「カテゴリー」とは日本語で「範疇」や「分類」、「種類」を意味する言葉で、ビジネスでも多く使われています。「カテゴリー」は、基本的で全員が全員とも同じ分け方をした分類と定義されます。「カテゴリー」の使い方を、例文も合わせて詳しく紹介します。
「カテゴリー」の意味とは?
「カテゴリー」とは、同じ種類のものが属している範疇や分類、種類のことをいいます。
たとえば猫や犬は「動物のカテゴリー」に属しています。さらに細分化すると「猫のカテゴリー」にはメインクーンやペルシャ、「犬のカテゴリー」にはラブラドールレトリバーやプードルなどが属しています。この例のように、カテゴリーは階層構造をもつことが多くあります。また、長音符号のない「カテゴリ」と表記されることもあります。
「カテゴリー」の由来・語源
カタカナ語の「カテゴリー」の由来は、英語の「category」です。ギリシャ語の「κατηγορια(カテゴリア)」から来ており、物事の性質を種類ごとに分けるという意味があります。英語の「category」もカタカナ語と同じく、「区分」や「種類」を意味しています。
「カテゴリー」と「ジャンル」の違い
カタカナ語の「ジャンル」にもカテゴリと同じ「区分」や「種類」の意味がありますが、芸術分野に限定されている点が異なります。たとえば「音楽のジャンル」にはクラシックやジャズ、J-POP、ロックなどが、「本のジャンル」には辞典や実用書、小説、漫画などが含まれています。
「カテゴリー」の類義語・言い換え表現
「カテゴリー」の類義語や言い換え表現には、「範疇」と「分類」「種類」があります。それぞれに多少意味が異なるので、確認しておきましょう。
1.「範疇」
「範疇(はんちゅう)」は、「根本的な枠組み」や「同じ性質のものが属している部門や部類」の意味をもちます。
「範」は区切られた枠、「疇」は同類の意味があり、2つが合わさって同じような特徴、性質をもつものの範囲の意味をもつようになりました。「範疇に収まる」や「範疇に入る」は「カテゴリーに入る」と同様に、「同じ部類に属している」という意味になります。「範疇にない」には「同じ性質のものには属さない」のほか、「該当しない」の意味もあります。
2.「分類」
「分類」には「同じ種類のものをまとめていくつかのグループに分ける」と、「同じ種類や系統、要素にのっとって分ける」の意味があります。「要素」とは具体的に説明できる特徴を指しており、たとえば「本を五十音順に分類する」や、「生き物を鳥類と爬虫類、魚類に分類する」などと使います。
3.「種類」
「種類」とは、形態や性質がある基準で共通しているものを分類した、それぞれのグループのことをいいます。「カテゴリー」をよりわかりやすく言い換えるときには、「種類」がよいかもしれません。「食品を野菜と肉、魚のカテゴリーに分ける」は、「食品を野菜と肉、魚の種類に分ける」と言い換えられます。ちなみに、種類別に分けることは「種別(する)」といいます。
「カテゴリー」の英語の意味と例文
英語の「category」は名詞で、カタカナ語と同様に部門と区分、種類、範疇の意味があります。たとえば「someone or something of the same kind, class or category」や「the same class or category」では「同類のもの」。「They come into this category.」は、「それらもこのカテゴリーに属する」と訳します。
「カテゴリー」の使い方
「カテゴリー」にほかの単語をつけた表現を、私たちが目にする機会は多くあります。以下では「カテゴリー」を含んだ単語の意味や使い方を詳しく紹介します。
「カテゴリー分け」「カテゴリー分類」
「カテゴリー分け」や「カテゴリー分類」は、ものの分類のタイプをはっきりさせ、ほかの人に見やすく、わかりやすくする場合に用います。「材料をカテゴリー分けする作業をする」や、「業務のカテゴリー分類に沿って仕事をする」などと使われます。
「カテゴリー検索」
「カテゴリー検索」とは、あるカテゴリーに限定して検索できるネットサービスをいいます。サイトでは、あらかじめ「カテゴリー分け」された情報を検索できます。たとえば海外の観光地を旅行したいと考えた人が、「旅行」から「海外」、「観光」へと大分類のカテゴリーから小分類のカテゴリーに進みつつ情報を探せます。
データ構造が階層状になっていることから、「カテゴリー検索」は、「ディレクトリ検索」とも呼ばれています。一方、情報がまとめられた中から指定したキーワードで欲しい情報を抽出する検索方法は、「キーワード検索」といいます。
「カテゴリー化」
