「アブダクション」の意味と使い方|事例と演繹法・帰納法との違いも

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「アブダクション」には、「仮説的推論」と「誘拐」の意味があります。また、ウエイトトレーニング方法の一つにも「アブダクション」の名がついています。今回は「アブダクション」の3つの意味について詳しく紹介します。

目次

「アブダクション」の意味とは?

「アブダクション」の意味とは?

「アブダクション」の意味は「仮説的推論」と「誘拐」です。また、ウエイトトレーニング方法の一つには「アブダクション」と呼ばれるものがあります。カタカナ語の「アブダクション」は英語の「abduction」が由来で、「誘拐」と「(手と足などの)外転」の意味をもちます。

1.仮説的推論

哲学分野で使われる「アブダクション」は、「仮説的推論」をいいます。「推論」とは、今ある事実を使って、未知の事柄を論じることです。観察したことがらの理由を説明するために、仮説を立てて考えます。たとえば支えを失った本やリンゴが落ちる様子を見て、そうなる理由を説明する理論を仮設定するのが「アブダクション」です。「アブダクション」は、「仮設的推論」や「仮設形成」とも呼ばれます。

2.誘拐

「アブダクション」は「誘拐」の意味でも使われます。宇宙人に連れ去られることを「エイリアン・アブダクション」といいますが、「アブダクション」だけでそれを意味することもあります。また、法学分野で「アブダクション」は「婦女誘拐」を意味します。女性を誘拐して売春させる、無理やり結婚させることが婦女誘拐にあたります。

3.ウエイトトレーニング方法の一つ

「アブダクション」と呼ばれるウエイトトレーニングでは、お尻の筋肉「中臀筋」を鍛えられます。中臀筋は股関節の動きに関わる筋肉で、鍛えておくと下半身動作がスムーズにできるようになります。「アブダクション」にはマシンを使う方法と、マシンを使わない「ヒップアブダクション」とがあります。

「アブダクション」の類義語・言い換え

「アブダクション」の類義語・言い換え

「アブダクション」の類義語や言い換え表現は、「仮説的推論」と「仮説形成」です。

「アブダクション」・「演繹法」・「帰納法」それぞれの意味と違い

「アブダクション」・「演繹法」・「帰納法」それぞれの意味と違い

「仮説的推論」ともいう「アブダクション」に似た推論法には、「演繹法」と「帰納法」があります。それぞれがどんな推論法かと、違いについて紹介します。

「アブダクション」とは

「アブダクション」とは、結論や結果を説明するための仮説を立てる考え方です。まずは観察できたことがらを集め、それらを説明するのにもっともふさわしいと思われる説明を推論します。結論に「AならばBである」を当てはめるため、「Aである」という仮説を立てます。仮説の正しさは保証されていないので、真実を導き出すためには複数の仮説を立て、それぞれの正しさを検証する必要があります。

「演繹法」とは

「演繹法」とは、普遍的で一般的な事実を前提にして結論を出す方法をいいます。たとえば「ネコは哺乳類だ」と「哺乳類の子どもは母乳を飲んで育つ」を前提にして、「ネコの子どもは母乳を飲んで育つ」の結論を出すことです。セオリーやルールなどの必然的なことがらを重ねて結論を出すので、数学的な推論方法といえます。一方、前提が間違っていると真実を導き出せない点には注意しなければなりません。

「帰納法」とは

「帰納法」とは複数の事実をまとめ。導き出した傾向から結論を出す方法です。仮定Aが結論Bを伴っているいくつかの事例をまとめ、「AならばBである」という結論を出します。「帰納法」には結論が真実である保証がないので、結論を出すための事実は情報元が偏っていない、聞き手がすぐに納得できる事柄だと、結論の説得力が増します。

「アブダクション」と「演繹法」・「帰納法」はどう違う?

