「読み込む」は、「データを取り込む」や「熟読する」といった複数の意味があります。この記事では、「読み込む」の3つの意味や使い方、類語、対義語、英語表現について解説します。
「読み込む」には複数の意味があり、英語の意味もいくつかに分かれます。「読み込む」の語源の由来や類義語なども合わせて詳しく調べましたので、正しい使い方の参考にしてください。
「読み込む」の意味とは?
「読み込む」の意味には「パソコンのデータや画像を読み込む」、「熟読する」、「詩歌に入れて詠む」という複数の意味があります。
- データを読み取る
- 熟読する
- 詩歌に入れて詠む
これらの意味は使用されるシーンによって異なります。
また、「読み込む」は、物事を深く理解する、読み取るという意味でも使われます。ここでは、「読み込む」のそれぞれの意味を詳しく紹介します。
「読み込む」の意味1:データを読み取る
「データを読み取る」は、パソコンに保存された画像や動画、またはファイルやCD-ROMなどに保存されている情報を取り出して開く、読み上げるという意味合いで使われます。
また、パソコンの外にあるデータをパソコン内部に取り込む、開くという意味もあります。この場合は「読み込む」と同じ意味で「書き込む」が使われることもあります。パソコン内に保存されているものを開く、パソコン外の情報を取り入れるの両方のシーンで用いられます。
「読み込む」の意味2:熟読する
「読み込むには、「熟読する」という意味もあります。本や論文など文章に書かれている意図を正確に把握するために、何度も繰り返し読んで内容を理解するイメージです。
文章のすみずみまで読むだけでなく、方向性や意味を完全に解釈できている様子をいいます。読解という言葉の意味にも通じるでしょう。
「読み込む」の意味3:詩歌に入れて詠む
「詩歌に入れて詠む」という意味でも、「読み込む」が使われます。城や寺院などの名所や土地または人の名前などを詩歌に入れて読み込みます。
「詩歌に読み込む」の場合は、読むの字を変えて「詠み込む」や「詠み入れる」と表記することもあり、詩や歌の中に名称を入れ込むという意味で使われます。
「読み込む」の読み方
「読み込む」は、「よみこむ」と読みます。「読」は訓読みです。
「読み込む」の由来・語源
「読み込む」の由来としては、特にエピソードはありませんが、「読み込む」の語源は、「読む」が文章や言葉、資料などを目視して「読む」、また文章だけではなく状況や相手の気持ちなどを読むという意味があります。
「読む」に、「込」の終止形である「込む」がついて「読み込む」になります。「込む」には、「詰まる」「中に入る」「同じ状態をずっと続ける」という意味があり、2つの語が合わさることで、「ずっと読み続ける」「深く掘り下げて読み解く」といった意味に変わります。「ファイルを読み込む」で使われる場合も、中に入って開くというニュアンスで使われます。
「読み込む」の類義語・言い換え
「読み込む」の類義語や言い換える言葉を紹介します。
「読み込む」の類義語は、「熟読する」意味では、「読み取る」「熟読する」「精読する」「読解する」「取り込む」「ロードする」です。
「読み込む」とほぼ同じ意味で使える言葉や、「読み取る」以外の言葉では意味が通じない状況などもありますので、それぞれの言葉の意味を詳しく解説します。
読み取る
「読み取る」は読んで感じとる、取り込む、理解するという意味があります。「当事者の気持ちを読み取る」などと使われますが意味は「読み込む」と同じです。
また「データを読み取る」などの使い方もできます。「読み取る」を使うと、データや画像などの内容を理解する、認識するという意味が強くなります。また、「読み込む」にはデータを開くのほかに外から取り込んで保存する意味がありますが、「読み取る」は保存するときには使いません。
じっくり読む・熟読する
「じっくり読む」「熟読する」なども「読み込む」の類義語です。文章を詳しく読んで書かれた内容を理解する、正しく読み解くなどの意味があります。「専門書を熟読する」などと使われます。
また「耽読する」(たんどくする)も「読み込む」と同じく、文献や書物を一生懸命読むという意味があります。
