明日、今日より少し成長できる。現場で使えるノウハウを先輩から教えてもらう特別企画第22弾!
本日お話を伺ったのは、株式会社ガイアックス、スタートアップスタジオ事業部吉川佳佑さんです。吉川さんのキャリア、株式会社ガイアックスの活動や、吉川さんがずっと大切にしてきたこと、これから特に必要になる○○力について伺ってきました!
吉川佳佑
大学卒業後、新卒で地方の私立高校に赴任し、探究学習や起業家教育の推進を行う。その後N高等高校での勤務を経て、現在は複数の企業の新規事業立ち上げに関わりながら、ガイアックスで中高生や大学生、若手社会人を対象としたアントレプレナーシップ教育プログラムの企画・運営を担当。
学校の中だけでなく外のことも知りたい
ー まずは、新卒から今までのキャリアについて教えてください
地元の石川県金沢市にある大学の教育学部を卒業後、新卒で母校でもある地元の私立高校に英語教師として赴任しました。当時は、一方向的にただ知識を伝達するだけの授業やアナログだらけの業務に疑問を持ち、探究型学習の研究や実践、学校内のIT化を主導する役割をになっていました。
当時の学校は、先生として配属されると同じ学校に数十年居続けることが当たり前という価値観でしたので数年が経ったある日、「学校の中だけでなく外のことも知りたい」「学校の中だけでなく外でも活躍したい」という思いが強くなり、今の会社で複業を始めることになりました。
ー 学校の先生が複業?株式会社ガイアックスとの出会い
珍しいですよね。たぶん、この学校では私が先駆者だったと思います。ふりかえると当時の学校には私のことを理解して許容してくれる環境や応援してくれる人もたくさんいたんだと思います。複業先の株式会社ガイアックスでは、オンラインで就活ができるサービスの立ち上げに参画しました。
当時はZoomを使うこと自体が珍しく、地方や海外の学生たちから支持を得て順調に見えたのですが、新型コロナウイルス拡大の影響から、オンラインで就活をするのが当たり前になってしまい、3年ほどでサービス自体はクローズすることになりました。
ー その後、N高等学校に転職されていますね
社会人6年目のタイミングで学校内でもっと先進的な教育をしたいと思い、日本で最先端の教育を行っているN高等学校へ転職しました。N高等学校の1年目は東京のキャンパスで働き、2年目は姉妹校のS高等学校の立ち上げに参画しました。
ー 先生の転職というのも珍しいですよね
たぶん、学校から民間、それも教育関係以外への転職は一桁%程度じゃないかなと思います。前述しましたが、一度、先生として学校に配属されると同じ学校に40年とか居続けている人はたくさんいます。
しかし、N高等学校はまったく価値観が違い「成長したら外に出ろ」という雰囲気があり、だいたい3年所属すると民間企業に転職していく人が多かったです。
ー 現職のアントレプレナーシップ教育プログラム「起業ゼミ」の責任者に
その後、これまでの学びや経験をより多くの学校に届けたいと思い、複業先である株式会社ガイアックスに社員として入社しました。 株式会社ガイアックスでは、起業をテーマにした “ホンモノの” 探究学習として中高生や大学生向けのアントレプレナーシップ教育プログラム「起業ゼミ」の責任者として、全国の中学高校や大学にプログラムを届けることに奮闘しています。
起業をテーマにした “ホンモノの” 探究学習。全国の中学校、高校で出張授業を実施しています。起業家輩出企業である株式会社ガイアックスが「起業の裾野拡大」と「若年層のアントレプレナーシップ醸成」を目的に行う、主に中高生向けのアントレプレナーシップ教育プログラムです。
経済産業省「キャリア教育アワード」2年連続受賞
2021年 奨励賞 & 2022年 経済産業大臣賞(最優秀賞)
▼キャリア教育アワードについてのプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000516.000003955.html
若い頃、変化を拒む年配の先生を理解できなかった
ー これまでのビジネス人生で失敗エピソードはありますか?