「アブダクション」はまず結論を決めてしまい、その結論を満たす仮定を用いて真実にたどり着こうとしますが、「演繹法」と「帰納法」は事実を前提として、結論を導く点が異なります。また、「アブダクション」と「帰納法」はともに、観察した事実を起点に考える推論法です。ですが「アブダクション」が事実と違う新しい何かを推論するのに対し、「帰納法」は事実と同じことをほかの場面に置き換えたケースを推論します。

ウエイトトレーニングの「アブダクション」とは

ウエイトトレーニングの「アブダクション」とは

ウエイトトレーニングの「アブダクション」とは、中臀筋を効率的に鍛えられるトレーニングをいいます。お尻を引き締めてくれるのに加え、股関節の動きが改善されるメリットも。中臀筋などのお尻の筋肉を鍛えると、歩行と立っているときの姿勢がよくなります。「アブダクション」にはマシンを使う方法と、そうでない方法とがあります。また、「アブダクション」と似たトレーニング方法に「アダクション」がありますが、こちらは内ももの筋肉が鍛えられます。

1.マシンを使う「アブダクション」

マシンを使って「アブダクション」を行うと、中臀筋を効率的に収縮させて鍛えられます。「スタンディング・アブダクション・マシン」はマシンの正面に立って片脚を上げる、「シーテッド・アブダクション・マシン」は、マシンのシートに座って太ももを開かせ、中臀筋を収縮させるマシンです。また、立って足首にストラップを巻き、マシンにストラップを巻き取らせながら片足ずつ上げて中臀筋を収縮させる「スタンディング・ケーブル・アブダクション」マシンもあります。

2.マシンを使わない「アブダクション」

マシンを使わない「アブダクション」は、「ヒップアブダクション」とも呼ばれます。中臀筋を鍛える目的のほか、整形外科では腰痛や半月板損傷、変形性膝関節症などの下肢疾患の予防目的で指導されることもあります。マットに寝て、鍛えたい方のお尻を上にして横向きになり、ひざを直角に曲げましょう。そこから上になった脚を斜め後ろへ持ち上げながら伸ばします。3秒かけて脚を持ち上げ、下ろすときも3秒かけてゆっくりと行います。脚を上げるときはつま先を下に向け、真上ではなくて斜め後ろ方向へ。骨盤は動かないよう、手で上から押さえるとよいでしょう。

「アブダクション」と「アダクション」の違い

「アダクション」とは、内ももの内転筋群を鍛えられるトレーニングです。腰痛とO脚の予防と改善、下腹部を引き締めたい方に向いています。マシンを使う方法のほか、使わずに自宅でできる方法も。横向きに寝て上側のひざを直角に曲げ、下側の脚をまっすぐ伸ばして足首は両足とも直角に曲げます。上になった手を胸前の床に置いて支えつつ、上側の脚の上げ下ろしをゆっくりと行いましょう。トレーニングマシンには、簡単な切り替えだけで「アプダクション」と「アダクション」の両方をこなせるものもあります。

「アブダクション」を使った例文

「アブダクション」を使った例文

「アブダクション」の使い方を、例文とともに紹介します。3つの意味それぞれに、違う状況で使われることを知っておきましょう。

1.仮説的推論

  • Aさんはアブダクションを使い、いくつもの仮説を出しながら仕事を進めている。
  • それらの商品がどうして人気なのかを考えるために、「値段が安い」「季節に合っている」などの仮説を立て、説明しようとするアブダクションを実践しよう
  • まずアブダクションで仮説を出し、それに基づくことがらを演繹法で結論づける。最後に帰納法で仮説の正しさを検証すると、効率的にものごとを考えられる。
  • 帰納法とアブダクションは両方とも、具体的な事実から仮説や理論を導く「拡張的推論」に分類される。
  • ビジネスでの問題解決法の一つとして、「仮の答え」を仮説とし、仮説を検証して質の高い解決方法を導き出す「アブダクション」が紹介されていた。

2.誘拐

  • 今年になってから、アブダクションの大きなニュースはもう3件目だ。
  • エイリアン・アブダクションを経験した人に話を聞き、研究している心理学者がいる。
  • アブダクションが発生し、犯人が身代金を要求してきた

3.ウエイトトレーニング方法の一つ

  • あのスポーツジムにはいいアブダクションマシンがあるので、下半身を重点的に鍛えたい自分には向いている
  • 腰痛がひどいと整形外科で相談したら、自宅でヒップアブダクションをするように勧められた
  • アブダクションとアダクションはどちらも下半身を鍛えるトレーニング方法だが、アブダクションはお尻を、アダクションは内ももを鍛えるのが異なる

まとめ

「アブダクション」は「誘拐」の意味があり、トレーニング方法の一つでもありますが、ビジネスシーンでは「仮説的推論」を指すことが多いでしょう。「仮説的推論」とは、仮の答えを複数出して、それぞれを検証して解決しようとする思考法です。「アブダクション」の考え方は仕事で発生した問題の解決や、業務改善などに役立てられるでしょう。

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