手紙やメールによく使う言葉「PS」の意味は大きくは3つの分類に分けられます。1つ目は、メールや手紙に使う「追伸」、2つ目は、聖書における「賛美歌、聖歌、詩編」、3つ目は、電子用語・科学技術その他の業界での意味です。この記事では、「PS」の意味、読み方、由来・語源、類義語・言い換え、使い方、例文、英語表記についてわかりやすく解説します。
「PS」の意味とは?
手紙やメールによく使う言葉「PS」ですが、どのような意味があるのでしょうか。
- メールや手紙に使う「追伸」
- キリスト教の聖書における「讃美歌・聖歌・詩編」
- 電子用語や科学技術などそのほかの業界での用語
大きくは3つに分類されます。1つずつ詳しく見ていきましょう。
「PS」の意味その1 メールや手紙に使う「追伸」
「PS」の意味1つ目は、メールや手紙に使う「追伸」。「PS」の使い方においては、業界やビジネスに関係なく最も使われる言葉で、メールや手紙などの文章の最後に加え、追加して申し伝えたい一言を記す、おなじみの言葉です。
参照:Weblio辞書「PS」
「PS」の意味その2 聖書における「賛美歌、聖歌、詩編」
「PS」の意味2つ目は、キリスト教聖書においての「讃美歌・聖歌・詩編」。信者以外には馴染みのない言葉ですが「Pslam」の略語で、「Ps.」や「Psa.」とも表記します。ちなみに、英語では「P」は発音せず、「サーム」と読みます
「PS」の意味3 電子用語・科学技術その他の業界での意味
「PS」の意味3つ目は、電子用語・科学技術やそのほかの業界における専門用語の略語。「Power Sauce(電源)」、「Pressure Switch(圧力スイッチ)」、「Passenger Ship(旅客船)」、「Postal Service(郵便サービス)」など、業界によりさまざまです。
手紙で使う「PS」の読み方
「PS」には業界によりさまざまな意味があることがわかりましたが、手紙で使う「PS」に特化して解説を進めます。手紙で使う「PS」の読み方は、アルファベットの「P(ピー)」と「S(エス)」をそのままつなげて「PS」(ピーエス)と読みます。
手紙で使う「PS」の由来・語源は英語
次に、手紙で使う「PS」の由来と語源を解説します。「PS」は英語の「Postscript(ポストスクリプト)」の略語。語源・由来は、ラテン語「後でかかれたもの」を意味する言葉です。
手紙で使う「PS」の類義語・言い換え
手紙で使う「PS」の類義語や言い換えには大きくわけて4つあります。
- 追伸/ニ伸/再伸
- 末筆ながら/末筆ではございますが
- 最後に/最後になりますが
- 追って書き
それぞれを見ていきましょう。
手紙で使う「PS」の類義語その1「追伸・二伸・再伸」
手紙で使う「PS」の類義語1つ目は「追伸・ニ伸・再伸」。それぞれ次のように読みます。
- 追伸(ついしん)
- 二伸(にしん)
- 再伸(さいしん)
追・ニ・再には「二度目」や「追加」「再び」の意味があり、それぞれに「伸」を付けます。
「伸」は、音読みで「シン」訓読みでは「の(びる)」「の(ぼる)」「の(ばす)」と読み、「伸ばす/伸びる/述べる/申す/拡大する/無実の罪の疑いを晴らす」の意味があります。使っている漢字の意味を紐とくと、理解がすすみ覚えやすいですね。
手紙で使う「PS」の類義語その2「末筆ながら・末筆ではございますが」
手紙で使う「PS」の類義語2つ目は「末筆ながら・末筆ではございますが」。前項の「追伸・二伸・再伸」は「PS」に置き換えるのが可能でしたが、「末筆ながら・末筆ではございますが」は「PS」に置き換えるのではなく、文章の中で記す類義語です。
手紙で使う「PS」の類義語3「最後に・最後になりますが」
手紙で使う「PS」の類義語3つ目は「最後に・最後になりますが」。前項の「追伸・二伸・再伸」は「PS」に置き換えるのが可能でしたが、「最後に・最後になりますが」は「末筆ながら・末筆ではございますが」と同じように「PS」に置き換えるのではなく、文章の中で記す類義語です。
手紙で使う「PS」の類義語4「追って書き」
手紙で使う「PS」の類義語4つ目は「追って書き」。「追伸・二伸・再伸」や「末筆ながら・末筆ではございますが」「最後に・最後になりますが」は、手紙やメールに実際に記す「PS」、書き出し文章としての類義語です。「追って書き」は手紙やメールに記すのではなく、「PS」のあとに続く内容を示す言葉です。
ビジネスメールや手紙で「PS」を使うのはNG?「PS」の敬語
ビジネスシーンにおけるメールや手紙で、「PS」を使うのはOKなのでしょうか。そもそも「追伸」とは、パソコンやワープロがなく文書作成を手書きしていた時代、漏れた要件を付け足す役割を果たしていました。この視点から見ると、現代はパソコンやワープロで文書作成することがほとんど。メールを作成し終わり、文頭でも文中でもいくらでも修正が効きます。そのため、ビジネスメールの場合には「PS」や「追伸」を使わずに文章を修正します。書き直しが難しい手紙など手書きの場合には、「PS」は使わずに類語で解説した「追伸・二伸・再伸」や「末筆ながら・末筆ではございますが」「最後に・最後になりますが」と一言を加えた後に、追加したい文章を書き加えます。
「PS」の手紙やビジネスメールでの書き方・使い方と例文集
次にビジネスシーンにおけるメールや手紙ではどの用に使ったらいいのでしょうか。例文を交えながら解説しますので、参考にしてみてください。
