「シンパシー」の意味を知っていますか?人の心を表す心理用語であることは知っていても、明確な意味を答えるのはなかなか難しいものです。この記事では「シンパシー」の意味・語源、「エンパシー」との違い、英語での使い方を徹底解説します。
「シンパシー」の意味とは?
「シンパシー」の意味とは、「同情・同感・思いやり・哀れみ(あわれみ)・弔慰(ちょうい)・お悔み(お悔み)・共鳴」です。
「シンパシー」の由来・語源
「シンパシー」の語源・由来は、英語の「sympathy」からのカタカナ語です。英語の「sympathy」の詳細はこの記事で後述しますが、英語でも同じ意味「同情・同感・思いやり・哀れみ(あわれみ)・共鳴」を表します。
「シンパシー」の類義語・言い換え
「シンパシー」の類義語にはどのような言葉があるのか見ていきましょう。
- 同調(どうちょう)
- 共鳴(きょうめい)、共鳴り(ともなり)
- 共感(きょうかん)
- 同感(どうかん)
- 意気投合(いきとうごう)
- 弔意(ちょうい)
- 同情(どうじょう)
- 弔慰(ちょうい)
- 思いやり
- 理解
- 哀れみ(あわれみ)
- 悔み(くやみ)
「シンパシー」と「エンパシー」「テレパシー」との違い
次に、「シンパシー」と似ている言葉である「エンパシー」「テレパシー」との違いを見ていきましょう。それぞれの違いを理解するために、「エンパシー」「テレパシー」の意味を把握した上で、「シンパシー」との違いを理解しましょう。
「エンパシー」とは?
「エンパシー」の意味とは、「感情移入・共感」。英語「empathy」が語源のカタカナ語で、英語の語源はギリシャ語「同情」を意味する言葉が由来です。
「テレパシー」とは?
「テレパシー」の意味とは、「精神感応・相手の心情を読み取ること」。英語「telepathy」が語源のカタカナ語で、日本語の四字熟語では「以心伝心(いしんでんしん)」とも言い換えられます。つまり、五官(五つの感覚をつかさどる器官である目・耳・鼻・舌・皮膚)や行動やしぐさや言葉がなくとも、相手の考えていることや気持ちを感じ取れることをいいます。
「シンパシー」と「エンパシー」「テレパシー」との違い
「シンパシー」と「エンパシー」「テレパシー」との違いを見ていきましょう。
- 「シンパシー」とは、相手の状況に同情・共感・共鳴すること。
- 「エンパシー」とは、相手の状況に感情移入をすること。
- 「テレパシー」とは、五官や行動・言葉がなくとも相手の気持ちを感じ取ること。
それぞれを比べてみると、「テレパシー」は「シンパシー」「エンパシー」とは意味が大きく異なることがわかりました。「シンパシー」と「エンパシー」の違いについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
「シンパシー」とは、相手の状況に同情し共感するなど、感情の動きを表す言葉です。一方「エンパシー」は、相手への感情移入を表す言葉。相手の状況を想像する力により相手の状況へ感情移入し、相手の状況を自分が体感することをいいます。
「シンパシー」英語での使い方
次に、「sympathy(シンパシー)」の英語の使い方を見ていきましょう。
「シンパシー」を英語でいうと?
