの人は「1万円借りてもいいですか」と言うことはできますよね。返す前提ならハードルが下がるけど、もらうお願いするとなると、ハードルが上がる。全く同じことで、何かもらうなら返さないといけないと思う人が多い。

でも、そんなことは気にしなくても良いと思っています。借りられる分はたくさん借りて、受けた恩恵は後輩に還元していく。そうすることで社会が循環していくと思っています。

ー たしかに人にお願いをするのは申し訳ない気持ちがありますが、後輩に繋いでいくと言われると気持ちが楽になりますね。

そうですよね。それと、誰かに助けてもらって成功しても自分の実力ではないと考える人も多いのですが、助けてもらう力があるから成功したと胸を張ってほしい。

人に頼って、巻き込んで、そして成果を出すということはすごく難しいことですし、キャリアを進めていけば少なからず必要になるスキルです。ですからそこまで含めて実力なんだ、と理解しておいてほしいです。

ビズリーチ創業者の南は、自分より優秀な人を採用して、得意な人に得意なことを任せるということを徹底しています。だからこそビズリーチはここまで成長することができています。

人の力を借りることでで成功すること、そしてそれを積み上げていくことが大事です。

ー 自分の上司がそう言ってくれると良いのですが、実際のところ一人でやってないなら実績と認めないという上司もいるのではないでしょうか。

昔から言い続けていることのひとつですが、自分の上司を変えること、つまり「ボスマネジメント」もとても大切です。今は否定的でも、そう評価をしてくれるように上司を変えればいいんです。運とか不運で片付けずに、どんな立場であっても上司の考え方を変えるよう努力をすることは絶対必要です。

ー ボスマネジメント、初めて聞きました。

これからの時代、「株式会社個人」化が加速すると10年ほど前から言われてきました。個人で生き抜く力が重要になるということです。

まずは個人として成長すること、挑戦をしてたくさん失敗しながら成功を重ねることが重要です。その中でスペシャリティ(他者と比較して優位性、再現性のあるスキル)を身に着けていく必要があります。

しかし、その先に行こうとすると一人ではやはり難しいと思います。ですからそこに加えてより多くの人を巻き込んで成果を出していく「巻き込み力」を身に着けていって欲しいと思っています。

ぜひ、多くの人を巻き込んでいろんなチャレンジをしてみてください。

ー 茂野さん、貴重なお話をありがとうございました!

取材/文:BizLog編集長 大久保佳美

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