「場末」と聞くと、なんとなく寂しいイメージをもつ方が多いのではないでしょうか。今回は「場末」の意味をしっかりと理解し、正しい使い方を覚えていきましょう!また、類語や注意点も解説していますので日常の会話に役立ててくださいね。
「場末」の読み方や意味
「場末」は「ばすえ」と読み、中心から離れた場所という意味をもっています。それぞれ詳しく見ていきましょう!
「場末」の読み方
「場末」の読み方は「ばすえ」です。「末」という漢字は「月末(げつまつ)」や「年末(ねんまつ)」などから「まつ」という読み方のイメージが強く、「ばまつ」と読み間違えることの多い漢字なので、気をつけましょう。
「場末」の意味
「場末」は、「繁華街や都心などの中心から離れた場所」という意味をもっています。具体的にはどこから「場末」なのかはっきりと決まっているわけではありませんが、賑わっている場所とは少し離れた「中心ではない場所」場所を指す言葉です。
参照:Weblio辞書「場末」
「場末」で伝わるイメージは
「場末」には「落ち着いていて静かな」というポジティブなイメージと、「落ちぶれていて古めかしい粗末な場所」というネガティブなイメージの相反する2つのイメージをもっています。それぞれのイメージについて詳しく見ていきましょう!
ポジティブなイメージ
「場末」のポジティブなイメージとしては、以下のものが挙げられます。
- 落ち着いている
- 静かな
- 懐かしい
「場末」という言葉は賑やかな中心地から離れているという意味から、落ち着いている、静かで懐かしさを感じる場所など、古くも懐かしく心地いい場所というポジティブなイメージを伝えられます。
ネガティブなイメージ
「場末」のネガティブなイメージとしては、以下のものが挙げられます。
- 落ちぶれている
- 古めかしい
- 粗末な場所や環境
ポジティブなイメージとは逆に、中心ではない場所という意味から落ちぶれている、古めかしい粗末な場所というネガティブなイメージももち合わせ、使うタイミングに注意しなければならない言葉でもあります。
「場末」の類義語や使い方
「場末」の類義語として「郊外、路地裏、町外れ、裏町」といった言葉が挙げられます。どの言葉も中心ではない物静かな場所として使われる場合が多い言葉ですね。会話の流れやタイミングで言葉を選び、使い分けていけると良いでしょう。
それぞれどのような意味をもつのか、また使い方についても書いてありますので見ていきましょう!
類義語1.郊外
「郊外(こうがい)」は、都市地域の中心から少し離れた場所という意味をもっています。使い方としては「郊外に家を買った」「都心郊外に住んでいる」など、場所を示す際に使われることの多い言葉です。
類義語2.路地裏
「路地裏(ろじうら)」は、表通りから小道に入り込んだ場所という意味をもっています。使い方としては「路地裏の猫」「路地裏は人も通らず静かだ」などがあり、場末と同じくやや寂しげな表現に使われることの多い言葉です。
類義語3.町外れ
「町外れ(まちはずれ)」は、町の住宅や商店のある場所から外れた所や町の端、家の少ない閑散とした場所という意味をもっています。使い方としては、「僕の家は町外れにある」「町外れに工場の建設を計画している」など、場所を示す場合に使われます。
類義語4.裏町
「裏町(うらまち)」は、表の通りの裏側にある町という意味をもっています。「裏町の居酒屋が美味しい」「裏町を歩く猫」など、表側にない静かな印象を与えられます。
「場末」の対義語
場末の対義語として挙げられる言葉には、以下の3つがあります。
- 盛り場(さかりば)
- 都心(としん)
- 都会(とかい)
「場末」の意味からも想像できますが、どの言葉も人がたくさん集まる中心地で、賑わっている場所を指していますね。
「場末」の正しい使い方
「場末」の正しい使い方として、場所だけではなく人に対しても使われることがあるという点があります。ただし人に対して使うと失礼だと思われる場合もありますので、注意しましょう!また、「場末」を使った例文も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
「場末」の正しい使い方
「場末」は、その意味から場所に対してだけ使われると思われがちですが、人に対しても使われます。人に使う場合、「場末の女」や「場末のホステス」などは「懐かしさを感じる女性」ではなく「都心の女性よりも落ちぶれている」という意味で使われ、失礼だと感じる人が多いのでやめた方がいいでしょう。
「場末」を使った例文
先ほども述べたとおり、「場末」は「落ち着いていて懐かしさを感じる」意味や「古くさくて寂しい」という相反する意味をもつ言葉なので、さまざまな例文ができあがります。
- 場末の映画館にいく
- この道具は長く使われていたからか場末感が漂っている
- 暮らしに場末が漂っている人だ
例文1.では「場末」は人気がない、落ち着いていて懐かしさを感じるという意味で、例文2.はやや古くさいという意味で使われていますね。また、例文3.に関しては寂しげな暮らしをしている人というネガティブな意味で伝わってしまうので、使い方に注意が必要です。
「場末」の注意点
「場末」は、ビジネスシーンでは頻繁に使うことはないでしょう。また、他人に対して使うと上記の例文のように失礼だと捉えられる場合もありますので、意味や使い方をしっかり理解しておかないと恥をかいてしまうかもしれません。
「場末」はビジネスシーンでも使えるか
「場末」は、ビジネスシーンではそこまで多く使う言葉ではありません。しかし急にこの言葉が出てきた時に読み方を間違えたり、意味を間違えて使ったりすると恥ずかしい思いをするかもしれません。
また、仕事相手との雑談の中でも出てくる可能性がありますので、読み方や意味、使い方をしっかり覚えておきましょう。
「場末」は他人に対して使わない
先ほどの正しい使い方でも紹介したように、「場末のバー」「場末のスナック」などとその店の経営者に向かって言うことは場合によっては失礼だと感じる方もいます。
また、「場末の女」などは相手が落ちぶれているというイメージで伝わってしまう場合が多く、直接伝えるには失礼な言葉です。なるべく他人を指す言葉としては使わないよう気をつけましょう。
「場末」の英語表現
最後に、「場末」を英語で伝える場合を見ていきましょう。「場末」の英語表現としては以下の3つの言葉が挙げられます。
- 英語表現1.outskirts(中心地から離れた町外れ、郊外)
- 英語表現2.suburban(教養のない、郊外)
- 英語表現3.district(地方、地区、地域)
これらの中で「場末」として最も使われるのが「outskirts」という表現なので、覚えておきましょう。
まとめ
- 「場末」は「ばすえ」と読み、「賑わっている場所から少し離れた中心でない位置」という意味をもつ
- 「場末」は「落ち着いている懐かしい」というポジティブなイメージと、「古くさくて寂しい場所」というネガティブなイメージをもっている
- 「場末」の類義語として「郊外・路地裏・町外れ・裏町」という中心ではない物静かな場所を示す単語が挙げられる
- 「場末」の対義語は「盛り場・都心・都会」など、華やかで賑やかな場所を示す単語が挙げられる
- 「場末」の正しい使い方として、場所を示すだけでなく人に対して使われ方もある
- 「場末」はビジネスシーンではあまり使われないが雑談や接待の場で出てくる可能性があるので、読み方や使い方を覚えておいた方がよい
- 「場末」の注意点としては人に対して使うと失礼と感じてしまう場合もあるので気をつけること
- 「場末」の英語表現としては「outskirts」「suburban」「district」があり、「outskirts」が多く使われる
「場末」は普段の会話や仕事上の相手でも会話の中で何気なく出てくる言葉ですので、意味をしっかり理解して失礼だと思われない使い方をしていきましょう!