「いえいえ」の意味と使い方とは?「いやいや」との違いや英語表現を例文解説

いえいえ

「ありがとうございました」と言われたら、思わず出てくるのが「いえいえ」ですね。ところで漢字で「いえいえ」って書けますか?案外この言葉の意味や表記などは知らないものです。そもそもビジネスシーンで使っていいのかも含めて解説します。

目次

「いえいえ」の意味とは?

「いえいえ」の意味とは?

「いえいえ」を見て「家々」を思いつく人もいるでしょう。いくつもの家が立ち並ぶ様子ですね。ここではその意味は置いておいて、ビジネストークで思わず口をついて出る「いえいえ」について考えてみましょう。

意味1:謙遜を表す

一つ目の意味は、謙遜の意を示す言葉としての働きです。感謝されて「いえいえ、どういたしまして」と使ったり、褒められて「いえいえ、それほどのことでは」と答えたりする場合ですね。

意味2:丁寧な否定

もう一つは、丁寧に否定の意思を示す意味です。「いえいえ、それは違います」や「いえいえ、私の物ではありません」のように用いる場合で、必ず否定の言葉と併せて用いられます。

漢字では「否否(否々)」

この言葉を漢字で表記することはほとんどありませんが、あえてすると「否否(否々)」となります。「否」は、否定の言葉にも使われる打消しの意を持つ漢字です。これを2度重ねているわけですから、かなり強い否定を表していることが分かります。

「いえいえ」の状況別の使い方

「いえいえ」の状況別の使い方

「いえいえ」は謙遜や丁寧な否定を表すわけですが、具体的にどのように用いればいいのでしょうか。ふだん、思わず口にしている言葉ですが、これを状況別に整理してみると、その使い方のポイントが見えてきます。

謙遜1:感謝に対して

・いえいえ、とんでもないです。お役に立てたなら嬉しい限りです。
感謝の言葉をいただいたときに返す言葉としての用い方です。自分のしたことが役に立ったことを喜ぶ表現を添えると、さらに奥ゆかしい印象が与えられますね。

謙遜2:賞賛に対して

・いえいえ、それほどのものではありません。下手の横好きというやつです。
何か褒められたときに、謙遜して用いる言い方です。「大したことではない」や「驚くほどのことではない」のように、程度として賞賛に値するものではないことを表す言い回しが続きます。

否定1:不意のときに

・いえいえ、私から付け足すことはありません。
何かありますか、と突然ふられたときの返し方です。この用例は、ひとまず受け流すことが主目的ですから、反射的に口に出すことが重要です。あまり的確に返答する必要はなく「いえいえ、とんでもないです」のように慣用句的な表現で十分でしょう。

否定2:丁寧に否定するとき

・いえいえ、大した手間はかかりません。
相手が言ったことに対して、やんわりと否定できます。「いえいえ」だけだと切り捨てたようなニュアンスになってしまうので、相手の言葉をひっくり返して添えるといいでしょう。例文では「結構な手間じゃないですか?」のような問いかけに対して丁寧に否定した言い方になります。

「いえいえ」を使用するときの注意点

「いえいえ」を使用するときの注意点

「いえいえ」は日常よく使われる言葉です。しかし使い方を間違えると思わぬ誤解を受けたり、意図が伝わらなかったりします。基本的な注意を確かめましょう。

目上に使えるのは謙遜のとき

否定の意味で使うこともある言葉ですが、かなりくだけた印象のある言葉ですので、その意味で使うのは相手を選びます。近しい間柄の人や親しみを演出する場合を除いては目上への使用は避けるべきでしょう。目上にも安心して使えるのは謙遜の意味の場合です。目上の方から感謝されたり、褒められたりするのはうれしいものですし、ありがとうございます、と素直に喜ぶのも悪いことではありません。しかし「いえいえ、とんでもないです」と落ち着いて返すことで、分をわきまえたビジネスパーソンの素養を感じさせられますね。

後に言葉を添えて使う

「いえいえ」を単独で使うと、突き放したような冷たい印象になり、謙遜なのか否定なのか意味も伝わりにくくなるので避けなければなりません。必ず後に続けて、意図を明らかにする丁寧な表現を添える必要があります。謙遜なら「とんでもないです」や「たいしたことではございません」のように、否定なら「~のようなことはございません」や「~することは可能です」のように、否定した内容を添えましょう。