「シンパシー」を英語でいうと「sympathy」。日本語のカタカナ語「シンパシー」と同じ意味「同情・同感・思いやり・哀れみ(あわれみ)・弔慰(ちょうい)・お悔み(お悔み)・共鳴」を表します。「sympathy」の由来はギリシャ語の「共感」が語源の名詞で、形容詞は「sympathetic(同情的な・思いやりのある」、動詞は「sympathize(同情する・同感する)」です。
「シンパシー」「 エンパシー 」「コンパッション」の違い
英語には「sympathy(シンパシー)」「 empathy(エンパシー) 」と似ている言葉で「compassion(コンパッション)」があります。「compassion」とは「同情心・哀れみ」の意味で、ラテン語「一緒に苦しむ」が語源の言葉です。ひとつずつ言葉の意味をおさらいしましょう。
- 「sympathy(シンパシー)」は「同情・同感・思いやり」。
- 「empathy(エンパシー) 」は「相手への感情移入」。映画やテレビドラマに感情移入して泣いたり喜んだりすることも「empathy」です。
- 「compassion(コンパッション)」は「同情心・哀れみ」。
3つの言葉を比べてみると、「empathy」はほかの言葉とは意味が異なることがわかります。
「sympathy」と「compassion」を比べてみましょう。
- 「sympathy」は、誰かの痛みや悲しみや苦しみに対して同情し気の毒に感じること。たとえばニュースなどで災害や痛ましい事件が目に入ると、同情したり気の毒に感じたりする感情です。
- 「compassion」は、同情や感情移入した気持ちの先にある「行動」。相手の状況を打破するために、道筋をつくるなどの同情の先にある行動を意味します。
「sympathy」と「compassion」の違いは、「sympathy」で感じた気持ちの先の行動そのものが「compassion」ということになります。
「シンパシー」英語の類義語
「sympathy(シンパシー)」英語の類義語を見ていきましょう。
- understandingは「意見を支持する、意見に同意する」意味です。
- follow feelingは「相手の苦痛や苦悩や悲しみなどの気持ちを分かち合うこと」を意味します。
「シンパシー」英語での使い方と注意点
「sympathy(シンパシー)」を使うときには、「empathy(エンパシー) 」や「compassion(コンパッション)」との微妙なニュアンスの違いに気を付ける必要があります。
「シンパシー」英語の例文
「sympathy(シンパシー)」英語での例文を見ていきましょう。
- I don’t need sympathy. (同情はいりません。)
- My sympathies. (お気の毒です。)
- When her mother passed away, I sent her sympathy flowers.(彼女のお母さんが亡くなり、供花を送った。)
- He lacks empathy (彼は共感力に欠ける。)
- Each one has compassion.(それぞれが共感力を持つ。)
「シンパシー」の使い方と例文集
では、「シンパシー」を実際につかってみましょう。
「シンパシー」のシーン別の使い方
ここでは、「シンパシー」の使い方の例を、シーン別に紹介します。
- ネガティブな共感を表現
- 異性や恋愛におけるシンパシー
- 政治の一幕におけるシンパシー
ひとつずつ見ていきましょう。
「シンパシー」の使い方その1「ネガティブな共感を表現」
「シンパシー」は、基本的に「ネガティブな共感を表現」する場合に使われる言葉です。「シンパシー」には「共感」の意味もありますが、ネガティブな状況における「共感」であり、どちらかろいうと「同情」の意味が強いところがポイントです。「シンパシー」を使うときには、相手の状況が思わしくない場合・ネガティブな状況にある場合に使うのが適切です。
「シンパシー」の使い方その2「異性・恋愛におけるシンパシー」
異性関係や恋愛においても「シンパシー」が使われます。恋愛の場においてはネガティブな状況は関係なく、相手との共感や共鳴のみを表現します。
「シンパシー」の使い方その3「政治でも使われる」
「シンパシー」は政治の世界でも使われる言葉です。政治の世界でも同じように、情勢不安などのネガティブな状況においての共感や同情を表します。
「シンパシー」の使い方・言い回しと例文
「シンパシー」を使うには、次のような言い回しをします。
- シンパシーを感じる
- シンパシーをおぼえる
- シンパシーを抱く(いだく)
「シンパシー」の使い方・言い回しと例文その1「シンパシーを感じる」
「シンパシーを感じる」の例文です。
- 彼女とは、初対面にもかかわらずシンパシーを感じた。
- この映画の主人公は生まれながらに苦労を重ね、シンパシーを感じずにはいられない。
「シンパシー」の使い方・言い回しと例文その2「シンパシーをおぼえる」
「シンパシーをおぼえる」の例文です。
- 彼女とは、初対面にもかかわらずシンパシーをおぼえた。
- この映画の主人公は生まれながらに苦労を重ね、シンパシーをおぼえずにはいられない。
「シンパシー」の使い方・言い回しと例文その3「シンパシーを抱く」
「シンパシーを抱く(いだく)」の例文です。
- 彼女とは、初対面にもかかわらずシンパシーを抱いた。
- この映画の主人公は生まれながらに苦労を重ね、シンパシーを抱かずにはいられない。
まとめ
「シンパシー」とは「同情・共感」を意味する英語由来のカタカナ語です。日本語では「エンパシー」や「テレパシー」、英語では「empathy(エンパシー)」や「compassion(コンパッション)」と非常に似ている言葉ですが、状況によって使い分けられるようにしましょう。