精読する
「精読する」は、「細かい部分まで注意して読むこと」です。内容をよく理解できるまで、一字ずつ注意して読むことを指します。
読解する
「読解する」とは、文章などを見て、その内容を理解することです。文章を正しく読み取り、理解し、熟考する能力という意味で「読解力」という言葉がよく使用されます。
取り込む
「データを読み取る」の類語として、「取り込む」があります。「取り込む」には、ほかから取ってきて中に入れるという意味があるので、「パソコンにデータを取り込む」「画像を取り込む」などと使われます。
「文章を読み込む」の類語として「取り込む」を使うと意味が通じませんが、「データを読み込む」の代わりに「取り込む」を使ってもほとんど同じ意味で解釈できます。
ロードする
「ロードする」も「データを読み込む」の類語として使えます。「ロードする」は英語の「load」が派生して、そのままカタカナ語として使われています。「loed」は英語では荷物を積むという意味がありますが、「ロードする」はデータを読み込むというニュアンスで使われます。「リロードする」は、再読み込みをするという意味になります。
「読み込む」の英語表現
「読み込む」の英語表現は「read(リード)」と「load(ロード)」です。日本語の「読み込む」と同じように一つの単語でいくつかの意味を持ち、さまざまなシーンで使われるものもあります。また、読むという意味でも特定の状況でのみ使われる表現もありますので、それぞれの言葉の意味もあわせて紹介します。
read(リード)
英語の「read」は、読むという意味です。本や雑誌、電子書籍を読むという意味で使うほかに、データを読み込む、スキャナーで読み込むなどデータやメモリを読み込むといった意味でも、「read」は使われます。
「データを開く」場合は「open」が使われる場合もあり、「読み込む」の意味で使われるときは「read」の後ろに「in」をつけて「read in」として使われることもあります。「in」がつくことで、中に入る、取り込むというニュアンスが強まります。
load(ロード)
「load」は、「読み込む」の意味があります。カタカナ英語として日本で定着している「ロードする」と同じ意味です。データを読み込む、取り入れるという意味で使われます。
ダウンロードは、読み込んで「down」落とす、というニュアンスなので、パソコンやコンピューターなどにデータやアプリを落とし込むという意味で使われます。「read」は本を読む、データを読むなど両方に使えますが、「load」は、データを読み込むときの意味にしか使いません。
「読み込む」と「読み取る」の違い・使い分け
「読み込む」と混同して使われるのが「読み取る」です。本や資料で使用するときとデータで使用するときでニュアンスが異なります。ここでは「読み込み」と「読み取る」の違いと使い方について紹介します。
本や資料の場合
本や資料を「読み込む」は、「内容を分析して把握すること(熟読する)」の意味があります。
本や資料を「読み取る」は、熟読する以外に、「作者の意図や考えを想像する(推察する)」という意味になります。
データの場合
データを「読み込む」は、「コンピューターやパソコンに保存してあるデータを取り込んで開く」、「コンピューターの外部にあるデータをパソコンやファイルに取り入れて保存する」という両方の意味があります。
データを「読み取る」は、「データやバーコードを読む」、「スキャナーなどで読んで分析する」という意味はありますが、データを保存するの意味はありません。
「読み込む」の対義語
「読み込む」の対義語は、「通読する」「乱読する」「書き出す」「エクスポート」です。
本や資料を「熟読する」の意味の場合
本や資料を「熟読する」の意味で使う場合の「読み込む」の対義語は「通読する」、「乱読する」です。
通読する
「通読する」の意味は、本や資料などを「始めから終わりまでひと通り読み、全体像を理解すること」です。
乱読する
「乱読する」の意味は、「いろいろな書籍を手当り次第に読むこと」です。
データを「読み込む」の意味の場合
