業が深いの意味や使い方とは?仏教との関係や由来、類語・英語訳・例文を解説

「業が深い」の意味や使い方とは?仏教との関係や由来、類語・英語訳・例文を解説
URLをコピーする
URLをコピーしました!

「業が深い」は 「欲が深い」 「運が悪い」を意味する言葉です。この記事では「業が深い」の使い方、類語、対義語、英語表現を例文で解説します。

「業が深い」という言葉を耳にしたことがあっても、正確な意味を知らなければ使うことはできませんよね。この記事では 業が深いと言われてしまう人の特徴3選など、具体的な例をあえて解説します。

目次

「業が深い」の読み方と意味は?

「業が深い」の意味とは?

ここでは「業が深い」の読み方・意味について解説します。

「業が深い」の読み方

「業が深い」は「ごうがふかい」と読みます。

「業」という漢字には、「ゴウ」以外にも「ギョウ」や「わざ」といった読み方があります。

「業が深い」の意味

大きく分けて二つの意味があるので一つずつ見ていきましょう。

「欲が深い」

「業が深い」の本質的な意味は、「前世の行いが悪かったため、現世においてその報いを受けている様」を表しています。つまり、前世の行いが欲が深かかったため現世においてそのツケを払っているという解釈が成り立ちます

こういった考えから「欲が深い」という意味をもつようになりました。 主に欲が深い人物を表現する際に、「彼は業が深い人だ。」などという使われ方をします。

「運が悪い」

「業が深い」のもう一つの意味として「運が悪い」があります。この意味は、運が悪い思いをした際に、「前世の行いが悪かったから今よくないことが現実に起きている」という解釈から来ています。こういった解釈から運が悪い人を「業が深い」という言葉を使って表現することがあります。

この使い方は不幸に見舞われている人に対して、その原因は前世にあるといったニュアンスを含みますので使い方には注意が必要です。純粋に「運が悪い」という意味だけではない点は心に留めておきましょう。

参照:Weblio辞書「業が深い」

「業が深い」の由来・語源

「業が深い」の由来・語源

ここでは、「業が深い」という言葉の由来について解説します。主に「業」を意味する言葉「カルマ」を中心に掘り下げ、「業が深い」という言葉の本質に迫りましょう

「業」とは仏教用語の「カルマ」のこと

「業が深い」という言葉の「業」とは古代インドのサンスクリット語である「Karman」から来ています。「Karman」は現在日本語ではカタカナ語の「カルマ」となっています。「カルマ」は仏教用語であり、「業が深い」は「過去にした自分の行いは未来の自分に降りかかる出来事に対して必ず因果関係を持つ」といった仏教の教えから由来しています

日本語における「業が深い」では主に、「悪いことをしたから悪いことが降りかかっている」というネガティブな側面にフォーカスされます。しかし、仏教の考え方においては「よい行いに対してもよい出来事が降りかかってくる」としており、「Karman」に対するニュアンスはニュートラルです。

全て自分にかえってくる

仏教の「全て自分に返ってくる」といった因果応報の法則は、民衆のモラルを保つために非常に大切な考え方になります。「前世は本当に存在するのか」や「本当に因果応報の法則は成り立つのか」といった議論をするよりも、この法則が成り立つとして日々よい行いを積んで行くことで秩序ある社会が保たれます

業が深い人の特徴3選

業が深い人の特徴3選

日常生活で「業が深い」と表現されてしまう人の特徴を3つほど紹介します。これら3つはその執着の対象によってそれぞれの特徴に分かれます。つまり要約すると、「執着が強い人」が方が「業が深い人」と評価されてしまうことが多いと言えます。

周囲に権威を示す人

周囲に自分の権威性を示す人は、「業が深い人」といえるでしょう。このタイプの人は肩書きや役職に対して強い執着を示すことが多いです。周囲の人が羨むような肩書きを手に入れた途端に人間性が悪い方向に変わってしまうタイプは、「業が深い人」の典型例といえるでしょう。 権威を手に入れた自分に対してのナルシズムが強くなるため、周囲に対して横柄な態度をとってしまう傾向があります。

独占欲が強い人

独占欲は強い人も、業が深い人の特徴として挙げられます。独占欲の対象は人によって異なり、 ブランド品や交際相手、また友人関係においてもその対象になる可能性があります。人一倍物欲が強かったり他人の交友関係を異常に気にしたりする人は独占欲が強いタイプの業が深い人であるといえます。

金銭面に異常な執着心を示す人

金銭面に異常な執着心を示す人も業が深い人の特徴であるといえます。このタイプの人はお金に対しての執着心が人一倍強い傾向があります。お金をよりたくさん稼いだり、しっかり節約してお金を貯めることはとてもよいことではありますが、度を過ぎてしまいモラルを欠いた稼ぎ方をしてしまう可能性が否めません。

前世悪いことをしたら全部自分に返ってくるという考えに基づくと、金銭面に異常な執着を示すことは因果応報でよい影響が自分に返ってくることはないでしょう。

「業が深い」の類語表現・言い替え

「業が深い」の類語表現・言い替え

「業が深い」の類語表現をいくつか紹介します。ニュアンスまで完全に一致することはありませんが、似た意味を持つ言葉をいくつか存在します。また、「業が深い」と似た意味であると思われがちな「罪深い」についてその違いを解説します。