これは今でも強烈に覚えています。新卒で赴任した学校で探究学習や校内のIT化を行っていたときのことです。特に校内のIT化については、先生たちの授業を効果的にし普段の業務を効率的にすると信じていたので、良かれと思ってやっていましたが、年配の先生たちからはあまり良く思われていませんでした。
「今から新しいことを覚えたくない」「今までITなしでやってこれて、特に問題を感じていない」「もしそれで成績が下がったらどうするんだ」と多くの不平や不満が出ました。
ー IT化に後ろ向きな年配の先生とどう向き合ったのですか?
当時は、まだ若かったこともあり、また、IT化による業務の効率化や効果的な新しい授業のスタイル構築は必要不可欠と思っていたので、その先生たちをまったく理解しようともしませんでした。
その上、「それでも教壇に立つ先生ですか?」「そんなんだから生徒たちは授業中居眠りをするんですよ!」「生徒たちは先生の授業、つまらないって言ってますよ!」などと……今思えば自分の親ほど年の離れた先生に対してとても失礼なことを何度も言っていました。
ー そのような状況でIT化は進められた?
同じ学校に民間経験のある先輩先生が支援してくれたました。「時には許可より謝罪」と背中を押してくださり、半ば強引にIT化を進め、生徒たちの成績や満足度は向上し、学校として正式に学校のIT化に力を入れることになりました。
ー 「時には許可より謝罪」結果、正しかった?
当時は「自分が正しかった」といばってさえいたと思うが、今考えれば完全にやり方を間違っていたと思います。今だったら、まずは先輩たちの話をしっかり聞き、課題に思っていることをどうすれば解決できるかということを第一に考え耳を傾けることから行ったと思います。
点と点を結びつける力。いつか繋がると信じて今に向き合う
ー これからのビジネスパーソンにアドバイスを下さい。
Apple創業者のスティーブ・ジョブズの有名な言葉に「Connecting the dots(点と点を結びつける)」という一節があります。現在と未来の点を結びつけることはできず、過去を振り返ったときに初めてこことここが繋がっていたんだと気づくという考え方です。クランボルツ教授の計画的偶発性理論に似たものですね。
これまでの私のキャリアを振り返ると、まさに偶然の積み重ねだと感じます。家を手放し他拠点生活をしているときに今の会社の本部長と出会い、起業ゼミの仕事も教員時代のネットワークが活きています。点と点を結びつける力。いつか繋がると信じて今に向き合うことが大切だと思います。
ー 点と点を結びつけ選んだ道を正解にする
私は、好きなことを仕事にするのではなく、選んだものをものを好きになる、選んだものを正解にすることが大切だと思っています。
私のキャリアを振り返ると多くの偶然が重なって今に繋がっていると感じられることが多いのですが、これは狙ってできることではなく、私たちができる唯一のことは、今行っていることがいつかどこかで繋がると信じて泥臭くその時に選択したものに努力を続けることなのではないかと思います。
広い意味でイノベーターがあふれる国にしたい
ー 最後に会社の展望や読者へのメッセージをお願いします。
株式会社ガイアックスのミッションである「人と人をつなげる」の実現に向け、ソーシャルメディアやシェアリングエコノミー、web3/、DAOのサービスやコンサルティングに注力しています。
また、イノベーターがあふれる国にしたいという思いからスタートアップスタジオという仕組みで若い才能・情熱・志を持つ起業家を連続的に輩出しています。
ー 「起業の裾野拡大」と「若年層のアントレプレナーシップ醸成」
スタートアップスタジオにおける起業ゼミは、「起業の裾野拡大」と「若年層のアントレプレナーシップ醸成」を目的に行う、主に中高生向けのアントレプレナーシップ教育プログラムです。これらの目的は、私たちだけでは絶対に達成できない壮大なテーマだとと思っています。
そのため、私たちは学校の先生、学生、企業、自治体などさまざまな形で共創するパートナーを望んでいます。少しでもアントレプレナーシップ教育やスタートアップ創出にご興味ある方はお気軽に情報交換などできると嬉しいです!
Mail: venture-seminar@gaiax.com
Twitter: https://twitter.com/Yoshikawa_says