カレンダーでよくみる「先勝」ですが、意外に読み方や意味を知らないものですよね。「先勝」と聞いてきちんと説明できる人がどれくらいいるでしょうか。この記事では、「先勝」の読み方や意味、吉凶に関して紹介します。
「先勝」の意味とは?
「先勝」という言葉から、パッと意味が思い浮かぶ人はどれくらいいるでしょうか?
使われている漢字から「先手必勝?」などが思い浮かぶ人もいるかもしれません。意外と知られていないのが「先勝」という言葉の意味です。
先勝とは六曜の1つ
「先勝」とは、カレンダーなどに書かれている「六曜」の1つです。
カレンダーで日付を確認するときに、「大安」や「仏滅」を気にする人は多いでしょう。「先勝」は、この「大安」や「仏滅」と同じ六曜の仲間です。
午前は吉で午後は凶
「先勝」とは、簡単にいってしまうと「早い者勝ち」という意味です。「先勝」は、「事を起こすなら早いうちに動くのが吉」という意味で、「早いうち」とは「午前中」を指します。「午前中」といっても、六曜での「午前中」とは「午後2時まで」なので注意しましょう。
逆に「先勝」の日は「午後は凶」とされているので、何か予定がある人は「午前中」に終わらせるとよいでしょう。
六曜以外の意味
「先勝」には、六曜以外の意味もあります。
複数の試合が行われたときに「最初に勝つ」ことも「先勝」です。「本日行われた日本大会で先勝した」のように使います。
参照:Weblio辞書「先勝」
「先勝」の読み方は?由来も解説!
「先勝」の正しい読み方を知っている人はどれくらいいるでしょうか?「先勝」はいくつかの読み方で読めるので、正しい読み方がわからない人も多いでしょう。
「先勝」は、由来を知っている人も多くはないでしょう。「勝」という字が使われていることから、なにか勝負事に関わっていると想像はつくかもしれません。
「せんしょう」・「さきがち」
「先勝」は、「さきがち」「せんしょう」「せんがち」などと読めますが、正しい読み方は「せんしょう」または「さきがち」です。
インターネット上の辞書サイトなどでは「せんかち」も読み方として書かれている場合がありますが、一般的には「先勝(せんしょう)」や「先勝(さきがち)」と覚えておくとよいでしょう。
由来は戦国時代
「先勝」が日本で使われ始めたのは、室町時代の初期頃といわれています。戦国時代に当時の武将達が、開戦の吉凶を占うときの目安として重んじられたといいます。
「先勝」に行いたいこと
六曜にはそれぞれにその日に行うとよいとされることがあります。「大安」ならば祝い事をするのに向いていますし、「仏滅」ならば葬式など仏事に関することがよしとされます。
「先勝」の場合も、ほかの六曜と同じく行ってよいとされる行事などがあります。「先勝」は午前中が吉なので、その時間までに行うとよいことを紹介します。
結婚式
「先勝」は、午前中のうちであれば、六曜の中で「大安」・「友引」に次いでよいとされる吉日です。
入籍や結婚式などの祝い事を行うならば、式場や役所が混まない「先勝」を選ぶのも得策でしょう。午後2時までは吉日なので、親族や友人だけの小規模のならば「先勝」に結婚式を行うのを検討してもよいかもしれません。
引っ越し・納車
「先勝」は、祝い事のほかに、自分にとって特別なことをする日としてもおすすめです。
たとえば、大きな買い物となる「車の納車日」や新しい暮らしを始める「引っ越しの日」にあててもよいとされます。引っ越しの場合は時間が限られるので、荷物の少ない引っ越しの場合は候補にいれてみるとよいでしょう。
お参り・お見舞い
吉日の時刻内で済ませられる「お参り」や「お見舞い」も「先勝」に行うとよいでしょう。
「お参り」は、あまり時間がかからずにできますし、吉日を選んで行く人も多いため、特におすすめです。
「お見舞い」は、「先勝」ならば行くのに問題ない日です。縁起を気にする場合は、午前中に行くのがよいですが、相手の都合もありますので、伺っても大丈夫かを確認してからにしましょう。
「先勝」に実行すると良いこと
「先勝」には、由来の意味も含めて、勝負事をするのもおすすめです。
特に吉日の時刻内に済ませられるようにしておくと、縁起を担ぐ意味でもよいでしょう。
宝くじの購入
「先勝」には、宝くじの購入も向いています。
宝くじは、ギャンブルの要素も強くて勝負事といえるため、「先勝」に行うのが最も向いています。験担ぎの意味も含めて、できるだけ午前中に買いに行くのがおすすめです。
訴訟や勝負事
「先勝」に行うのによいことは、宝くじ以外にもあります。
「先勝」は、「急ぐこと、訴訟事に吉」といわれてもいますので、争うこともよいとされる日です。この意味からも「訴訟」を行うのに向いている日です。特に午前中に行えば悪い結果を招くのを阻止できるかもしれません。
ただし、あくまでも吉日というだけなので、必ずしも勝てる保証はありません。できる限りの準備をするなどして、過信しないようにしましょう。
「先勝」に避けるべきこと
「先勝」に行うのは避けたほうがよい行いもあります。
祝い事は吉日の時刻内を選んで行うとよいですが、「仏事」は六曜の並びによって避けたほうがよい場合もあります。どのような場合は避けたほうがよいのか説明します。
お葬式を行う場合は時刻を選ぶ
「先勝」に、法事や葬式を行う場合は、時間帯が午前中ならば問題ありません。
ただ、葬式の場合は突発的に発生することが多く、避けられないときもあるのであまり気にし過ぎなくて大丈夫です。
六曜の中でも「友引」は「友を引く」といって仏事は避けられているのですが、「先勝」の場合は過度に神経質にならなくてもよいでしょう。
お通夜は六曜を考えるとNG
「先勝」に避けるべきは「お通夜」です。
「先勝」の翌日が「友引」と決まっているのも避けるべき理由です。友引に仏事は縁起が悪いため、敬遠する人も多くいます。弔いの時間が翌日にかかってしまう場合もあるお通夜は、避けたほうが無難です。
ただし、葬式と同様にお通夜も突発的に発生するものなので、避けられない場合も考えられます。周りとよく相談して実施する日を決めましょう。
「先勝」のほかの六曜は?
