研修報告書の意味とは?書き方のコツ、テンプレ・例文を解説

「研修報告書」の意味とは?書き方のコツ、テンプレ・例文を解説
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「研修報告書」を書く機会は少なくありません。業務にかかわるスキルを高める研修は必須で、そのつど報告書を求められます。「忙しいのに報告書まで…」と思ってしまいますが、「研修報告書」の意味と、正しい作成の仕方について例文を交えて解説します。

目次

「研修報告書」の意味とは?

「研修報告書」の意味とは?

仕事を進めていくうえで研修は欠かせません。そのたびに「研修報告書」の提出を求められ、面倒だなと思う経験はだれしも共通するところでしょう。「研修報告書」には、それを作成する立場から、異なる2種類があります。2つの「研修報告書」の意味を見てみましょう。

意味1 研修実施報告書

研修をした側が作成するのが「研修実施報告書」であり、原則的には研修の運営責任者や講師が作成します。研修も業務の一環ですから、費用対効率を考えることは必須です。その意味で「研修実施報告書」はより正確に作成されなければならないものです。

意味2 研修受講報告書

研修を受けた側が作成するのが「研修受講報告書」であり、研修を受けたものが事後に作成します。ある意味においてはこの報告書の提出までをもって研修ととらえるべきで、研修内容の理解度や実践へとつなげる意欲などを評価する資料となります。

「研修報告書」の目的は?

「研修報告書」の目的は?

2つの「研修報告書」が、両方必要なものなのか疑問を感じる方もいるでしょう。立場の違いから2種類に分けられる報告書ですが、そのそれぞれが目的とするものは自ずから異なってきます。またその目的も、会社の側から見たものと、研修に直接携わったものから見たものでも違ってきます。

「研修実施報告書」の目的

「研修実施報告書」の最大の目的は、実施した会社側が研修の必要性を評価することにあります。研修にも一定の予算が割かれ、会社の人員を投入して行う業務ですから、やっておけばそれでよいというものではありません。研修そのものの効果を測定するという意味が大きいです。また研修を行った講師などにとっては、研修の目的に沿った適切な内容であったか、研修の方法は効果的であったか、などを振り返る機会となります。こうした振り返りが、次回の研修の質を担保して、結果的には会社自体の業務の効率化にもつながります。

「研修受講報告書」の目的

「研修受講報告書」の目的の最たるものは、受講者が研修内容をきちんと理解できているかを自己評価する機会となることです。研修を受けているときは真剣に臨んでいても、日常の業務に戻るとそれが一過性のものになってしまうことはままあるものです。研修の内容についての理解を深め、日々の業務に生かせるように整理することが重要になります。また会社側にとっては、研修が一定の効果を上げたかどうかを測定する基礎資料となります。

「研修報告書」を英語でいうと?

「研修報告書」を英語でいうと?

外資系の企業などでは「研修報告書」を英語で提出するようなところもあるでしょう。そこまでいかずとも、一般常識として英語表現も押さえておきたいですね。英語では「研修報告書」をReport on ~と表現し、~に対象の研修のタイトルを入れます。例えばReport on machine operationであれば、機械操作に関する研修報告書となりますね。

「研修報告書」の項目は?

「研修報告書」の項目は?

「研修実施報告書」は、研修の内容や実施方法、講師の考えなどからその形式は必ずしも定まっていません。それに対して「研修受講報告書」は一般的にはA4判1枚程度にまとめることがほとんどで、その基本的な書き方は決まってます。会社によってテンプレートが用意されてることも多く、その場合はそれを使用するのが間違いありません。「研修報告書」に関して自分なりのフォーマットを持っていることは、研修に臨むうえでの視点ともなります。次のような点を押さえておきましょう。

研修会について

研修会の基本的な実施状況を記入するもので、自分自身の研修履歴ともなります。研修名や開催日時、開催された会場などを記録しておきます。また研修の講師名も記録しておくと、後々質問などしたい場合などにも利用できます。さらに、社外で開催されたセミナーなどで参加費用を要した場合は記録しておくことをお勧めします。会社が事後負担してくれるケースもあり、領収書なども添付しておきたいですね。

参加者について

研修会に参加したメンバーを記入します。少人数のグループ研修の場合には、参加者全員の氏名を記録しておきます。対象者が多い場合には、対象となった職名や人数などを記録しておきましょう。

