掛け率の意味とは?計算方法と相場、利益率との違いや使い方、類語・英語表現も解説

    URLをコピーする
    URLをコピーしました!

    「掛け率」は日常生活では使わない言葉ですが、商品を仕入れて販売する小売、卸売などの流通業において商談や価格交渉の時に使われています。「掛け率」の意味とはどのようなものか、計算方法や関連語、相場、使い方や英語表現をまとめました。

    目次

    「掛け率」の意味とは?

    「掛け率」の意味とは?

    「掛け率」は商品を仕入れる際の価格設定などに使われる言葉ですが、ビジネスの中では、比較的に頻繁に使われる言葉です。バイヤーなど、ものを仕入れる業務の場合はもっとも基本的な用語となります。それでは「掛け率」の意味とはどのようなものなのでしょうか?

    小売価格に対する卸値の割合

    「掛け率」は商品の小売価格(販売価格)に対する、仕入れ価格(原価)の割合を指す言葉で、「掛け率〇〇%」と表示されます。例えば小売価格で1,000円のハンカチを600円で卸す場合、卸価格は小売価格の60%になるので、このハンカチは「掛け率60%」となります。この場合、実際のビジネスの中ではいちいちパーセントを使わず、「6掛け(ろくがけ)」というのが一般的です。掛け率が75%ならば「75掛け(ななごがけ)or(ななじゅうごがけ)」といった具合です。

    「掛け率」と上代・下代

    小売店や問屋、メーカーなどが商品の価格交渉や仕入れに関する商談をするときには、専門用語で小売価格を「上代」、仕入れの卸価格を「下代」と呼ぶことが多いです。小売価格1,000円、卸価格600円のハンカチを例にとると、「この上代1,000円のハンカチは掛け率60%なので下代は600円となります」といいます。

    参照:@DIME「掛け率」

    「掛け率」の計算方法

    「掛け率」の計算方法

    実際のビジネスの中で掛け率はどのように計算して使われているのでしょうか? 掛け率から卸値=(原価、下代)求める方法、卸値から掛け率を求める計算方法を説明します

    掛け率をもとに卸値を計算する場合

    小売価格=上代に対して掛け率が決まっていて、卸値=下代を求めたい場合は、上代に掛け率をかければ下代価格がでます。上代1,000円、掛け率60%の商品であれば、計算式は下記のとおりで、下代つまり卸値は600円となります。
    1,000(上代) × 0.6 (掛け率) = 600(下代)

    逆に下代と掛け率が分かっていて上代を出したい場合は、下記の計算式で上代1,000円が求められます。
    600(下代) ÷ 0.6(掛け率) = 1,000(上代)

    卸値をもとに掛け率を計算する場合

    卸値=下代から掛け率を知りたい場合は、下代を上代で割ることによって掛け率を求められます。上代1,000円、下代600円の商品の掛け率は下記のとおりで、掛け率60%(6掛け)となります。
    600(下代)÷ 1,000(上代)=0.6(60%)

    エクセルを使った計算方法

    上代、下代、掛け率の関係は、個別の価格交渉などは計算機などを使えばすぐに出せますが、大量の商品のリストから上代を決めたり、下代価格を求めたりするにはエクセルなどの表計算ソフトが便利です。計算式は単純なので、表計算に慣れていない人でも比較的かんたんにできます。求める値によって1行目に計算式を入れてソートすれば、効率的に作業を進められます。

    「掛け率」の関連語と違い

    「掛け率」の関連語と違い

    「掛け率」など、仕入れに関する言葉には似ているけれど意味合いが違う言葉や、関連語、また仕入れた商品を販売する際の、利益に関する言葉などがあります。それぞれの意味を解説します。

    原価・原価率

    卸価格は仕入れをする側からみると、「仕入れ原価」となります。そして掛け率は「仕入れ原価率」となります。ビジネスで実際に使うときは、単に「原価」や「原価率」といういい方をします。同じ数字を指していますが、商品を卸す側からみれば「卸値」と「掛け率」であり、仕入れる側からみると「(仕入れ)原価」と「(仕入れ)原価率」となり、立場によって言い方が変わります

    値入額・値入率

    「値入額」と「値入率」は商品の販売価格を決めるときに、使う数値です。ある商品がどのぐらいの粗利益を出せるかを想定する計算です。計算式は、下記のように求められます。
    値入率(%) =(想定売価 - 仕入原価)÷ 想定売価 × 100

    仕入れ原価が600円で、想定売価1,000円だった場合、次のような式となり、この商品の値入率は40%となります。つまり40%が見込まれる(粗)利益で、60%の600円が(仕入れ)原価となり、値入額は400円です。
    (1,000 – 600)÷ 1,000 × 100=40%

    利益額・利益率(粗利益率)

    「利益額」と「(粗)利益率」は実際に商品を販売した売上金額を元に、粗利益率を算出する数値です。「粗利益」「粗利益率」など「粗」がついている数値は、人件費などその他の経費は除外して、単純に販売価格から仕入れ価格を引いた利益という意味です。利益率の計算式は下記の式で求められます。
    粗利益率(%)=(売上金額 - 仕入原価)÷ 売上金額 × 100

