機を見るに敏(きをみるにびん)の意味と使い方とは?由来や類語・対義語も例文解説

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    「きをみる」と言われて、「機を見るに敏(きをみるにびん)」という慣用句が思い浮かべば、ビジネスマンとしては合格でしょう。しかし、このフレーズをうまく使いこなすのはなかなかハードルが高いですね。ここではその由来や使い方などを詳しく解説します。

    目次

    「機を見るに敏」の意味とは

    「機を見るに敏」の意味とは

    ビジネスマンたるもの、機を見るに敏でなければならない、とよくいわれます「きをみるにびん」ってどんな瓶?ビール瓶なら知っているけれど、などと思っている人はいないでしょうね。「機を見るに敏」は、慣用句としてよく耳にしますが、意味が十分に理解されていないこともあります。まずその意味をしっかり把握しておきましょう。

    機を見るに敏の意味は「チャンスを素早くつかみ行動するさま」

    「機を見るに敏」は、「都合のよい時期や状況を素早く把握して的確に行動するさま」をいう慣用句です。チャンスをものにすることを求められるビジネスシーンにおいて、よく用いられる言葉ですね。「彼は機を見るに敏だから出世するだろうね」のように、できるビジネスマンを形容する言葉として、言われてみたい表現の一つです。

    参照:weblio辞書「機(き)を見るに敏」

    字の意味から考える

    「機を見るに敏」は古い言い回しなので、ぴんと来ないところもありますが、一つ一つの字義を考えていけばその意味は自ずから明らかです。

    「機」は、機会や時機などの言葉にも使われるとおり、タイミングやチャンスを表す字です。「見る」は目で見るという本来の意味ではなく、味を見るのように、感じる、とか、とらえるなどの意味で使われています。「敏」は、俊敏や敏捷などの言葉に使われるのと同じ意味で、素早いことを表しています。つなげて考えると「機(チャンス)」を「見る(とらえる)」に(ときに)、「敏(すばやい)」な行動を見せる、となりますね。

    「機を見るに敏」の由来・語源

    「機を見るに敏」の由来・語源

    「機を見るに敏」の語源は正確には分かっていませんが、孔子の「論語」の記述に基づくとする説が有力です。

    子曰、君子欲訥於言、而敏於行(子曰く、君子は言(げん)に訥(とつ)にして、行いに敏ならんことを欲す)

    君子(徳のある人)は言葉は少なくても、行動は素早くできるようでありたい、の意味になる一節です。この孔子のフレーズ自体もよくビジネス書などに取り上げられていますね。このフレーズそのものが語源かどうかははっきりしませんが、「機を見るに敏」が「君子」たるものの心得であることがよく表れています。

    「機を見るに敏」の類義語・言い換え

    「機を見るに敏」の類義語・言い換え

    「機を見るに敏」の考え方が人の上に立つものの素養であることは、古くからよくいわれてきたことです。リーダーたらんとするものは、他者に先んじてチャンスを見取って行動できなければならないのですね。したがってこの心得を諭す言い方は多くあるわけで、それらは「機を見るに敏」の類義語といえます。いくつか紹介します。

    当意即妙

    「当意即妙」は、状況に応じて即座に対応すること、気が利くことを表す四字熟語です。「当意」は状況に応じて行動すること、「即妙」は機転が利くことを表します。仏教に由来する言葉ですが、非常にうまく機転を利かせた対応に対して「当意即妙ですね」と賛辞が出せると一目置かれるかもしれません。

    例文
    • このクレームに対して、当意即妙に回答できるとはすごいですね。

    臨機応変

    「臨機応変」は、そのときどきの状況に合わせて適切な行動をとることを表す四字熟語です。「臨機」は、機に臨む、つまりタイミングや状況に出会ったとき、の意味です。「応変」は、それに応じて変化することを表します。状況に合わせて行動する点では「機を見るに敏」と同じですが、必ずしもチャンスをつかむ意味ではありません。悪いときには悪いなりに、よいときはよいなりに、適切に行動する意味で「機を見るに敏」よりは対応範囲が広い印象ですね。

    例文
    • いろいろ状況は変わると思うが、そこは臨機応変に頼むよ。

    機に乗じる

    「機に乗じる」は、状況の変化を見定めて、ちょうどよいタイミングで的確に行動することを表します。まさに「機を見るに敏」と同じ意味を表しているように見えますが、微妙な違いがあります。「機に乗じる」は、刻々と変わる状況を見定めてきた意味が強く、周到な準備をしてきたニュアンスがあります。その意味ではかりごとのようなイメージもあり、必ずしもよい意味で用いられないことがある点でも注意が必要です。