研修内容

研修の内容等をできるだけ具体的に、簡潔に記入します。箇条書きにすることが適切です。あくまでも報告書としては、項目的に押さえることが重要です。社外のセミナーなどで配布資料なども共有したい場合には、添付資料としたり、PDFなどにしてファイルの形で提出したりする方法が考えられます。

所感

「研修報告書」で最も重要な部分です。これ以外の部分は同じ研修会に参加した人ならほぼ同じになるはずですが、この部分にこそ自分が表れるからです。とはいうものの「感動しました」のように情緒的な感想を書いても薄っぺらく感じられます。研修内容はすでに述べていますので、ここではそこから自分が学んだこと、具体的に業務にどう生かしていくか、といった内容を踏まえて記入します。

「研修報告書」の書き方と例文・テンプレート

「研修報告書」の書き方と例文・テンプレート

「研修報告書」は研修の最終段階であり、研修の成否を明らかにする場面です。単なる報告にとどまらず、研修のチャンスから何を学び取れるかという職能をアピールする場にもなり得ます。

「研修報告書」の書き方

「研修報告書」を読む人に分かりやすく、伝わりやすくすることが何よりも重要です。

第1に、研修の目的を常に念頭において記入することです。せっかくの研修の機会を的外れなところにフォーカスしている印象を与えることは避けたいものです。何のための研修だったのか、そのためのポイントは何だったのかを意識して研修内容などを整理しましょう。

第2に、読みやすく、分かりやすく書くことです。誤字脱字などはとても印象を悪くしますから、基本的なこととして注意しましょう。また可能な限り数字や具体的な事例などを挙げて記入するようにします。例えば「顧客対応のポイントを示して~」と書くのと「顧客対応のポイントを4つ示して~」と書くのでは、読み手の印象は大きく変わってきます。

第3に、今後の展望を明らかにしておくことです。「大変役に立つ研修でした」で終わりにしてはいけません。どう役に立つのか、実際の業務のどの場面でどのように生かすのか、可能な限り明確に示すようにしましょう。研修を仕事に生かせることで「できる人材」として認められるのです。

ですます調で書くべきか?

「業務には重要である。忘れないようにします」このような文章はよくありません。である調とですます調が混ざっているからです。重要なのはこのような混在を絶対にしない、という点です。「研修報告書」は特に指定がない限り、である調でも、ですます調でも問題はありません。統一されているかどうかに気を配りましょう。

「所感」の書き方

「研修報告書』は事実を記入するものです。唯一私的な見解を述べられるのが所感です。研修から得た成果を中心に、自分の感じたことを率直に述べましょう。書き方としては最初に結論、つまり成果を述べ、その理由へと書き進める「頭括型」がおすすめです。書く側としても成果を意識して書きやすく、読む側にも何が得られたかが端的に伝わります。2つ文例を示します。

新人研修の例

具体的な内容の研修が多くなりますので、身についたことなどを挙げて成果を述べるとよいでしょう。

例文


研修を通して文書作成の2つのポイントがよく理解できました。頭語や結語の用い方や記書きの方法を実際の外部向けの文書などで生かしていきます。

社内研修の例

研修を通して成果として得たものをどう業務につなげていくかを明らかにしましょう。

例文

エクセルの関数は難しいという先入観がありましたが、今回の研修でデータの抽出などで便利に使えることが分かりました。find関数による検索や、count関数によるデータ管理などを顧客リストの整理に活用していきます。

「研修報告書」に書くべきではないこと

「研修報告書」に書くべきではないこと

「研修報告書」はあくまでも社内資料として、研修の成果を明らかにする目的で作成するものです。研修そのものとかかわりのないことや、個人的な内容などを触れることは適当ではありません。触れるべきではないことを3つ挙げます。
・研修の講師や会場についての所感(講師の人となりを評価したり、会場の不備などを指摘したりすることは「研修報告書」としては不要な内容)
・講師等に対する謝辞(「研修報告書」の読み手が謝辞を述べる相手とは限らないので、必要なら報告とは別に個人的に申し述べるべき)
・研修外の内容(研修後の雑談で学びを得ることなどあるかもしれませんが、研修報告としては不要です)

まとめ

「研修報告書」は、会社への業務報告の一つです。しかし、それは自分自身が学びを振り返り、研修内容をより実りあるものにするための手段の一つでもあります。報告しておけばいいんでしょ、とやっつけ仕事で取り組むことは、会社にとっても自分にとっても損失になることを心して臨むべき仕事です。

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