    仕入れ原価が600円で、販売価格が1,000円だった場合、下記の式によって、この商品の粗利益率は40%となって、粗利益額は400円となります。
    (1,000 – 600)÷ 1,000 × 100=40%

    この式だけを見ると利益額と利益率は、値入額と値入率の値とまったく同じになっていますが、何が違うのでしょうか?その違いとは値入額と値入率は販売前の想定であり、利益額と利益率は販売結果を踏まえた数値であることです。想定売価ですべての商品が売れれば、両者の数値は一致しますが、実際の業務の中では、商品が想定通りの価格で完売することはありません。

    例えば、破損、汚損、あるいは万引きなどでロスが出たり、目玉品として割引販売をしたり、売れ残って見切ったりなどで、実際の売上金額は想定売価より低くなるのが通常です。その結果ほとんどの場合、利益率は値入率より低くなります。目標とした利益率を達成するためには、あらかじめ、ロスを見越して値入率を決める必要があります。

    「掛け率」の相場

    「掛け率」の相場

    商品の小売価格に対する仕入れ原価の割合を表す「掛け率」はどのように決められるのでしょうか?掛け率の相場はあるのでしょうか

    掛け率は業界によって相場がある

    全てに当てはまる絶対的な相場はありませんが、業界によって掛け率にはある程度の相場が決まっています。業界ごとに製造や流通コスト、商習慣などがあり、業界独自の掛け率の相場がある一方、同じ業界内でも、取引先によって、お得意様には他の顧客よりも低い掛け率を適用する場合などもあります。一般的にはアパレル業界などでは50%~60%、食品業界では70%などといわれています。

    セール処分や目玉品

    商品によっては、セールや目玉商品としての販売を前提にして、相場より低い掛け率で商品を卸す場合もあります。このような商品には、売れ残り品や、サイズや色の偏りがあった商品、あるいは目玉品として戦略的に作った商品などがあります。このような通常より低い掛け率設定は、相場とは別にその都度、設定されます。

    「掛け率」を英語でいうと?

    「掛け率」を英語でいうと?

    「掛け率」の英語表現にはどのようなものがあるのでしょうか? 

    ratio of wholesale price to retail price

    「ratio of wholesale price to retail price」は「小売価格に対する卸価格の割合」という意味で、そのまま掛け率の意味を英訳した表現です

    「off」・「markup」

    「off」=割引きという言葉も使用されているようです。offは値引き率を表すもので、一般消費者にはセールなどの割引価格を提示する際に使いますが、1,000円の商品を6掛けで卸すときに「6掛け=40%off」として掛け率を表すこともできます。

    「markup」は利幅のことで、マークアップ率は原価または販売価格に対する利益の割合を表します。販売価格1,000円、卸価格600円の商品でみた場合、販売価格に対するマークアップ率は下記のとおり、40%になります。
    利益額400円÷販売価格1,000円×100=40%

    この商品の掛け率は60%ですが、掛け率は販売価格からみた原価の割合で、マークアップ率は利益からみた販売価格に対する割合となります

    「掛け率」の使い方と例文

    「掛け率」の使い方と例文

    「掛け率」は実際のビジネスの中で、どのようなときに使うのでしょうか?掛け率を使う場面や、使い方の文例を紹介します

    価格決定や、価格交渉のときに使う

    「掛け率」は商品の原価から利益額を算出したり、その利益額に基づいた販売価格(小売価格、上代)を決めたりするときに使います。その業界で掛け率の相場が決まっている場合などは、その掛け率で売れるように販売価格を設定することもあります。また、商品を仕入れる側が、「この商品はもっと低い掛け率でお願いします」などと値段交渉をする際にも使われます。商品を仕入れる際の商談のときには欠かせない言葉と概念です

    「掛け率」を使用した文例

    「掛け率」を使った文例を紹介します

    使い方・例文
    • ジュエリー業界では、商品の掛け率はだいたい5掛けです。
    • 今年の冬は早く来そうだから、もう秋物の掛け率は下げたほうがいいと思います。
    • A社が3掛け、2掛けで商品を卸すから、この業界の掛け率の相場が崩壊してしまった。
    • 年間500万以上お買い上げのお取引先様には、掛け率をワンポイント下げてご提供しております。
    • この商品は掛け率を低く設定しているので、大きな利幅がありますよ。

    まとめ

    「掛け率」は商品の販売価格に対する仕入れ価格の割合を表す言葉で、「○○%」で表しますが、実際のビジネスでは「○○掛け」という言い方が一般的です。商品を仕入れて販売する小売や卸売業界、あるいはメーカーの営業担当者などが日常的に使う言葉です。商品の仕入れや手配に関する基本的な言葉なので、ビジネスパーソンであるならば、利益率など、関連する語句とともに常識として知っておくべき言葉です

    ビジネス動画チャンネル「先輩と後輩のまよちゃん」

    やたらと会社の先輩に「~してください」と命令してくる後輩

    やたらと先輩に「左様でございます」を使ってくる後輩

    やたらと先輩に「頑張ってください」を使ってくる後輩

    笑いながらビジネス用語やマナーを覚えられる!先輩と後輩のまよちゃんのYouTubeチャンネルはこちら

    この記事が気に入ったら
    フォローしてね!

    よかったらシェアしてね!
    URLをコピーする
    URLをコピーしました!
    目次
    閉じる