カタカナ語の「サブスクライブ」は、インターネットで提供される、定額の使い放題サービスを指しています。もともとは文章で合意することをいい、300年以上も前から定期購入の意味でも使われています。この記事では、「サブスクライブ」の語源・由来やITでの使い方、「サブスクリプション」との違いや類義語・対義語について解説します。
「サブスクライブ」の意味とは?
「サブスクライブ」とは英語動詞「subscribe」が由来のカタカナ語です。「subscribe」は「雑誌などの定期購読をする」ことを指しています。日本で「サブスクライブする」とは「主にインターネットで提供されるサービスを、一定の期間、定額で使い放題で利用する」ことをいいます。
サブスクライブの意味は「インターネットの定期・定額サービス」を指すのが一般的
カタカナ語の「サブスクライブ」は現在ではインターネットで提供される、定額の使い放題サービスを指しています。「Spotify」などの音楽ストリーミングや、「Netflix」などの動画配信、「dマガジン」などの雑誌や本の読み放題などさまざまです。近年は家具や服、コスメなどを毎月定額でレンタル、または利用できるサービスにも広がっています。
サブスクライブの歴史・背景
継続してものを買う定期購入、定期購読のビジネスモデルは、300年以上前からありました。「subscribe(サブスクライブ)」はもともとは「書類で合意してお金を払う」の意味があり、そこから「定期購入」を指すように。牛乳配達や月極めで利用するフィットネスクラブを利用することも「subscribe」にあたります。
「サブスクライブ」の語源・由来
カタカナ語「サブスクライブ」の語源は、英語の「subscribe」です。「署名する・書く」、「寄付する」、「予約購読する」などの意味があり、「了承してお金を払う」ことを意味します。また、「subscribe to(代)名詞」で賛成する・同意する、「subscribe for(代)名詞」で(株式などを)申し込む、という意味があります。
「サブスクライブ」の類義語・言い換え表現
「サブスクライブする」の類義語は「定額制を利用する」や、「定額制サービスを契約する」です。また、「サブスクリプション(方式)を利用する」とも言い換えられます。
「サブスクライブ」の対義語・反対語
「サブスクライブ」の対義語や反対語には「買い切り」と「従量制」、「アンサブスクライブ」があります。「買い切り」と「従量制」も「サブスクライブ」同様に契約をして料金を払いますが、支払方法は違います。また、「アンサブスクライブ」は「サブスクライブ」の否定形です。
①買い切り
「買い切り」とは、「一回ですべてを買い取る」ことをいいます。どちらも契約して利用しますが、支払方法が異なります。たとえば音楽のストリーミングサービスを利用することは「サブスクライブする」で、ダウンロード購入することは「買い切りを利用する」です。
②従量制
「定額制」の反対語としてあげられるのが、「従量制」です。「従量制を利用する」や「従量課金する」とは、「利用時間や使った量によって料金を払う」ことをいいます。利用しなければ料金が発生しない「完全従量制」のほか、水道や電気料金のように基本料金に利用分の料金が加算されるものも。後者は細かくは定められた期間ごとに請求額上限がある「従量課金上限制(キャップ制)」や基本料金にある程度の利用料金を含む「定額従量制」などの方式があります。
③アンスクライブ
「アンサブスクライブする」とは、「サブスクライブをやめる」です。打ち消しの「un」+「subscribe」で、「定期購入をキャンセルする」や「登録を取り消す」を意味します。また、「キャンセル(する)」も同じ意味で使えます。
「サブスクライブ」と似た言葉との違い
「サブスクライブ」に似た言葉には「ライセンス方式」と「サブスクリプション」があります。「ライセンス方式」はソフトウェアを買い切りで購入することで、「サブスクライブ」とは異なります。「サブスクライブ」は英語の動詞、「サブスクリプション」は名詞が由来のカタカナ語でほぼ同じ意味を持ちます。
「サブスクライブ」と「ライセンス方式」の違い
「ライセンス方式」とはソフトウェアの利用権を買い切りで購入することをいいます。「ライセンス方式」では1度購入すればずっと使えますが、ソフトウェアがバージョンアップすると、また新しく買い直さなくてはならないデメリットも。高額なソフトウェアなら、数万から十万程度かかります。一方「サブスクライブ」でソフトウェアを利用すれば、毎月一定額を支払う必要はあるものの常に最新バーションを利用できます。短期間だけ利用するときは、「ライセンス方式」よりも安く済む場合も多いでしょう。
「サブスクライブ」と「サブスクリプション」の違い
英語の「subscription(サブスクリプション)」は「雑誌の年間購読や予約購読」を指す名詞で、「subscribe(サブスクライブ)」は「定期購入する」を意味する動詞です。 「名詞」か「動詞」かの違いなので、意味はほとんど変わりません。英語圏では購入済みの利用権には「subscription」、利用権をこれから買うときは「subscribe」を使います。「Subscribe or renew your subscription」とは、「新規購読または購読延長がおすすめです」を意味します。また、日本の「サブスクリブション方式」とは、ソフトウェアなどの利用権を一定期間で販売することをいいます。
「サブスクライブ」の各ITサービスごとの意味と使い方
ネットサービスを利用していて、「サブスクライブ」の文字を見かけた方もいるのではないでしょうか。「YouTube(ユーチューブ)」と「Steam(スチーム)」、「Twitch(ツイッチ)」の「サブスクライブ」は、それぞれ違うサービスを指していることを知っておきましょう。