「カテゴリー化」は「分類すること」を意味し、ビジネスシーンでもよく用いられます。たとえば仕事量が増えてやりきれないと感じたときは、仕事に優先順位をつけて「カテゴリー化」すると効率が上がります。この2つの仕事は優先度が低い、これは優先度が高いなどと分類し、優先度が高い仕事から片付けましょう。
また、得られた情報が多すぎて混乱してしまうときは、必要な情報との一致度で「カテゴリー化」してみます。もっとも必要な情報と一致しているカテゴリーの情報から精査すると、欲しい情報をスムーズに得られやすくなるでしょう。
「カテゴリーキラー」
「カテゴリーキラー」とはあるカテゴリーの商品だけを扱い、低価格と豊富な品揃えを実現している専門店をいいます。「カテゴリーキラー」の店舗が近くに出店すると、幅広く商品展開しているスーパーなどではそのカテゴリーの商品売り場がなくなってしまうので、「キラー(killer、殺人者)」の名が付いています。1980年代にアメリカで発祥した「パワーセンター」とは、「カテゴリーキラー」が複数店舗集まったショッピングセンターのことをいいます。
「カテゴリーに属する」
「カテゴリー」は動詞の「属する」と一緒に使われることが多い単語です。「〇〇はAのカテゴリーに属する」や、「このシステムは同じカテゴリーに属するものを一覧表示できる」などと使います。「スニーカーとハイヒールは靴のカテゴリーに属する」や、「イチゴは果物のカテゴリーに属するが、キュウリは属さない」などと使います。
「カテゴライズする」
カテゴリーに分類することを「カテゴライズする」といい、「カテゴリーに分ける」と同じ意味があります。英語の「categorise/categorize(カテゴライズ)」は、「分類する」という意味です。
「カテゴリー」を使った例文
「カテゴリー」を使った例文を紹介します。「同じカテゴリーに入る」や「カテゴリーに分ける」は、日常的に登場しますから覚えておきましょう。また、ビジネスシーンでは「カテゴライズする」もよく使われます。
〇〇は同じカテゴリーに入る
「カテゴリー分け」するときには、同じ性質のものを同種として分類します。そしてものを同じ種類に分けることを「同じカテゴリーに入る」と表現します。
- 原材料で分類すると、牛乳とチーズ、バターは同じカテゴリーに入る
- 生息場所を考えると、ペンギンとホッキョクグマは同じカテゴリーに入る
- カブトムシは猫とは違い、動物の同じカテゴリーには入らない
〇〇を〇〇のカテゴリーに分ける
日本語の表現では「カテゴリー」は「分ける」と一緒に使われることも多くあります。また、「〇〇をカテゴリーに分ける」を英語で表現すると、「break 〇〇 into categories」や「divide 〇〇 into categories」となります。日本語の「カテゴリーに分ける」が「ものをすでにある分類に振り分ける」なのに対し、英語では「ものの集団をカテゴリーに分けて入れる」と少々ニュアンスが異なります。
- 取扱商品をカテゴリーに分けて陳列する
- カテゴリーに分けて並べた方が、お客様にとっては見やすい
- ここにあるすべてのものを、カテゴリーに分ける作業をする
カテゴリーの動詞形「カテゴライズ」を使った例文
ビジネスシーン、とくにかしこまった場所では「カテゴリーに分ける」よりも「カテゴライズする」が使われる傾向があります。使えるようにしておくと、「仕事ができる」雰囲気を演出できます。
- 商品を形ではなく、色でカテゴライズする
- ここにある書類を〇〇でカテゴライズする
- カテゴライズした情報をまとめてお伝えします
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回はカテゴリーについて解説しました。
カタカナ語の「カテゴリー」には「範疇」や「分類」、「種類」の意味があり、それぞれに言い換えることもできます。「カテゴリー検索」や「カテゴリー化」、「カテゴリーキラー」など「カテゴリー」にほかの単語をくっつけた表現も一般的に使われています。例文とともに覚えておいて、ビジネスの現場で使えるようにしておきましょう。
最後に「カテゴリー」のまとめです。
- 「カテゴリー」とは、同じ種類のものが属している範疇や分類、種類のことをいいます。
- カタカナ語の「カテゴリー」の由来は、英語の「category」です。
- カタカナ語の「ジャンル」にもカテゴリと同じ「区分」や「種類」の意味がありますが、芸術分野に限定されている点が異なります。
- 「カテゴリー」の類義語は「範疇」「分類」「種類」です。
- 英語の「category」は名詞で、カタカナ語と同様に部門と区分、種類、範疇の意味があります。