「ヘッダー」という言葉から文書の上の方につけられるテキストを思い浮かべる方もいるでしょうが、「ヘッダー」の意味はそれだけではありません。Webサイトで使われるときのヘッダー画像やその他の使い方、対義語のフッターについて解説します。
「ヘッダー」の意味とは
「ヘッダー」をビジネスで使う場合、大きく2つの意味があります。それは、文書で使用する場合とWebで使用する場合に分けられます。ここでは、それぞれの意味を解説します。
一言でいうと「先頭につけられた情報」
「ヘッダー」の意味を一言で表すと「先頭につけられた情報」です。文書もWebもこれは同じです。先頭につけられた情報にはタイトルや日付などがあり、基本的に1つの文書、Webサイト内では、ページが変わってもヘッダーは変わりません。
ワード、エクセルでの「ヘッダー」は全ページ共通で冒頭に表示される情報
ワードやエクセルでは文書上部の余白に、全ページ共通して表示させる文字列のことを「ヘッダー」といいます。ファイル名や文書のタイトルなどを記載でき、読み手がなんの文書を読んでいるのか、今どこを読んでいるのかなどをわかりやすくするために誓います。ワード、エクセルのヘッダーは、表示する位置を左寄せ、中央、右寄せから選ぶこともできます。
Webサイト、SNSでは冒頭に表示される画像を意味する
WebサイトやSNSでの「ヘッダー」には大きく分けて2種類の意味があります。1つは、ワード、エクセル同様、ページの上部に表示される情報のことです。意味合いはワード・エクセルと同じですが、主に画像で作られています。サイトのタイトルやアイコン(内容や機能を小さな画像にしたもの)が表示されることが多いです。ヘッダーを使うことで、デザインの統一感が出て、ヘッダー画像を見ることですぐに何のサイトかわかるよう、訪問者に印象づけます。
2つ目は、主にWeb制作において、データのやり取りをする際に、はじめに記載される管理情報のことを意味します。
その他の「ヘッダー」の意味
「ヘッダー」にはほかに、「ガス用ヘッダー(ガスヘッダー)」や「ヘッダー配管」、「ヘッダー工法」、「ウィンドウヘッダー」などがあります。ガス用ヘッダー、ヘッダー配管、ヘッダー工法は主にガスや配管、給湯などで使われる、一度に複数の分岐を可能にするもの、あるいはその方法を指し、ウィンドウヘッダーは主に窓のある鉄道車両において、強度を上げるために窓の上部につける金属製の補強版を意味します。
「ヘッダー」の語源・由来
「ヘッダー」の語源について解説します。もともとは英語の「header」からくるものですが、この「header」が意味するものを理解することで「ヘッダー」の意味もより理解できるでしょう。
「ヘッダー」の語源は英語の「header」
「ヘッダー」は英語の「header」から来ています。これは「head(頭)」と「er(「ものや人」を表す接尾辞)」から成り立っており、ここから「文書やWebサイトの冒頭にある情報」という意味になります。
「header」の意味
英語での「header」の意味は日本のビジネスシーンで使う「ヘッダー」よりも多くの意味を持っています。ここではその一部を紹介します。
・見出し
・見出しと同義のヘディング
・サッカーのヘディング(パスやシュート)
・頭から真っ逆さまにジャンプすること、または落下すること
・穂先を摘む機械
「ヘッダー」の類義語・言い換え表現
「ヘッダー」はそれ自体が固有の意味合いを持っていますが、あえて類義語や言い換え表現をあげるならば、「見出し」と「ヘディング」があります。それぞれの意味を見ていきましょう。
「見出し」、「見出」
「見出し」は「冒頭につけるもの」という意味では「ヘッダー」と同じです。ただし、見出しは冒頭以外にも文章の途中で複数の異なる情報を使えるのに対し、ヘッダーは1つのファイル、データ、サイト等に対し1つのみです。
「ヘディング」
「ヘディング」は見出しや頭出しという意味です。こちらも見出しと同様にヘッダーの類義語といえますが、厳密に「ヘッダー」と同じかというと、どちらかというと上述の「見出し」のほうが意味としては近いです。
「ヘッダー」の対義語
「ヘッダー」の対義語として「フッター」があります。ここでは、「フッター」について解説します。
「フッター」
文章やサイトの上部にある「ヘッダー」に対し、「フッター」は下部にある情報等を指します。ワードやエクセルではページ番号や日付、署名などを記載することが多く、ヘッダー同様、右寄せ、中央、左寄せと場所を指定できます。Webサイトなどではすべてのページに共通して載せる定型文やリンク、サイトマップなどを記載します。例えば、企業の公式サイトでしたら、問い合わせフォームや企業情報、お知らせなどへのリンクが記載されています。
「フッター」の英語表現は「footer」
フッターもヘッダー同様、英語は名詞にerをつけたものです。erの前につく単語は「foot」。足もとという意味です。これにerを足して「足もと(下部)に記載されているもの」という意味になります。
