「主体的」な考え方やこれに基づく行動は、会社で仕事を行っていく上でとても大切な極めて基本的な考え方です。「主体的」という言葉の使い方や同じような意味の言葉、反対の意味の言葉、更に英語での言い方について解説していきます。
「主体的」の意味
広辞苑を参照しながら「主体的」の具体的な意味を解説していきましょう。
「主体的」を広辞苑では?
ある活動や思考などをなす時、その主体となって働きかけるさま。他のものによって導かれるのでなく、自己の純粋な立場において行うさま。「―な判断」「―に行動する」 (→)主観的に同じ。
「主体的」の意味とは
広辞苑の内容をより具体的に解釈すると以下の通りです。「主体的」の意味とは何らかの活動や思考を始める場合に、他の人から言われることなく自らの判断基準に基づき着手し活動や思考を開始することを言います。活動や思考の中身の良し悪しについては何ら規定するものではありません。
「主体的」の語源
「主体的」の「主体」という言葉はギリシャの哲学者アリストテレスによってその基礎を作り上げた形而上学の中で初めて使われた表現です。
「主体的」の使い方・例文
「主体的」の使い方や表現方法について例文を含めて紹介していきましょう。
「主体的」のいくつかの表現方法
「主体的」と他の言葉を組み合わせて「主体的に取り組む」「主体的に行動する」「主体的に考える」などよく使う表現があります。 いずれの表現も自ら率先して、自分のこととして考え取り組んでいく姿勢を表しています。
「主体的」の使用例
それぞれの使用例を紹介していきます。
「主体的に取り組む」は自ら率先して、物事に取り組む姿勢を表しています。
あの議員は、地域の問題に常に主体的に取り組んでくれるため安心して任せられます。
「主体的に行動する」は、自ら率先して、行動を起こす姿勢を表しています。
彼は生徒会長として、主体的に行動する姿は生徒の代表として実に頼もしい限りです。
「主体的に考える」は、自ら率先して、考える姿勢を表しています。
我々は、全員が自分事として主体的に考えてきたからこそ成しえたと思います。
「主体的」の類義語・言い換え
「主体的」と似た表現に「積極的」「自主的」「能動的」があります。夫々同じような意味にも思われがちですが異なります。使い方について1つずつ解説していきますので、この場でしっかりと理解して使い分けができるようにしていきましょう。
「積極的」とは?
物事に対して自ら進んで精力的に取り組んでいこうとする姿勢と行動を指していいます。周囲から見たときに「やる気」が感じられ、好感の持たれる姿勢と行動です。反意語は「消極的」です。
- 社内の新プロジェクトにおける彼の取り組み姿勢は非常に積極的で他のメンバーにプラスの影響を与えている。
- 「社内の新プロジェクトにおける彼の取り組み姿勢は自ら率先して精力的に取り組んでいこうとする姿勢と行動から他のプロジェクトメンバーにプラスの影響を与えている。」
- 会議の場では常に積極的に意見を述べる姿勢が必要だ。
- 「会議においては常に前向きで積極的な意見を述べる姿勢が求められます。」
「自主的」とは?
周りの人からの働きかけなどに関係なく、自ら進んで物事を行うことを指します。周りの人を頼ったり、まきこんだりすることなくあくまで自分が主体で進めていこうとする姿勢です。
- 私たちは自らの体調管理のため常日頃から自主的に運動する習慣を身につけていなければならない。
- 「私たちは自らの体調管理のため人からの働きかけに関わりなく、自ら進んで運動する習慣を身につけなければならない。」
- 生徒の自主的な行動がクラスにおける討議を活性化させる。
- 「生徒自身が夫々、自ら進んで各種の行動を行う事がクラスにおける討議を活性化させる。」
「能動的」とは?
物事を行う場合に自分から他人に働きかけを行うことです。反意語は「受動的」です。
- 求められるのは受動的な姿勢になることなく常に能動的に行動できる人材だ。
- 「会社の人材として要求されることは言われたことのみやるような受け身の姿勢になることなく、常に自分から他人に働きかける行動のできる人材だ。」
- 事業の運営において、経営企画室は常に能動的に関連部門を巻き込んでいくことで目標達成しようとする姿勢が求められる。
- 「会社における事業運営において、経営企画室は常に関係部門への働きかけを行い巻き込んでいくことにより事業の運営を主導し目標達成しようとする姿勢が求められる。」
「主体的」の対義語
「主体的」の反対の意味の言葉に「受動的」「従属的」があります。夫々解説していきましょう。
「受動的」の意味
ある行動や思考において自らの意思以上に他からの影響を多く受けて行う様をいいます。
- 彼女の行動は常に彼からの影響を強く受け受動的だ。時には主体的な行動をすべきだと思う。
- 「彼女の行動は常に彼からの影響による受け身の姿勢で自らの考えが感じられない。時には自らの考えに基づき行動すべきだ。」
「従属的」の意味
ある行動や思考において自らの意思以上に他人に依存して、これに従う様をいいます。
- 彼はいつもクラス内のグループリーダーの指示に従属的にしか行動できていない。もっと自らの意見をいうべきだ。
- 「彼はいつもクラス内のグループリーダーに依存して、グループリーダーの指示に従ってしか行動できていない。もっと自身の考えを主張すべきだ。」
「主体的」の英語表現
「主体的」と同じような意味を持つ英語表現「 independent-minded」「self-directed」「self-reliant」を解説していきましょう。
independent-minded
「 independent-minded」はindependent「独立した」とminded「精神を持った」が1つの言葉都内「精神を持った」「自立的な考えを持った」という意味を表しています。
He became independent‐minded man through his school life. (彼は学校生活を通して、自立精神を身につけられた。)
self-directed
「self-directed」はself「自ら、自身で」とdirected「方向性を決める」が1つの言葉となり「自ら方向性を決める」「自立的な」という意味を表しています。
He became independent‐minded man through his school life. (彼は学校生活を通して、自立精神を身につけられた。)
self-reliant
「self-reliant」はself「自ら、自身で」とreliant「依存している」が1つの言葉となり「独立独行の」という意味を表しています。
All people have to be self-reliant after they graduate the school. (学校を卒業したのちに全ての人は自立して何でも自分でできるようにならなければなければならない。)
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は主体的とはについて解説しました。
「主体的」とは他者からいわれることなく、自らの考えに基づいて行動することです。 皆さんが社会人として会社の中で仕事を行っていくうえで、最も重要な考え方の1つです。 会社は組織として成果を上げていきますが、そのために必要なものは社員1人1人の個性です。夫々の社員が、他の社員に迎合したりすることなく異なる個性を持った社員が自ら主体的に考え、行動することで会社としての成果に結び付いていくことを理解しなければなりません。自分は、会社で何を成しえたいのか、はっきりとした目標と目的意識を持つことが「主体的に行動する」起点となります。
最後に「主体的」のまとめです。
- 他の人から言われることなく自らの判断基準に基づき着手し活動や思考を開始することを言います。
- ギリシャの哲学者アリストテレスによってその基礎を作り上げた形而上学の中で初めて使われた表現です。
- 「主体的に取り組む」「主体的に行動する」「主体的に考える」などよく使う表現があります。
- 「主体的」と似た表現に「積極的」「自主的」「能動的」があります。
- 「主体的」の反対の意味の言葉に「受動的」「従属的」があります。
- 「主体的」と同じような意味を持つ英語表現は「 independent-minded」「self-directed」「self-reliant」です。