マグダラのマリアとは?聖母マリアとの違いや芸術作品も紹介

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    聖書に登場する「マグダラのマリア」。彼女はどのような女性だったのでしょうか?この記事ではマグダラのマリアの伝説とその生涯を追い、聖母マリアとの違いやマグダラのマリアゆかりのスポット、マグダラのマリアをテーマとした芸術作品を紹介します。

    目次

    「マグダラのマリア」の由来・語源

    「マグダラのマリア」の由来・語源

    マグダラのマリアが生きた時代には、平民は苗字がないことが普通でした。そこで、出身地を名前の前につけて個人を特定する習慣があったのですが、マグダラのマリアも彼女の出身地・ガラリヤ湖周辺にあるマグダラ村の名前がつけられています。「マグダラのマリア」はラテン語で「マリヤ・マグダレナ(Maria Magdalena)」と読み、英語では「メアリ・マグダレーン (Mary Magdalene)」、フランス語では「マリー・マドレーヌ (Marie Madeleine)」といいます。

    「マグダラのマリア」のストーリー

    「マグダラのマリア」のストーリー

    マグダラのマリアはどのようにイエス・キリストと出会い、どのような生涯を送ったのでしょうか?新約聖書に登場するマグダラのマリアとキリストを取り巻く物語のあらすじをまとめました。

    イエスとの出会い

    イエス・キリストが各地を巡り人々に教えを授けている旅の途中で、町にある民家を訪れます。そこで食事をしながら教えを説いていると、一人の女性がキリストの話に感動し、泣きながら彼の足に持っていた香油を塗ります。この女性がマグダラのマリアであると伝えられています。

    巡礼の旅へ

    イエス・キリストによって7つの悪霊を取り除かれたマグダラのマリアは改悛し、キリストと行動を共にするようになります。キリストの巡礼の旅に同行し、彼の傍らにある姿が聖書やさまざまな作品の中でたびたび登場しています。

    イエスとの別れ

    イエス・キリストがゴルゴダの丘で十字架の磔刑となったときに、マグダラのマリアは彼の死を嘆き悲しみます。そして十字架から降ろされたキリストの遺体に香油を塗り祈りを捧げました。この情景はキリスト教をテーマとしたさまざまな芸術作品にも描かれています。

    「マグダラのマリア」の生涯

    イエス・キリストの死後、マグダラのマリアはキリストの復活を目のあたりにします。そして、彼に追いすがり触れようとしますが、キリストによって止められます。その後南フランスに渡ったマグダラのマリアはラ・サント・ボーム山にある洞窟で瞑想と祈りの日々を過ごし、この地で生涯を閉じたと伝えられています。

    現代に伝わる「マグダラのマリア」のイメージとは

    現代に伝わる「マグダラのマリア」のイメージとは

    現代に伝わる「マグダラのマリア」のイメージはキリスト教の宗派や教典によって違いがあります。ここでは「罪深き女」や「聖人」などさまざまな顔をもつマグダラのマリアの実像に迫ります。

    聖書における「マグダラのマリア」

    マグダラのマリアは新約聖書の中で最初は「罪深き女」として登場します。現代の考察では、これは娼婦を指していたのではないかと考えられています。イエス・キリストに出会いそれまでの罪を悔い改めたのちは、キリストの傍らに常にいる女性としての姿が描かれており、キリストの死後は厳しい求道者としての生きざまが伝えられています。

    外典の「マグダラのマリア」

    キリストの弟子たちが著し、後世に伝えた文書が「福音書」です。新約聖書の中にはマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネによって記された4つの福音書がありますが、それ以外の「外典」とされる福音書にもマグダラのマリアは登場します。外典は著者によって数種類あり、内容も一定ではありません。3世紀頃に編纂されたとされる「フィリポによる福音書」では「イエスはマグダラのマリアを誰よりも愛していた」と記述されており、マグダラのマリアをイエスの伴侶として扱っています。

    「マグダラのマリア」の別名

    「マグダラのマリア」の別名

    マグダラのマリアにはいくつかの別名があります。マグダラのマリアを聖人とするキリスト教正教会では、彼女を「携香女(けいこうじょ)」とよびます。これはマグダラのマリアが香油を所持しており、それをイエス・キリストに塗ったとされる伝承からつけられた名前です。また、マグダラのマリアは「マリヤ・マグダレナ」とも音訳されます。

    「マグダラのマリア」と「聖母マリア」の違い

    「マグダラのマリア」と「聖母マリア」の違い

    キリスト教において、キリストの産みの母である「聖母マリア」は絶対的な存在です。同じ「マリア」の名をもつ聖母マリアとマグダラのマリアには、どのような共通点や差異があるのでしょうか?イエス・キリストの生涯を彩ったであろう複数人のマリアについて考察しました。

    聖母マリアとは

    聖母マリアはイスラエルのナザレに住む、大工ヨセフの妻であった女性といわれています。天使ガブリエルより神の子を授かったことを知らされ(受胎告知)、イエス・キリストを産んだと伝えられています。キリストの死後は弟子のヨハネに連れられてポルトガルのエフェソスに移り住み、静かな祈りの日々を過ごしたとする説が有力です。

