「ぞんざい」とは「無礼なさま」「なげやりな様子」を表す言葉です。「ぞんざい」の漢字表記はありません。この記事では、「ぞんざい」の意味や使い方について、例文や類語を交えて紹介します。
「ぞんざい」の意味とは?
ぞんざいという言葉には、大きく2つの意味があります。
1つ目は乱暴を働くというものです。乱暴を働くという意味については、無礼であることや無礼なさまという意味が含まれています。こちらは主に人を対象として使用することが多いです。
2つ目は物事をいい加減にするという意味です。こちらの意味には投げやりにするということも含まれており、物や事を対象にする他にも人に対しても使用できます。
「ぞんざい」の使い方・例文
1つ目の乱暴に働くという意味合いで使用すると「彼は同期に対してぞんざいな対応を取る」となります。
2つ目の物事をいい加減にするという意味合いで使用すると「先輩は使っているボールペンをぞんざいに扱う」、「彼女は体育祭の準備をぞんざいな態度で行っている」となります。
このように意味によって多少の使い分けは必要ですが、「ぞんざい」という言葉を使用する時は相当態度が酷いということを理解した上で使用するとよいでしょう。
使用してはいけない場面
ぞんざい、という言葉は目上の人に対しては使わないようにしましょう。単語の意味合いとしても悪く捉えられやすいことも多く、自分が使われても良い気分にはなりませんよね。
使用例
友人との飲みの場で「君はお酒を飲むと態度がぞんざいになりやすいから、気をつけた方がよい。」
上司との面談の際に「私は先輩からぞんざいに扱われている気がするんです。」
使う相手によっては嫌な気持ちになりますので、フォローを入れつつ注意するという形の方がよいでしょう。
「ぞんざい」に扱う人の心理状態
人や物をぞんざいに扱う人間には、総じて自己中心的な考えがあります。
乱暴に扱っても問題がない、いい加減な態度を取っても構わないだろうという慢心的な考えや自分のことばかりで周りのことを考えない態度が表に出てしまっています。そうした考えが人や物への態度に繋がり、行動がぞんざいになっていくのです。
「ぞんざい」に扱われる人の心理状態
ぞんざいに扱われる人は、自分に自信を持てない人や人からのポジティブな意見に対してもネガティブに捉えやすい傾向があります。自己評価の低さから自分なんて、という態度が表に出ている人は自己中心的な人によいように振り回されやすく、ぞんざいに扱われやすいです。また主張の激しい相手に流され、自分の意見を言えないまま適当にあしらわれていくと、だんだんぞんざいに扱われていくようになるため注意が必要です。
対処方法として、自分の意見をなるべく主張していくことがおすすめです。また、自己肯定感を高めて発言する努力も大切です。
「ぞんざい」の類義語・対義語
類義語・対義語は数多く存在しますので、いくつか紹介します。
ぞんざいの類義語については、意味合いにも含まれていますが「乱雑」「だらしない」「いい加減」という言葉が当てはまります。また、意味合いとは少しずれますが「おおざっぱ」や「ちゃらんぽらん」も類義語になります。
対して、対義語には「丁寧」や「念入り」が当てはまります。雑さが目立つ意味合いの単語であるため、「丁重」なども対義語に入ります。
日常で使いやすいのは?
