「シュール」の意味と使い方|類義語・例文もわかりやすく解説

シュール
目次

「シュール」の意味とは?

「シュール」の意味とは?

「シュール」は、本来の意味と、日本でよく使われる意味が異なります。それぞれ見ていきましょう。

「シュール」の本来の意味

「シュール」は、本来、フランス語である「シュールレアリスム」の略語です。シュールレアリスムとは、20世紀を代表する芸術思想の一つで、超現実主義と訳されます。

「シュール」の日本でよく使われる意味

「シュール」の日本でよく使われる意味は、超現実主義とは異なります。シュールレアリスムが元となってできた言葉ですが、表現や発想が非日常的だったり、現実離れしていたりする様子を意味します。「シュールな」という形容動詞として使われます。この使い方をした場合は、外来語から派生した日本語と考えてよいでしょう。

「シュール」の語源・由来

「シュール」の語源・由来

「シュール」の語源と由来について詳しく説明します。

「シュール」の語源

「シュール」の語源であるフランス語の「シュールレアリスム」は、「surréalisme」と書きます。フランス語と英語の発音の違いもあり、日本語ではさまざまな表記がなされています。例えば、「シュールリアリスム」「シュールレアリズム」「シュールリアリズム」などです。フランスの詩人・小説家・評論家であるアンドレ・ブルトンが、1924年に発表した「シュールレアリスム宣言」という本から、「シュールレアリスム」という思想が始まったとされています。

「シュール」の由来

「シュール」の由来となった「シュールレアリスム」は、どのような思想なのでしょうか。「シュールレアリスム」の前身には、「ダダイスム」という思想がありました。これは、第一次世界大戦中から戦後にかけて、ヨーロッパやアメリカに広まった芸術運動のことです。既成の価値観を否定して、反道徳主義を唱えるという、革新的な思想でした。

この「ダダイスム」の考えを受け継ぎながら、無意識を研究したフロイトの深層心理学に影響を受けて、非合理的なもの、意識に上らないものを追求して、新しい芸術を創り出そうとしたのが、「シュールレアリスム」です。「シュールレアリスム」に影響を受けた画家たちは、意識下のイメージや世界を写実的に表現しました。スペインのサルバドール・ダリや、ベルギーのルネ・マグリットが有名ですが、その作品は、一度見たら忘れられない強烈な印象を与えてくれます。

「シュール」の類義語・言い換え

「シュール」の類義語・言い換え

「シュール」の類義語・言い換えについて見ていきましょう。

「シュール」の類義語

「シュール」の類義語は、現実や日常から外れているという意味で、「非日常的」や「現実離れ」などになります。また、「不条理」は、筋道が通らないこと、道理に合わないことという意味ですので、「現実・日常」=「筋道・道理」と考えると、「シュール」も「不条理」もそこから外れているという意味なので、やはり類義語といえます。

「シュール」の言い換え

「シュール」を言い換える場合は、「非日常的」「現実離れ」「不条理」などの類義語で言い換えます。ただし、ケースによっては、「奇抜」「難解」などが適する場合があります。

例えば、「ある朝、不安な夢から目を覚ますと、グレゴール・ザムザは、自分がベッドのなかで馬鹿でかい虫に変わっているのに気がついた。」(カフカ著、丘沢静也訳、『変身/掟の前で 他2編』光文社古典新訳文庫より)という衝撃的な一文で始まる、カフカの代表的な小説「変身」は、実にシュールな作品です。この場合、「カフカの『変身』はシュールな小説だ。」という文章を言い換えるとき、「非日常的な小説だ」「現実離れした小説だ」「不条理な小説だ」「非日常的な小説だ」でももちろんよいでしょう。ただ、この作品の不思議な設定を強調したい場合は、「奇抜な小説だ」の方がニュアンスが伝わるかもしれません。また、難しくてよくわからなかった、というようなニュアンスならば、「難解な小説だ」という表現が適当でしょう。

「シュール」の対義語

「シュール」の対義語

現実や日常から外れているのが「シュール」ですから、「シュール」の対義語は、現実や日常と重なっている言葉になります。すなわち、「平凡な」「ありきたりな」「日常的な」「現実的な」などです。

