「不用品」と「不要品」の違いを説明できますか?そもそも違いなんてないと思った方は必見です。今回は「不用」と「不要」の違いについて徹底解説します。併せて、それぞれの言葉の正しい意味や使い方、類語や英語表現についても紹介します!
「不用」の意味とは?
「不用」という言葉は一般的に知られた言葉であるといえます。しかし「不用」と「不要」の違いを完璧に理解している人はあまり多くはありません。普段よく用いている言葉の中にも、このようなちょっとしたにニュアンスの違いは存在します。ここではまず「不用」という言葉についてその意味を詳しく解説します。言葉の意味を詳細に見ていくと、分かったつもりでいても意外と知らなかったことが隠れていることがあります。確実に理解するために詳しく見ていきましょう。
「使わないこと」という意味
「不用」は「使わない」や「役に立たない」という意味があります。 ここで注意が必要なのが「不用」は「今まで使っていたものが壊れたり時代遅れになったりして、使えなくなった様」を表します。「無用」も同じニュアンスを持ちます。また「無用」に関しては、「禁止する」という意味も持ちあわせます。「不用」と「無用」が共通で持つニュアンスについては、後ほど詳しく紹介します。
「世間から受けいられていないこと」という意味
「不用」という言葉には、「性質や普段からの行いが悪く、世間から受け入れられていない」というもう一つの意味もあります。人が役に立つか立たないかという観点で評価をするタイミングで使われます。役に立たないと判断された時に「不用」という言葉で表現されることになります。
参照:Weblio辞書「不用」
「不用」の類義語・言い替え
ここでは「不用」の類義語や言い換え表現を2つ紹介します。周辺の言葉を理解することで日本語の語彙力を増やすことにつながります。表現の幅が広がればコミュニケーションもより円滑に取れるようになるため、周辺の語句も積極的に押さえていくようにしましょう。
「いたずら」
「いたずら」という言葉は「存在や動作が無益であること」また「役に立たない」という意味を表します。「他に何もすることがないさま」も表現していると言ってもよいでしょう。「徒」と書いて「いたずら」と読みます。またもう一つの「いたずら」として「悪戯」があります。「悪戯」には「人の迷惑になることをする」という意味を持ち、いずれにしてもマイナスのニュアンスを持つ言葉になります。
「へっぽこ」
「へっぽこ」という言葉は「技術が劣っていて役に立たないこと」をあざけりの意味を含めて表現する言葉になります。「不用」という言葉とは「役に立たない」というニュアンスにおいて共通しているといえます。マイナスの意味合いを持つ言葉ではありますが、おどけて使うシーンも存在します。いずれにしても、フォーマルな場やビジネスシーンにおいて使うことは望ましくないでしょう。
「不用」の対義語
次に「不用」の対義語について2つ紹介します。これら2つの言葉に共通しているニュアンスは「役に立つ」という概念であるといえます。反対の言葉を押さえておくことで、言葉の意味を対立軸でとらえられるため、それぞれの言葉のニュアンスを正確に理解できるようになります。詳しく紹介するのでさっそく見ていきましょう。
「必要」
「必要」は「なくてはならないこと」「どうしてもしなくてはいけないこと」という意味があります。物に限らず行動に対しても使われる言葉です。行動に対して使われている例として「今すぐにでも向かう必要がある。」などといったように、ビジネスシーンのみならず日常会話においても非常によく用いられる言葉になります。物や行動が何らかの重要な役割を果たす場面において「必要」という言葉は使われます。
「入用」
「入用」は「いりよう」と読みます。「必要であること、大切なこと」という意味を持ち、金銭的なニュアンスが強いです。費用や経費というようなお金がからむ言葉に対して使われることが多いです。「入用」という言葉自体に「必要な経費」という意味も持ち合わせています。
「不用」と「不要」の違い
ここでは「不用」と「不要」の違いについて解説します。読み方も意味はほとんど同じこれら2つの言葉ですが、漢字が使い分けられていることからそこには若干のニュアンスの違いがあります。どのような意味合いの違いがあるのか詳しく見ていきましょう。
使用するか使用しないか?必要か必要でないか?