    例文
    • この機に乗じて、我が社も新業態にチャレンジしたい。

    目端が利く

    「目端が利く」は、いろいろなことに抜け目なく目配りして素早く行動することを表します。「機を見るに敏」よりは、日々の行動全般に機転が利いているニュアンスがあります。この言葉は抜け目ないイメージがあるせいか、揶揄するような意味で用いることもあるので注意して使うようにしなければなりません。

    例文
    • 彼は目端が利くので、投資のタイミングを見逃さないね。

    見るのは「風向き」や「横」も

    「機を見るに敏」と同様の表現で、見るものが違っている言い回しです。「風向きを見るに敏」は、物事の成り行きや状況変化をよく見て適切に行動している意味になります。「横を見るに敏」は、周囲の状況や趨勢を見定めて的確に行動している意味を表します。どちらもやや状況や情勢におもねているニュアンスがあるので「機を見るに敏」ほどには使いやすくないかもしれません

    例文
    • 彼女は風向きを見るに敏だから、いい所で活躍するね。
    • 周りに出遅れることがないあたりは、横を見るに敏だね。

    「機を見るに敏」の対義語

    「機を見るに敏」の対義語

    実際のところ「機を見るに敏」とチャンスをものにできることはそう多くはありませんね。どちらかといえばきわどいタイミングで好機を逃す方が多いかもしれません。そんなときは「機を見るに敏」の対義語が使えます。あまり使いたくない言葉ではありますが、2つ紹介します。

    機を逸する(きをいっする)

    「機を逸する」は、文字通り「機を見る」の反対で、時機を逃してしまうことをいいます。「逸する」をほぼ同じ意味で「逃す」と表現する言い方もありますが、「逸する」の方がよりきわどいニュアンスがあります。

    例文
    • もう少し値上がりをと待っていたら、投資の機を逸してしまった。

    タイミングを逃す

    「タイミングを逃す」は、何らかのいい時機をとらえそこなったことを表します。外来語のタイミングを用いる言い方なので、ややフランクな印象があります。あらたまった場ではこの表現ではなく「機を逸する」のような表現の方が引き締まった印象がありますね。

    例文
    • 気になっている彼女に声を掛けるタイミングを逃してしまった。

    「機を見るに敏」の使い方と例文集

    「機を見るに敏」の使い方と例文集

    「機を見るに敏」は、いわばビジネスの矜持ともいえるものです。時機を逃さず的確な手立てを打つことで最大の利益を上げるのはビジネスの醍醐味ですね。「機を見るに敏」が主に誉め言葉に用いられたり、座右の銘として挙げられたりするのもそうした所以でしょう。

    「機を見るに敏」の使い方

    「機を見るに敏」はビジネスシーンにおいては美徳ととらえられます。したがってその使用場面は、部下の成果を認め称賛するときや、会社の業績をアピールするときなど、努力や成功を認めるシーンに限られてきます。利に敏い様子や、うまく立ち回って小賢しい様子などをいうときに使っている例を見ることがありますが、そのような使用は適切とはいえません。

    「機を見るに敏」の例文集

    例文
    • 営業においては「機を見るに敏」であることが特に求められる。
    • 彼が「機を見るに敏」であることを長所といえるのは、日常の努力や勉強があってこそだ。
    • 我が社の業績向上は、ひとえに社長の「機を見るに敏」な行動力にある。

    「機を見るに敏」は、うまくビジネスを回して成果を上げている場面で用いるものです。このように言われて悪い気がする人はいないでしょう。反面、これを頻発することはその価値を下げてしまいます。使いどころを考えて、決めゼリフとしてうまく使いこなしたいですね。

    「機を見るに敏」を英語でいうと?

    「機を見るに敏」を英語でいうと?

    seizeはつかむを表す単語、an opportunityは機会を表す単語ですがチャンスの意味も表します。quickで始める命令文で「~を急げ」の意味になります。「機を見るに敏」と同様の意味になりますが、そうあるべきだと励ましの表現として用いられます。

    例文

    quick to seize an opportunity.(素早くチャンスをつかめ)

    まとめ

    「機を見るに敏」はビジネスマンとして理想の姿といえるでしょう。ある意味ではそうでない人が大多数を占めているのかもしれません。指示待ち人間、ことなかれ主義の人間には「機を見るに敏」であることは望めません。ビジネスマンとして一流を目指すのであれば「機を見るに敏」は理想ではなく、必須のスキルなのです。日々の業務に追われる中にあっても、常にアンテナは高く上げておきたいものですね。

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