「レッドオーシャン」はビジネスとくに経済界においてよく使われる言葉ですが、意味を明確に説明できますか?この記事では、「レッドオーシャン」の意味や「ブルーオーシャン」との違い、その他似ている言葉や類語も解説します。
「レッドオーシャン」の意味とは?
「レッドオーシャン」の意味を知っていますか?「レッドオーシャン」は日本語に直訳すると「赤い海洋」。ですが、この記事で紹介するのはビジネスシーンにおける「レッドオーシャン」で、経済学用語においてよく使われている言葉です。
ビジネスシーン・経済学用語における「レッドオーシャン」は、「競争が激化している市場・マーケット・業界・分野」を意味しています。
「レッドオーシャン」の由来・語源
「レッドオーシャン」の語源は英語の「Red」(赤い)「Ocean」(海洋)を組み合わせた造語で、「Red Ocean」と表記します。英語圏でも「競争が激しい市場・マーケット」を意味し、日本同様に使われている言葉です。英語圏で発生した外来語・カタカナ語です。
ところでなぜ「レッドオーシャン(赤い・海)」なのでしょうか。
・「赤」は、血の赤を象徴しています。激しさのあまりに血をみなければならないような状況を表現しています。
・「海」は、ある分野の市場・マーケットとして想定し表現されています。
この「レッドオーシャン」が使われるようになったのは、2005年にINSEADブルー・オーシャン戦略研究所(IBOSI)の教授であるW・チャン・キム氏とレネ・モボルニュによって発表されたことです。
「レッドオーシャン」の類義語・言い換え
レッドオーシャンの同義語である「競争市場(きょうそうしじょう)」は経済学用語のひとつです。「レッドオーシャン」と同じく、「競争が激化している市場・マーケット・業界・分野」を意味します。英語では「Existing Market(イグジスティング マーケット)」といい、「Red Ocean(レッドオーシャン)」と同様に使われています。
「レッドオーシャン」と「ブルーオーシャン」の違い
ビジネスシーンにおいては、「レッドオーシャン」だけではなく「ブルーオーシャン」もよく使うので、聞いたことがあるのではないでしょうか。ここでは、「ブルーオーシャン」とは何なのか、また「レッドオーシャン」と「ブルーオーシャン」の違いを解説します。
「ブルーオーシャン」とは?
「レッドオーシャン」と「ブルーオーシャン」の違いを探る前に、まずは「ブルーオーシャン」について解説します。「ブルーオーシャン」とはいったい何でしょうか。
「ブルーオーシャン」は日本語に直訳すると「青い海洋」。ですが、「レッドオーシャン」と同じようにこの記事で紹介するのはビジネスシーンにおける「ブルーオーシャン」で、経済学用語においてよく使われている言葉です。
ビジネスシーン・経済学用語における「ブルーオーシャン」は、「競争相手・競合がいない未開拓の市場・マーケット・業界・分野」を意味しています。
「ブルーオーシャン」の語源は英語の「Blue」(青い)「Ocean」(海洋)を組み合わせた造語で、「Blue Ocean」と表記します。英語圏でも「競争がいない未開拓マーケット」を意味し、日本同様に使われている言葉です。英語圏で発生した外来語・カタカナ語です。
ところでなぜ「ブルーオーシャン(青い・海)」なのでしょうか。
・「青」は、波がたっていない静かな様子(激しさがない)。
・「海」は、ある分野の市場・マーケットとして想定されています。
この「ブルーオーシャン」が使われるようになったのは「レッドオーシャン」同様、2005年にINSEADブルー・オーシャン戦略研究所(IBOSI)の教授であるW・チャン・キム氏とレネ・モボルニュによって共同著作である「ブルー・オーシャン戦略」の中で提唱されました。
「レッドオーシャン」と「ブルーオーシャン」の違いとは?
