「特記事項」の意味を知っていますか?書類を書くときによく目にする「特記事項」ですが、使い方を間違ってしまうと書類送付先にイヤな印象を与えてしまうことも。ここでは「特記事項」の意味や履歴書、確定申告などでの書き方の例文を紹介します。
「特記事項」の読み方
「特記事項」は「とっきじこう」と読みます。文書に文字として記載されていることが多い言葉ですので、正しく読めるようにしておきましょう。
「特記事項」の意味とは?
「特記事項」は「特別に記すべきこと」という意味。「特記」は「重要なこととして特別に書くこと」を意味していて、「事項」は「ものごとのひとつひとつの事柄」を意味しています。意味を理解していないと、そこに何を書いてよいのかわからなくなってしまいますので、「特記事項」の意味は頭に入れておきましょう。
「特記事項」と「備考」の違い
「特記事項」と「備考」の違いは「重要度」です。「特記事項」は「重要な情報であるため、特別に書き記すもの」であるのにたいして、「備考」は「参考程度に付け加えるもの」です。どれもメインの内容に「付け加えて書く」ものなので混同しがち。しかし、意味を混同したままにしてしまうと書類を見るひとが勘違いしてしまいます。「特記事項」と「備考」の違いはしっかり覚えておきましょう。
「特記事項」の類語・言い換え
ここでは「特記事項」の類語・言い換えを紹介します。「特記事項」と書いてあるはずの欄は言い換え表現で書かれていることもあります。また、口頭では「特記事項」ではなく違う表現をする場合も。こんなときに意味がわからないようでは問題があります。社会人として恥ずかしいミスをする前に、「特記事項」の類語・言い換えは押さえておきましょう。
「特記事項」の類語1「特筆事項」
「特記事項」の類語1つ目は「特筆事項」です。「特筆」とは「特にとりたてて書くこと」を指しており、「特記」とほぼ同じ意味を指しています。しかしながら、厳密には「特記」のほうが重要度は高いです。
特筆事項がございましたら、裏面の欄にお書きください。
「特記事項」の類語2「注目すべき事項」
「特記事項」の類語2つ目は「注目すべき事項」です。「注目」とは「注意してみること」「関心をもってみること」です。よって、「注目すべき事項」とは「注意・関心をもってみてもらいたいこと」という意味。
注目すべき事項は、あのチームが大金星をあげたことだ。
「特記事項」の類語3「着目すべき事項」
「特記事項」の類語3つ目は「着目すべき事項」です。「着目」とは「特に注意・関心を向けてみる」という意味。よって、「注意すべき事項」と「着目すべき事項」は非常に似た意味をもっています。
着目すべき事項は彼が3年間アメリカに住んでいたことだ。
「特記事項」の書き方と例文
「特記事項」の書き方に迷ったことはありませんか?さまざまな書類があるなかで「特記事項」の欄に書くことを迷うひとは非常に多いです。ここでは「特記事項」の書き方と例文をそれぞれの書類ごとに解説。これを読めば、これから「特記事項」の書き方や書く内容に迷うことはありません。いざというときのために、ぜひ覚えておきましょう。
履歴書における「特記事項」の書き方
履歴書における「特記事項」の書き方は「自己アピールや希望を書く」です。たとえば「資格」「得意分野」「希望の配属」などを書きます。履歴書はフォーマットが決まっており、「特記事項」をかける範囲が決まっているため、自分が書きたいことをできるだけ簡潔に書くことが重要です。
〇〇という資格を保持しているため、それを活用できる〇〇の配属を希望します。
職務経歴書における「特記事項」の書き方
職務経歴書における「特記事項」の書き方も「自己アピールや希望を書く」です。履歴書と同じように「資格」や「希望の配属」を書くのですが、履歴書の「特記事項」とは違う点があります。それが「フォーマットがないため特記事項の範囲が決まっていない」こと。書こうと思えばいくらでも書けますが、「特記事項」とはあくまで「特別にとりたてて書く事柄」です。あまり長くなりすぎないように注意しましょう。
報告書における「特記事項」の書き方
報告書における「特記事項」の書き方は「共有したいことやその日のポイントを書く」です。たとえば「提案」「反省点」などを書きます。特に書くことがなかったとしても、なんらかを「特記事項」として書いたほうがいい印象を与えられます。
ホワイトボードのペンのインクがなくなりつつあるので発注しておきました。
確定申告における「特記事項」の書き方
確定申告における「特記事項」の書き方は「特別書くことがあれば書く」です。確定申告における「特記事項」は基本的に書くことはありません。しかしながら、なんからの理由によって提出が遅れるなどがある場合には「特記事項」にその理由を書きます。
