ビジネス用語には、あまり聞き慣れない用語が少なからずありますが、「アグリー」という言葉もその1つでしょう。ここでは「アグリー」とは、どういう意味でどのような場面で使うのかを、例文も入れてわかりやすく解説していきます。
「アグリー」の意味とは?
ビジネスシーンで使われる言葉には、普段聞き慣れない言葉もありますが、「アグリー」という言葉もその1つでしょう。
近年、ビジネス用語として用いられるようになった「アグリー」とは、何を意味する言葉なのか解説していきます。
意味1.快諾
「アグリー」には、他者からの依頼・申し入れを「快諾」するという意味があります。
「快諾」とは、使われている漢字からもわかる通り、快く承諾することです。他の人からの依頼や申し入れに対して、納得できない状態の場合には「アグリー」は使用できません。
意味2.同意
「アグリー」には、「快諾」のほかに「同意」という意味があります。
「同意」は、他者の意見や考え方に賛成であると示す言葉です。
「アグリー」を同意という意味で使用する場合にも、自分がしっかり納得しているかどうかを判断基準にすると使いやすいでしょう。
「アグリー」の由来・語源は?
「アグリー」には、どんな由来や語源がある言葉でしょうか?
「アグリー」について由来や語源を紹介します。
「アグリー」は略語
「アグリー」は、英語の「agreement」が語源です。
「agreement」に「契約」や「合意」を示す名詞で、「agree」と略すことで「同意」を示す動詞となります。
「agreement」には、古代のフランス語で「喜ばせる」という意味があったとされます。
「アグリー」はカタカナ語
英語の「agree」の意味をそのままにして、カタカナ語の「アグリー」として日本で使われています。
英語で使う場合、「I agree with this proposal(この提案に同意する)」となり、「with」のような前置詞と一緒に使われます。
「アグリー」の類義語・言い換えは?
「アグリー」と同じ意味・似通った意味を持つ類義語には、どんな言葉があるのでしょう。
「アグリー」の類義語・言い換えの言葉を解説します。
発言や物事への同意を表す言葉
「アグリー」と似た意味を持つ「支持」や「承諾」が類義語といえるでしょう。「肯定」も、提示された案や意見に対して納得し認めているので類義語になります。
「アグリー」の意味が「快諾」になりますので、全面的な肯定を意味する言葉が類義語や言い換えに当てはまります。
「首肯」は、「うなずくこと」を意味する言葉ですが、意見や主張に理解を示し納得したうえでの意思表示の言葉なので類義語に含めてもよいでしょう。
しかし、背景や事情をくんで納得する意味の「了承」では、「アグリー」の類義語とはいえません。
アグリーと類義のカタカナ語
「アグリー」と同じカタカナ語の「コンセンサス」が類義語といえます。
「コンセンサス」は、「(相手の)意見や判断に合意する」という趣旨の意味です。「一致」や「賛同」を示す意味としても用いられます。
「コンセンサス」を使う場合は、「コンセンサスをとる」のような使い方です。
「アグリー」の対義語・反対語
「アグリー」の反対の意味を持つ対義語には、どのような言葉があるのでしょうか?
「アグリー」の対義語・反対語を解説します。
「Disagree(ディスアグリー)」
「アグリー」の対義語には、英語の「agree」の対義語である「disagree(ディスアグリー)」が当てはまるでしょう。
「disagree」は「意見が食い違う」や「(相手の)意見と一致しない」などの意味で使われるので「アグリー」の対義語といえます。
「disagree」を使う場合は、「I always disagree with her(彼女とは、いつも意見が食い違う)」のように使います。「disagree」の場合も「with」(前置詞)と併せて使うのが一般的です。
「アグリーできない」と表現
「アグリー」の対義語が「disagree」でも、反対意見のときに「その意見には、ディスアグリーです」とはいいません。
相手の意見に賛同できない場合は、「アグリーできません」など発言するのが一般的です。
日本で使われる「アグリー」は、英語の「agree」が語源ではありますが、あくまでカタカナ語です。そのため、英語の対義語となる「ディスアグリー」はビジネスシーンで使わないのが通例となります。
ただし、「ディスアグリー」を使わないのは、日本のビジネスシーンでの独自の表現ですので注意しましょう。
「アグリー」を発音するときの注意点
「アグリー」をビジネスシーンで使用する場合には、発音に注意が必要です。
なぜ「アグリー」の発音に注意しなくてはいけないのか解説します。
日本人には発音しづらい「アグリー」
「アグリー」を使うときには、まず発音に気をつけましょう。
発音に注意が必要なわけは、「アグリー」には英語の「Ugly(アグリー)」もあるからです。
「Ugly」は、「醜い」という意味で使われる言葉なので誤解されるとトラブルにつながります。
日本人の発音では、同意の意味の「アグリー」でも、英語圏の人には「Ugly」と聞こえる恐れがあります。日本人のみの会議などでは、「アグリー」を使用しても問題ありませんが、英語圏の人がいる場では使用を控えるのが無難でしょう。
「アグリーセーター」は苦い思い出
「アグリー」を「agree」ではなく、敢えて「Ugly」の意味で使っているものもあります。
代表的なものは「アグリーファッション」と呼ばれるファッションです。「アグリーファッション」とは、「醜い・不格好」なファッションで、日本でいう「ダサい」といわれるようなアイテムを取り入れるファッションを指します。
「アグリーファッション」の中に、クリスマスを盛り上げるために着る「アグリーセーター」があります。
欧米の国では、「クリスマスパーティーに祖母が編んだ流行遅れのセーターを着せられた」という苦い思い出が伝統となり、その状況をジョークとして楽しもうとしたのが「アグリーセーター」の始まりです。
「アグリー」の使い方や例文
「アグリー」を言葉として使う場合は、どうすればよいでしょうか。
「アグリー」の使い方と注意点の解説と「アグリー」を使った例文を紹介します。
「アグリー」を使うのは主に会議の場
同意や賛同を意味する「アグリー」が使われるのは、一般的にビジネスシーンでも「会議」の場などです。
日常で「アグリー」を使っても問題はありませんが、「アグリー」という言葉が浸透していない場で使用しても混乱を招くだけなので注意しましょう。
「アグリー」を使った例文
「アグリー」を使う場合は、他者の意見に対して意思表示をするときです。「アグリー」は、下記のような使い方ができます。
- 新店舗を開設するにあたり、接客の見直しや衛生管理の徹底が必要との部長の考えにアグリーする。
- 彼の主張は、一方向からの視点しかないのでアグリーしかねる。
- 彼女の改善提案は、いつも的確で意味のあるものなのでアグリーできる。
「アグリー」という言葉を使うときは
「アグリー」は、ビジネスシーンでは用いられる機会も増えていて定着しつつあります。ただ、業種によってはビジネス用語として「アグリー」が定着していない場合もあるので注意しましょう。
また、会議の場などでも場合によっては「アグリーします」という言葉が軽く捉えられることもあります。特に目上の人の意見には「同意見です」や「賛成です」と日本語で回答するのがよいでしょう。
まとめ
ビジネス用語の「アグリー」について、意味や使い方、使う場合の注意点など解説してきました。
「アグリー」は、英語の「agree」が語源で、意味もほとんど違いはありません。きちんと意味を理解していれば、使い方を間違えずに使えるでしょう。
しかし、「Ugly」との発音の違いを表現するのは、ネイティブな英語が話せる人じゃないと厳しいでしょう。
「アグリー」を使う場合は、意味の理解とともに使う場を見極める必要も出てきます。「アグリー」が職場で使っても問題がないか、ビジネス用語として定着しているかを判断してから会議の場などで活用しましょう。