「強欲な」

「強欲な」は「あくどい程欲が張っていることを表す言葉」です。「業が深い」という言葉は、 「巡り巡って自分に悪いことが起こるほど欲が深い様子」を表していますが、「強欲な」という言葉は、 「単純」に「強く欲張っている様子」を表します。欲の強さを表現したい時は、「業が深い」よりも「強欲な」を用いた方が相手に伝わるでしょう。

いずれにせよ、よい意味の言葉ではないため使う時には注意が必要です。

「罰が当たる」

「罰が当たる」という言葉は「悪事に対してその天罰を受ける」という意味です。「業が深いとニュアンス」は近く、「バチが当たる」 は悪い行いに対して因果応報の法則に基づき、不幸な出来事が本人に降りかかっている状態を表します

業が深いにおいては「運が悪い」といった意味もありますが、「罰が当たる」に関しては本人が積極的に悪い行いをしている状況であるため「運が悪い」のニュアンスは持たないことには注意しましょう。

「業が深い」の対義語

「業が深い」の対義語は「果報」

「果報は寝て待て」ということわざがあるように、「果報」とは「よい運を授かって幸福なこと」「前世での行いの結果として現世で受ける報い」という意味で、幸運であることを意味します。

「業が深い」と「罪深い」との違い

「業が深い」と「罪深い」との違い

一見すると「罪深い」と「業が深い」は似ているように見えますが、その意味は同じであるとはいえません。

「罪深い」には「罪となる行為を幾度なく重ねて行うこと」という意味があります。「業が深い」との違いは前世での悪行は関係なく、この現世において罪を積み重ねている点です。 つまり罪深いには因果応報の概念はなく、報いを受けるというニュアンスも含まれません。ただいたずらに悪いことを積み重ねている状態を指します。

「業が深い」を英語でいうと?

「業が深い」を英語でいうと?

「業が深い」という言葉の英語表現を紹介します。 業が深いという言葉自体仏教用語であるため、「カルマ」という言葉は万国共通で使われます

「欲深い」は「greedy」

「業が深い」の「欲深い」にフォーカスを当てると「greedy」という英単語で表現できます。この言葉が表現する執着の対象は広く、お金や物、権力に至るまで欲しがる状態を表します

使い方としては、「My friend is greedy.」「私の友人は業が深い」というように用いられ形容詞の役割を果たします。また、「運が悪い」という意味においては「unlucky」で表現できます。

「業」は「karma」

「業」を表す英語表現として「karma」が存在します。先ほど紹介したように「カルマ」はもともとサンスクリット語の仏教用語であるため、 万国共通で「karma」という言葉を使います

karma」だけでは業が深いという表現はできないため、「be sinful」という熟語表現でを用いることで「業が深い」という意味を表現できます

「業が深い」の使い方と例文集

「業が深い」の使い方と例文集

「業が深い」の使い方やその例文を紹介します。よい意味で用いられる言葉ではないため、使うタイミングや相手に注意しましょう。

「業が深い」の使い方

「業が深い」はその言葉の意味から、よい意味で使われることはありません。もともと仏教用語としてのカルマは、よい行いもあり行いも自分に返ってくるという意味でした。

それに対し、日本語の「業が深い」という言葉は「 前世で行った悪い行いはすべて現世で報いが返ってくる」というニュアンスを含んでいます。つまり現在幸せな人に対して、前世でよい行いをしたから今幸せである状態を「業が深い」と表現することはできません。こうした点に注意しながら使い分けていきましょう。

「業が深い」の例文

「業が深い」の例文をいくつか紹介します

例文
  • 彼の人相から、その業の深さが表れている。
  • この世に生まれた人間は、全て業が深い存在である。
  • このようにネガティブな意味合いで使われます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は「業が深い」という言葉の意味や使い方について解説しました。

「業が深い」という言葉は、「前世の行いが悪かったため、現世においてその報いを受けている様」を表します。もともと仏教用語であったため戒めの意味合いが強い言葉になっています。プラスの意味合いを持つ言葉ではないことから、使うタイミングに注意しましょう。

最後に「業が深い」のまとめです。

「業が深い」のまとめ
  • 「業が深い」は「ごうがふかい」と読みます。
  • 「業が深い」は「欲が深い」「運が悪い」という意味です。
  • 「業」とは仏教用語の「カルマ」が由来で、「業が深い」は「過去にした自分の行いは未来の自分に降りかかる出来事に対して必ず因果関係を持つ」といった仏教の教えから由来しています。
  • 業が深い人は周囲に権威を示す、独占欲が強い、金銭面に異常な執着心を示すといった特徴があります。
  • 「業が深い」の言い替え表現は「強欲な」「罰が当たる」です。
  • 「業が深い」の対義語は「果報」はです。
  • 「業が深い」と似た言葉の「罪深い」には因果応報の概念はなく、報いを受けるというニュアンスも含まれません。
  • 「業が深い」の英語表現は「greedy」「be sinful」です。
  • 「業が深い」は「 前世で行った悪い行いはすべて現世で報いが返ってくる」というニュアンスを含んでいるため、現在幸せな人に対して、前世でよい行いをしたから今幸せである状態を「業が深い」と表現することはできません。
「業が深い」の意味や使い方とは?仏教との関係や由来、類語・英語訳・例文を解説

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
URLをコピーする
URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次
閉じる