新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請
書くことがない場合の「特記事項」の書き方
書くことがない場合における「特記事項」の書き方は「何かしらは書いたほうがいい」です。「特記事項」の欄がわざわざ設けられている場合はできれば埋めるようにしましょう。特に、履歴書における「特記事項」においては空欄にすることが嫌われています。それでも書くことがない場合には「特になし」「特にありません」「貴社規定に従います」などと書き、決して書き忘れではないことを伝えましょう。
「特記事項」を書くときの注意点
「特記事項」を書くときには注意が必要です。注意点に気をつけて「特記事項」を書かないと、書類を受け取ったひとにマイナスのイメージを与えてしまうことも。ここでは「特記事項」を書くときの注意点を紹介します。しっかりと注意点を意識することによって、書類を受け取った相手に「特記事項」でアピールできるようになりましょう。
「特記事項」にメイン情報は書かない
「特記事項」の注意点1つ目は「メイン情報は書かないこと」です。「特記事項」はあくまで「特にとりたてて重要なことを書き記す」というもの。メイン情報は「特記事項」に書かないようにしましょう。どれがメインでどれが補助的な内容なのかの区別は個人によりますが、できるだけ一般的な価値観に合わせるようにして「特記事項」を書くことを意識するのが大切です。
「特記事項」は短く簡潔に
「特記事項」の注意点2つ目は「短く簡潔に書くこと」です。ひとつの文章が長くなってしまうと読者に内容が伝わりにくいです。そのうえ、主語と述語の関係を間違えやすくなってしまいます。「特記事項」を書くときには「文章を短く簡潔に書くこと」を意識しましょう。
「特記事項」がすべて叶うわけではない
「特記事項」の注意点3つ目は「書いたことすべてが叶うわけではないこと」です。「特記事項」はあくまで「自分の希望」を書く欄。書類は通ったものの、「特記事項」に書いたことが反映されていないことはよくあります。「特記事項」に「希望」を書く際には、「すべてが叶うわけではない」ことを肝に銘じておきましょう。
「特記事項」を英語でいうと?
「特記事項」を英語で表現できますか?「特記事項」の英語を知らないと、海外の書類を書くときに困ってしまいます。ここでは「特記事項」と「特記事項なし」の英語でのいいかたを紹介。身に付けることで海外の書類もお手のものになりますよ。一流のビジネスマンになるためにぜひ覚えておきましょう。
「特記事項」の英語表現
「特記事項」を英語でいうと「special notes」や「notification」となります。英語で書かれている書類でこのような英語の欄があれば、書類の用途に合わせて「特記事項」を書くようにしましょう。以下は英語での「特記事項」の例です。
I’m a certified financial planner.(私はファイナンシャルプランナーの資格を持っています。)
「特記事項なし」の英語表現
「特記事項なし」を英語でいうと「nothing special」となります。「特記事項」を空欄のままにするのは推奨できませんが、どうしても書くことがないのなら「nothing special」とだけは書いておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は特記事項について解説しました。
「特記事項」は「特にとりたてて書くこと」という意味です。履歴書や報告書、確定申告などに「特記事項」の欄があります。決してメインの内容を書くものではなく、「サブ的な内容ではあるが大事なもの」を書きます。「特記事項」に何を書くかは書類によって違いますが、どれもあまり文章が長くならないように気をつけましょう。
最後に「特記事項」のまとめです。
- 「特記事項」は「とっきじこう」と読みます。
- 「特記事項」は「特別に記すべきこと」という意味です。
- 「特記事項」と「備考」の違いは「重要度」です。
- 「特記事項」の類語は「特筆事項」「注目すべき事項」「着目すべき事項」です。
- 「特記事項」の注意点は「メイン情報は書かないこと」「短く簡潔に書くこと」「書いたことすべてが叶うわけではないこと」の3つです。
- 「特記事項」を英語でいうと「special notes」や「notification」となります。「特記事項なし」を英語でいうと「nothing special」となります。