「よしなに」の意味と使い方とは?語源や類語、英語・例文も紹介

よしなに
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「よしなに」の意味とは?

「よしなに」の意味とは?

「よしなに」といわれるとどんな印象を持ちますか?なんとなく時代劇にでも出てきそうなレトロ感がありますね。日常使うことはほとんどありませんが、こういわれて意味がわからないのでは困ります。まず意味を押さえておきましょう。

意味1:よろしく

「よしなに」は副詞として動詞に付されることが多い言葉です。挨拶として使われるときは、よろしくと同義で、好意を示す意味で使われます。「どうぞよしなに」といわれれば、どうぞよろしく、と挨拶されているわけです。

意味2:いい具合になるように

ちょうどいい具合に、いい具合になるように、などの意味で使うこともあります。「よしなに取り計らう」のように使う場合はこの意味で用いられています。

「よしなに」の漢字表記は「良しなに」か「宜しなに」

「よしなに」は通常ひらがなで表記されますが、漢字で表記する場合は2種類が用いられます。「良しなに」の「良」は、よいこと、優れていることを表す字ですから、優れた状態にするような意味にとらえられます。「宜しなに」の「宜」は、「適宜」などの言葉で使われるように、程よく理にかなっている意味を表します。「よしなに」の語義からは「宜しなに」の方がニュアンスとしてはふさわしい印象があります。

「よしなに」の成り立ち

「よしなに」の成り立ち

「よしなに」の品詞分解には、いくつか異なる考え方があります。共通しているのは、よい状態を示す「よし」が軸になっていることです。「なに」はいろいろとらえ方がありますが、~のように、の意味でとらえられるので、全体としては、よいように、を表すことになります。

「よしなに」は古代の日本で当時の中心地であった大和地方で用いられていた大和言葉に由来します。語源としては日本神話の国造りのくだりで、天照大神の孫であるニニギノミコトの子どもが生まれた際、そのへその緒をご神体として取り合ったものたちに対して「よしなに取り計らうように」と指示したことが元になっていると考えられています。

「よしなに」の使い方と例文集

「よしなに」の使い方と例文集

使われることは減ってきている「よしなに」ですが、ビジネスシーンではまだまだ現役で使われています。定型的な言い回しで用いられることが多いので、代表的な使用例を挙げてみましょう。

「よしなに」は挨拶に使われる

「よしなに」は挨拶として用いられる言葉です。ビジネスシーンでも用いられることがあり、うまくやっておいてほしい、適切に処理してほしい、といった依頼を含むときにも使われます。ただ具体的な対応を指示するような内容は含まれない場合が多く、曖昧になりやすい欠点があります。挨拶的な用途以外で使用することは、誤解を招かない意味からも避けた方がよいでしょう。

「どうぞよしなに」

・今日の会議はどうぞよしなにお願いします。
よろしくお願いします、と挨拶の意を伝える表現です。もっとも一般的な用法で、日常的に使う場面がよく見られます。

「よしなにする」

・例の件についてはよしなにしておいてください。
よいようにしておいて、と依頼を表す用法です。挨拶的に深い意味を持たずに使われることも多いのですが、内々に処理しておいて、のようなややいぶかしげなニュアンスも感じます。使う場面を間違うと思わぬトラブルを招くかもしれないので注意が必要です。

「よしなにお伝えください」

・〇〇さんにもよしなにお伝えください。
その場にいない方に事情を伝えて欲しい、と申し添える意味です。これも、よろしくお伝えください、のような別れ際の挨拶表現として用いられます。

「ひとつよしなに」

・今回の製品採用の件、ひとつよしなにお願いいたします。
うまく取り計らって欲しい、の意味で用いる表現です。定型的にお願いしているだけの場合もありますが、何とかうまくやってほしいと真剣に依頼する場合にも用いられることがあるので、文脈や状況から真意を汲む必要があります。

メールの締めの文

・(文末に付して)今後ともよしなに。
メールなどの文末に、よろしくお願いします、の意味で付して使用します。きっちりした終わり方でなく、含みや余韻を持たせる表現として用いられます。文末の定型表現の一つとしてストックしておきたい言葉ですね。