「ぞんざい」という単語自体馴染みがないという人も少なくないでしょう。そういう方は「いい加減」「だらしない」という言葉なら友人などにも使いやすいですね。また、「おおざっぱ」という言葉であればやんわりと意味が伝わりやすいため、直接的な意味合いで伝えるのが難しいと思う場合には使いやすいでしょう。
ビジネスで使うなら
「ぞんざい」という単語を直接ビジネスで使用することはおすすめしません。先ほども説明したように目上の人に直接伝えることは失礼に当たりやすく、ビジネス上の表現として適切ではありません。
そのため粗雑や粗略という単語を用いて相手に伝えると、失礼になりにくいでしょう。伝えた後にはフォローの言葉を入れておくとさらに丁寧に伝わりやすいため、心がけましょう。
「ぞんざい」の漢字表記
ひらがなで書くことや見ることが多い「ぞんざい」ですが、実は漢字は決められていません。
当て字として小説家がさまざまな文字を当てましたが、正式になるものはありませんでした。実際使用された当て字として「存在」「粗雑」がありました。読み方からの当て字の場合と、意味合いからの当て字の場合があります。
ですが、実際にはどちらも当て字であるため、使用しても相手に絶対に伝わるものではないので使用することは控えた方がよいでしょう。
辞書では…
実際に辞書でも「ぞんざい」の単語を引いてみました。結果として、漢字表記では記されておらずひらがなで書かれていました。このことからもぞんざいに漢字がないことは明白です。そのため、もし手紙やメールなどで使用する場合はひらがなで使用しましょう。
使用頻度の割合
「ぞんざい」という言葉をひらがなと漢字どちらで使用されているか見比べてみました。使用頻度としては圧倒的にひらがな表記が多いですが、小説家のように表現を大切にされる方々は当て字を使う印象があります。間違っているわけではありませんが、あくまで当て字であることは覚えておいた方がよいでしょう。
「ぞんざい」の英語表記
ぞんざいを英訳すると「Rude」や「Rough」になります。Rudeには他人をぞんざいに扱うという意味や人に対して無礼な態度などを指します。意味としては1つ目の意味合いの部分が大きいですね。2つ目の意味合いを大きく持つ英単語は「Rough」です。こちらは物事をいい加減にする、雑に扱うなどの意味です。意味合いで単語が変わってしまうので、注意して使用しましょう。
他の国に同じ意味の単語はあるの?
ぞんざい、という意味になる単語は他国でも存在するようです。どこの国でもぞんざいという言葉は使用されているようですね。
国外ではぞんざい形という文字の形がある!?
実は朝鮮語にぞんざい形・ぞんざい語と呼ばれる非丁寧語を指す言葉の分類方法があります。朝鮮語は日本語よりさらに詳しく言葉の分類分けがされており、ぞんざい語はその一つです。「だ」や「である」という単語はぞんざい語に当てはまります。ぞんざい体の中も3種類ほど分かれており、身分などによって使い方を変えているようです。
「ぞんざい」という言葉の由来・語源
「ぞんざい」という言葉の由来については、粗雑から転じてぞんざいになった説と、「存在のまま」という言葉を略してぞんざいになったという説があります。
粗雑から転じた説については「ざい」の部分の言葉の出所が不明だと言うことで説としては薄いといわれています。
「存在のまま」については、そもそも「存在のまま」を「あるがまま」と意味変換することで、身勝手な態度やいい加減な態度を取ることから表しているといわれています。こちらに関しても強引さが拭えないため有力な説ではなく、現在もぞんざいの言葉の真の由来は不明とされています。
昔は違った?
古語では「ぞんざい」とは使われていませんでした。調べてみると、古語ではぞんざいという単語自体は使われず、「粗略なり」がぞんざいと同じ意味として使用されていました。今では意味として使われている粗略が古語で使用されていると、意味と単語を同時に覚えやすいですね。
使い方に注意しよう
言われて良い気分になる単語ではないことを念頭に置きましょう。当て字が存在していて、英単語でも意味合いで2つ存在するため、注意して使用するにこしたことはないでしょう。さらに、相手が不快な思いをしないように気をつけて発言すると、お互い気まずくなりにくいですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は「ぞんざい」について解説しました。
「ぞんざい」という1つの単語には、大きく分けて2つの意味合いがあります。使用する際には状況に応じて適切に使い分けたいですね。ぜひ、例文を参考にして正しく使用しましょう。
最後に「ぞんざい」のまとめです。
- 「ぞんざい」とは「無礼なさま」「なげやりな様子」を表す言葉です。
- 「ぞんざい」の漢字表記はありません。
- 「ぞんざい」の類義語は「乱雑」「だらしない」「いい加減」「おおざっぱ」「ちゃらんぽらん」などです。
- 「ぞんざい」の対義語に「丁寧」「念入り」「丁重」などです。
- 「ぞんざい」を英訳すると「Rude」や「Rough」になります。
- 「ぞんざい」の由来は、粗雑から転じてぞんざいになった説と、「存在のまま」という言葉を略してぞんざいになったという説があります。