「自主性」という言葉、一度は聞いたことがありますよね。社会人にとって自主性を持って仕事に取り組むことは大切なことです。今回は、自主性の意味や、 類語や英語表現・対義語に加え、「主体性」との違いについても解説します。
「自主性」の意味とは?
「自主性を持って行動しなさい。」誰もが一度は言われたことがある言葉ではないでしょうか。学校の勉強や部活、職場などの集団で物事を行う際に必要なスキルであることは確かです。ここでは「自主性」の意味について詳しく解説します。「自主性」が備わっていることはどういうことなのか深掘りしていきましょう。
「他からの干渉を受けずに、独立して事を行う態度」を指す
「自主性」とは、他人から指示を受けることなく自分で考えて行動する態度のことを指します。「自主」という言葉からもそのイメージが伝わるように、「自分から主になって行動する。」というニュアンスが含まれます。誰かから褒められるときに「君は自主的に動けるからいいね。」と言われたり、就職面接の自己 PR の際に「私は自主性があります。」というように使われたりすることが多いです。すなわち、この言葉にはプラスのイメージが備わっています。
「自主性」を引き出すのは教育現場でも課題
子供たちの「自主性」を引き出すのも、教育現場において重要な仕事です。一昔前の教育では、先生が命令したことを生徒が行うというように、トップダウン型の授業が主流でした。一方最近の授業では、グループになって問題集を解いたり、子供たち同士勉強を教えあったりすることで自主性を育んでいます。従来のトップダウン型の授業では子供たちが自分で考えることをやめてしまうばかりか、子供達の好き嫌いによって、モチベーションが大きく左右されます。
一方、子供たちが主体的に授業を進めていくことで、嫌いな科目であっても周りとの人間関係の中で責任感が生まれ、やりがいをもって勉学に励むようになります。 勉強だけではなくすべての物事において、自主性をもって取り組むことは自分にも周囲にも非常にメリットがあることなのです。
「自主性」の類義語・言い替え
これは「自主性」の類義語屋言い換え表現を紹介します。自主性という言葉とこれから紹介する類語表現において共通する性質は、「自発性」です。周囲からの働きかけは関係なく、自分の内から出てくる意思によって自らの態度を決定しています。こういった態度で物事に取り組むことは非常に望ましいことです。
「自立心」
「自立心」とは、「他の力や支配を受けずに、自力で物事をやっていこうとする心構え」を指します。「自主性」は、周りから指示を受けることがあってもその指示をもとに次の自分が取るべき行動を決めていくという態度を指します。一方「自立心」という言葉は、周りから指示を受けるような環境からも抜け出してしまう態度を指します。会社や学校などの社会集団に所属しない態度ともいえるでしょう。自主性を高めた先に自立心が芽生えた場合、将来大きなことを成し得る可能性を秘めているかもしれません。
「独立心」
「独立心」とは、「他人に依存しないで独り立ちしようとする心」のことを指します。その意味は「自立心」と同じであり、特に使い分けもありません。「自主性」「自立心」「独立心」これらは、「自発的な心」がその根幹にある言葉であると言います。
「自主性」の対義語
「自主性」の対義語にはどのようなものがあるでしょうか。「自主性」の言葉の意味をもとに対義語を深掘りしていきましょう。
「受動性」
「受動性」とは、「他からの働きかけを受け入れる性質」のことを指します。ビジネスシーンにおいて受動的であると捉えられるのは、「指示待ち」になっているときです。職場に入ったばかりで本当に右も左も分からない時は指示待ちになることも仕方がないですが、ある程度仕事の要領を掴んだら自分で考えて物事を進めていく態度が求められます。つまり、受動性よりも自主性の方が社会人としては喜ばれる態度になります。
「協調性」
「協調性」とは、「利害関係の異なる者同士か協力し合うこと。」を指します。「自主性」という言葉は「自分一人で物事を遂行していく」というニュアンスが強いです。一方「協調性」という言葉は「周囲と力を合わせて物事を遂行していく」というニュアンスの言葉になります。 ビジネスシーンにおいては、自主性はもちろんのこと協調性も求められることは多々あります。ポイントとなるのは「利害関係の異なる者同士」という点です。同じオフィス内にいても利害関係が一致しないことは日常茶飯時です。そんな中お互いにメリットを享受できる仕事の進め方を提案するといった歩み寄る姿勢が大切になります。
「自主性」と「主体性」と「積極性」の違い
