特別インタビュー第12弾 思っているだけでは前進はない!「思いを形にする力」で成長は加速する~株式会社CAMPFIRE セールス・アライアンス担当 照井翔登さん〜

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明日、今日より少し成長できる。現場で使えるノウハウを先輩から教えてもらう特別企画、第12弾!

今回お話を伺ったのは、株式会社CAMPFIREの照井翔登さん。セールス・アライアンス担当として、国内さまざまな地域の中小企業やスタートアップなどのクラウドファンディング活用を支援しています。そんな照井さんに、これまでのキャリアの変遷や以前の失敗エピソードなどから、成長に必要な○○力について聞いてきました!

照井 翔登
秋田県横手市出身。2011年より日本初のTwitterで街おこしに取り組むNPO法人Yokotterの活動に参画し、地域ブランディングからリノベーション事業など地域事業を多数経験。


2015年、地域におけるブランディングやマーケティングを支援する照井デザイン事務所を創業。全国各地の地域事業を支援。同年、地域特化型クラウドファンディングFAAVOに参画し、地域における中小企業の支援、金融機関や自治体等とのアライアンス構築、日本初のクラウドファンディング特化型ふるさと納税サイトの立ち上げなどに携わる。


2018年に株式会社CAMPFIREへFAAVO事業の事業譲渡と同時に転籍。2020年、地域連携推進の横断組織を立ち上げ、金融機関や自治体、民間企業と連携した事業開発を主導し2020年と2021年にMVP獲得。社外では株式会社NOWMO取締役COO、株式会社NACにてCOO、NPO法人Yokotter理事、独立行政法人中小企業基盤整備機構にて中小企業アドバイザー、中小企業庁事業中小企業119にて専門家などを務める。

中学生の頃から、地域活性化のための活動をサポート

ー 今までのキャリアについて教えてください。

私のキャリアのスタートは2011年3月、NPO法人Yokotterの活動への参画です。

ちょうどその頃、東日本大震災を経験したのですが、Twitterで有益な情報が拡散され、人が助かったり必要な情報が得られたりしているのを目の当たりにして、「SNSってこんないい使い方できるものなんだ」と興味を惹かれたんです。

そんなとき、地元である秋田県横手市でTwitterを活用した地域おこし事業を手掛けるYokotterの存在を知り、代表にDMを送って「自分も何か手伝いたい」とメッセージを送りました。それが中学2年生のときです。

ー 中学時代から地域活性というテーマに興味を持っていたということですか?

もともと地域独自の文化やお祭りなどの行事などに興味はありましたが、まだ中学生ですし、「自分の手で街おこしをしたい」とまでは思っていませんでした。Twitterを通じた地域おこしは全国初の取り組みということで、一体どんなことをやるのだろう…と気になったんです。

それから学業の傍らYokotterの活動をサポートするようになりましたが、大学進学を機に個人事務所を立ち上げ、独立。大学に通いながら、フリーの立場でYokotterの取り組みを手伝ったり、それまでのノウハウを活かして全国各地の地域活性をサポートしたりしていました。

そして、大学1年の10月に、地域活性に特化したクラウドファンディングのプラットフォーム「FAAVO」を運営する、株式会社サーチフィールドにインターンとして入社しました。

ー 学業のかたわら、ずっと地域活性というテーマに関わり続けてきたのですね。

大学進学で秋田を出たのですが、クラウドファンディングというアプローチならば、遠隔でも地元に貢献できるのではないかと考えたのが、サーチフィールド入社のきっかけです。そして「FAAVO」は、「出身者と出身地をつなげる」がコンセプト。そこにとても共感を覚えたんです。

この会社では、クラウドファンディングで資金調達したい人のサポートや、金融機関や自治体、商工会議所などとの連携やアライアンス、クラウドファンディングに関する講演会やセミナーなど、あらゆる業務を担当。インターンながら、ふるさと納税・クラウドファンディングプロデューサーとして全国を飛び回っていました。

「CAMPFIREと組めば、より地域活性化に貢献できる」

ー 2018年、「FAAVO」事業がCAMPFIREに事業譲渡されたのを機に、照井さんもCAMPFIREに転籍されました。最初にその話を聞いたときはどう思われました?

面白いことができそうだとワクワクしました。

さまざまなクラウドファンディングのプラットフォームがある中で、地域という切り口で特化していたものの事業の成長に限界を感じていた「FAAVO」事業をどう伸ばしていけばいいのか、クラウドファンディング業界でライバルも増えていく中で悩むことが多かったんです。

「FAAVO」単体で勝負するよりも、勢いがあり成長しているCAMPFIREと組んでシェアナンバーワンを目指すほうが、より影響力が増し、地域に貢献できると思いました。そして、代表の家入が地域に対して熱い思いを持っていて、FAAVOに声をかけてくれ、大切にしてくれていたことも印象に残っています。

現在は、全国の中小企業にいかにしてクラウドファンディングを活用いただくか…という取り組みに注力しています。各地域に出向いてレクチャーを行ったり、地域の金融機関や自治体、商工会議所などとアライアンスを組んで地域活性のアイディアを練ったり。

クラウドファンディングを行う企業への具体的なサポートは別のチームが行っていますが、ほぼ「FAAVO」時代と同じ働き方をしていますね。コロナ禍でクラウドファンディングの引き合いも増え、多いときは週に3、4本ペースで講演会やセミナーを行っています。

ー 非常にお忙しい毎日のようですが、今の仕事で感じているやりがいや醍醐味は何ですか?

