やむを得ないの意味とは?仕方ないとの違いや使い方・例文・類語も紹介

「やむを得ない」の意味とは?「仕方ない」との違いや使い方・例文・類語も紹介
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よく使われる「やむを得ない」という言葉ですが、似ている言葉も多く使い方に迷う人もいるでしょう。また「やむおえない」と思っている人も少なくありません。「やむを得ない」とは、どんな意味で、どんな場面で使えばよいのかを類語も含めて紹介します。

目次

「やむを得ない」の意味とは?

「やむを得ない」の意味とは?

ビジネスシーンや普段の生活の場で耳にする「やむを得ない」という言葉には、どんな意味が含まれるのでしょうか

よく使われる言葉ですが、正確な意味を把握していない人も少なくないでしょう。「やむを得ない」には、似ている意味を持つ類義語もあり、意味を勘違いして使ってしまうと意図している表現と異なって伝わる恐れもあります。

正しい意味で「やむを得ない」を覚えられるように解説していきます。

意味1.仕方がない

「やむを得ない」には、「どうすることもできない」という意味が含まれます

どうにかすることも叶わず「仕方がない」という状況を表現する言葉です。

意味2.方法がない

「やむを得ない」には、「そのようにするしかない」という意味合いもあります

ほかのやり方も選べず「そうするしか方法がない」状況を表現する言葉として用いられます。

意味3.諦めるしかない

「やむを得ない」には、「諦めるしかない」という意味も含まれています

納得はできないが事情により「諦めることしかできない」状況であることを表現する言葉です。

参照:Weblio辞書「やむを得ない」

「やむを得ない」の読み方や漢字は?

「やむを得ない」の読み方や漢字は?

「やむを得ない」は、どう読めばよいのでしょうか

また「やむを得ない」は、「止む得ない」・「已む得ない」・「やむえない」で表記されている場合があります。

「やむを得ない」の読み方や使われる漢字について解説していきます。

「やむをえない」と読む

「やむを得ない」は、「やむをえない」と読みます

通常は「やむを得ない」と書く場合が多いですが、もともと使っていた漢字や後に一般的に使うようになった漢字が存在します。

漢字1.已むを得ない

「やむを得ない」の「やむ」には、「(続いていたものが)とまる」や「(継続してきたものが)終わる」などの意味があります。

「やむ」には、「已む」の漢字があてられており「已むを得ない」が正しい漢字での表記です

漢字2.止むを得ない

「やむを得ない」の漢字表記には、「已むを得ない」のほかに「止むを得ない」と書かれている場合があります

理由は「已む」という漢字が常用漢字ではないためで、現在は「やむ」を漢字表記する場合は「止むを得ない」書くのが一般的です。

「やむを得ない」の由来・語源は?

「やむを得ない」の由来・語源は?

「やむを得ない」の言葉には、どんな由来や語源があるのでしょうか

「やむを得ない」について由来・語源を解説します。

やむない

「やむを得ない」の語源を知るには、「やむない(已むない)」という言葉について知る必要があります

一般的に「已む」は、「中止する」や「(そこまでで)やめる」の意味がある言葉です。この意味であれば「止む」という漢字で書けば問題ありません。

しかし、「已むない」の「已む」は、「そうはせずにすむ」ことを表現しています。「已む」を使うことで、ただ単に「止める(とめる)」や「止める(やめる)」ではない表現・意味を加えたのです。

「已む」が「そうせずにすむ」を表現し、「ない」でそれを打ち消します。まとめると「已むない」とは、「そうせずにすむ、(こと)ができない=しかたない」を表現しているのです。

「やむない」が転じて「やむを得ない」

「やむ(已む)ない」が「そうせずにすむ、ができない」を表していると解説しました。「やむ(已む)を得ない」は、そこから転じて「そうせざるしかない」を表現する言葉となったのです

