致し方ないの意味と使い方は?類語の仕方ないとの違いや英語表現・例文を解説

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「致し方ない」という言葉は最近ではあまり聞きなれない言い方かもしれません。「仕方がない」「しようがない」の丁寧な表現です。「致し方ない」の意味や使い方に加え類義語、使う上での注意点や英語表現についても紹介していきます。

目次

「致し方ない」の意味

「致し方ない」の意味

「致し方ない」の意味と語源について解説していきましょう。

「致し方ない」とは

「致し方ない」とは「仕方がない」「どうしようもない」「やむをえない」という意味で、現状からの回避が困難で逃れようがなく受け入れざるをえない状況のときに使う言葉です。通常の会話では「仕方がない」「しようがない」という言い方をしますが、これを丁寧に言う表現方法です。

「致し方ない」の本来の意味

「致し方ない」は「致す」「し方ない」が組み合わされた言葉です。「致す」は「する」の謙譲語で、これに「し方ない」が組み合わされ「することができない」「致すことができない」のもともとの意味から、「どうしようもない」「やむをえない」の意味を持つようになりました。

参照:Weblio辞書「致し方ない」

「致し方ない」の使い方

「致し方ない」の使い方

「致し方ない」を使う場面と使い方について解説していきましょう。

「致し方ない」を使う場面「あきらめる」

「致し方ない」を使うのは何かを計画し、それを実行する過程において、もしくは実行した結果として期待通りにならなかった場合です。「彼は弁護士になる夢を追いかけてずっと準備を進めてきたが、年齢的な限界からあきらめることは致し方ない。」というように「あきらめる」際に使う言葉です。

「致し方ない」を使う場面「どうしようもない」

「大雪で電車が動かないため、帰省できないのは致し方のないことだ」のように「大雪で電車が動かない」ため、物理的に「帰省できない」状況は「どうしようもない」状態です。このような回避不可能な状態を表す場合に使います。

「致し方ない」の使用例

「致し方ない」のいくつかの使用例を紹介します。

・使用例1. トラブルシューティングのため製品発売日の遅延は致し方ないことです。「トラブルシューティングのため製品発売日を遅延させないことはあきらめざるをえず、どうしようもないことです。」の意味です。

・使用例2. 彼女は熱が下がらず、販売対策会議の欠席は致し方ないことだ。「彼女の熱が下がらず、販売対策会議の欠席はどうしようもないことだ。」の意味です。

・使用例3. 会議の中止は致し方ないことだと判断しています。「会議の中止は避けられないと判断しています。」の意味です。

使い方・例文
  • トラブルシューティングのため製品発売日の遅延は致し方ないことです。
    「トラブルシューティングのため製品発売日を遅延させないことはあきらめざるをえず、どうしようもないことです。」の意味です。
  • 彼女は熱が下がらず、販売対策会議の欠席は致し方ないことだ。
    「彼女の熱が下がらず、販売対策会議の欠席はどうしようもないことだ。」の意味です。
  • 会議の中止は致し方ないことだと判断しています。
    「会議の中止は避けられないと判断しています。」の意味です。

「致し方ない」の類義語・言い換え

「致し方ない」の類義語・言い換え

「致し方ない」と同じような意味を持つ言葉「仕方がない」「仕方ない」「せざるをえない」「やむを得ない」を紹介します。

「仕方がない」「仕方ない」

「致し方ない」が謙譲語であるのに対して同様の意味で通常は「仕方がない」「仕方ない」を使います。「やむない」「どうしようもない」という意味になります。

使い方・例文
  • 熱があるので学校を早退するのは仕方がないことだ。
  • 彼女は主務に追われていたため、期日までに依頼された資料作成が終わらなかったのは仕方がないことだ。
  • 子供同士がけんかをするのは仕方ないことだ。

「せざるをえない」

「せざるをえない」は「しないわけにはいかない」「しなければならない」という意味を持ちます。

使い方・例文
  • 熱があるので学校を早退せざるをえなかった。
  • 彼女は主務に追われていたにもかかわらず、依頼されていた資料を仕上げざるをえなかった。
  • 彼は嫌いだったが友達を助けるためにはけんかせざるをえなかった。

「やむを得ない」

「やむを得ない」は「致し方ない」の通常の言い方でほぼ同じ意味を持つ言葉です。ビジネスでの使用は避けプライベートな会話で使用します。

使い方・例文
  • 熱があるので学校を早退するのはやむを得なかった。
  • 彼女は主務に追われていたため、期日までに依頼された資料作成が終わらなかったのはやむを得ないことだ。
  • 子供同士がけんかをするのはやむを得ないことだ。