クラウドファンディングで支援させていただいた企業が注目され、売り上げが伸びたり事業が軌道に乗ったりすることが一番嬉しいですね。クラウドファンディングをきっかけに知名度が増し、メディアに取り上げられたりするのを見ると、とても感慨深いです。また、起案者から直接「ありがとう」と感謝の言葉をいただくことも多く、この上ないやりがいを感じます。

ただ、クラウドファンディングは皆に認知されているとは言えず、まだまだこれからだと感じます。資金を集めたい、事業を伸ばしたいと思ったときに、クラウドファンディングが選択肢に上がるようにならなければ…。そのためにも、これからもさまざまな地域に出向いて、クラウドファンディングの本質的な使い方を伝えていきたいですね。

そして、クラウドファンディングを活用することによって、地域においては街に人が参加したり、様々な事業や活動に人が関わるきっかけになればいいなとも思っています。

思いが強すぎるあまり、プロジェクトに入り込み過ぎて失敗

ー すごく順調なキャリアを歩んできたようにお見受けするのですが…壁にぶつかったり、失敗したりした経験ってありますか?

いろいろありますよ。前職でクラウドファンディングに関わるようになったころ、熱中するあまり入り込み過ぎて失敗したな…と反省したことは何度もあります。

ー 入り込み過ぎるのはよくないことなのですか?

クラウドファンディングでは、起案者がやりたいこと、成し遂げたいことを発表し、それに賛同してくれる人を募りますが、その際には起案者が自分の言葉で訴えることが大切。その言葉や熱量に惹かれ、賛同者が集まるからです。

しかし、最初のころは成功してほしいあまりに、コンセプト作りに一から携わったり、サイトの文章も自分が考えたりして、結果的に起案者の思いが届きにくいプロジェクトになってしまったことがありました。

我々はあくまで裏方で、主人公ではありません。我々の役割は何で、起案者には何をやっていただきたいのか、明確に役割分担したうえで協働しながら信頼関係を築き、プロジェクトを成功させることが大切なのだと、失敗を通じて学びました。こうして一つひとつ築いた関係性が、今の自分の血となり肉となっています。信頼は財産だと、心から感じています。

自分の考えを頭から取り出し、形にしてみる習慣をつけよう

ー 若くして、CAMPFIREの地域事業やアライアンスを主導する立場にある照井さんですが、「もっと早いうちに身につけておけばよかった」と思うスキルはありますか?

いろいろありますよ。信頼関係構築力とか、交渉力とか…いろいろ思い浮かぶものはありますが、一番は「思いを形にする力」ですかね。

ー 「思いを形にする力」ですか。

何か新しいアイディアが浮かんだとき、自分の頭の中にあるものを素早く整理して、言葉に落とし込んだり資料にまとめたりするなどして、第三者にうまく伝えるスキルがあれば、もっとたくさんのチャレンジができたと思うんです。

アイディアを思いついたものの、うまく整理できず、表現もできないから、実行に移せなかったことも少なくありません。「あのとき何か発信できていれば…」と今でも後悔することがあります。

今考えれば、完ぺきな状態で形にしないと…と焦っていたのかもしれません。とはいえ、いくらいいアイディアでも、頭の中に放置したままでは何の意味もありません。100%の状態でなくても、ある程度思いをまとめて発信し、反応を見ながらアップデートしていくことが大事なのだと今ならわかります。

ー 確かに形にしないと伝わらない、評価もされないのでは、と不安に感じる若手ビジネスパーソンは多いと思います。

まずは、整理できてなくてもいいので、頭の中から取り出してみて、何でもいいから形にしてみる習慣をつけてほしいですね。形にする力は、場数を踏むことで磨かれる側面もあります。紙に書き出してみたり、信頼できる誰かにとにかく話してみて一緒に整理してみたりするのもいいと思います。

形にする力がつけば、アイディアを実現するチャンスが増え、成功体験も失敗体験も増えるでしょう。そういう体験こそが、ビジネスパーソンとしての成長につながります。

…ちなみにですが、逆に「若いうちから発揮しておいてよかった」と思っているスキルが「ハッタリ力」です。若手ビジネスパーソンには、ぜひ持っておいてほしいスキルだと思っています。

ー ハッタリ力!?具体的にはどんなものなのですか?

やったことのない仕事であっても「できます!」と手を挙げ、やり切る力のことです。私は学生時代から今の仕事に関わってきましたが、チャンスをつかむにはある程度ハッタリが必要な場面もあると実感しています。

今の自分にはまだ荷が重いかな、知識不足かな…という仕事でも、やってみたいことであれば迷わず「できます!やらせてください!」と手を上げる。一度宣言してしまったら、あとはやるしかありません。必死に勉強したり、周囲に助言をもらったりして、壁にぶつかり試行錯誤しながら、何とか最後までやり切る…この経験が、人を何倍も成長させてくれると思います。

会社では、「本当にできない仕事」は振られません。だから、ちょっときついな…と思っても、振られた仕事は断らないほうがいい。返事は「ハイ」か「Yes」のみです(笑)。チャンスが回ってきたら、難易度が高かろうがむちゃぶりであろうが、とりあえずやってみるというスタンスで臨むことをお勧めします。

ー 「返事はハイかYes」肝に銘じておこうと思いました!

照井さん、本当にありがとうございました!

取材/文:BizLog編集長 大久保佳美

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