「ヘッダー」の使い方・例文
ここでは「ヘッダー」の例文や使い方を解説します。聞きなれない、使い慣れないと難しく感じるかもしれませんが、難しくはありませんので、何度か使って慣れていきましょう。
「ヘッダー」を使った例文
「ヘッダー」を使った例文を紹介します。
- この文書にヘッダーを追加してください。
- ヘッダー画像の作成をお願いします。
- このサイトのヘッダーを変更してください。
ワード、エクセルでの使い方
ワードやエクセルではバージョンによってヘッダーの見え方や編集方法が異なる場合がありますが、ページ設定や挿入からヘッダーの編集、削除が可能です。ページ番号や日付は、決まった記述形式があります。それを入れることで、手動でページカウントをしたり日付の修正をしたりする必要がなく、自動で正しいページ番号や日付が入ります。注意点は、表示形式によってはヘッダーが見えなかったり編集できなかったりすることです。印刷プレビューで表示されますが、文書作成中も確認したい場合は、ワードは「印刷モード」、エクセルは「ページレイアウト」にすると、文書作成画面でヘッダーも表示されます。(こちらもバージョンによって異なります。)
Webサイト、SNSでの使い方
WebサイトやSNSの「ヘッダー」は専用の画像を作成します。これを「ヘッダー画像」ともいいます。作成する画像に決まりはありませんが、多くはイメージ写真もしくはイラストにサイトのタイトルや個人の名前、キャッチコピーなどを記載します。自身のプロフィール写真を使うこともありますし、写真やイラストを使わず文字だけで作成することもあります。なお、SNSのヘッダーを作る際は、SNSによってサイズが決まっていたり、ヘッダーにアカウントのアイコンが重なって表示されたりすることがありますので、注意が必要です。
「ヘッダー画像」を無料で作る方法
「ヘッダー画像を作る」と聞くと、デザイナーにお金を払って作ってもらわないといかないのでは?と思われる方もいるかもしれません。しかし、ヘッダー画像は自分で無料で作れます。ここでは、その方法を解説します。
「ヘッダー画像」に使えるフリー画像素材の探し方
ヘッダー画像は写真が使われていることが多いため、まずその素材を用意します。Webで検索をすると無料で使える写真やイラストが数多く出てきますので、その中から作りたいサイトのイメージに合うものを選びます。もちろん、ヘッダー画像に使いたい写真を持っていればそれを使います。
Webで探すときに注意する点が3点あります。
1.その画像は使用可能か
2.無料か有料か
3.無料で商用利用可能か
Webで見つかる写真の中には、他者の利用を許可していないものがあります。例えばブログの記事に掲載されている写真や企業の商品画像などです。これらを勝手に使うことは法律違反となります。2つ目の「無料かどうか」ですが、Webで検索できる写真の中には有料で販売されているものもあります。有料のものを勝手にダウンロードすることは当然許されませんし、基本的に有料の写真には透かし文字が入っているため、ダウンロードしても使用できません。3つ目は、ヘッダー画像の用途にもよりますが、ビジネスで使用する場合は基本的に商用利用となります。「個人の楽しみのために使うのはいいけれど、ビジネスに関するサイトへの使用は許可していない」、あるいは掲載に条件がある、商用利用は有料となる、など写真によってさまざまなルールがあります。Webで写真を探す際は、これらのことに注意する必要があります。
しかし、1つ1つの写真を見ながら上記の3点を確認していくのは大変です。そこで、「原則、無料で商用利用可」の写真を集めたサイトを紹介します。商用利用可のサイトはいくつかありますが、「O-DAN」というサイトは、複数の画像サイトをまたいで検索できるので便利です。それ以外では、検索エンジンにて「画像 商用利用可」や「画像 フリー」などのキーワードで検索すると、そのようなサイトが見つかります。
「ヘッダー画像」を無料で編集する方法
写真を用意したら、そこにタイトルなどの文字を入れます。こちらも無料で画像を編集できるソフトを使用します。「画像編集 無料」などで検索すると無料の画像編集ソフトを見つけられます。「canva」が有名ですが、パソコンにプリインストールされているソフトが使える場合もありますし、スマートフォンにも無料の画像編集アプリがあります。これらを使って画像を編集し、ヘッダー画像を作成します。
まとめ
「ヘッダー」とは、ワード、エクセルなどの文書の冒頭部分に記載されている情報、あるいはWebサイトやSNSでページ上部に表示される画像を意味します。ワード、エクセルでは文書のタイトルやページ番号などを記載することでページが変わっても何の文章を読んでいるのか、今どこを呼んでいるのかがわかります。WebサイトやSNSでは統一感やサイトのイメージを印象付けるために画像やイラスト、文字を使ってヘッダー画像を掲載します。いずれも仕事をする人すべてが必ず使うわけではありませんが、必要な時にすぐに使えるようにしておきましょう。