「自主性」と「主体性」と「積極性」は非常によく似た言葉です。3者とも自発的に物事を進めていこうとする態度を表しています。ではこの3つの言葉の違いはどこで生まれているのでしょうか。ポイントは「仕事に対する取り組み方」にあります。 はじめに「自主性」と「主体性」の言葉の違いを紹介した後、次に「自主性」と「積極性」の違いについて詳しく解説します。さっそく見ていきましょう。
「自主性」と「主体性」の意味の違い
「自主性」と「主体性」の間にはどのような違いがあるのでしょうか。この2つを分けるのが「物事に対する取り組み方」です。 「自主性」という言葉は物事に対して積極的に取り組んでいる態度にフォーカスが置かれています。一方「主体性」という言葉は、自ら考えて判断し物事を進めていくという「意思」にフォーカスが置かれています。似たような意味の言葉ですが、「態度」と「意思」で表現したい特徴が若干異なることを動いておきましょう。
「自主性」と「積極性」の意味の違い
「自主性」と「積極性」の違いは、物事を始めるきっかけの独立性にあります。積極性の意味は「物事に対して高いモチベーションを持って取り組む様子」を指します。つまり、ある物事を自分から始めているというニュアンスはありません。一方「自主性」」は「周囲からの干渉を受けずに、物事を独立して始める様子」を表します。自主性は「0から1」のイメージになりますが、積極性は「1から10」のイメージになります。
自主性がある人の特徴3選
「自主性」がある人はどういった特徴があるのでしょうか。ビジネスシーンを例に、その代表的な特徴を3つほど紹介します。仕事をする上で「自主性」を持っていることは好まれる性質であるため、積極的に取り入れていきましょう。
「物事に率先して取り組む」
自主性がある人は「物事に対して率先して取り組む」傾向があります。分からないことがあったら積極的に聞いたり、すでに教えてもらったことは空気を読んで先回りしたりして仕事を円滑に進められるよう努めます。ポイントとなるのは、指示を受けずに仕事を進められるようになるために、不安なポイントや疑問な点は積極的に質問していることです。情報を自分から取りに行く姿勢を持つ人は、自主性がある人の典型例であるといえます。
「臨機応変に対応できる」
自主性がある人は、思いもよらないトラブルに対しても臨機応変に対応できる可能性が高いです。その理由は、すでにトラブルの対応の仕方や対処方法を知っている人の情報を仕入れていることが多いからです。自主性がある人は普段から積極的に周囲の人とコミュニケーションをとっています。そのため、あらゆる物事にかんして次にどういう行動をとったらよいかという判断材料を豊富に持っています。このことから、自主性をもって周囲の人と積極的にコミュニケーションをとることの大切さがうかがい知れます。
「相手のニーズを汲み取っている」
自主性のある人は相手のニーズを汲み取るとことも得意です。仕事に対して自主的に取り組んでいるため、自分が仕事を依頼されたときにその仕事で最も求められていることは何かを普段から考えている傾向があります。言われたことをただ遂行するだけでなく、自分が仕事をすることによる付加価値をつけようと努力します。この取り組み方は自主性というよりも主体性に近いところはありますが、自主性がある人は主体性も持っていることがほとんどです。
「自主性」を英語でいうと?
「自主性」を英語で表現すると「autonomy」となります。 「自主性」以外にも、「自立性」「主体性」などもこの英単語で表現することが可能です。 また自主性が全くない人のことを「He is mere machine.」で「彼は自主性がまったくない人間に過ぎない。」のように表現し、「machine」(機械)という英単語を使って表現することもできます。
「自主性」の使い方と例文集
最後に「自主性」の使い方と例文について紹介します。この言葉を使うタイミングについてさっそく見ていきましょう。
「自主性」の使い方
「自主性」という言葉の使い方は、人の性質を表現するときに使います。また、自主性という言葉はプラスの意味を持つ言葉で、相手に対してよい評価をするときに使うことが多いです。そのため逆にいえば、「自主性がない」といった表現はマイナスの意味の言葉になるので注意しましょう。
「自主性」の例文
「自主性」を使った例文を紹介します。
- すべて型にはめ込んで、自主性を奪うことにならないよう注意すべきだ。
- 彼女にもう少し自主性があればさらによい人材になる。
まとめ
「自主性」という言葉は、「他からの干渉を受けずに独立したことを行う態度」を指します。「主体性」との使い分けは、仕事に対する取り組み方において「態度」にフォーカスを当てたい場合は「自主性」を「意思」にフォーカスを当てたい場合は「主体性」を使うようにしましょう。自主性を持って仕事を取り組むことはビジネスシーンに求められる態度です。自主的に仕事を進められるとより価値の高い人材になるでしょう。