「PS」の手紙やビジネスメールでの使い方については、「ビジネスメールや手紙で「PS」を使うのはNG?「PS]の敬語」でも解説した通り、上司や立場の上の人、お客様や目上の人に対しては使わないほうが無難です。一方、ビジネス関係であっても、同僚や親しい間柄の人に対しては使ってもOK。「PS」のあとに添える文章は、親しみがわくような話題を選びます。
- やっと繁忙期が終わりました。○○(場所)においしい焼肉屋さんを見つけたので、今度行きましょう。
- 最近いかがですか。会える機会が少ないので、今度オンライン飲み会でもしませんか。
手紙やビジネスメールでの「PS」を意味する例文集
手紙やビジネスメールでの「PS」を意味する例文を紹介します。
- 追伸/ニ伸/再伸
- 末筆ながら
- 最後に
- そのほかの書き方
それぞれに分けて解説・紹介します。
手紙やビジネスメールで「PS」を意味する例文その1「追伸・二伸・再伸」
「追伸・二伸・再伸」を使った例文
・「追伸」 お母様のお具合はいかがでしょうか。お見舞いに伺いたく、ご都合をお聞かせください。
・「二伸」 先日お買い上げいただきました製品は問題なくお使いいただけていますか。万が一異常があれば、ご遠慮なくお申し付けください。
・「再伸」 先日お借りした本を楽しく拝読しており、来週はじめにはお返しいたします。
- 「追伸」
お母様のお具合はいかがでしょうか。お見舞いに伺いたく、ご都合をお聞かせください。 - 「二伸」
先日お買い上げいただきました製品は問題なくお使いいただけていますか。万が一異常があれば、ご遠慮なくお申し付けください。 - 「再伸」
先日お借りした本を楽しく拝読しており、来週はじめにはお返しいたします。
手紙やビジネスメールで「PS」を意味する例文その2「末筆ながら」
- 末筆ながら、山田様のご活躍をお祈り申し上げます。
- 末筆ではございますが、山田様のご活躍をお祈り申し上げます。
手紙やビジネスメールで「PS」を意味する例文その3「最後に」
- 最後になりますが、山田様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
- 最後に、ご多忙のところに誠に恐れ入りますが重ねてお願い申し上げます。
手紙やビジネスメールで「PS」を意味するそのほかの書き方
- 「重ねて申し上げます」
くれぐれもお体にはお気を付けくださいますよう、重ねて申し上げます。 - 「ひとこと申し添えます」
くれぐれもご注意されますよう、ひとこと申し添えます。
「PS」英語・英文での使い方と例文
「PS」を英語で使う場合はどのように使ったらいいのでしょうか。例文とともに紹介します。
先にも解説したように、「PS」の「P」は「Postscript」の頭文字。ラテン語「Post」は英語の「After/Later(後で)」、ラテン語「Script」は英語で「Write(書く)」の意味です。
日本語で「追伸」に追伸を重ねる場合には「追追伸」「追追追伸」と表現しますが、英語も同じように「PPS」「PPPS」と表現します。
例文
・Best wishes,
John(ジョンより)
P.S. I forgot to tell you but I am moving to Los Angels next week.(追伸、伝えそびれていたけど、来週ロサンゼルスに引っ越すよ。)
P.P.S. I also have a new dog and take her to there.(追追伸、新しい犬を迎えて、ロスへ一緒に連れていくよ。)
Best wishes,
John(ジョンより)
P.S. I forgot to tell you but I am moving to Los Angels next week.(追伸、伝えそびれていたけど、来週ロサンゼルスに引っ越すよ。)
P.P.S. I also have a new dog and take her to there.(追追伸、新しい犬を迎えて、ロスへ一緒に連れていくよ。)
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は「PS」意味、読み方、由来・語源、類義語・言い換え、使い方、例文、英語表記について解説しました。
最後に「PS」のまとめです。
- 手紙やメールによく使う言葉「PS」の意味は大きくは3つの分類に分けられます。1つ目は、メールや手紙に使う「追伸」、2つ目は、聖書における「賛美歌、聖歌、詩編」、3つ目は、電子用語・科学技術その他の業界での意味です。
- 手紙で使う「PS」の読み方は、アルファベットの「P(ピー)」と「S(エス)」をそのままつなげて「PS」(ピーエス)と読みます。
- 「PS」の由来・語源は、「PS」は英語の「Postscript(ポストスクリプト)」の略語。ラテン語「後でかかれたもの」を意味する言葉です。
- 手紙で使う「PS」の類義語や言い換えには大きく分けて4つあります。「追伸/ニ伸/再伸」、「末筆ながら/末筆ではございますが」、「最後に/最後になりますが」、「追って書き」です。
- ビジネスメールでは「PS」は使わずに類語で解説した「追伸・二伸・再伸」や「末筆ながら・末筆ではございますが」「最後に・最後になりますが」と一言を加えた後に、追加したい文章を書き加えます。
- 「PS」の英語表記は、先にも解説したように、「PS」の「P」は「Postscript」の頭文字。ラテン語「Post」は英語の「After/Later(後で)」、ラテン語「Script」は英語で「Write(書く)」の意味です。