「致し方ない」と「仕方ない」の違い

「致し方ない」と「仕方ない」の違い

「致し方ない」は「仕方ない」の丁寧な言い方です。「トラブルシューティングのため製品発売日の遅延は仕方ないことです。」と言うより「トラブルシューティングのため製品発売日の遅延は致し方ないことです。」の方が一層へりくだった表現となり、「仕方がない」「どうしようもない」という強い気持ちを相手に伝えることが可能です。

「致し方ない」を使う上での注意

「致し方ない」を使う上での注意

「致し方ない」を使う上での注意点について解説していきましょう。

上司や目上の人に使わない

「致し方ない」は丁寧な言い方ではあるもののその意味を考えると、必ずしもそうとは言い切れません。「仕方がない」「どうしようもない」「やむをえない」という意味が示すように、「こちらとしては、完全にあなたの行動に納得しているわけではありませんが、仕方がありません、やむをえません。」との意味になりますので、相手の行動に対して上から見て話をしているような言い方です。したがって、目上の人や上司に対しては使えません。

ビジネスでの使用を回避したい

ビジネスは結果を重んじます。例えば「君の頑張りがあったものの、今回の契約が成立しなかったのは致し方ないことだ。」というような言い方は極力避けたい表現です。この表現では何の反省も生まれず、次の取引においても同様の結果となる可能性があります。「君の頑張りがあったにもかかわらず、今回の契約が成立しなかったのはとても残念だ。次回は是非、これを取り戻そう。」という表現を使えば、今回の契約不成立の結果を真摯に反省し、どのようにして次回の取引で挽回すべきかを前向きに考えるはずです。部下を鼓舞し次につなげるためにも、部下や後輩に対してはこのような姿勢で臨むべきです。

「致し方ない」を英語では

「致し方ない」を英語では

「致し方ない」と同様の意味を持つ英語表現をいくつか紹介しましょう。

can’t be helped

「仕方ない」の意味で会話の中で使われる表現に「can’t be helped」があります。同じような意味の言葉に「can’t be avoided」という言い方があります。厳密に単語の意味から考えると「避けられず仕方ない」という意味になりますが、単純に「can’t be helped」の置き換えとして「can’t be avoided」を使うことも可能です。

使い方・例文
  • I could not be in time for yesterday’s party. It can’t be helped.
    (私は昨日のパーティに間に合わなかった。仕方ないことだよ。)
  • She could not stay in the University. It can’t be avoided.
    (彼女は大学に残れなかった。仕方がないことだよ。)

unavoidable

「unavoidable」は「不可避な」「避けられない」という形容詞として使われます。

使い方・例文
  • I think that it was unavoidable that our boss did not participate the meeting.
    (我々のボスが会議の出席できなかったのは致し方なかったと思う。)
  • I think that it was unavoidable that she could not pass the entrance exam.
    (彼女が入学試験に合格することができなかったのはやむないことだ。)

その他の同様の表現として「Oh well」があります。「Oh well」はすでに起きてしまったことに対して「しょうがない」「やむをえない」場合に使う話し言葉です。

使い方・例文
  • Unfortunately, our idea did not adopt the competition. Oh well, at least we tried. We will have to come up with the new idea.
    (残念ながら我々のアイディアはコンペで採用されなかったが、我々は頑張ったのでやむをえない。また、新たなアイディアを出していきたい。)
  • She could not pass the entrance exam of the University. Oh well, at least she tried. I hope she try again.
    (彼女は大学の入学試験に合格することはできなかったが、彼女は頑張ったのでやむをえない。また、再度挑戦してほしい。)

まとめ

「致し方ない」という言葉は一見丁寧な言葉に聞こえますが、実際にはそうではないため目上の人や上司に使ってはいけません。「このプロジェクトの失敗は致し方ない」というような今後のモチベーションに繋がらない表現は、ビジネス上の会話として使うべきではないでしょう。

ビジネスに限りませんが、物事を進めるうえにおいては必ず目標を設定し、それに向けて計画を立て、努力を積み重ねていくものです。その結果、幸いにして努力が報われてビジネスが成就すればよいですが、必ずしも常にうまくいくわけではありません。

そのときこそ、何が悪かったのかを振り返って分析して、改善方法を考えたうえで、計画を練り直すというアプローチを繰り返すわけです。この原動力になるモチベーションを失ってしまうような言動や行動は慎まなければなりません。ビジネスでは常にプラス思考で臨むことにより、道は開かれてくるものです。

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