未だにと「今だに」の違いとは?意味や使い方に加え類語や英語表現も紹介

「未だに」と「今だに」の違いとは?意味や使い方に加え類語や英語表現も紹介
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「未だに」と「今だに」の違いをご存じでしょうか。どちらの表現も見たことがある方も多いでしょう。この2つの言葉に使い分けは必要でしょうか。今回は「未だに」と「今だに」の違いに加え、意味や使い方、類語や英語表現についても紹介します!

目次

「未だに」の意味とは?

「未だに」の意味とは?

「未だに」という言葉の意味について解説します。ビジネスシーンや日常生活において「未だに」という表現はよく使われる方でしょう。その正しい意味やニュアンスを理解することで、言葉の正しい使い方が見えてきます。ここでは「未だに」の意味とニュアンスについて深掘りします

「今になってもまだ」という意味

「未だに」は「今になってもまだ」という意味の言葉です。「未」という漢字は「未解決」や「未熟」などという言葉に使われ、「まだ〇〇しない」という意味を持つ漢字になります。これらの言葉を漢語的に読み下してみると「未解決」は、「いまだ解決していない」、「未熟」は「未だ熟していない」という意味になります。つまり、「未」という漢字を頭につけることで、「まだ完全には至っていない」というニュアンスを持たせられます。

参照:Weblio辞書「未だに」

「ある状態が続いている」というニュアンス

「未だに」という言葉には否定的な意味で「未だに〇〇していない」と使うのが一般的です。それ以外にも、「未だに〇〇している」というように肯定の表現でも使えます。つまり「未だに」という言葉は、否定でも肯定でも使える言葉になります。「未だに怒り続けている」や「未だに基礎学習を続けている」というように、周囲から冷ややかな目で見られている状態を表現することが多いです。「未だに〇〇している」という表現はネガティブイメージであることは覚えておきましょう

「未だに」の読み方

「未だに」の読み方

「未だに」は「いまだに」と読みます。「未」は音読みで「み」と読み、十二支にも使われている漢字で、8番目の干支の「未」にあたる漢字になります。干支の意味で「未」を使うと「ひつじ」と読まれるので注意が必要です。方角でいうと南南西にあたり、時間を表現すると午後2時頃を表す言葉になる。

「未だに」の類義語・言い替え

「未だに」の類義語・言い替え

「未だに」の類義語や言い換え表現を紹介します。ここで紹介する言葉は「依然として」と「相も変わらず」の2つの言葉です。それぞれの言葉の共通するところと微妙な違いを理解することで、言葉の理解を深めていきましょう。

「依然として」

「依然として」は「前と変わらず元のままで」という意味になります。「依然」という言葉が「元のまま、いままでの通り」という意味を持ちます。前と全く変わらない様を表現しているといえます。「彼は依然としてその席を譲らない。」「依然として廃墟は取り壊されないままだ。」というように、マイナスの意味合いで使われることが多いです。早く変えたほうがいいことが、未だに変わっていない状態を表現するときに、「依然として」という言葉が使われる例があります。

「相も変わらず」

「相も変わらず」は「相変わらず」と同じ意味の言葉で、「相変わらず」を強めた表現になります。「相変わらず」は「今までと変わった様子が見られない」という意味の言葉で、あざけりの気持ちや卑下のニュアンスが込められた言葉です。「相も変わらず彼らは同じことを繰り返している。」「相変わらずの通勤地獄」というように使われます。卑下するニュアンスが含まれていることからもわかるように、マイナスのニュアンスを持っている言葉になります。

「未だに」の対義語

「未だに」の対義語

「未だに」の対義語を紹介します。ここでは、「既に」と「予予」について解説します。 「既に」は「すでに」と読み、「予予」は「かねがね」と読みます。「予予」は難読漢字になるので、知っているだけでアドバンテージになります。難易度が高い言葉も覚えておくことで、難しい文献を読んだ際も意味を素早く取れるようになります。

「既に」

「既に」は「ある動作が過去に行われている様子」や「変えようのない事実」を表すときに使われます。「未だに」は、「完了していない」というニュアンスがありますが、「すでに」は完了したという意味合いが含まれています。「その工事は既に終わっている。」「組織改革は既に完了している。」のような使われ方をします。

