「オーガナイザー」という言葉を正しく使えていますか?この記事では「オーガナイザー」の意味、その由来や類義語、英語でのいいまわしや日本語での一般的な使い方、ビジネスシーンにおいての例文まで、わかりやすく徹底解説します。
「オーガナイザー」の意味とは?
「オーガナイザー」の意味はいくつかあり、以下のように4つに分けられます。
- 主催者(しゅさいしゃ)
- 組織者(そしきしゃ)
- 形成体(けいせいたい)
- 整理・分類するための収納グッズ
中でもよく使われる基本的な意味は、「主催者」と「組織者」で、「物事をとりまとめる人・とりまとめる物」を表現するものです。
それぞれの意味をひとつずつ詳しくみていきましょう。
「オーガナイザー」の意味その1「主催者」
「オーガナイザー」の1つ目の意味は「主催者」。「イベントや催事などをとりまとめる人物・その担当者」を意味し、いわゆる「まとめ役」を表現する言葉です。
「オーガナイザー」を使う場合には、「主催者」を意味して使われることが最も多いとされています。
そもそも「オーガナイザー」とは、政治団体や労働組合などの「社会的組織内でのとりまとめ役」を指していましたが、現在では意味が広がり「物事のとりまとめ役」を指して使われます。
「オーガナイザー」の意味その2「組織者」
「オーガナイザー」の2つ目の意味は「組織者」。
現在では「物事のとりまとめ役」としての意味で使われることが多いですが、そもそも「オーガナイザー」とは、政治団体や労働組合などの「社会的組織内でのとりまとめ役」を指す言葉として使われてきました。
「オルグ」や「オルガナイザー」とも呼ばれ、組織を形成したり勧誘したりする行為を指す意味もあります。
「オーガナイザー」の意味その3「形成体」
「オーガナイザー」の3つ目の意味は「形成体」。生物学・動物発生学における専門用語で、脊椎動物の胚発生の初期段階で中心的役割を担う領域のことを指します。
この領域の動きが活発化することにより、さまざまな器官が形成されていきます。
学術的な専門用語なので一般的に使われることはあまりありませんが、知識のひとつとして把握しておくとよいでしょう。
「オーガナイザー」の意味その4「整理するための収納グッズ」
「オーガナイザー」の4つ目の意味は「整理するための収納グッズ」。ファッションやビジネスグッズ業界で使われる言葉で、さまざまなものを整理しつつひとつにまとめて収納できるグッズを指します。
カバンの中の小物を整理しながら収納できるアイテム「バッグインバッグ」、筆箱やペンケースを「オーガナイザー」と呼ぶ場合があります。
また医療や介護現場において、看護師さんや介護士さんが愛用するものに「オーガナイザーバッグ」があります。ペンや体温計、そのほかの業務に必要な細々としたものを出し入れしやすいようひとつにまとめられるバッグで、ポシェットのようにたすき掛けにするタイプや、ウエストポーチ型のものもあります。
そして旅行に便利な「トラベルオーガナイザー」は、パスポートや航空券や外貨など旅行に必要なものをひとまとめにできるグッズで、母子手帳や診察券やおくすり手帳など、子どもの健康や通院にかかわるものをひとまとめに管理できる収納グッズも「オーガナイザー」と表現します。
「オーガナイザー」の由来・語源
次に「オーガナイザー」の由来・語源を解説します。
「オーガナイザー」は英語名詞である「Organizer」に由来しています。
「Organizer」の元である「Organize(オーガナイズ)」は「団体などを組織する・編成する」意味の他動詞で、「Organize」に「人」を表す接尾辞・名刺語尾「er」をつけて「Organizer」となり、カタカナ表記で「オーガナイザー」と書き、カタカナ言葉として口語的にも使われるようになりました。
「オーガナイザー」の類義語・言い換え
ところで「オーガナイザー」はどのような言葉に言い換えできるのでしょうか。「オーガナイザー」の類義語にはどのような言葉があるのか、「企業や団体・イベント・プロジェクト・理学」、それぞれ4つにわけて解説します。
「オーガナイザー」はカタカナ語・横文字であるため、世代によっては敬遠されがち。相手によって臨機応変に使い分けるとよいでしょう。
企業や団体における「オーガナイザー」の類義語
企業や団体における「オーガナイザー」の類義語をリストアップしました。
- 組織者(そしきしゃ)
- まとめ役
- プロモーター
- 元締め(もとじめ)
- 世話役(せわやく)
- 支配役(しはいやく)
企業や団体における「オーガナイザー」とは、その組織のトップである社長や責任者を指すことがあります。
イベントにおける「オーガナイザー」の類義語
イベントにおける「オーガナイザー」の類義語をリストアップしました。
- 興行主(こうぎょうぬし)
- まとめ役
- イベンター
- プロモーター
- 主催者(しゅさいしゃ)
- 肝煎り(きもいり)
- 肝入り/肝入(きもいり)
イベントにおける「オーガナイザー」は「イベントオーガナイザー」とも言い、企画発案者としてイベントを仕切る人を示します。
プロジェクトにおける「オーガナイザー」の類義語
プロジェクトにおける「オーガナイザー」の類義語をリストアップしました。
- アレンジャー
- 世話人
- まとめ役
- 主催者
- 肝煎り(きもいり)
- 肝入り/肝入(きもいり)
プロジェクトにおける「オーガナイザー」の類義語として「プロモーター」が挙げられることがあります。「オーガナイザー」は「組織の元締め・まとめ役」であり、「プロモーター」は「宣伝役」。はっきりとした違いがあることを把握しておきましょう。
理学においての「オーガナイザー」の類義語
理学・生物発生学においての「オーガナイザー」の類義語は「形成体(けいせいたい)。
専門用語なので、ビジネスや日常生活において使うことはほとんどありませんが、頭の片隅に置いておくとよいでしょう。
「オーガナイザー」の英語の意味
「オーガナイザー」の英語での意味は日本語とほぼ同じで、大きくは次の4つにまとめられます。
- イベントや催事の「主催者」
- 政治団体や労働組合などの組織者
- 整理グッズやシステム手帳
- 形成体
また以下のように「Organaizer」にほかの単語を組み合わせることにより、表現の範囲が広がります。
- Organizer bag(多機能バッグ)
- Organizer cell(オーガナイザー細胞)
- Organizer partnership(協同組織者)
- Organizer of the meeting(ミーティングの主催者)
- Community organizer(地域のまとめ役)
- Electronic organizer(電子手帳)
- Event organizer(イベント主催者)
「オーガナイザー」の使い方と例文集
それでは実際に「オーガナイザー」はどのように使ったらいいのでしょうか。
- 企業や団体におけるオーガナイザー
- イベントにおけるオーガナイザー
- プロジェクトにおけるオーガナイザー
- 理学においてのオーガナイザー
- 整理収納グッズとしてのオーガナイザー
上に挙げた5つそれぞれのニュアンスが異なるので、ひとつずつ解説します。
企業や団体における「オーガナイザー」の使い方と例文
「オーガナイザー」が「物事をとりまとめる人物」を表す場合には、「オーガナイザー」に「さん付け」することがあります。
- ここの会社のオーガナイザーは、とても優秀な方です。
- オーガナイザースキルを高めるには、才能と経験値が必要である。
- こちらの会社のオーガナイザーさんはどなたですか?
イベントにおける「オーガナイザー」の使い方と例文
イベントにおける「オーガナイザー」も「物事をとりまとめる人物」を表し、「オーガナイザー」に「さん付け」することがあります。
- 忘年会のオーガナイザーに指名された。
- 今回のミーティングのオーガナイザーさんは、建築会社である。
- ○○商事の社員旅行のオーガナイザーさんは、チェックが細かい。
プロジェクトにおける「オーガナイザー」の使い方と例文
「オーガナイザー」が「物事をとりまとめる人物」を表す使い方の場合には、「さん付け」することがあります。
また、「オーガナイザー」の動詞「オーガナイズ」に「する・した」をプラスする表現方法もあります。
- 新規事業のオーガナイザーは、優秀なスタッフが選ばれた。
- この度、振興プロジェクトのオーガナイズをすることになった。
- 上司がオーガナイズしたプロジェクトは、大成功だった。
理学においての「オーガナイザー」の使い方と例文
- オーガナイザーの発見は、多くの学者の知識欲を刺激することになった。
- オーガナイザーについてさまざまなことが分かったので、現在は研究が下火である。
- オーガナイザーはハンス・シュペーマン博士が発見し、1935年にはノーベル賞を受賞した。
整理収納グッズとしての「オーガナイザー」の使い方と例文
- テレビやDVDデッキなどリモコンをまとめて収納できるオーガナイザーボックスを買いました。
- ナースが愛用するオーガナイザーバッグは便利なもので、ナースでなくても購入者が多い。
- オーガナイザーボックスにフォークやナイフやスプーンなどを分類したので、食器棚がスッキリしました。
- 子供部屋にオーガナイザーボックスを置いたところ、子ども自らが整理整頓できるようになりました。
まとめ
「オーガナイザー」は英語由来のカタカナ語で、「主催者」「組織者」「形成体」「整理するための収納グッズ」を意味します。
普段の生活だけでなくビジネスの場においても頻度の高い言葉である一方、カタカナ語や横文字を敬遠する世代へ向けて使うのは、なるべくなら避けるほうが無難。状況に応じて適切な使い方を心がけましょう。