失業保険の申請に必要な離職票。そんな離職票を紛失・破損してしまった時は焦りますよね。でも安心してください。離職票は再発行ができます。今回は、離職票の再発行の仕方とハローワークでの手続きをまとめました。ぜひ最後までご覧ください。
離職票とは
まず、離職票とはどのような書類なのか説明します。
離職票とは何か
離職票は正式名称「雇用保険被保険者離職票」という書類です。失業手当を受給するために使われる公的な文書で、企業がハローワークに手続きをすることで発行されます。
離職票は「雇用保険被保険者離職票-1」と「雇用保険被保険者離職票-2」の2種類があり、それぞれ「離職票-1」「離職票-2」と呼ばれます。2枚セットで失業手当の提出に使われるどちらも大切な書類です。「離職票-1」は、カード状の書類で失業手当の振込先になる金融機関が指定されており、「離職票―2」には退職理由と退職直前の6ヶ月の給与などが記されています。
離職票と退職証明書
離職票と似た書類に退職証明書がありますが、全く別の書類です。ではどこが違うのでしょうか?大きな違いは2つ、「公的文書かどうか」と「発行元の違い」です。
公的文書かどうか
離職票は公的文書ですが、退職証明書は公的な文書ではありません。
使用する用途も大きく異なり、離職票は失業手当を申請するときに使用するのに対して、退職証明書は転職先の企業に提出を求められた時に使います。退職証明書によって転職先の企業は、退職理由や退職時期チェックすることができるのです。
失業手当を受給するには必ず離職票が必要になります。退職証明書を使って失業手当の仮手続きをすることもできますが、仮手続きから4週間の間に離職票を提出しなければいけません。
発行元の違い
離職票の発行元は国が運用するハローワークなのに対して、退職証明書は会社が独自に発行するものです。
期限についても違いがあり、離職票は退職してから10日以内で発行する必要があるのに対して、退職証明書は退職者から申請を受けてから発行すればよいことになっています。
離職票交付の流れ
では離職票はどのように交付されるのでしょうか? 再発行を行う前に、離職票交付までの流れを確認しましょう。
企業がハローワークに書類を提出
退職者から希望があった場合、企業は退職してから10日以内に、必要書類をハローワークに対して提出する必要があります。
離職証明書には本人直筆の記名もしくは押印が必要です。できる限り離職前に記名を済ませておきましょう。 離職証明書に記入する際に大切なのが、離職理由をチェックすることです。この離職理由によって失業手当の交付期間や金額が変わってきますので、正しく離職理由が記入されているか確認してください。
ハローワークが企業に離職票を交付
企業がハローワークに書類を提出した後はハローワークが書類をチェックします。不備がなければ、ハローワークから企業に離職票が送られます。
企業から退職者に離職票が郵送
ハローワークから交付された離職票に企業が追加事項を記入し、退職者に郵送されます。このように離職票を発行する際は企業とハローワークの間で書類が行き来するため、手元に離職票が届くまでは「退職からおよそ10日から2週間ほど」が必要です。
ハローワークにて失業手当等の手続きをする
手元に離職票が届いたら、必要書類とともにハローワークに提出します。こうして失業手当が受け取れます。
離職票を再発行する方法
離職票を再発行する方法は4つ。企業経由で再発行するパターンとハローワークで再発行するパターンがあります。それぞれの注意点と必要なものを、順に説明します。
退職した企業経由で再発行する方法
1つ目の方法は退職した企業経由で再発行するものです。企業の人事もしくは労務課に電話して再発行を依頼しましょう。
辞めた会社に行くのは気まずいという方も安心してください。離職票は郵送で届きますので、会社に足を運ぶ必要はありません。企業には、「離職票再発行の依頼に応じること」と「必要書類を退職から4年間保管しておくこと」が義務付けられていますので、応じてもらえないという心配もありません。 退職してから4年間は離職票を再発行できます。
ただし、離職票の提出が遅れると失業手当が受け取れなくなったり金額が減ったりすることがあります。ハローワークで手続きをするよりも時間がかかりますので、早めに再発行を依頼しましょう。
ハローワーク窓口で離職票を再発行する
2つ目の方法は、ハローワークの窓口で再発行するというものです。 ハローワークを通して再発行を依頼する場合、「雇用保険被保険者離職票再交付申請書」(以下再交付申請書)と「顔写真付き身分証明書のコピー」が必要です。