ビジネスシーン・経済学用語における「レッドオーシャン」と「ブルーオーシャン」の違いについてまとめると、次のようになります。
・「レッドオーシャン」は、「競争が激化している市場・マーケット・業界・分野」
・「ブルーオーシャン」は、「競争相手・競合がいない未開拓の市場・マーケット・業界・分野」
このように、「ブルーオーシャン」は「レッドオーシャン」の対義語になります。
「レッドオーシャン」と似ている表現
「レッドオーシャン」と並んでよく使われている「ブルーオーシャン」。似ている表現がほかにもあり、「レッドオーシャン」「ブルーオーシャン」のように「オーシャン」を市場・マーケットに見立てて、海の色で競争レベルや質の違いを表現をしている用語を紹介します。
・ホワイトオーシャン
・ピンクオーシャン
・ブラックオーシャン
それぞれを見ていきましょう。
「レッドオーシャン」と似ている表現その1「ホワイトオーシャン」
「レッドオーシャン」と似ている表現の1つ目は「ホワイトオーシャン」。「ホワイトオーシャン」は日本語で直訳すると「白い海洋」。ビジネスシーン・経済学用語における「ホワイトオーシャン」は、「すでに存在しているにもかかわらず、市場・マーケットとして認知・認識されていない分野」を意味しています。「ブルーオーシャン」が示す「競争がいない未開拓マーケット」の意味と似ていますが、「ブルーオーシャン」は「すでに認知・認識されているマーケット・分野」である点に違いがあります。「ホワイトオーシャン」とは、社会状況や市場環境の変化によって、既存にないサービスや需要が起こってくる潜在的なものです。たとえばアプリひとつで叶う「フードデリバリーサービス」が代表的です。
「レッドオーシャン」と似ている表現その2「ピンクオーシャン」
「レッドオーシャン」と似ている表現の2つ目は「ピンクオーシャン」。「ピンクオーシャン」は日本語で直訳すると「ピンク色の海洋」。「ピンク」とは成人男性・女性向けのアダルトサービスを示すことから、「ピンクオーシャン」とは「アダルト業界市場」の意味。「ピンクオーシャン」を提唱したのは、デジタルコンテンツ配信や通販、オンラインレンタルそのほかサービス事業を管轄する合同会社DMM.comの最高経営責任者である亀山氏による造語です。ちなみに同社が運営する「DMM.com」は2021年時点で会員数3,196万人を超えていることから、「ピンクオーシャン」が巨大なマーケットであることがわかります。
「レッドオーシャン」と似ている表現その3「ブラックオーシャン」
「レッドオーシャン」と似ている表現の3つ目は「ブラックオーシャン」。「ブラックオーシャン」は日本語で直訳すると「黒い海洋」。「ブラック」は「誰も気づかない黒い深いところ」、「オーシャン」は「市場・マーケット・分野」を表現することから、「ブラックオーシャン」とは「ほかの企業が手を付けていないことにより競合他社がいない市場・マーケット・分野」を意味します。「ブラックオーシャン」の意味から、「ブラックオーシャン」は「ニッチ(Niche・英語で「隙間」の意味)な市場・ニッチ市場」とも表現されます。
「レッドオーシャン」の使い方と例文集
次に、「レッド―シャン」の使い方と使う時の注意点、例文を紹介します。
「レッドオーシャン」の使い方
いざビジネスシーンにおいて「レッドオーシャン」を使う時に迷ってしまわないよう、次の2点を覚えておきましょう。
・「レッドオーシャン」は「常に競争が激しい市場」に置き換えられます。
・「ブルーオーシャン」は「競争がない市場」に置き換えられます。
それぞれを念頭に置いて使うと、間違いがありません。
「レッドオーシャン」を使用するときの注意点
「レッドオーシャン」を使うときの注意点は、使う相手に気を遣うこと。最近でこそよく使われる言葉である「レッドオーシャン」ですが、特に年配者の中には横文字を嫌う人がいます。くれぐれも気を付けましょう。
「レッドオーシャン」を使った例文集
「レッドオーシャン」と「レッドオーシャンとブルーオーシャン」を使った例文をそれぞれに分けて例文にあげますので、参考にしてみてください。
「レッドオーシャン」を使った例文
「レッドオーシャン」を使った例文を紹介します。
- わが社は中小企業ではあるが、あえてレッドオーシャンに挑んでいる。
- レッドオーシャンの波にもまれ続けるのは大変だが、そこから新たなアイデアが生まれることもある。
- このサービスは既にレッドオーシャン化してしまった。
「レッドオーシャン」と「ブルーオーシャン」を使った例文
「レッドオーシャン」と「ブルーオーシャン」を使った例文を紹介します。
- 中小企業はフットワークが軽いので、レッドオーシャンを避けてブルーオーシャンを開拓しやすい環境にある。
- この事業は今でこそブルーオーシャンだが、近々レッドオーシャン化すると憶測する。
- ブルーオーシャンを思いついたとしても、そのマーケットがヒットするとは限らない。ブルーオーシャンとレッドオーシャンを平行するのもひとつの手だ。
まとめ
「レッドオーシャン」は「競争が激化している市場・マーケット・業界・分野」、対義語は「ブルーオーシャン」で「競争が激しくない市場」の意味。ほかにも「ホワイトオーシャン」「ピンクオーシャン」「ブラックオーシャン」があり、それぞれが特徴をもった市場を表現しています。それぞれの用語をシーンに合わせて使いわけができるようにしておきましょう。