「先勝」以外の六曜についてもかんたんに触れておきましょう。六曜をかんたんに説明すると、その日の運命や方角に関する吉凶を占うためのものです。六曜と認識していなくても知っている人が多い「大安」「仏滅」のほかに、「先勝」と相反する六曜も存在します。
吉日と凶日に分けて説明していきます。
「大安」・「友引」・「先負」
「先勝」以外の六曜で、吉日とされているのが、「大安(たいあん)」「友引(ともびき)」「先負(せんぶ)」です。
「大安(たいあん)」
大安は、六曜の中で1番の吉日で「大安吉日」とも呼ばれます。何をするにも向いている日で、特に結婚式を大安に行いたい人が多いので、結婚式場も大安の日は予約が取りにくいです。
「友引(ともびき)」
友引は、仏事以外の祝い事でも「友を引く」となる日です。幸せのおすそ分けという意味をもたせて、友引に結婚式の引き出物を発送する人もいます。友引は、朝と夕は吉・大吉日で、昼は凶となる日です。
「先負(せんぶ)」
先負は、「先勝」とは逆で「先んずれば即ち負ける」という意味なので、午前中は凶日、午後が吉日となります。
「仏滅」・「赤口」
六曜の中の凶日にあたるのが「仏滅(ぶつめつ)」と「赤口(しゃっこう)」です。
「仏滅(ぶつめつ)」
仏滅は、何事をするにも向いていない凶日とされる日です。特に結婚式など祝い事は避けたほうがよいでしょう。ただし、仏事にはよいとされています。
「赤口(しゃっこう)」
赤口は、午の時刻の午前11時頃から午後1時頃までは吉日となりますが、それ以外の時刻は凶日となります。「赤」の字が入ることで、火や血など死に関わることを連想させるため「火事」や「刃物」に特に注意が必要な日です。赤口は法事だけはよしとされています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は先勝について解説しました。
六曜の中でも、あまり馴染みのない「先勝」ですが、社会人として「先勝」の意味や読み方は覚えておきましょう。
ビジネスシーンでは「結婚式」などの祝い事、「葬式」などの仏事は避けては通れません。「先勝」だけでなく六曜の吉凶も併せて把握しておくのがよいでしょう。
「先勝」の日は、吉日の時刻にあたる午前中に用事などを終了させて、午後の凶日はできるだけ何事もせずに静かに過ごしましょう。
ただし、予定通りにいかない日もあるはずなので、そんなときは吉凶を考えすぎずに冷静にことを進めれば問題ありません。
最後に「先勝」のまとめです。
- 「先勝」とは、カレンダーなどに書かれている「六曜」の1つです。「先勝」とは、簡単にいってしまうと「早い者勝ち」という意味です。「先勝」は、「事を起こすなら早いうちに動くのが吉」という意味で、「早いうち」とは「午前中」を指します。
- 「先勝」は、「さきがち」「せんしょう」「せんがち」などと読めますが、正しい読み方は「せんしょう」または「さきがち」です。由来は戦国時代に当時の武将達が、開戦の吉凶を占うときの目安として重んじられたといいます。
- 「結婚式」「引っ越し・納車」「お参り・お見舞い」などの行事を行うのによいとされています。
- 「先勝」には、由来の意味も含めて、「宝くじの購入」や「訴訟や勝負事」をするのもおすすめです。
- 「先勝」に、法事や葬式を行う場合は、時間帯が午前中ならば問題ありませんが、「お通夜」は避けるべきです。
- 「先勝」以外の六曜で、吉日とされているのが、「大安(たいあん)」「友引(ともびき)」「先負(せんぶ)」です。
- 六曜の中の凶日にあたるのが「仏滅(ぶつめつ)」と「赤口(しゃっこう)」です。