「シュール」と間違いやすい言葉

「シュール」と間違いやすい言葉

「シュール」と間違いやすい言葉にはどんなものがあるでしょうか。その違いについて説明します。

「シュール」と「シリアス」の違い

「シュール」と間違いやすい言葉の一つに、「シリアス」があります。語感が似ているので間違いやすいですが、「シリアス」は、「とてもまじめな」や、「事態などが深刻である」という意味です。「非日常的」という意味の「シュール」とは、全く意味が異なります。

「シュール」と「ファンタスティック」の違い

もう一つ、「シュール」と間違いやすい言葉は「ファンタスティック」です。こちらは、「非常に素晴らしい」や「幻想的」という意味です。「幻想的」という意味が、「シュール」の「非日常的」という意味とやや重なる感じがします。しかし、「幻想的」は、「現実から離れて、夢を見ているような」という意味です。「シュール」には、必ずしも「夢を見ているような」というニュアンスはありませんので、「ファンタスティック」とは異なります。

「シュール」のフランス語・英語の意味

「シュール」のフランス語・英語の意味

「シュール」のフランス語・英語の意味について説明します。

「シュール」のフランス語の意味

フランス語の「シュールレアリスム」は、「surréalisme」と綴ります。「sur」には「〜以上」「〜を超えた」という意味があり、「surréalisme」は「レアリスムを超えた」という意味の言葉です。絵画におけるレアリスムは、19世紀におこった芸術活動「写実主義」のことです。代表的な画家としては、ジャン=フランソワ・ミレーなどが挙げられます。ですから、「シュールレアリスム」は「写実主義を超えた芸術活動・思想」という意味です。

「シュール」の英語の意味

英語の「シュール」にあたる言葉は「サリーアル」で、「surreal」と綴ります。英語の接頭語「sur」にも、「〜以上」「〜超過」などの意味があります。「real(現実の)」に「sur」がついた「surreal」の意味は、「超現実的な」「超現実主義的な」「奇想天外の」などです。

芸術とお笑いにおける「シュール」

芸術とお笑いにおける「シュール」

芸術における「シュール」と、お笑いにおける「シュール」は別物です。それぞれの違いについて説明します。

芸術における「シュール」

芸術における「シュール」は、本来の「シュールレアリスム」の意味で使われます。非合理的なもの、意識に上らないものを追求した超現実主義の芸術活動・思想のことです。サルバドール・ダリの溶けたような時計を描いた絵が、代表的なシュールレアリスムのイメージといえます。

お笑いにおける「シュール」

一方で、お笑いにおける「シュール」は、日本国内でしか通用しない概念です。「シュールな笑い」とはどういう意味なのでしょうか。お笑いのネタには、設定というものがあります。この設定から予想される展開があり、ボケとツッコミがあって、通常のネタというものができるわけですが、「シュールな笑い」の場合は、予想される展開、すなわち現実からずれてボケていく、面白い笑いということになります。

「シュール」の使い方と例文集

「シュール」の使い方と例文集

「シュール」の使い方と例文を見ていきましょう。

「シュール」の使い方

「シュール」は、「シュールな」という形容動詞として使われます。「シュールな〜」「〜はシュールだ」というように使います。

「シュール」を使用するときの注意点

常識を超えたすごいものという意味で、「シュール」を使うこともあります。しかし、注意しなければならないのは、「あなたはシュールだ」といわれた人は、どちらかといえば、おとしめられたと受け取る場合が多いということです。目の前の相手に対しては、「シュール」とはいわない方が無難でしょう。

「シュール」の例文

「シュール」を用いた例文集です。おかしなこと、奇妙なことに対して、以下のように使います。

  • 「みんなが給食を食べている教室で、一人だけお手玉をしているシュールな光景」
  • 「ゆるキャラは、よく見るとシュールなやつが多い」
  • 「この映画のストーリーはシュールだった」
  • 「先生のダジャレって、寒いを通り越してシュールだよね」

まとめ

「シュール」の本来の意味は、フランス語の「シュールレアリスム」ですが、日本でよく使われる意味は、非日常的だったり、現実離れしていたりする様子です。褒め言葉として使われることもありますが、目の前の相手に対しては、「シュール」とはいわない方が無難です。

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる