「甲乙丙」の読み方や意味とは?契約書での使い方もわかりやすく解説

甲乙丙
目次

「甲乙丙」の読み方

「甲乙丙」の読み方

「甲乙丙」は、「こうおつへい」と読みます。

「甲乙丙」の意味とは?

「甲乙丙」の意味とは?

「甲乙丙」とは、序列を指し示すための記号です。項目を区別する意味の場合もあれば、等級を示す意味の場合もあります。区別、等級の記号ですから「甲乙」が最小の組み合わせとなります。

「甲乙丙」の次は何?

「甲乙丙」の次は何?

「甲乙丙」はよく使いますが、その次あたりからわからなくなりませんか?「甲乙丙」の次は、丁(てい)になります。

丁までは一般的

丁を入れた「甲乙丙丁」までが一般的に用いられています。

10まである

ちなみに「甲乙丙丁」の次は、戌(ぼ)己(き)庚(こう)辛(しん)壬(じん)癸(き)と続き、10まであります。しかし、戌(ぼ)まではたまに使われますが、己(き)以降を使うことはほとんどないようです。

覚え方

「甲乙丙丁」はABCDのように「こうおつへいてい」と一気につぶやいて覚えてしまいましょう。残りの「戌己庚辛壬癸」は「ぼきこうしんじんき」なので「ぼきこうしんじき」(簿記更新時期)と覚えておくといいでしょう。実際には「壬(じん)」ですが、語句としてまとまるように「じ」とします。

「甲乙丙」の由来・語源

「甲乙丙」の由来・語源

「甲乙丙」は、「十干」(じっかん)の中にある「甲乙丙」が由来です。

十干とは?

甲(こう)・乙(おつ)・丙(へい)・丁(てい)・戊(ぼ)・己(き)・庚(こう)・辛(しん)・壬(じん)・癸(き)の総称を「十干」(じっかん)といいます。古代中国で生まれ、時間と空間を表現するために用いられました。中国の紀元前、殷代の頃の甲骨文字にも記されていて、10日ごとに循環する日を表す数詞としての使われ方が多かったようです。それに倣って、今でも十干は順序や成績などを表す使い方をされています。

干支や十二支との違い

それでは、十干は干支や十二支とどう違うのでしょうか。「十干」「干支」「十二支」は言葉がよく似ているので混在してしまいますが、実は少しずつ違います。どう違うのか、それぞれ詳しく見ていきましょう。

干支とは?

干支とは、「十干十二支」ともいわれるように、十干と十二支を組み合わせたものです。十干を五行にあてはめ、甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)を作り、さらにこれに十二支を組み合わせることによって、甲子(きのえね)から癸亥(みずのとい)までの合計60個の干支ができます。

干支は、順序を表す十干とは異なり、年・月・日・時刻・方位などの表示として用いられます。日本においては、十干を省いて十二支だけを干支としている場合も多いので、十二支と干支は同じものだと思っている方がほとんどなのではないでしょうか。本来は、十二支は干支の中のものという位置づけになります。

十二支とは?

十二支は、古代中国で生まれた、十二宮に獣の名前を合わせた暦法を指し、時刻や方角を表すために使われていました。十二支には子(ね)、丑(うし))、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)があります。12年ごとに一巡する年まわりを示していて、日本では十二支の動物をその年のシンボルとして、年賀状などによく用いています。

「甲乙丙」の契約書での使い方・注意点

「甲乙丙」の契約書での使い方・注意点

賃貸物件の契約などに用いられる契約書には、当事者の名称として「甲」や「乙」がよく使われています。契約書には何度も同じ当事者が出てきますから、長くてわかりづらい書類にならないように「甲」「乙」といった簡単な名称を使用するようになりました。ここでは、契約書における「甲」「乙」の使い方や注意点を挙げます。

基本的な使い方について

契約書をわかりやすくするためなので、本来はどちらが上の立場か下の立場かの区別はありません。十干としての「甲乙」は順序として使われますが、契約に用いられる場合は特に順序はないのです。法律上も何も問題はないのですが、契約の相手を「甲」、自分を「乙」とすれば、相手を立てているような感じになるので無難ではないでしょうか。

基本的な使い方としては、不動産賃貸借契約書では貸主を甲として借主を乙とします。また、業務委託契約では委託者を甲として受託者を乙とすることが多いようです。会社には契約書のひな形がありますから、これを流用しましょう。「甲乙丙」に、当事者のそれぞれの固有名詞を当てはめて使用します。

使い方の例

例えば、「株式会社〇〇(以下「甲」という)と株式会社△△(以下「乙」という)は…」というように、契約書の最初に甲と乙がどちらの会社に該当するのかを明記します。その後は、当事者をすべて「甲」「乙」として記載していけばよいでしょう。

注意点

3者以上の契約の場合「甲」「乙」「丙」を使用しますが、2者より複雑になるため、誰が何に当たるのか最初にしっかり確認をしておく必要があります。また、法律上の問題はないとは言え、一番上の立場が「甲」だと認識している人も多いので、「甲」を誰にするのかは大きな問題です。業界のやり方を倣うなど、注意しながら作成しましょう。

いろいろな場面で使われる「甲乙丙」

いろいろな場面で使われる「甲乙丙」

「甲乙丙」は日常生活や歴史上でも多く使われています。どのような場面で使われているのでしょうか?

生活上にて

私たちの生活の上でも、「甲乙丙」は、いろいろなところで見かけます。お酒を嗜む方なら「焼酎甲類」など、アルコールに「甲類」「乙類」という区別があることをご存知ではないでしょうか。また、免許にも「甲種」「乙種」があり、例えば国家資格である「危険物取扱者」には「甲種」「乙種」「丙種」があります。

他にも、2月の節分の日に恵方を向いて太巻を食べる習慣がありますが、この「恵方」は十干を基にして決められるそうです。さらに、あの「甲子園球場」は干支が「甲子」の年に竣工されたので、その名が付けられました。こうして振り返ってみると、意外に多く「甲乙丙」を目にしていることがわかりますね。

ABCの代わりとして

今ではランクをつける際に「ABCD…」を使いますが、昔の学校の成績表などでは「ABCD…」と同様に「甲乙丙丁…」をランクとして使っていました。また、一つのものをまとまった三語で表す言葉として、アルファベットのABCやひらがなのイロハのように甲乙丙を使うこともあります。それぞれアルファベット、十干、ひらがなの最初の三文字なので、特に「初歩」を表現する言葉としても使われます。

「甲乙丙」は英語ではどう表現するの?

英語で文書を作成する機会があるかもしれません。その場合、「甲乙丙」は、英語にすると「ABC」「1,2 and 3」になります。この場合、訳する「甲乙丙」が順序を重視するのか、まとまりとしての表現なのかを見極めて、注意深く英訳する必要があります。

歴史上にて

中国や日本の歴史における事件や戦争などの名称にも干支が使用されています。

  • 庚午年籍(670年)
  • 壬申の乱(672年)
  • 戊辰戦争(1868年)
  • 壬午軍乱(1882年)
  • 甲申政変(1884年)
  • 甲午農民戦争(1894年)
  • 辛亥革命(1911年)

以上、すべて日本史や世界史で習った気がしますね。干支がつけられている事件や戦争はその年に起こったものですから、干支を知っていれば簡単に年代を覚えられたかもしれませんね。

2021年の干支は?

2021年の干支は、辛丑(かのとうし、しんきんのうし、しんちゅう)です。丑年なのはご存知でしょうが、十干の「辛」は「新」と同じように、枯れた後から新しく再生しようとする状態を指すのだそうです。言葉通り、ゆっくりと再生する年でありたいですね。

まとめ

ふだん、あまり気にすることのない「甲乙丙」ですが、意外なところで使われています。契約書での「甲乙丙」においては、順序に注意して使用しましょう。ビジネスでの「甲乙丙」の意味や使い方だけでなく、「甲乙丙」を含む十干や干支についても知っておくと、社会人としてとても優秀なのではないでしょうか。さらに理解を深めてみてもいいかもしれませんね。

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