候の意味と使い方は?漢字の意味や時候の挨拶まで例文解説

「候」の意味と使い方は?漢字の意味や時候の挨拶まで例文解説
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「候」という字を見て何と読みますか?「こう」という人が多いでしょうが「そうろう」じゃないの?という方もいることでしょう。漢字一文字ですが、その意味や使い方は結構広いものがあります。例文を挙げながら解説します。

目次

「候」の意味とは?

「候」の意味とは?

「候」という字を見て何と読むかは悩むところです。読み方によって意味も変わってきます。日常的に見かけなくなった使い方もありますが、意味的なことはきちんと押さえておく必要がありますね。

「こう」と「そうろう」

今ではこの字は多くの場合「こう」と読みます。時候の挨拶などの使い方がぱっと思い浮かびますね。もう一つの読みは「そうろう」です。さすがに最近「~候(そうろう)」と書かれた手紙を見ることはなくなりました。言葉としても「居候(いそうろう)」という言葉が思いつくぐらいですね。

意味1 季節

一つ目は、季節を表す意味です。手紙の書き出しに「新緑の候」のように用いるものですね。これは古い中国の暦で、1年(当時は360日)を72に分けた5日ごとの区切りを指す言葉だったことに由来しています。

参照:goo辞書「候」

意味2 ある、いる

「そうろう」と読む場合で、ある、や、いる、と存在を表す動詞としての意味があります。古い言葉なので、現在ではこの意味で使うことはありません。読みが変化して「そろ」や「そう」と読むこともあります。

意味3 丁寧な意を示す補助動詞

ほかの動詞と結びついて、丁寧語を作る補助動詞としての働きがあります。現代の言葉で言えば「~です」や「~ます」にあたる働きです。歴史的かなづかいでは「さふ」と表記することもあります。

参照:goo辞書「候ふ」

「候」の漢字としての意味

「候」の漢字としての意味

「候」は漢字としてもいろいろな意味を持ちます。熟語として用いられることも多く、その意味を押さえておくことは字から意味を考えるのに役立ちます。漢字としての意味や熟語の例を紹介します。

うかがう、さぐる

様子を見る、探る、の意味がある字です。熟語としては「斥候(せっこう)」や「測候(そっこう)」がありますね。「斥候」は軍隊用語で、偵察に出ることを言いますが、「お前、ちょっと社長室まで斥候に行って来い」のように年配の上司から言われることがあるかもしれません。「測候」は気象などの観測をすることで、富士山の「測候所」などは日常でも聞く言葉ですね。

待つ

待つ、待ち迎える、の意味があります。熟語としては「候補」があります。役割を待っている状態を表す言葉ですね。

貴人に仕える

身分の高い人に仕える意味があります。熟語には「伺候」が挙げられます。これは貴人に奉仕すことや、ご機嫌伺いをしに出向くことを表します。「先方のご要望を伺候してまいります」のように使うこともあり、機知に富んだ印象を与えることもできますね。

きざし、しるし

何かの兆候があることやしるしになることを指します。「時候」もこうした意味での用い方で、時期ごとの兆候や象徴的な事象を表しています。また、季節に応じて生息地を変える渡り鳥のことを「候鳥」と呼ぶこともあります。

「候」の使い方と例文集

「候」の使い方と例文集

「候」はいまや日常的に使われる言葉ではなくなっています。しかし手紙文での定型表現など、この言葉でしか表現できないものがあるのも確かです。ここではそうした使い方の例を見ていきましょう。

時候の挨拶として

「候」のもっとも重要な使用場面は、手紙文の冒頭における時候の挨拶としての使い方でしょう。「~の候」として「~な季節ですが」の意味を表します。ビジネスシーンではこうした定型表現は重要で、きちんと季節に合致した時候の挨拶ができるかどうかで社会人としての常識度を図られてしまうときもあります。決まり文句だからといって軽んじてはいけませんね。