データを「読み込む」の意味で使う場合の「読み込む」の対義語は「書き出す」と「エクスポート」です。
書き出す
「書き出す」には「書き始める」という意味もありますが、「大切な部分を書いて取り出す」、「書き出した部分を発表する、公表する」という意味があります。
「読み込む」が中に取り入れて保存する意味があるのとは反対で、「書き出す」には、中にあるものを別に取り出す意味があります。「書き起こす」も同じように、「文章を別の場所に書き出す、書き写す」という意味です。
エクスポート
「エクスポート」の意味は、「外部にデータを出力すること」です。「読み込む」が中に取り入れて保存するという「インポート(内部にデータを持ち込むこと)という意味があることから、その反対の意味の「エクスポート」が「読み込む」の対義語にあたります。
「読み込む」の使い方と例文集
「読み込む」の使い方と例文集を紹介します。
ビジネスシーンでの「読み込む」の使い方
「読み込む」には、「本や文献をじっくり読む(熟読する)」「データを取り込むまたは読み取る」という意味で使われることが多く、前後で使われる単語や状況などで意味を判断します。また、「読み込む」には「データを保存する」意味もあるため、ビジネスシーンで書類や資料作成、社外へのプレゼンなど日々の業務の中でも多く使用されます。
また、本や文献を読むだけではなく、「人の気持ちを読む」「物事の流れや未来の状況などを読む」などにも「読み込む」は使われるため、使い分けに注意しましょう。
ビジネスシーンでの「読み込む」を使った例文
「データを取り込む」の意味で使われる例文
- 来週のプレゼンの準備のために資料を読み込む
- 先日お送りしたデータは、全国のアンケートを収集して地域別にまとめてあるので、かなり容量が大きく読み込むのに時間がかかるかもしれません。
「熟読する、じっくり読む」の意味で使われる例文
- クライアントとの打ち合わせの前に、先方から共有された資料を読み込んでおく。
- 入社試験には長文の読解力問題が必ず出される。だから、長文問題が出題されたらまずは落ち着いてじっくり読み込むことが大切。答えはすべて長文の中にあるからできれば2回、3回と読むといいだろう。
「読み込む」の敬語表現
「読み込む」の敬語表現は、「読み込ませていただく」です。本動詞の「読み込む」と謙譲語の補助動詞の「いただく」を続ける形になります。
- 事前に書類を読み込ませていただきました。
- 以前にお借りした本を読み込ませていただきました。
- データを読み込ませていただきましたので、共有いたします。
「読み込む」と「読込む」はどちらが正しい?
「読み込む」は「読込む」と「み」を省いた書き方でも使われるため、どちらが正しいのだろう?と疑問に思う方もいるかもしれませんが、どちらも正しい書き方です。どちらの表記法も正しいことを覚えておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、「読み込む」の3つの意味や使い方、類語、対義語、英語表現について解説しました。
最後に「読み込む」のまとめです。
- 「読み込む」の意味には「パソコンのデータや画像を読み込む」、「熟読する」、「詩歌に入れて詠む」という複数の意味があります。前後に使われる名詞や文章全体から、どのような意味で使われているのか判断することができます。
- 本や資料を「読み込む」 の場合は、「内容を分析して把握すること(熟読する)」の意味があります。
- データを「読み込む」の場合は、「コンピューターやパソコンに保存してあるデータを取り込んで開く」、「コンピューターの外部にあるデータをパソコンやファイルに取り入れて保存する」という両方の意味があります。
- 「読み込む」と「読込む」は、どちらも正しい表現です。
- 「読み込む」の敬語表現は、「読み込ませていただく」です。
- 「読み込む」の類義語は、「熟読する」意味では、「読み取る」「熟読する」「精読する」「読解する」「取り込む」「ロードする」です。
- 「読み込む」の対義語は、「通読する」「乱読する」「書き出す」「エクスポート」です。
- 「読み込む」の英語表現は、「read」「load」です。