「リマインド」とは英語の「remind」が由来のカタカナ語で、「思い出させる」や「気づいてもらう」の意味があります。ビジネスシーンでは電話やメール、スケジュールツールを活用して「リマインド」をする機会が多くあります。
「リマインド」の意味とは?
「リマインド」とは、人にものごとを思い出してもらったり、気づいてもらったりすることです。ストレートに通知するのとは違い、相手が思い出すべきことを連想できるよう、手助けする意味があります。
「リマインド」の由来・語源
カタカナ語の「リマインド」の語源は英語の「remind」です。「re(もう一度)」と「mind(気にする)」を合わせた単語で、「リマインド」同様に「思い出させる」や「気づかせる」などの意味があります。
「リマインド」の類義語・言い換え
「リマインド」の類義語、言い換え表現には「催促」と「再確認」、「注意喚起」、「思い出させる」があります。「リマインド」では伝わりにくそうな相手には、これらの言葉で言い換えるとよいでしょう。
1.催促
「催促」とは、ものごとを早くするように促す、要求することをいいます。「リマインド」が相手にものごとの再確認をして思い出させようとするのに対し、「催促」はものごとを急かし、指示している点が異なります。「資料を忘れないようにリマインドする」よりも、「資料を持ってくるように催促する」の方が急いで要求している感じになります。
2.再確認
「再確認」とは、漏れがないかをもう一度確認することをいいます。また、ものごとを再度確認することで思い出してもらう意味もあり、「リマインド」と言い換えられます。たとえば「来週のミーティングの件をチーム全員にリマインドして欲しい」は、「来週のミーティングの件をチーム全員に再確認して欲しい」とも表現できます。
3.注意喚起
「注意喚起」も「リマインド」の類義語です。「注意」に呼び起こすを意味する「喚起」がついて、「気をつけるべきことを呼びかけ、意識させる」の意味になります。そのため「注意喚起を促す」は誤りで、「注意喚起をする」もしくは「注意を促す」と表現します。「参加者全員にリマインドしておく」は、「参加者全員に注意喚起しておく」とも言い換えられます。
4.思い出させる
「思い出させる」とは、相手が忘れているかもしれないことを、思い出してもらうように促すことです。「リマインド」とほぼ同じ意味を持つので、言い換えのときにも使えます。
「リマインド」と「アラート」の違い
カタカナ語の「アラート」は英語の「alert」が語源になっており、意味はほぼ同じです。「警戒のための待機状態」と「警報」の意味があります。IT関連でよく使われており、パソコン操作を誤ったときに表示される、注意を促す警告メッセージは「アラート」といいます。注意を促すのは「リマインド」と「アラート」とで共通していますが、緊急性が高いときには「アラート」が使われます。
ビジネスシーンでの「リマインド」の方法
ビジネスシーンでは「リマインド」を活用できると、忙しいときでも大事な用件を忘れずに済みます。「リマインドメール」は相手にして欲しいことを催促するだけでなく、相手との認識のズレをなくし、行き違いを防ぐのにも役立ちます。スケジュール管理などのITツールを利用し、適切なタイミングで「リマインド」を設定しておきましょう。
1.リマインドコール
「リマインドコール」とは、顧客に電話をしてお知らせや確認をすることをいいます。テレマーケティング手法のひとつで、新製品の案内や契約継続の確認、イベント直前の出欠確認などを行います。「リマインドコール」は販売機会の損失を防ぎ、顧客とのコミュニケーションを継続して信頼関係を深めるのにも役立ちます。
2.リマインドメール
「リマインドメール」とは、重要な用件を忘れないようにするためのメールです。ビジネスシーンでは約束や期限などの用件を忘れてほしくない相手に送ることもあれば、自分が受け取る機会も多いでしょう。
リマインドメールの文例
