「ミドルネーム」の意味とは?つける理由や日本で使用できるかを解説

ミドルネーム

外国人の名前には、姓と名の間に「ミドルネーム」と呼ばれる名前がつけられています。日本人には馴染みのない「ミドルネーム」ですが、なぜつけられているのでしょうか。この記事では「ミドルネーム」をつける理由や、どのように決めているのかを解説します。

目次

「ミドルネーム」とは

「ミドルネーム」とは

「ミドルネーム」は姓と名の間に入る名前のことを指し、欧米における名付けの習慣として知られています。外国では「姓」と「名」の種類が少ないため、個人を区別するために「ミドルネーム」が採用されています。キリスト教信者であれば洗礼名をつけることが多く、海外では自分の個性を表すものとして大切にされています。

姓と名の間にある名前のこと

「ミドルネーム」は名前と姓の間につける名前で、「ミドルネーム」の長さに決まりはありません。天才画家であるピカソの本名は「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ファン・ネポムセノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・シプリアーノ・デ・ラ・サンテシマ・トリニダット・ルイス・イ・ピカソ」です。「ルイス・ピカソ」の部分以外がすべて「ミドルネーム」で、ピカソ本人も覚えられなかったといわれています。

簡潔に表記するため「ミドルイニシャル」を使うことも

フルネームを記載すると長くなってしまうため、「ミドルネーム」をイニシャルで表記することもあります。たとえば、アメリカのブッシュ元大統領のフルネームは「ジョージ・W・ブッシュ」となり、この「W」は「ウォーカー」という「ミドルネーム」をイニシャル表記しているのです。

「ミドルネーム」の起源・由来

「ミドルネーム」の起源・由来

「ミドルネーム」は、今からおよそ3,000年前の古代ローマ時代にはすでに使われており、当時は出身地を示すために名付けられていました。その後18世紀のヨーロッパで急速に広がり、スペイン系やアラブ系の民族でも「ミドルネーム」をつける習慣が確立しました。中世ヨーロッパにおけるキリスト教信者は洗礼名を苗字の代わりにしていましたが、洗礼名を「ミドルネーム」としてつける習慣が誕生し、「個人名」+「洗礼名」+「苗字」のスタイルが確立しました。

「ミドルネーム」をつける理由とは

「ミドルネーム」をつける理由とは

「ミドルネーム」には、氏名が同じ人を区別する役割があります。外国では姓と名の種類が少なく、日本人の苗字が約20万種類あるのに対して外国は約1万種類しかありません。そのため、どうしても同姓同名の人が複数人発生してしまい、混乱を招くのを防ぐ目的があるのです。アメリカでは親の名前を子どもにそのままつけることも多く、家族間で同じ名前になるパターンもあります。「ミドルネーム」を加えることで、名前の完全一致を防げます。

「ミドルネーム」はどうやってつけるのか

「ミドルネーム」はどうやってつけるのか

「ミドルネーム」は中世ヨーロッパ時代の名残が現在でも残っており、キリスト教の洗礼名をつけることが多いです。しかし現在では先祖の名前や尊敬する人物の名前をつけるなど、「ミドルネーム」の種類は多種多様です。ここでは、どのように「ミドルネーム」がつけられるのかを解説します。

ご先祖の名前

家系を継ぐという意味をこめて、「ミドルネーム」に先祖の名前をつけることがあります。はるか昔の先祖の名前をつけたり祖父母の名前をつけたりと、「ミドルネーム」の由来には家庭によってさまざまなものがあります。家系を継ぐという意味では長男や長女にこの名付けの傾向が高く、長男には父親の名前、長女には母親の名前を「ミドルネーム」としてつけられることも多いです。

母方の姓や自分の旧姓

海外でも女性が結婚すると、日本と同様に苗字が夫の姓に変わります。日本では旧姓を残すことはできませんが、海外では「ミドルネーム」として旧姓をつける人もいます。また子どもの名付けをする際に、母方の姓を「ミドルネーム」にすることがあります。

