「デフォルト」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。何となくわかるけれど、詳しい意味を知らないという方も多いのではないでしょうか。ここではビジネスシーンやネット関連の話題でよく聞く「デフォルト」の詳しい意味や使い方、類義語などを紹介します。
「デフォルト」の意味とは?
「デフォルト」という言葉には大きく分けて2つの意味があります。一方の意味しか知らないという方もいるでしょう。ここでは、それぞれの意味について詳しく説明します。
債務不履行
金融に関する話をしているときに「デフォルト」という言葉が出てきた場合には、「債務不履行」という意味に指します。「債務」とは、ある契約を結んだとき「契約した相手に対して負う義務」のことです。また「不履行」は「果たすべき契約を実行しないこと」を指します。つまり、「債務不履行」は「契約した相手に対して果たすべき義務を実行しないこと」を意味します。
基準・標準
「デフォルト」のもう1つの意味は「基準」「標準」です。日常会話などで使われる「デフォルト」はこの「基準」「標準」という意味で使われることが多いでしょう。パソコンやスマートフォンの設定や、ゲームの設定に関する話題で使われる「デフォルト」も「標準」を指すことが多いです。
「デフォルト」の語源・由来
「デフォルト」は英語の「default」からできたカタカナ語です。英語の「default」はカタカナ語の「デフォルト」と同じく「債務不履行」や「基準」「標準」などの意味があります。
・Did you use the default settings? 初期設定のまま使ったの?
・This contract will become a default on a debt. その契約は債務不履行に陥るだろう。
IT用語での「デフォルト」の意味と使われ方
IT用語として「デフォルト」は頻繁に使われる言葉です。ITの専門的な用語としてだけではなく、パソコンやスマートフォンに関連する用語としても「デフォルト」はよく使われます。パソコンやスマートフォンの設定に関する話題などで、「デフォルト」という言葉を聞いたことのある方もいるかもしれません。意味が分からず困ることのないよう、使い方を理解しておくとよいでしょう。
規定値という意味で使われる「デフォルト」
「デフォルト」には「規定値」という意味があります。「デフォルト値」と言うこともあります。例えば、GoogleChromeというブラウザを「デフォルト」として設定した場合、GoogleChromeを「通常使うブラウザとして設定した」ことになります。
初期設定という意味で使われる「デフォルト」
「規定値」と似た意味ではありますが、「デフォルト」には「初期設定」という意味もあります。例えばゲームやアプリの初期設定のことを「デフォルト設定」と表現することがあります。
工場出荷時という意味で使われる「デフォルト」
スマートフォンに関して「デフォルト」を使う場合には「工場出荷時の状態」という意味を指すことがあります。つまり、新品のスマートフォンを購入してすぐの状態のことを「デフォルト」と表現します。使う場面が限られていますが、「工場出荷時の状態」という意味もあることを知っておきましょう。
ネットスラングや日常用語での「デフォルト」の意味と使われ方
日常会話や、インターネット上のスラングとして使われる「デフォルト」は「いつも通り」「定番」を指すこともあります。これは「デフォルト」が持つ「初期設定」「規定」という意味から派生したものです。「デフォルト」を略して「デフォ」と言うこともあります。
金融・経済用語での「デフォルト」の意味と使われ方
前述の通り「デフォルト」には「債務不履行」という意味があり、金融や経済用語としてはこの意味で「デフォルト」が使われることがあります。企業などが資金を調達するために債権を発行すると、その債権を購入した者は満期に達すると、元本に加えて利息を受け取れます。しかし、満期を迎える前に債権の発行者が経営破綻した場合など、何らかの理由で元本や利息を払えない状況に陥ることがあります。この「債務不履行」の状態のことを「デフォルト」と呼びます。他にも「デフォルト」は、支払うべきお金を払わない「滞納」を意味する場合もあります。
スポーツ用語での「デフォルト」の意味と使われ方
「デフォルト」はスポーツ用語としても使われることがあり、その場合は「棄権」という意味を指します。例えばテニスでは、相手の棄権により不戦勝したことを「デフォルト勝ち」と言い、試合結果などでは「DEF」と表記されることもあります。全てのスポーツで使われるわけではないので、あまり聞く機会のない言葉かもしれませんが、覚えておくとよいでしょう。
「デフォルト」の使い方と例文集
ここでは「デフォルト」の使い方を例文を交えて詳しく紹介します。自分が使うときに、誤った使い方をしないようにしっかり学んでおきましょう。
「デフォルト」の使い方
これまで説明してきた通り、「デフォルト」という言葉にはいくつかの意味があります。どの意味で使われているのかは、その文脈や会話の場面などによって判断する必要があるでしょう。
「デフォルト」の例文
「デフォルト」を使った例文をいくつか紹介します。
- iPhoneのデフォルトのブラウザはSafariだ。
- このアプリの音量のデフォルト設定が大きすぎる。
- このスマートフォンは今朝購入したばかりでデフォルト状態だ。
- 後輩は飲み会の翌日はデフォルトで遅刻してくる。
- 近年急成長したと思われていた会社が倒産し、デフォルトが発生した。
- 若手対ベテランの注目の試合だったが、ベテラン選手が直前に怪我をしたため、若手選手の方がデフォルト勝ちをした。
「デフォルト」の類義語・言い換え
「デフォルト」を別の言葉で言い換えるとき、どのような言葉が使えるでしょうか。「デフォルト」の類義語について紹介します。これまでにも説明してきた通り「デフォルト」にはいくつか意味があるため、どの意味で使ったのかが相手に伝わりづらいと思った場合には、他の言葉で言い換えるとよいでしょう。
不履行
「デフォルト」には「債務不履行」という意味があるため、「不履行」で言い換えが可能です。金融や経済に関する話をしているときには「不履行」を使うとよいでしょう。
・会社経営が思うように行かず、契約不履行に陥ってしまった。
・債務不履行になることを避けるため、新規事業に乗り出した。
滞納
「滞納」とは「支払うべきお金を支払っていないこと」を指します。契約によって支払うべきお金を支払っていない「不履行」という意味では「滞納」は「デフォルト」の類義語に挙げられるでしょう。
・経営状況が厳しく、仕入れにかかった金額を滞納してしまっている。
・光熱費を滞納していたため、電気を止められそうだ。
初期設定
「初期設定」も「デフォルト」の類義語として挙げられます。
・パソコンの初期設定では画面が明るすぎて目が疲れる。
・ゲームの初期設定では難易度が高すぎる。
規定値
「規定値」という言葉も「デフォルト」の言い換え表現として使えるでしょう。
・自分がパソコンを使いやすいようにするために規定値を変更する。
・この設定は規定値となっていて、変更不可能となっている。
定番
日常会話やネットスラングで使われる「デフォルト」は「定番」という言葉でも表現できます。
・彼女の愛想が悪いのはデフォルトなので、気にする必要はない。
・私が参加しているゼミの教授は、授業開始5分前には教室に来るのがデフォルトだ。
まとめ
これまで説明してきたように「デフォルト」にはたくさんの意味があり、使われる場面などによって指す意味が異なります。どの意味で使われているかは文脈などから判断し、勘違いや誤解が生まれないようにする必要があるでしょう。金融に関する話題であれば「債務不履行」、ITに関する話題であれば「初期設定」や「規定値」という意味で使われることが多いでしょう。他にも「デフォルト」は、日常会話やネットスラングでは「定番」「いつも通り」という意味で使われたり、スポーツ用語としては「棄権」という意味で使われたりします。ビジネスのシーンでもさまざまな意味で使われることのある言葉ですので、意味や使い方をしっかりと理解し、正しく使えるようにしておきましょう。