メールでは避ける

「いえいえ」は敬語ではありませんが、会話の中では言い方や後に続く表現で敬意を表せます。しかしメールではそうしたニュアンスは伝わりにくく、使用は避けた方が無難です。

いいえとの誤解に注意

「いいえ」は、相手の言葉を丁寧に否定したり打ち消したりする言葉です。「いえいえ」とよく似た意味合いなのですが、謙遜の意味で用いられることはほとんどない点が異なります。「いいえ」ははっきりと否定する場合に用いるようにし、謙遜の意味では「いえいえ」のみを用いるようにする方が誤解を招きません。

多用はNG

「いえいえ」はそれだけでも反復している表現です。「いえいえいえいえ~」とさらに反復して謙遜の度合いなどを強めようとしているのを見かけますが、あまりよい印象はありません。たとえば「はい」を反復して「はいはい」とすると失礼なように、礼を失した表現と受け取られます。また、一度の会話の中でたびたび「いえいえ」と繰り返すのも同様に印象はよくないので避けるようにしましょう。

「いえいえ」に添えて使う言葉

「いえいえ」に添えて使う言葉

「いえいえ」は、単独で使うことは望ましくなく、ほかに言葉を添えて使う表現です。よく伴って使われる言葉があり、うまく使いこなせば状況に応じた適切な言い回しが可能です。3つ紹介します。

どういたしまして

・いえいえ、どういたしまして。いつでもお声がけください。
「どういたしまして」は、気を遣う必要はないことを伝える表現です。何か(どう)した(いたしまし)わけではない(て)ことを表しています。謙譲表現の「いたす」が使われているので、相手を選ばずに使用できます。

とんでもないです

・いえいえ、とんでもないです。ご心配には及びません。
「とんでもない」は、考えつかない、もってのほかだ、の意味の形容詞です。謙遜の気持ちを表す言葉としてよく用いられますが、敬語にするために「です」を伴うことが多いですね。「とんでもありません」や「とんでもございません」は形容詞の活用として誤っているので使えません。形容詞に「です」を付す言い方はあまりよくないと考えて「とんでもないことです」のような表現もよく使われます。

光栄です

・いえいえ、お役に立てて光栄です。
「光栄です」は、名誉に感じていることを表す言葉です。「嬉しいです」と表すこともできますが、「光栄です」の方が漢語のためかしこまった印象で、目上の方などにも問題なく使用できます。さらにあらたまった表現として「光栄に存じます」もよく用いられます。

「いえいえ」と「いやいや」の違い

「いえいえ」と「いやいや」の違い

・いやいや、大したことはしていません。
「いえいえ」と同じように用いる言葉に「いやいや」があります。これは漢字で書くと「嫌嫌(嫌々)」と表記する場合もあり、否定の意が強い表現です。「いやいや」を例文のように謙遜の意味で用いると、受け入れることを遠慮しているニュアンスになってしまいます。誤解や悪印象を避ける意味からも、「いやいや」は否定の意味以外には用いないようにした方がよいですね。

「いえいえ」を外国語でいうと?

「いえいえ」を外国語でいうと?

「いえいえ」と謙遜する表現は日本的な文化のイメージがあります。しかし外国語でも同様の意味を表す言葉はちゃんとあります。3カ国語で紹介します。

英語表現:You’re welcome.

・You’re very welcome.(どういたしまして。)
Thank youに対する返事として最も一般的な表現ですね。より丁寧に伝えたい場合、veryやmostを伴って用います。

中国語表現:哪里哪里.

・哪里哪里.(いえいえ。)
何か褒められたときなどに思わず返す一言です。「いえいえ」と同じく謙遜の意味で用いられます。

韓国語表現:아니에요.

・아니에요.(いえいえ。)
アニエヨと発音し、謙遜して返す一言として用いられます。さらに短く「아니요(アニヨ)」とすることもあります。

まとめ

相手の感謝や賞賛に対して「いえいえ」と謙遜するのはうるわしい文化です。裏でどんなに苦労したとしても、それを表に出すのは野暮な振る舞いですね。ビジネスシーンでは、こうした態度はとても重要です。おごった態度や恩着せがましい態度は百害あって一利なしです。一歩下がる奥ゆかしい姿を矜持としていきたいものです。

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