「よしなに」の類義語・言い換え表現

「よしなに」の類義語・言い換え表現

「よしなに」は、その意味するところに応じて言い換える表現がいくつかあります。3つ紹介します。

・プレゼンで提案した件についてよろしくお願いします。
「よろしく」は「よしなに」の意味そのものですので、ほとんどの場合、そのまま言い換えられます。

・新しく担当になりましたので、お見知り置きください。
初見の挨拶としての「よしなに」であれば、「お見知り置き」で言い換えられます。覚えておいてください、の意味での挨拶表現となります。

・任せておいた案件は適当に頼むよ。
いい具合になるように、と用いる「よしなに」は「適当に」で言い換えられますね。「よしなに」よりも丸投げした感の強いニュアンスがあります。

「よしなに」の対義語・反対語

「よしなに」の対義語・反対語

よい具合にする意味で「よしなに」を用いるので、対義語は、よくない方向に行く、となります。
・雲行きが怪しくなるようなら、契約は打ちきりだ。
「よしなに」向かっているようなら契約継続になることを示していて、「雲行きが怪しい」は対義的な言葉ですね。

適当にする意味の対義語なら、「正確に」があたります。
・任せておいて件は正確にやってくれよ。
これだと丸投げにされている印象はないですね。よほどの緊張感を求められます。

「よしなに」の英語表現

「よしなに」の英語表現

古語に由来する「よしなに」ですから、そのまま英語表現とするわけにはいきません。意味的に近い言い表し方を2つ紹介します。

・You must do as you think the best.(あなたは最善と思う方法でやらなければならない。)
the bestは最善の方法を示す言葉です。考えるうちでもっともよい方法をとることは「よしなに」の依頼の考え方に近いですね。

・I herad that he’ll leave this matter to your judgment.(彼はこの件は君に任せるつもりだと言っていました。)
leave ~ to ーで、~についてはーに任せる、の意味になります。「よしなに」の、適当に対応する、の意味に近い表現です。

「よしなに」の回答の仕方

「よしなに」の回答の仕方

「よしなに」を用いた表現で声を掛けられたらどのように返事をすればいいのでしょうか?「よしなに」は挨拶で用いられたり、曖昧な依頼を表したりしますので、それに応じた返事が必要です。状況別に解説します。

こちらこそ

・こちらこそ、よろしくお願いいたします。
挨拶として「ひとつよしなに」といわれたときの返事になります。向こうが好意を示してくれたようにこちらも好意を持っていますよ、と返す形になります。

かしこまりました

・かしこまりました。お任せください。
依頼を受けたときに返す返事となります。同様に「承知いたしました」も使えます。「よしなに」で依頼を受ける場合は、依頼内容は曖昧な場合が多いので、かたくなに拒否することはなじみませんから返事としては受け入れる形になります。

「よしなに」を使う際の注意点

「よしなに」を使う際の注意点

「よしなに」は使われる機会は減ってきていますが、ビジネスシーンでは便利に使える言い回しです。ただ、その使用に際してはあらぬ誤解を受けないように注意すべき点があります。

曖昧な表現

「よしなに」は指示を受けた側に判断を預けながらも具体的な指示は伴わない特徴があります。したがって、指示した側の思惑とは違うようにことが処理されてしまう可能性があります。後になってから、そんなつもりじゃなかった、と言っても通りません。適切な処理が必要なことについては、具体的な指示を与えたうえで、「~という運びで、よしなに」と使う必要があります。

敬語ではない

「よしなに」は大和言葉でふだん使い慣れない言葉なので、何となく敬語のように思っている人がいます。「よしなに」自体には敬語の意味が含まれないことに注意が必要です。目上の方にこの言葉を使う場合は、「ないとぞよしなにお願いいたします」のように、そのほかの部分で丁寧な敬語表現を伴う必要があります。

まとめ

「よしなに」は響きも柔らかく、含みを持たせた言葉なので使いやすい言葉です。それはこの言葉が多分に曖昧さを持っているためです。ビジネスシーンにおいて曖昧さは、ときに決してあってはならないものです。「よしなに」の便利さに甘えて、何事も曖昧なままに流してしまうことは、仕事の上でも、人間関係の上でもマイナスに働くことを肝に銘じておきたいものです。

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