「止むを得ない」を使う場合は、漢字が意味する「中止する、(こと)ができない」の表現が可能になります。

「やむを得ない」の類義語・言い換え

「やむを得ない」の類義語・言い換え

「やむを得ない」と似ている意味を持つ言葉、類義語や言い換えはあるのでしょうか

「やむを得ない」の類義語・言い換えの言葉について解説します。

方法がないという意味の類語

「やむを得ない」の持つ「方法がない」と同等の意味の類義語はいくつかあります

「余技(よぎ)なし」には、「ほかになすすべがない」という意味があるので、「やむを得ない」の類義語といえるでしょう。

「致し方(いたしかた)ない」も「ほかによい方法がない」などを表現するときに使われる言葉です。「方法がない」ことを示すので、「やむを得ない」の類義語になります。

諦めるしかないという意味の類語

「諦めるしかない」という意味を持つ「やむを得ない」の類義語には、「否応なしに」が当てはまるでしょう

「否応(いやおう)なしに」には、「有無を言わせない」の意味があり、「飽きらめるしかない」と同等の意味になります。

「否応なし」の意味として挙げた「有無を言わせず」も「否応なし」と同じ意味で、「やむを得ない」の類義語といえるでしょう。

「やむを得ない」の言い換え

「やむを得ない」の言い換えには、「やむを得ない」の「仕方ない(しかたない)」の意味を持つ言葉が使えます

「詮方(せんかた)ない」は「仕方ない」の意味を持つので「やむを得ない」の言い換え表現といえます。

「如何(どう)しようもない」も「どうすることもできない=仕方ない」の意味があるので「やむを得ない」の言い換え表現です。

「やむを得ない」と「仕方がない」の違い

「やむを得ない」と「仕方がない」の違い

意味や言い換え表現のところで解説したとおり、「仕方がない」は「やむを得ない」と同じ意味です

一般的に「仕方がない」は日常でよく用いられる言葉で、「やむを得ない」よりも気軽な場で使われます。

「やむを得ない」の反対語

「やむを得ない」の反対語

「やむを得ない」には、「ほかに選択肢がない」の意味が含まれるので、反対の「選択肢がある」という意味の言葉が対義語です

「やむを得ない」には複数の意味が含まれるため、一部の意味しか持たないため「選択肢がある」では厳密には反対語や対義語とはいえません。

また、「やむを得る」や「やむあり」などの言葉は使われません。「やむ(已む)」で「そうぜずにすむ」と表現しているので「(を)得る」で「できる」と表現すると2重の肯定となるからです。

「やむを得ない」の使い方と例文

「やむを得ない」の使い方と例文

「やむを得ない」は、どのような場合に使えるのでしょうか

「やむを得ない」の使い方や具体的な例文を解説していきます。

「やむを得ない」の使い方

「やむを得ない」は、ある事象が容易には変えられない理由で未達成となるときなどに使われます

「やむ(止む)」の意味の「続いてきたことが止まる」ことを避けられない状態です。

変えられない理由には、「(自分ではどうすることもできない)不可抗力の事態」が当てはまります。

「やむを得ない」の例文

「やむを得ない」を使う場合の具体的な例文は書きになります

例文
  • 会議に出るべきなのはわかっているが、やむを得ない事情により欠席するしかない。
  • 完成間近になって、やむを得ない理由で研究が頓挫した。
  • やむを得ない事情ではあるが、友人の結婚式に出席できないのは残念だ。
  • 天候が崩れたため、作業が一旦停止となるのはやむを得ない。

上記のように「やむを得ない」は、ビジネスの場や公の場で使用するのが一般的な言葉です。

まとめ

「やむを得ない」という言葉は、ビジネスシーンでもよく使われる言葉です

社会に出ると目上の方からの誘いを断る場合や、なにか弁解をする必要があるときに「やむを得ない」を使う機会があります。きちんと言葉の意味を理解していないと、上司など目上の方に対して間違った使い方をするケースもありますので注意しましょう。

社会人として、「やむを得ない」は使えて当たり前といえる言葉なので、早めに知識として身につけましょう。

「やむを得ない」の意味とは?「仕方ない」との違いや使い方・例文・類語も紹介

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