時候の挨拶の例文

「候」がもともと中国の暦に基づくもので、1年を72に分けていたこともあってか、時候の挨拶も大変細かく決まっています。同じ月であっても上旬、中旬、下旬で用いる言葉が違うこともあります。季節ごとの主だったものを挙げてみます。
・春 浅春の候(3月上旬)、陽春の候(4月全般)、立夏の候(5月5日からの数日間)、など
・夏 梅雨の候(6月中下旬)、盛夏の候(7月中下旬)、大暑の候(8月6日頃まで)、など
・秋 涼風の候(9月中旬)、秋冷の候(10月中旬)、落葉の候(11月中下旬)、など
・冬 寒冷の候(12月全般)、厳寒の候(1月中下旬)、残寒の候(2月中下旬)、など
ただこれらも、たとえば冷夏の年に「大暑の候」は似つかわしくないように、気候の様子によっては使うべきでない場合もあります。また「立夏の候」のように二十四節季に基づくものは、厳密に使える期間が決まっているものもありますので、よく確認して用いるようにしましょう。

丁寧語として

古い手紙文、いわゆる「候文」で語尾に使う使い方です。「~です」や「~ます」と同じ意味ですので、現代の手紙で使うことはありませんが、古い手紙などを読む機会があれば知識としては必要です。

使い方・例文
  • 貴方にお会いいたしたく候。
  • ご挨拶申し上げ候。

命令形でも使える「候」え

「候」の命令形で「そうらえ」と読みます。これも現代で使うことはありませんが、うんちくとして持っておくとよいかもしれませんね。

使い方・例文
  • 委細申し上げ候え。(詳しく話しなさい)

「候」の類義語、言い換え

「候」の類義語、言い換え

「候」はその使い方が限られているので類義語は多くありません。1つ紹介します。

みぎり

「候」と書いて「みぎり」と読むことがあります。ただこれはとても特殊な場合ですので、基本的には「こう」の読みで大丈夫です。「みぎり」は「候」とまったく同義に用いられる類義語です。漢字では「砌」の字がありますが、常用漢字ではないのでひらがな表記が無難です。もともとは「水限」つまり雨滴の落ちるきわを指し、そこから時期などを限る意味に使われるようになりました。

使い方・例文
  • 向春のみぎり、皆さまにはいかがお過ごしでしょうか。
  • 彼は、幼少のみぎり、神童の名をほしいままにしました。

「みぎり」は女性言葉

「候」と「みぎり」のどちらを使うかと言えば、原則的には「候」を用います。「みぎり」は古くは女性言葉で、女性しか使わない言葉だったからです。現在ではそうした区別はありませんが、よほどの理由がない限り「みぎり」は、例文の「幼少のみぎり」のような「~のころ」の意味で用いることがもっぱらになっています。

「候」を外国語でいうと?

「候」を外国語でいうと?

「候」は日本文の手紙に特有の定型表現であったり、古い言葉だったりするので外国語に訳すことは非常に難しいです。ただ意味的なところで近い表現はあります。英語と中国語から紹介します。

英語1:weather

使い方・例文
  • It will be the mild spring weather.(春暖の候を迎えます。)


weatherは天候を表す単語ですが、時節や特徴的な気候の様子を指すことがあります。特定の季節の様子を指す言葉として「候」に近い働きがあるといえます。

英語2:season

使い方・例文
  • It is the season of oysters.(牡蠣の候です。)


seasonは、四季のほか、特定の事象が表れる時節も指すことがあります。たとえば、アスコット競馬やウィンブルドンテニスなどの大型のイベントが続く初夏の時期を、 the London season(ロンドン社交期)と呼ぶことがあります。

中国語:候

中国語では「ピンイン」と発音し、時節を表す意味があります。また、物事の加減や具合を表す意味もあり、時節柄を表す日本語のニュアンスに近いものがあります。そのほかに、待つ、年上の機嫌をうかがう、挨拶する、などの意味もあるので、日本語の「候」とほぼ同じように使われているわけです。

まとめ

手紙の冒頭に「早春の候」などと書かれていると、季節感も相まって穏やかな気分になれるものです。とかくビジネスライクになりがちなビジネス文書にとって、「候」を用いる表現は、よりよい関係性を保つための古来からの工夫なのかもしれません。「候」を用いて適切な時候の挨拶を述べられることは、社会人としての素養を感じさせビジネスマンとしての強みになるものです。この機会にすてきな時候の挨拶の表現を探してみてはいかがですか?

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