YouTube(ユーチューブ)
YouTube(ユーチューブ)を利用していると、「サブスクライブ」の文字を見かけることは多いでしょう。YouTubeの「サブスクライブ」とはチャンネル登録のことです。登録したチャンネルの新規動画がアップされると、トップページの目立つ位置に表示されるようになります。YouTubeの「サブスクライブ」で料金は発生しないので、「サブスクライブ」本来の意味とは異なりますが、「定期的にそのチャンネルの動画を視聴する」の意味で使われています。
Steam(スチーム)
ゲームやソフトウェア配信のプラットフォームであるSteam(スチーム)では、複数のプレイヤーでゲームの通信対戦をしたり、ソフトウェアの購入やバージョンアップなどをしたりできます。Steamの「サブスクライブ」とは、ユーザーが作ったMOD(改造データ)をゲームに追加することをいいます。MODを追加するとゲーム内のキャラクターやステージの見た目を変化させる、機能のカスタマイズができます。MODの中には、ゲーム性を変化させてより面白くするものも。一方、MODとともにコンピューターウイルスやマルウェアをインストールするおそれもあるので、信頼できる製作者のものを追加しましょう。
Twitch(ツイッチ)
Twitch(ツイッチ)とは、ゲーム実況が誰でもできる動画配信サービスです。動画配信できる点はYouTubeと同じですが、ゲームジャンルに特化しているのが異なります。Amazonが運営しており、日本よりも英語圏の方が人気のあるサービスです。Twitchの「サブスクライブ」とは、「課金してゲーム実況者を支援すること」です。課金して支援する期間は1〜3か月、月々5と10、25ドルから選べます。
英語の「サブスクライブ(subscribe)」の使い方
英語の「subscribe」には、「署名する・書く」と「寄付する」、「定期購読する」の
意味があります。それぞれについて、使い方と表現を紹介します。
署名する・書く
英語の「subscribe」には「署名する・書く」の意味があります。「署名する」はある計画やそれをする人を支持する目的で、賛同する人の名前を集めること。「書く」は嘆願書や契約書などの重要書類に書き込む、内容に同意するの意味で使われます。「subscribe oneself (as)A」は「Aと署名する」、「subscribe one’s name to the contract」で「契約書に名前を書く」になります。
寄付する
「subscribe」には「寄付する」の意味もあります。災害支援や、慈善事業などが対象で、自動詞の「寄付する」と他動詞の「〜を寄付する」の両方に使えます。たとえば「10万ドル寄付する」には「subscribe for 100,000 dollars」の「subscribe 100,000 dollars」の2つの書き方があります。
定期購読する
「subscribe」の3つ目の意味は「定期購読する」です。たとえば「subscribe to a magazine」で「雑誌を定期購読する」、「to subscribe to a publication」は「定期刊行物を購入する」を意味します。
「サブスクライブ」を使った例文集
「サブスクライブ」を使った例文を紹介します。
- 動画配信サービスをサブスクライブしたら、家で映画を観る機会が増えた。
- これまでソフトウェアはライセンス方式で調達していたが、サブスクライブ方式は最新バージョンを常に利用できるのが魅力に感じる。
- YouTubeでお気に入りチャンネルをサブスクライブしているので、毎日YouTubeを開くのが楽しみになった。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、「サブスクライブ」の意味や使い方、語源、類語、対義語、各ITサービスごとの使い方、英語表現、例文、について解説しました。
最後に「サブスクライブ」のまとめです。
- 「サブスクライブ」は英語動詞「subscribe」が由来のカタカナ語です。「主にインターネットで提供されるサービスを、一定の期間、定額で使い放題で利用できる」ことを意味します。ほかに、「署名する」「寄付する」「定期購読する」などの意味もあります。
- 「サブスクライブ」の語源・由来は、英語の「subscribe」です。
- 「サブスクライブ」の類義語・言い換え表現は、「定額制を利用する」「定額制サービスを,契約する」です。「サブスクリプションを利用する」とも言い換えられます。
- 「サブスクライブ」の対義語・反対語は「買い切り」「従量制」「アンサブスクライブ」があります。「アンサブスクライブ」は、「サブスクライブ」の否定形です。
- 「サブスクライブ」と似た「Steam」は、ゲームやソフトウェア配信のプラットフォームであり、複数のプレイヤーでゲームの通信対戦をしたり、ソフトウェアの購入や、バージョンアップなどをしたりできます。「サブスクライブ」との違いは、ユーザーが作ったMOD(改造データ)をゲームに追加できることです。また、「サブスクライブ」と似た「Twitch」は、ゲーム実況が誰でもできる動画配信サービスです。動画配信ができる点は、YouTubeと同じですが、「サブスクライブ」との違いは、ゲームジャンルに特化していることです。
- 「サブスクライブの各ITサービスごとに意味と使い方については、「YouTube」「Steam」「Twitch」の「サブスクライブ」は、それぞれ違うサービスを指していることを覚えておきましょう。