万難を排しての意味や使い方とは?類語・英語表現も例文解説

「万難を排して」の意味や使い方とは?類語・英語表現も例文解説
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「万難を排して」という言葉をご存じですか?日常生活ではあまり使わない表現のため、使い方や返事の仕方などに悩む片もいるかもしれません。この記事では「万難を排して」の読み方や意味、正しい使い方、類義語、英語表現について例文を交えて解説します。

目次

「万難を排して」の読み方と意味

「万難を排して」の読み方と意味

「万難を排して」という言葉の正しい読み方や意味はどのようなものでしょうか。日常生活ではあまり使われない言葉なので、身近な表現ではないかもしれませんが、社会人として知っておきたい表現です。正しい読み方や意味を知ったうえで、使えるようにしましょう。

「万難を排して」の読み方

「万難を排して」は「ばんなんをはいして」と読みます。「万難」を「ばんなん」と読む点がポイントで、「まんなん」と読まないように注意しましょう。また、「万難を廃して」や「万難を配して」という表記は誤りです。読み方だけではなく、表記にも気をつけましょう。

「万難を排して」の意味

「万難を排して」の「万難」とは、「さまざまな困難」「あらゆる障害」という意味を持ちます。「排して」は、「押しのけて」「しりぞけて」という意味です。つまり、それぞれの意味を組み合わせたうえで「万難を排して」という言葉は、「どんな困難であっても」「何が何でも」「何としても」という意味になります

参照:Weblio辞書「万難を排して」

「万難を排して」の使い方と例文

「万難を排して」の使い方と例文

「万難を排して」という言葉は、主に「万難を排して~。」「万難を排してでも~。」という使い方をします。「万難を排してでも~。」という表現の「でも」には、「たとえ~であっても」というニュアンスがあり、「万難を排して」よりも強調した言い回しになります。使い方や例文を詳しく解説するので、参考にしてください。

決意表明や強調表現をする場合

「万難を排して」には「どんな困難であっても」という意味合いがあるため、決意表明や強調表現をする場合に使用されます。「どんな困難があっても、何が何でも、それらを押しのけて行動する」といったニュアンスになり、自らの強い意志を表現できるのです

使い方・例文
  • 万難を排してでも、必ずこのプロジェクトを成功させる。
  • 我が社には厳しい状況だが、万難を排して取り組んでいこう。
  • 万難を排してでも結果を残し、チームに貢献したい。

参加を依頼したり招待したりする場合

「万難を排して」という表現は、参加を依頼したり、招待したりする場合にも使われます。「万難を排してご参加ください」と使われることが多く、相手に参加してほしいと強く求める表現です。ただし、この表現には「何としてでも、何が何でも参加してほしい」というニュアンスがあります。多用したり、目上の人に対して使ったりすると、失礼だと感じられる場合があるので、使う際には注意しましょう。

使い方・例文
  • このたび、結婚式を挙げることになりました。万難を排してご参加いただきますようお願い申し上げます。
  • 来週の月曜日、重要な会議を予定しております。関係者は万難を排してでもご参加ください。

「万難を排してご参加ください」に対する返事

「万難を排してご参加ください」に対する返事

単に「ご参加ください」と依頼されているよりも、「万難を排してご参加ください」と依頼されているほうが、参加をより強く望まれていると捉えられます。その強い要望に対して、どのような返事をするといいのでしょうか。ここでは参加する場合と、参加しない場合に分けて解説します。

参加する場合

参加する意思がある場合には、以下のような返事をしましょう。

  • 「万難を排して参加いたします。」
  • 「万難を排してでも参加いたします。」
  • 「万難を排して参加させていただきます。」
  • 「万難を排して伺います。」
  • 「万難を排して馳せ参じます。」

「万難を排してご参加ください」に対しては、返事をする際にも「万難を排して」を使うようにすると丁寧に感じられます。「参加します」と答えるよりも、相手の熱意に共感できるからです。ただし「万難を排して馳せ参じます」という返事は、丁寧な表現ではありますが、やや古風な言い方になりますので、多用するのは控えたほうがいいでしょう。

参加しない場合

「万難を排してご参加ください」と参加を強く望まれても、やむを得ない理由により、参加を断る場合もあります。そのような場合には、以下のように丁寧な言葉で断るようにしましょう。