    そのほかのマリア

    新約聖書の中には、聖母マリアとマグダラのマリアのほかにも何人かのマリアが登場します。そのうちのひとりが「ベタニアのマリア」で、イエス・キリストの話をよく聞き彼に褒められたエピソードがあります。聖書にはベタニアのマリア以外にも「クロパの妻マリア」「マルコの母マリア」「パウロの友マリア」などマリアの名前をもつ人物が複数登場します。このことからも、「マリア」という名前が当時からポピュラーであったことがうかがえます。

    「マグダラのマリア」との違い

    現代のキリスト教の解釈では、「マグダラのマリア」と「ベタニアのマリア」は同一人物だとする説があります。この説は主にカトリック教会において支持されており他宗派では受け入れられてはいません。実際に聖書の中では「マリア」が誰を指しているのか明確でないことが多々あり、解釈の仕方にもさまざまな違いがあります。

    「マグダラのマリア」の関連スポット

    「マグダラのマリア」の関連スポット

    マグダラのマリアが生きたスペインやフランスの各地には、マグダラのマリアを祀った教会施設などが数多くあります。現代でも巡礼の拠点やパワースポットとして多くの人々が訪れており、マグダラのマリアの足跡をたどるツアーも人気です。

    「マグダラのマリア」を祀ったサンタ・マリア・マグダレナ教会

    スペインの内陸部に、人口2万5千人程度の小さな町「ノベルダ(Novelda)」があります。このノベルダの丘の上に建つ教会が「サンタ・マリア・マグダレナ教会」です。スペインでは各市町村ごとに守護聖人を祀っており、ノベルダの守護聖人はマグダラのマリアです。キリスト教の教会建築を上から見ると十字架の形をしていることが通常ですが、このサンタ・マリア・マグダレナ教会は珍しい香油壷の形をしています。これはマグダラのマリアがキリストに香油を塗った伝説に基づいていると考えられます。また、このサンタ・マリア・マグダレナ教会教会には珍しい大理石製のパイプオルガンもあり、その大きさは世界最大といわれています。

    「マグダラのマリア」の聖遺骸がある聖マリーマドレーヌ教会

    フランス・ブルターニュ地方のヴェズレーにある「サント=マドレーヌ大聖堂」は世界遺産にも登録されているバシリカ様式の教会建築です。このサント=マドレーヌ大聖堂にはマグダラのマリアの聖遺物があるといわれており、ローマ教皇ヨハネス8世によってマグダラのマリアに捧げられた聖地となりました。現在でもマグダラのマリアの頭蓋骨があるとされ、キリスト教3大巡礼地のひとつ、スペインのサンティアゴへの巡礼路の始点となっています。

    「マグダラのマリア」終焉の地 ラ・サント・ボーム洞窟

    フランス・マルセイユの北西約40kmのところに、標高1147mのラ・サント・ボーム山があります。ここには、マグダラのマリアが晩年の33年間を過ごしたといわれる洞窟があります。この洞窟は「Santa Maria Balmae」と呼ばれ、歴代のローマ教皇やフランス国王が即位の度に訪れたと伝えられています。現在でも洞窟は公開されており、中には祭壇やマグダラのマリア像が祀られています。険しい岩山を登らなければたどり着けない場所ですが、ここを巡礼に訪れる人々は後を絶ちません。キリスト教カトリックの聖地のひとつとなっています。

    「マグダラのマリア」の芸術作品

    「マグダラのマリア」の芸術作品

    「マグダラのマリア」はキリスト教美術をはじめさまざまな芸術作品のテーマになっています。ここではマグダラのマリアをモチーフとした絵画、彫刻、映像作品を紹介します。

    絵画に登場する「マグダラのマリア」

    西洋絵画においては、聖書のエピソードや登場人物をモチーフとした絵画が数多く制作されています。その中でもマグダラのマリアをテーマにした作品は多く、ポール・セザンヌやエル・グレコ、カラヴァッジョなどの有名画家たちによってマグダラのマリアをモデルにした絵画が制作されています。絵画作品では、改悛するマグダラのマリアやキリストに香油を塗る姿、キリストの復活に立ち会った姿などがよく描かれています。

    彫刻作品の「マグダラのマリア」

    彫刻などの立体作品としても「マグダラのマリア」をモチーフにした作品は多数制作されており、世界各地のキリスト教関連施設や美術館などで見学できます。中でもイタリア・フィレンツェのドウォモ付属博物館には、初期ルネッサンス芸術を代表する彫刻家ドナテッロによって彫られた「マグダラのマリア像」が収蔵されています。ここでは、晩年の厳しい修行に身をささげた鬼気迫る表情のマグダラのマリアの姿が見られます。

    「マグダラのマリア」の映像作品

    「マグダラのマリア」の伝説はさまざまな映像作品のテーマにもなっています。近年では、2018年にガース・デイヴィス監督の映画「マグダラのマリア」が公開されました。この作品ではマグダラのマリアをルーニー・マーラが、イエス・キリストをホアキン・フェニックスが演じています。また2006年に公開されたダン・ブラウン原作の映画「ダ・ヴィンチ・コード」では、イエス・キリストとマグダラのマリアが結婚していたとされる説に基づいて、ミステリアスなストーリーが展開します。

    まとめ

    「マグダラのマリア」は、宗派を問わず多くの人々を引き付けて止まない存在です。イエス・キリストを支え、信仰に生きた彼女の生き方から学べることは多くあります。マグダラのマリアをよく知れば、日々忙しく過ごしているビジネスパーソンも癒しと安らぎを得られるかもしれませんね。

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