承知と了解の違いは?ビジネスでの使い分けと敬語や類語も例文で解説

「承知」と「了解」の違いは?ビジネスでの使い分けと敬語や類語も例文で解説
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「わかりました」の意味で使われる「承知」と「了解」ですが、この2つの言葉の違いをご存じですか?今回は「承知」と「了解」の2つの言葉の意味の違いや敬語、英語、類語を解説します。間違った使い方で恥ずかしい思いをしないよう一緒に勉強しましょう。

目次

「承知」と「了解」の意味の違いは?

「承知」と「了解」の意味の違いは?

「承知」と「了解」は似た意味を持つ言葉ですが、両方の意味を理解して細かい使い分けは出来でいるでしょうか。「承知」と「了解」の意味の違いについて解説していきます

「承知」のもつ意味

「承知(しょうち)」の意味は以下のようになっています。
・ 事情などを知ること。また、知っていること
・依頼・要求などを聞き入れること
・相手の事情などを理解して許すこと
つまり「承知」とは、「自分は(物事について)理解しました」という意味になります

参照:Weblio辞書「承知」

「了解」のもつ意味

「了解(りょうかい)」の意味は以下のようになっています。
・物事の内容や事情を理解して承認すること
つまり、「了解」も「承知」と同じく、「自分は(物事について)理解しました」という意味になります

参照:Weblio辞書「了解」

「承知」と「了解」の違いはニュアンスの違い

「承知」と「了解」は大まかな意味としては同じですが、この2つには細かいニュアンスの違いがあります。それはどこに重点を置いているかの違いであり、「承知」は「知る」「聞く」ことに重きを置いている一方、「了解」は「理解」することに重きを置いている表現になります。両者は一見同じ意味の言葉に感じますが、先ほどの意味の通り「承知」が「事情などを知ること、依頼・要求などを聞き入れること」であり、「了解」が「事情などを理解して承認すること」であることから考えると、重点を置く場所のニュアンスの違いであることがわかるでしょう。

ビジネスシーンでの「承知」と「了解」の使い方・例文

ビジネスシーンでの「承知」と「了解」の使い方・例文

「承知」と「了解」は頻繁に使用される言葉です。ここではビジネスシーンでの2つの言葉の使い方について、例文を使って解説していきます。

目上の人へは「承知」がよく使われる

一般的にビジネスシーンにおいて、目上の方へ使用するのは「承知」がマナー化してしまっています。目上の方に「了解いたしました」や「了解です」を使うことは、少し軽い印象を与えてしまうようです。また、勘違いしている方も一定数いるようですが、「承知」自体が謙譲語ではありません。そのため「承知」を使っておけば間違いないというわけではないため注意が必要です。「承知しました」の謙譲語は「承知いたしました」ですので、しっかりと敬語表現も覚えておきましょう。

「了解」を使っても失礼ではない

では「了解」を目上の方に向けて使用することは失礼にあたるため、使用は避けるべきなのでしょうか。結論から言うと、別に使用しても問題ありません。「了解しました」や「了解いたしました」が日本語として間違っているわけではありません。また、「承知」と「了解」の違いは「丁寧かどうか」ではなく、「どこに重点を置くか」でしたので、そこを理解したうえで正しく使い分けてみてください。ただし、全員が全員意味を理解して使い分けできているわけではありませんし、「了解」を使用することによって不快感を覚える方もいるかもしれません。相手との距離感や使う場面などで場合によっては「了解」の使用は避けたほうが無難かもしれません。

「ご承知おきください」の使い方

ビジネスシーンにおいて、相手に「あらかじめ理解しておいてほしい」という意味を込めて「ご承知おきください」という言葉を使ったことはありますか?「承知」が「知る、聞く」に重点を置いた言葉でした。また、「おき」は「~しておく」という言葉が変形したものであり、「おきください」はその丁寧な言い方です。そのため、「あらかじめ理解しておいてほしい」、「事前に知っておいてほしい」という意味としての「ご承知おきください」は正しい日本語だといえます。しかし、「承」は相手への強制が強いイメージの言葉です。そのため、目上の方や社外の方へ「ご承知おきください」を使うことは控えたほうがよいといわれています。そのため、少し柔らかい表現に変える目的として、「ご承知おきくださいませ」や「可能であれば、ご承知おきください」などと言い換えるとよいでしょう