  • 「大変申し訳ありませんが、参加いたしかねます。」
  • 「せっかくのお誘いですが、都合により、参加できません。」

「参加いたしかねます」「参加できません」と返答すると、素っ気なく、冷たい印象を与える可能性があります。「大変申し訳ありませんが」「せっかくのお誘いですが」などと文頭に置き、相手に失礼な印象を与えないようにしましょう

「万難を排して」の類義語・言い換え表現

「万難を排して」の類義語・言い換え表現

「万難を排して」の類義語・言い換え表現はどのようなものがあるのでしょうか。ここでは「万障お繰り合わせのうえ」「是が非でも」「否が応でも」という3つの言葉について紹介します

「万障お繰り合わせのうえ」

「万障お繰り合わせのうえ」の「万障(ばんしょう)」とは、「さまざまな不都合」という意味を持ちます。「繰り合わせ」は、「うまいこと都合のつくように調整する」という意味合いです。「万障お繰り合わせのうえ、ご参加ください。」といった、参加を促す丁寧な言い回しとして使用されます。「いろいろと不都合もあるでしょうが、何とか調整してご参加ください。」といった意味合いで使われ、参加を依頼する定型句として用いられる表現です

「是が非でも」「否が応でも」

「是が非でも」「否が応でも」もどちらも同じニュアンスを持ちます
「是が非でも」は「ぜがひでも」と読みます。「是が非でも」とは「善悪にかかわらず。何が何でも」という意味合いです。「是が非でもやりとげたい」などと使われます。

「否が応でも」は「いやがおうでも」と読みます。「否が応でも」は「承知でも不承知でも。どうしても。なにがなんでも。」という意味合いです。「否でも応でも」という表現も同じ意味になります。「否が応でも引き受けでもらう」などと使われます。

「万難を排して」の対義語

「万難を排して」の対義語

「万難を排して」の対義語は以下のようなものがあります。

  • 「気が向いたら」
  • 「都合がつけば」
  • 「その気になったら」
  • 「気分が乗ったら」

「万難を排して」は、「どんな困難があっても」という確実性の高いニュアンスを持ちますが、対義語の言葉は不確実性の高いニュアンスを持っています

「万難を排して」の英語表現

「万難を排して」の英語表現

「万難を排して」は、「at any cost」「at all costs」などと英語で表現されます。「何が何でも」「どんなに費用がかかっても」「どんな犠牲を払っても」という意味合いです。

使い方・例文

I will win at any cost.(私は何が何でも勝つ。)

「万」を使用した言葉

「万」を使用した言葉

「万難を排して」のように「万」を使用した言葉はいくつかあります。ここでは「万全を期して」「万感の思い」「一事が万事」「万事休す」の4つの言葉について詳しく紹介するので、参考にしてみてください

「万全を期して」

「万全を期して」は「ばんぜんをきして」と読みます。「万全を期して」は、「少しも手落ちのないこと。きわめて完全なこと。」という意味です。「万全」には「完全」「完璧」という意味を持ち、「期して」は「前もって期限や時刻を決めて」などの意味を持ちます。「万難を排して」とは異なる意味になりますので、覚えておきましょう。

「万感の思い」

「万感の思い」は「ばんかんのおもい」と読みます。「万感の思い」は、「一瞬で心に浮かぶさまざまな感情や思い」という意味です。「万感の思いを込めて」「万感の思いに浸る」などと使われます。

「一事が万事」

「一事が万事」は「いちじがばんじ」と読みます。「一事が万事」は、「わずか一つの物事から、他のすべてのことを推し量れる。」という意味です。どちらかというと、マイナスな事柄に対して使われることが多い言葉となります。

「万事休す」

「万事休す」は「ばんじきゅうす」と読みます。「万事休す」は、「もはや施す手段がなく、万策尽きる。」という意味です。もはやおしまいで、何をしてもだめだという場合に使われます。「万事窮す」と書くのは誤りですので、注意しましょう。

まとめ

「万難を排して」は日常生活ではあまり使われない言葉ですが、社会人としては知っておきたい言葉です。多用はできない言葉ですが、丁寧な言い回しとして使われるため、適切な場面で使えるようにしましょう

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