「安かろう悪かろう」の意味を知っていますか?なにかと耳にする言葉ですが、意味が曖昧なひとも多いです。この記事では「安かろう悪かろう」の意味・言い換え表現・英語表現を解説します。社会人として確実に頭に入れておきましょう。
「安かろう悪かろう」の読み方
「安かろう悪かろう」は「やすかろうわるかろう」と読みます。よく耳にする言葉ですので、万が一読み方を間違って覚えてしまっていると恥ずかしい思いをしてしまいます。確実に覚えておきましょう。
「安かろう悪かろう」の意味とは?
「安かろう悪かろう」は「安いものはそれらしく品質も悪いものだ」という意味です。大量に安く売っているものを指して使ったり、安いものに対して問題を投げかけたりして使います。
「安かろう悪かろう」の類義語・言い換え
ここでは「安かろう悪かろう」の類義語・言い換えを紹介します。「安かろう悪かろう」はネガティブなイメージを表現する言葉。よって、相手のものごとを伝えるときに絶妙なニュアンスの違いを表現する必要があります。そんなときに「安かろう悪かろう」の類義語・言い換えを使えると便利です。社会人として「安かろう悪かろう」の類義語・言い換えは頭に入れておきましょう。
「安かろう悪かろう」の類義語1「二束三文の」
「安かろう悪かろう」の類義語1つ目は「二束三文の」です。「二束三文」とは「にそくさんもん」と読み、「数量が多くても値段がとても安いこと」を指しています。よって、「安かろう悪かろう」に類義語として使われているのです。
このまま商売を続けていても二束三文にしかならないだろう。
「安かろう悪かろう」の類義語2「チープな」
「安かろう悪かろう」の類義語2つ目は「チープな」です。「チープ」は英語単語の「cheap」からきており、「安い」「安っぽい」という意味です。どちらの意味をとったとしても「安かろう悪かろう」の類義語として使えます。
そんなチープなものを買って何に使うっていうんだ。
「安かろう悪かろう」の類義語3「粗製乱造の」
「安かろう悪かろう」の類義語3つ目は「粗製乱造の」です。「粗製乱造」は「そせいらんぞう」と読み、「粗製濫造」とも表記されます。「品質の悪いものをむやみに作ること」を意味しており、まさに「安かろう悪かろう」の原因を指し示した言葉です。
粗製乱造したって今の時代にはウケない。
「安かろう悪かろう」の類義語4「ただ安いだけの」
「安かろう悪かろう」の類義語4つ目は「ただ安いだけの」です。「だけ」は範囲を限定する言葉であり、「ただ安いだけ」においては「安さ以外の価値はない」ことを表しています。よって、「安かろう悪かろう」の類義語なのです。
競合の商品はただ安いだけのものだから、私たちは品質を追求した。
「安かろう悪かろう」の類義語5「安物買いの銭失い」
「安かろう悪かろう」の類義語5つ目は「安物買いの銭失い」です。「安物買いの銭失い」は「やすものがいのぜにうしない」と読み、「安いものを買うと品質が悪いので直ぐに買い替えることになり、結局損をする」という意味です。まさに「安かろう悪かろう」の商品を買ったあとの様子を表しています。
安物買いの銭失いにはなりなくないので、いつも商品は品質で選んでいる。
「安かろう悪かろう」の対義語
「安かろう悪かろう」の対義語は「高かろう良かろう」です。「高かろう良かろう」はそのまま「たかかろうよかろう」と読み、「値段が高いものは品質もいいものだ」という意味を表しています。それぞれを単体で使うこともありますが、「高かろう良かろう、安かろう悪かろう」と続けていうことによって、「品質は値段のとおりである」という意味を表現する場合もあります。
「安かろう悪かろう」と「安物買いの銭失い」の違い
「安かろう悪かろう」の類義語として前述したもののなかに「安物買いの銭失い」という言葉があります。この2つは非常に意味が似ている言葉です。しかし、「安かろう悪かろう」と「安物買いの銭失い」には「指しているタイミング」「指しているもの」に違いがあります。具体的には「安かろう悪かろう」は品物や値段に対してのひとつに事実として使いますが、それに対して「安物買いの銭失い」は購買するときのひとに対して使われています。よって、まったく使い方が異なるため、「安かろう悪かろう」と「安物買いの銭失い」には気をつけておきましょう。
「安かろう悪かろう」の使い方と例文集
「安かろう悪かろう」の意味や類義語・対義語を知っていても、実際にどのようにして使うのかがわからなくては意味がありません。ここでは「安かろう悪かろう」の使い方、使うときの注意点、例文などを紹介します。実際にどんな場面でどのように「安かろう悪かろう」を使うのかを頭に入れることによって、実生活でも「安かろう悪かろう」を使えるようになりましょう。