「ご承知おき願います」の使い方

「ご承知おき願います」という言葉も「ご承知おきください」と同じ意味として使用できます。また、「願います」は「願う」の丁寧語にあたる言葉であり、「ご承知おき願います」は丁寧な言葉として正しい日本語です。しかし、「ご承知おきください」と同様に強制のイメージを少し抑えるためにも使い方を考えたほうがよいかもしれません。

「承知」と「了解」を使った例文

「承知」と「了解」を使った例文を紹介します

例文
  • 今後のA社との会議日程に関して承知しました。
  • 承知いたしました。作業が終了次第こちらからご連絡します。
  • 大変なことは重々承知している。
  • 昨日、上司の了解を得ました。
  • 明日の作業内容に関して了解しました。
  • ○○を行うことは暗黙の了解である。

「承知」と「了解」の類義語と言い換え表現

「承知」と「了解」の類義語と言い換え表現

「承知」と「了解」には多くの類義語や言い換え表現が存在しています。ここではそれらの類義語や言い換え表現について解説していきます。「同意する」という意味として使われる「賛成」・「聞き入れる」や、「何かをする許可」という意味として「納得」・「許諾」などが挙げられます

「了承」への言い換えと使い方

類義語の中の1つであり頻繁に使われる言葉として「了承(りょうしょう)」があります。「了承」とは「事情をくんで納得すること」、「承知すること」の意味です。「了承」も「承知」や「了解」と同じく「理解したと認めること」を意味していますが、「了解」に比べて「受け入れる」、「認める」に重点を置いた言葉となります。また、「了承」は「許可する」という意味を含んでいます。そのため、上から目線のニュアンスを含んだ言葉となります。ビジネスシーンにおいては、目上の方に自分の依頼や要求をお願いするとき、またはそれらを許可するときに使用できます。実際の使用した例文を紹介します。

例文
  • 事前に了承を得ることなくミーティングルームは使用できません。
  • 休日出勤をする際は、上司の了承を得てください。
  • 遅刻や早退に関しては必ず書面にて上司に報告し事前に了承を得ること。
  • 誠に勝手ながら、営業時間を変更させていただきます。どうかご了承ください。
  • 落選の方にはご連絡を差し上げることはありません。あらかじめご了承ください。

「承諾」への言い換えと使い方

もう1つの類義語として「承諾(しょうだく)」があります。「承諾」とは「他人の要求や依頼をもっともだと思い、引き受けること」の意味です。「承諾」には「承る」という字が含まれていますが、「承諾」自体は謙譲語ではありません。しかし、「承諾」は比較的丁寧な表現になります。また、「承諾」は「依頼等を積極的に引き受ける」というニュアンスがあります。つまり、他人になにか頼まれた際に、依頼内容を理解して引き受ける時などに「承諾する」を使用できます。実際に使用した例文を紹介します。

例文
  • 物件の所有者の承諾を得て、使用させてもらえることになった。
  • アルバイト先に来月からの時間変更を承諾してもらった。
  • 未成年のスマートフォン購入については、保護者の承諾が必要だ。
  • ご承諾くださったこと、深く感謝申し上げます。

「承知」と「了解」の対義語は?

「承知」と「了解」の対義語は?

「承知」や「了解」の対義語としては「拒否」、「拒絶」、「不服」などが挙げられます。これらの言葉の意味は「要求や依頼を聞き入れないこと」「納得せず従わないこと」です。例文を紹介します。

例文
  • A社では社員全員に拒否権がある。
  • 面会に行ってきたのに、拒絶されてしまった。
  • 結果に納得がいかなかったため、不服申し立てを行った。

「承知」と「了解」の英語表現

「承知」と「了解」の英語表現

「承知」の英語表現はご存知でしょうか。ここでは 「承知」の英語表現とその例文を紹介します

「承知」と「了解」は英語で「I got it.」

「承知」と「了解」は英語では「I got it.」で表現できます。「I got it.」は「承知しました」を意味し、よりシンプルに「了解!」と表現したいときは、「Got it!」と伝えてもいいでしょう。


The meeting tomorrow is going to be held online./ Ok, I got.(明日のミーティングはオンラインで開催します。/はい、承知しました。)

その他の英語での言い方

そのほか「Okay」「All right」「Sure」などさまざまな英語表現があります。たくさんの言い換えがあるので使用してみてください。

まとめ

「承知」と「了解」は一見同じような言葉に思えてきます。しかし微妙なニュアンスの違いがあり、使い方によっては失礼にあたること可能性があります。これらの言葉はとても使用頻度の高い言葉ですので、使い方をマスターして適切に使用してみてください。

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