尊敬する人の名前

「ミドルネーム」は、先祖の名前や旧姓にこだわらず尊敬する人の名前をつけるパターンもあります。日本でも「こんな人間になってほしい」という思いから偉人の名前をつける人がいます。海外でも同じ意味を込めて、尊敬する人の名前を「ミドルネーム」に取り入れることがあります。

苗字が2つある国も存在する

スペインや南米などでは、生まれた子どもに父母両方の苗字をつける習慣があります。この場合の多くは「個人名」+「ミドルネーム」+「父親の姓」+「母親の姓」となります。このような人が他国に移住した際、名前が長すぎることから書類表記は「個人名」と「父母どちらかの苗字」で対応しなければなりません。

有名人の「ミドルネーム」を紹介

有名人の「ミドルネーム」を紹介

世界で活躍する有名人の本名にも「ミドルネーム」がありますが、中には「ミドルネーム」で活動している有名人もいます。アメリカでは「ミドルネーム」を普段使いする人が多く、ハリウッド俳優やセレブでも「ミドルネーム」で活動している人が多いのです。ここでは、海外の有名人の「ミドルネーム」を紹介します。

アーノルド・シュワルツェネッガー

人気作品「ターミネーター」シリーズに出演し、「シュワちゃん」の愛称でおなじみの「アーノルド・シュワルツェネッガー」。本名は「Arnold Alois Schwarzenegger」で、「Alois」の部分が「ミドルネーム」です。

ブラッド・ピット

世界的に有名なハリウッドスター「ブラット・ピット」。本名は「William Bradley Pitt」で、実は「ミドルネーム」を使用していたのです。ちなみにブラッド・ピットが「William」の名前を使うのは女性を口説く時だけだそうですよ。

ブルース・ウィリス

「ダイ・ハード」シリーズで人気がある「ブルース・ウィリス」。本名は「Walter Bruce Willis」で、ブラッド・ピットと同じく「ミドルネーム」を使用しています。

バラク・オバマ

元アメリカ大統領の「バラク・オバマ」。本名は「Barack Hussein Obama II」で、「Hussein」の部分が「ミドルネーム」です。

日本では「ミドルネーム」をつけられるか

日本では「ミドルネーム」をつけられるか

日本人で「ミドルネーム」をつけている人は聞いたことがありませんよね。そもそも現在の日本の戸籍制度では「ミドルネーム」をつけることはできるのでしょうか。

原則つけることはできない

現在の日本の制度では、戸籍には氏名のみしか登録できません。海外に移住もしくは国際結婚をすることで「ミドルネーム」をつけられます。戸籍には記載できませんが、キリスト教の洗礼名を「ミドルネーム」として使うことはできます。日本では名前の文字数に制限がないため、外国人の帰化申請などでは「ミドルネーム」を名前の一部として戸籍に登録できます。「ミドルネーム」を名前の一部として組み込んでいる人物には、「ケンブリッジ飛鳥アントニオ」や「田中マルクス闘莉王」が挙げられます。

昔は「ミドルネーム」と似た名前の制度があった

明治時代より昔は「ミドルネーム」と類似する名前制度が存在していました。当時の人は苗字と名前のほかに「氏」や「位」などをくっつけて本名として使用していました。たとえば織田信長のフルネームは「平朝臣織田上総介三郎信長」ですが、構成を分解すると以下のようになります。
・「氏(うじ)」は「平」
・「姓(かばね)」は「朝臣」
・「苗字」は「織田」
・「官位」は「上総介」
・「字(あざな)」は「三郎」
・「諱(いみな)」は「信長」
当時は「他人の諱(いみな)」を呼ぶことは失礼で許されず、天皇や上司、両親のみが呼べる名前でした。現在の歴史の授業で習う名前はほとんどが「諱(いみな)」です。

まとめ

「ミドルネーム」とは欧米の名付け習慣のことです。「ミドルネーム」にはキリスト教の洗礼名をつける事が多いですが、先祖の名前や母親の姓をつけたり尊敬する人の名前をつけたりします。アメリカでは「ミドルネーム」を普段使いする人が多く、ハリウッドスターでも「ミドルネーム」+「姓」で活動している人がいます。外国の有名人の本名を調べると、意外な発見ができるかもしれませんね。

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