再交付申請書はネットから印刷が可能で、自宅で記入ができます。 窓口で発行する場合、再交付申請書をその場で記入することもできますが、事前に自宅で記入しておくとスムーズに手続きが可能です。 「再交付申請書」・「身分証明書のコピー」に加えて「印鑑」・「雇用保険被保険者証」の4つをもっていき、再発行を申請しましょう。
大切なのは企業を管轄するハローワークで手続することです。企業を管轄するハローワークで手続をすると、即日発行が可能です。ハローワークに行く際に注意してほしいのが、失業手当の手続きとの混同です。離職票の再発行の手続きは「離職前の企業を管轄するハローワーク」でおこないますが、失業手当の申請は「自分の住所を管轄しているハローワーク」で行います。 間違えると再発行まで1週間ほどかかってしまうので注意してください。
郵送で離職票を再発行する
必要書類をハローワークに郵送して、再発行の申請をすることも可能です。郵送する書類は3つ「再発行申請書」「顔写真付き身分証明書のコピー」「返信用封筒」です。必ず会社を管轄するハローワークに郵送しましょう。
返信用封筒には、氏名住所を記入し切手を貼った状態にしておくとスムーズに再発行してもらえます。郵送してから再発行された離職票が届くまで少なくとも1週間はかかるので、時間に余裕のないときはハローワーク窓口に向かいましょう。
電子申請で離職票を再発行する
電子申請は電子政府の総合窓口「e-Gov」で行います。ネット上で申請書を入力し電子証明書とともに提出することで再発行が可能です。
証明書はマイナンバーカードを専用アプリで読み取ることで発行できますが、マイナンバーカードがなければ写真付き身分証明書をスキャンすることで代用できます。
離職票の再発行申請書(雇用保険被保険者離職票再交付申請書)の書き方
では、ハローワークで離職票再発行するときに使う、再交付申請書の書き方について説明します。 必ず記入しなければいけない項目はこちらです。
- 離職者情報
- 離職前企業の情報
- 被保険者番号(11桁)
- 雇用保険被保険者資格取得年月日
- 離職年月日
- 再発行の理由
- 交付を希望するもの(離職票−1と2両方にチェック)
残りの「離職票交付年月日」「離職票交付番号」は勤めていた職場と被保険者番号が分かればハローワーク側で調べてもらえますので、わかる範囲で正確に記入して提出しましょう。
離職票再発行前に注意すること
離職票を再発行する前には、いくつか注意点があります。手続きに入る前に確認しましょう。
そもそも発行されているのか企業に確認
まず、実際に離職票が手元に届いたのか確認しましょう。というのも、企業が離職票発行の手続きを取る義務があるのは、離職票を求められたときです。 したがって離職票が欲しいことが会社に伝わっていない場合、そもそも離職票が発行されていないことがあります。
自分で紛失した破損したという確証がある場合はよいですが、そもそも手元に届いたか曖昧な場合は企業に確認を取りましょう。
期限に注意
給付された失業手当を満額受け取るためには、受給の満了日が退職から1年以内でなければいけません。 つまり給付期間が150日あっても、退職から10カ月の時点で手続を行った場合にもらえる手当は、2カ月分(60日)になります。ですので、失業手当の手続きは退職から1、2カ月の間に行うのが望ましいです。離職票の再発行も失業手当受給に間に合うよう早めに行いましょう。
離職票再発行の際に注意すること
次に離職票の再発行を行う際に注意することを紹介します。
雇用保険被保険者離職票再交付申請書を正確に記入する。
まず、再交付申請書を正確に記入しましょう。先ほども言ったように、失業手当を受け取るには期限があります。スムーズに手続きを進めるため正確に記入することが大切です。
間違えた場合は修正印を押して訂正しますので、事前に申請書を記入しておく場合でも、印鑑を必ず持っていきましょう。
本人確認書類の確認
ハローワークで提出する場合は、写真付きの本人確認書類が必要不可欠です。パスポートやマイナンバーカード、運転免許証を確認し忘れないようにしましょう。窓口で提出する際は、雇用保険被保険者証があると被保険者番号が確認でき、手続きがスムーズですので、できる限り持参してください。
まとめ
離職票を紛失したり破損したりした際はとても焦りますが、手順通り再発行をおこなえばきちんと失業手当を受け取れます。焦らず注意点を守って再発行を行ってください。