「リマインドメール」を送るとき、相手に催促を強制しているようで申し訳ないと思うときは、「再確認」や「再送」、「〇〇についてのご確認」などとするとよいでしょう。用件の後にも「お忙しいところ恐縮ですが、お返事をいただけると幸いです。」と入れると、ていねいな表現に。事前に送ったメールを添付し、「先日のメールでお知らせした〇〇の期限が近づいております。」の一文を添えてもよいでしょう。また、「リマインドメール」に返信するときは、文頭に「リマインドメールをいただきありがとうございます。」を入れ、相手に感謝の気持ちを伝えましょう。
リマインドメールを送るタイミング
「リマインドメール」はものごとの締め切りが近づいてきたとき、集まりやイベントの開催日が迫ってきたタイミングで送ります。「リマインドメール」は予定をきちんと把握している人にとってはスケジュールの念押しに、把握できていない、忘れてしまった人に対しては再通知となります。ミーティング前の「リマインドメール」には使う資料と、予定したときには決まっていなかった詳細などを一緒に添付すると、お知らせにプラスして役割を持たせることも可能です。
ITツールを活用するリマインドメールの方法
ITツールを活用すれば、「リマインドメール」を適切なタイミングで送信できるようになります。グループウェアやスケジューラーには、会議の予定日を参加者全員に通知する機能も。通知機能に日時を指定しておけば、自動で「リマインドメール」を発信してくれます。また、メーラーの自動送信機能を活用し、あらかじめ作成しておいた「リマインドメール」を指定したタイミングに送信するようにしてもよいでしょう。
スケジュールツールのリマインダーを使う
パソコンやスマホのスケジュール管理には、リマインダー機能が付いているものがあります。期限が近づいたらアラームを鳴らし、「〇〇の開始時間が近づいています」のように表示させる内容も設定できます。たとえば会議の予定を「リマインド」するとき、出席するだけでいいのなら前日と5分前に通知を設定する程度で十分でしょう。ですが会議資料を作るなどの準備が必要なら、資料を作り始めるとき、完成させてチェックをもらうときなど、各タイミングごとに「リマインド」を設定しておきましょう。
「リマインド」の使い方と例文集
「リマインド」の使い方を、例文とともに紹介します。ビジネスシーンで使う機会が多い言葉なので、戸惑わずに使えるようにしておきましょう。
「リマインド」の使い方
ビジネスシーンでは、「リマインドする」のフレーズを目にすることが多いでしょう。「リマインドしておいて欲しい」や「リマインドしてくれてありがとう」などとも使います。
「リマインド」の例文
「リマインド」を使った例文を5つ紹介します。
・明日のミーティングの時間が変更になったと知らない人がいるかもしれないから、リマインドメールを送っておいて欲しい。
- 来週の会議で発表する原稿のリマインドがきたから、優先して仕上げないといけない。
- 顧客との関係を維持し、機会損失を防ぐにはていねいなリマインドコールが大切だ。
- 忘れないようにとスケジュール管理ツールでリマインドを設定しておいたが、早すぎてしまって効果が薄れてしまった。
- 仕事のペースを狂わされないように、リマインドのタイミングを工夫してみよう。
「リマインド」の英語訳
「リマインド」の英訳は「reminder」です。「remind」は「思い出す」や「気づかせる」を意味する動詞で、「reminder」は「思い出させる人」や「催促状」を意味する名詞です。「今日のミーティングのリマインドです。」は、「Reminder about today’s meeting.」または「This is a reminder that we have a meeting today.」と訳すこともできます。
- just a friendly reminder(念のためにリマインドする。)
- I will write down a reminder on the schedule book(スケジュール帳にリマインドを書いておく。)
- Thank you for sending me a reminder(リマインドをくれてありがとう。)
まとめ
ビジネスパーソンにとって予定を忘れないことは最低限のマナーでもあります。適したタイミングで「リマインド」ができれば、忙しく過ごしていても大事な約束をきちんと守れるでしょう。「リマインド」を使いこなして、仕事を効率よくこなせる「できる社会人」を目指しましょう。