「安かろう悪かろう」の使い方
「安かろう悪かろう」は大量消費社会に対してよく使われてきました。多くのひとたちは戦後間もないころにはできるだけ安いものを求めていました。しかし、ある程度ものが揃ってきて、経済が安定してくると「安かろう悪かろう」の商品は売れなくなってきたのです。また、現代においては商品というよりも「安かろう悪かろう」はサービスの良さに対して使われます。「安かろう悪かろう」は時代によってさまざまに形を変えて使われているのです。
「安かろう悪かろう」を使用するときの注意点
「安かろう悪かろう」を使うときには「使うタイミング」に注意しなければなりません。それは、もし生産者が「安かろう悪かろう」という言葉を聞いてしまったら不快な思いをしてしまうから。たとえば、取引先の商品を「安かろう悪かろう」と言ったときに取引先のひとがそれを聞いてしまったら、取引をやめられてしまうかもしれません。「安かろう悪かろう」はネガティブな意味をもって使われる言葉。使うタイミングや、誰が聞いているのかには細心の注意を払って使いましょう。
「安かろう悪かろう」の例文
「安かろう悪かろう」を使った例文は以下のとおりです。
- 格安のバスツアーに行ったが、安かろう悪かろうであり、最悪だった。
- どれだけほかのコストを削っているとはいえ、品質は安かろう悪かろうだ。
- 安かろう悪かろうなので、食材を買うときには高いものを買うようにしている。
- 安かろう悪かろうではお客様は振り向いてくれないことを私たちは知っている。
- 家のリフォームを見積もりしたが、安かろう悪かろうだ。高いほうにしよう。
「悪かろう安かろう」は使わない
「安かろう悪かろう」はよく使われる言葉ですが、逆にして「悪かろう安かろう」というようには使いません。意味的には入れ替えても使えそうな予感がしますが、日本語的にNG。対義語である「高かろう良かろう」とそのまま真逆になるように使うと覚えておきましょう。
「安かろう悪かろう」が使われるシーン
「安かろう悪かろう」が使われるシーンとはどのような場面なのでしょうか?具体的にどんな場面で使われるのかを知っておくと、いざというときに言葉につまらなくて済みます。ここでは「安かろう悪かろう」が実際に使われるシーンを紹介します。しっかりと覚えておくことによって、「安かろう悪かろう」を使う場面に備えておきましょう。
「安かろう悪かろう」が使われるシーン1「格安の商品」
「安かろう悪かろう」が使われるシーン1つ目は「格安の商品」です。格安の商品を指して、「安かろう悪かろう」というと、「安いものは品質も悪いのだ」「どれだけ品質がよくみえても、ダメだ部分があるはずだ」という意味を表します。失礼にあたりますので、その商品を作ったひとがいるところでは言わないようにしましょう。
「安かろう悪かろう」が使われるシーン2「格安のリフォーム」
「安かろう悪かろう」が使われるシーン2つ目は「格安のリフォーム」です。ニュースなどでも「格安のリフォームを頼んだら手抜き工事がされていた」という話は頻繁に聞きますよね。これが「安かろう悪かろう」を使うシーンです。「安かろう悪かろう」と表現することによって、「高いもののほうが品質がいいのだ」という意見も表せます。
「安かろう悪かろう」が使われるシーン3「格安のサービス」
「安かろう悪かろう」が使われるシーン3つ目は「格安のサービス」です。現代においては商品というよりも、サービスに対して「安かろう悪かろう」を使う機会が多いとされています。品質は大して変わらないが、値段が安いほうがサポートの充実度が低かったり、サポート自体が丁寧ではなかったりします。そのようなケースにおいて「安かろう悪かろう」を使うのです。
「安かろう悪かろう」を英語でいうと?
「安かろう悪かろう」を英語でいうと「cheap and nasty」「What costs little is little esteemed」となります。
例文:Our products are said to be “cheap and nasty” by customers.(私たちの製品はお客様から「安かろう悪かろう」といわれている。)
まとめ
「安かろう悪かろう」は「安いものは品質も悪いものだ」という意味を表現する言葉です。価格の安いものを指したり、問題提起をしたりして使います。ですが、その商品を作ったひとの前でいうのは失礼にあたるのでNG。「安かろう悪かろう」は使うタイミングに気をつけましょう。