「不用」には「使用しない」というニュアンスがあります。「用済み」という言葉があるように、今まで使っていたものが使えなくなった時に「不用」という表現を使います。つまり生活で出るゴミなどは「不用品」になります。なぜならば、生活で出るゴミは元々使われていたものだからです。一方「不要」は元々必要ないものに対して使う言葉です。そもそも誰からも求められていないものを表現するときに使います。ビジネスシーンにおいてはメールでのやり取りで「返信は不要です。」のように使います。ここで使われている「不要」は、「元から返信を求めていない」というニュアンスが含まれています。「不用」と「不要」は「元々使われていたか」「はじめから必要とされていたか」といった判断基準で使い分けるようにしましょう。
「不用」のもう一つのニュアンス
「不用」が持つもう一つのニュアンスとして、「行動する必要がない」という意味合いも持ちます。このニュアンスは「無用」と同じであり、行動を起こす必要がない時に使います。例えば心配する必要がない時に使う表現として「心配ご無用です」「心配は不用です」のように使われます。「不」は否定の意味を持つことから、目上の人に対しては「ご無用」を使う方が無難でしょう。また「無用」にかんしては「役に立たない」という意味もあります。例えば「無用の長物」といった言葉にもそのニュアンスが表れています。
「不用」を英語でいうと?
「不用」の英語表現を2つ紹介します。必要のないというニュアンスを持つ英単語がたくさん存在しますが、その中でもよく使われていて比較的かんたんな英単語を2つピックアップしました。これらの言葉を覚えておくことで海外に行ったときに役に立つことがあるかもしれません。さっそく見ていきましょう。
「unneeded」
「unneeded」で「不用」という意味になります。「to forget to throw away something unneeded.」で「不用なものを捨てて忘れる」という意味になり、「forget」で忘れる「throw away」で投げ捨てるという意味を持ちます。「need」が「必要」という意味で打ち消しの接頭辞の「un」がついて「unneeded」という英単語はが成り立っています。
「unnecessary」
「unnecessary」という英単語も「不用」という意味を表します。例文としては「That’s quite unnecessary to add.」が挙げられ、「それは蛇足」という意味になります。「necessary」が「必要」という意味を持ち、打ち消しの接頭辞「un」をつけて「unnecessary」とし「必要ない」という意味になります。「add」は「付け加える」という意味であるため、直訳すると「全く必要ないモノを付け加えている」となります。これはつまり、「蛇足」を表します。
「不用」の使い方と例文集
最後に「不用」と「不要」の使い方と例文を紹介します。「不用」と「不要」の違いを理解した上で、これら2つの言葉の使い方を身につけておきましょう。
「不用」の使い方
「不用」は使っていたものがもういらなくなった時や物を捨てる時によく使われます。また、必要のない行動に対しても使われることが多いです。つまり「不用」という言葉は物と行動の2つに対して使える言葉になります。
「不用」の例文
不用の例文を3つ紹介します。
- 不用なモノは捨てた方がいいよ。
- この道具は前は大変活躍したが、今となっては不用品だ。
- 心配は不用です。
「不要」の使い方
「不要」は、最初からなくても困らないものに対して使われる言葉です。「不用」は元々必要だったものに対して、「不要」はそもそもいらないものに対して使われます。「不要」という言葉も、物だけではなく行動に対しても使うことが可能です。
「不要」の例文
「不要」という言葉を用いた例文を3つ紹介します。
- 不要不急の外出は避けてください。
- 衝動買いすると不要な物を買う可能性が高い。
- 不要な仕事を見直すこと業務効率改善を図る。
まとめ
「不用」の意味は端的に表現すると「使わないこと」になります。元々使われていたものの使えなくなったものに対しては「不用」という言葉で表現します。一方「不要」はそもそも初めから必要とされていないものに対して使われます。このように、類語や対義語も同時に理解することで使い分け方が把握できるようになるため、違いがわからない言葉があったら積極的に検索するようにしましょう。