「予予」

「予予」は「以前からずっと続いていて、今に至っている様子」を表した言葉です。よく使われる表現に「噂は予予」という表現があります。 この言葉は、「あなたに関する情報や噂は、ある集団の中に既に出回っている」という状況を表しています。よい意味においても悪い意味においても「あなたの情報は出回っていますよ」という意味を伝える時に使う言葉です。

「未だに」と「今だに」の違い

「未だに」と「今だに」の違い

ここでは「未だに」と「今だに」の違いについて解説します。両者とも日常生活で、よく見られる表現になりますがこの2つの言葉の違いはどこにあるのでしょうか。正しく言葉を使うためにも、似た表現の言葉の違いには敏感になる必要があります。

「今だに」は誤用?

「未だに」を「今だに」と表記するのは厳密には誤用になります。「いまだに」の「いま」が「今」と取り違えられてしまったことが誤用の発端であるといえます。また、「未だに」という表現自体が時間軸に関係する表現になるため、時間を表現する言葉である「今」という漢字がしっくり当てはまってしまうのも、誤用を誘発した一因であるといえます。実際には誤用であるものの一般的にも浸透しつつあるため、他の人が使っていた場合は「未だに」と同じ意味であると考えてよいでしょう。ただ、厳密には「今だに」は使わない方が望ましいです。

「今でも」という表現の方が無難

「今」という漢字を使って「未だに」に近い表現をするのであれば、「今でも」という表現方法を用いた方が無難です。「今でも」という表現は「未だに」という表現に比べて、ニュアンスとしてニュートラルになります。「未だに」は 否定的なニュアンスを含んでいますが、「今でも」はプラスでもマイナスでもない表現になります。「未だに彼女は学校に通っている」「今でも彼女は学校に通っている」この2つの文を見比べてみましょう。学校に通っていることを「遅れている」とらえているのか、ただ客観的事実を述べているだけなのか。 その違いが「未だに」と「今でも」に現れています。

「未だに」を英語でいうと?

「未だに」を英語でいうと?

「未だに」の英語表現について紹介します。英語の表現方法についても身につけておくと、海外に行った時に役に立つことがあります。比較的かんたんな英語表現をピックアップしました。さっそく見ていきましょう。

「still」

「still」は「未だに」の英語表現になります。「He’s still angry.」で「 彼はまだ怒っている。」という意味の英語表現です。

「even now」

「even now」も「未だに」の英語表現として適しています。「I’m bad at English even now.」で、「私は今でもまだ英語は苦手です。」という意味の英文になります。

「未だに」の使い方と例文集

「未だに」の使い方と例文集

最後に「未だに」の使い方と例文について紹介します。言葉の意味やニュアンスを正確に理解することで、正しい使い方が見えてきます。「未だに」の使い方について、例文を交えて詳しく解説します

「未だに」の使い方

「未だに」は「過去に起こったある事柄が現在でも続いている状態」を表している言葉です。また、使われ方としては「未だに○○ない」というような否定文として用いられることが多いです。また、肯定文として使われることもありますので、それぞれの使い方をしている例文を後ほど紹介します。

「未だに」を使用するときの注意点

「今だに」という表現は誤用になるので使わないように注意しましょう。ただ、他の人が使っていた場合は、「未だに」と同じ意味であると受け止めて問題ありません。実際問題、話し言葉においては両者ともに「いまだに」と発音するので「今だに」と誤解していても、問題にならないことが多いです。メールなど、文面に書き起こすときに注意しましょう。

「未だに」の例文

最後に「未だに」を用いた例文を紹介します

例文
  • 彼は未だ訓練期間から抜け出せないでいる。
  • 彼女は未だに同じ仕事を続けている。

上の文章が「未だに○○ない」、下の文章が「いまだに○○している」という使い方になります。この使い方は定型表現なので覚えておくとよいでしょう。

まとめ

「未だに」という言葉は「今になってもまだ」という意味がありました。また「今だに」という表現は厳密には誤りであるため、使わないように注意しましょう。「未だに」の類義語や対義語も同時に身につけておくことで、ボキャブラリーの幅が広がります。ビジネスシーンにおいて、正しく日本語が使えるよう言葉の意味や使い方には敏感になっておきましょう。

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