汎用の意味と使い方とは?「凡庸」との違いや類語・対義語・英語表現も例文紹介

「汎用」の意味と使い方とは?「凡庸」との違いや類語・対義語・英語表現も例文紹介
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通販番組などで「汎用性が高い商品です」と紹介されるものには、どのようなイメージがありますか?そもそも言葉の意味をよく知らない方もいるのではないでしょうか。この記事では「汎用」の意味や使い方をはじめ、「凡庸」との違いについても解説します。

目次

「汎用」の意味とは

「汎用」の意味とは

「汎用」は「はんよう」と読み、一般的に活用したり幅広く用いたりすることや、用途を限定せず何に対しても使えることを表しています。「汎」の「広く行き渡る」という意味と「用」の「用いること、使い道」という意味が合わさってできた言葉です。同じ「汎」を使用した熟語には、すべてのものを広く愛するという意味を持つ「汎愛」や、広く全体に渡って論じるという意味を持つ「汎論」があります。

参照:Weblio辞書「汎用」

「汎用」の使い方

「汎用」の使い方

「汎用」を使う際には「汎用する」という動詞表現として使用することもありますが、「汎用〇〇」と表現することで「幅広い用途がある〇〇」という意味で使用されます。ここでは、ビジネスシーンなどでよく使われる具体例を解説します。

汎用性

「汎用性」は商品や製品に対して使われることが多く、幅広い用途に対応できる豊かな性質を表します。「彼女は汎用性が高い」といったように人に対して使用することもありますが、相手をものとして扱っている印象が残るため多用しないほうが無難でしょう。この場合は「彼女はどこに行っても柔軟に対応できる」という意味を表しています。

汎用的

「汎用的」とは、さまざまな出来事に対応できる能力がある様子を表す言葉です。近年では子どもへのキャリア教育の一環として、「基礎的・汎用的能力」を育てるための指標が出されている学校もあります。ここでいう「汎用的能力」とは、コミュニケーションスキルや主体的行動を取ること、情報選択や処理能力など多面的な能力のことを指します。将来有望な人材になるために、子どもの頃から「汎用性」を身につける教育が行われているのです。

汎用品

幅広い目的や用途で使用できる製品のことを「汎用品」といいます。商品には「純正品」と「汎用品」があり、「純正品」はその商品専用につくられたものですので品質がきちんと保証されています。対して「汎用品」は「純正品」とは少し異なる仕様になっていることもありますが、幅広い商品に対応できるように作られています。さらに、「純正品」と同程度の品質を保っていながら安価で購入できるメリットもあります。

汎用する

「汎用」の動詞表現として「汎用する」を使用し、さまざまな用途に利用することを表します。たとえば、「スマートフォンをテレビとして汎用する」という表現は「通話やアプリ仕様が目的のスマートフォンを、テレビを見る用途でも利用する」という意味となります。

「汎用」の類義語・言い換え表現

「汎用」の類義語・言い換え表現

「汎用」はビジネスシーンでよく使われる表現であることから、日常的に使用するには少し堅苦しい印象があります。日常生活で「汎用」と同じ意味を表したいときには、以下のような類語に言い換えて使用されます。

多用途

「多用途」には「使い道がたくさんある」という意味があります。製品そのものに多くの機能が備わっておりいることから、1つのものが2つ以上の用途を持っていることを表し、「汎用」とよく似た意味を持ちます。

例文
  • 多用途に活用できるかばんを手に入れた。
  • この手帳はカレンダーやスケジュール機能だけでなくタスク管理もできる多用途なものだ。

万能

「万能」には「あらゆることに優れていること」という意味があります。「万能薬」という言葉があるように、すべてのものに効き目がある様子を表す言葉です。「汎用」とよく似た意味を持ちますが、幅広く用いるという意味では「万能」の方がより優れたものを表しています。

例文
  • このペンチはどんなに硬いものも切れる万能品だ。
  • 彼は営業から事務仕事までこなす万能な人材だ。

応用できる

「応用」には「道具や知識をほかの物事に適用させる」という意味があり、「応用できる」や「応用がきく」と表現されます。つまり、本来はこの目的で使用されるものではないが、いざというときに代用できるという意味があるのです。

例文
  • DVDプレイヤーのリモコンは、テレビのリモコンとしても応用できる。
  • ガスコンロの魚焼きグリルは、パンを焼いたり油を切ったりするのにも応用できる。

「汎用」と「凡庸」の違い

「汎用」と「凡庸」の違い

「汎用」とよく読み間違える言葉に「凡庸」があります。「凡庸」は「ぼんよう」と読み、「汎」と「凡」の字が似ていることから読み間違えることが多いのです。しかし、「はんよう」と「ぼんよう」では言葉が持つ意味のニュアンスが異なるため、注意が必要です。

「凡庸」は「普通であること」を意味する

「凡庸」とは「特別に優れたものでなく、普通で取り柄がないこと」を意味します。「凡」には「普通」という意味があり、「庸」には「平凡」という意味があるため、この2つの言葉を重ねることで「平凡・普通」を意味します。

例文
  • 凡庸な人にならないよう勉強を重ねる。
  • 日々凡庸な生活を送るのに嫌気が差し、ひとり旅に出た。

「汎用」と「凡庸」は異なるニュアンスを持つ

2つの言葉の意味を比べると、「汎用」と「凡庸」では異なるニュアンスを持っていることがわかります。「汎用」は使い勝手がよく便利だというポジティブな意味を持つのに対し、「凡庸」はありふれたもので目新しいものではないというネガティブな意味しか持たないのです。たとえば「この案件はほかのプロジェクトにも汎用できる」という文章は、案件が広く活用できることを意味しますが、「ほかのプロジェクトにも凡庸する」とは表現できません。

「汎用」の英語表現

「汎用」の英語表現

「汎用」が使われている日本語文章を英訳する際には「general purpose」や「versatility」、「all purpose」が使われます。「general」には「全般の」という意味があり、「purpose」には「目的や意図」という意味があります。「幅広く使える」という意味を表す際には「広く使う」という意味を表す「a wide use」や、「すべての目的である」という意味を表す「all purpose」を使用します。

例文
  • This is a general-purpose computer.(これは汎用コンピューターです。)
  • This product is well-known for its high versatility.(この商品は汎用性が高いことで知られています。)

「汎用」を使った例文

「汎用」を使った例文

「汎用」はビジネスシーンで使用されることが多いですが、普段の生活の中でも聞くことがあります。たとえば通販番組などで「1台で3つの役割をもつ汎用性がある商品」という謳い文句を聞いたことはありませんか?製品を紹介する際に消費者に対してお得感を味わわせるため、「汎用」という表現を使用して購買につなげるのです。このほかにも「汎用」を使った例文には、以下のようなものがあります。

例文
  • この製品は汎用性が高いため、ほかの目的にも使用できそうだ。
  • 企画書の作成には、よくある書式を汎用しています。
  • このモニターはUSBにもコンセントにもつなげる汎用性の高い商品だ。

まとめ

「汎用」とは、幅広い活用方法があることを表す言葉です。「汎用性」や「汎用品」というように「汎用〇〇」と表現することが多く、ビジネスシーンだけでなく通販番組などにおける製品紹介の際にも使用されます。「汎用」と同じ意味を持つ類語表現には「多用途」や「万能」、「応用」があります。日常生活で使用するのはこちらの表現の方が多いでしょう。「凡庸」とよく間違われますが、優れた点がないという意味で「汎用」よりもネガティブな印象があるため、間違えて使用しないよう注意が必要です。

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