クリティカルの意味とは?関連用語やビジネスでの使い方・例文を紹介

「クリティカル」の意味とは?関連用語やビジネスでの使い方・例文を紹介
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カタカナ語の「クリティカル」は、「危機的な」のほか、英語の「critical」同様に「批判的な」の意味があります。「クリティカルヒット」や「クリティカルマス」などの「クリティカル」を使った単語ともに、使い方と例文を紹介します。

目次

「クリティカル」の意味とは?

「クリティカル」の意味とは?

「クリティカル」には「危機的な」と「批判的な」の意味があります。どちらの意味で使われているかは、文脈の流れで判断しましょう。

意味1.危機的な

「クリティカル」には「危機的な」の意味があります。危機に瀕している、とても危ない状態にある様子で、そこから転じて「致命的な」や「重大な」のニュアンスも持ちます。

意味2.検討して評価する、批判的な

「クリティカル」には「批判的な」の意味もあります。「批判」には「言動などの欠点や誤りを正すように論じること」のほか「ものごとを検討して評価、判定すること」の意味がありますが、「クリティカル」は後者にあたります。

参照:Weblio辞書「クリティカル」

「クリティカル」の語源は英語の「critical」

「クリティカル」の語源は英語の「critical」

カタカナ語の「クリティカル」の語源は、英語の「critical」です。形容詞の「critical」は重体などの命に関わる「危機」と、ものごとが重要や重大であることをいう「重大」。ものごとを厳しく批判する、または長所と短所を見分けて評価する「批評的」の意味を持ちます。

例文
  • A’s in critical condition.(Aさんが重体である)
  • critical mistake(重大な間違い)
  • Why are you always so critical of B?(なぜあなたはいつもBに対して批判的な態度を取るの?)

「クリティカル」の類義語・言い換え

「クリティカル」の類義語・言い換え

「クリティカル」の類義語や言い換え表現には「致命的」と「ダメージ」、「批評」があります。ビジネスシーンでは、「致命的」と言い換えられるケースが多いでしょう。

1.致命的

「致命的」とは、とり返しがつかないほどの大きな失敗や損害、命を失いかねない、命に関わる様子をいいます。「致命的欠陥」や「致命傷を負う」、「事業の失敗で致命的な痛手を受けた」などと使います。

2.ダメージ、痛手

「ダメージ」とは損傷や損害、打撃、痛手のことです。語源の「damage」も同じ意味で、名詞のほか他動詞「〜する」の両方で使います。

例文
  • スキャンダルにより内閣は政治的なダメージを負った
  • 汚れやほこりは機械にダメージを与えるおそれがある

3.批評

「批評」とは、ものごとの是非や良し悪しについて考え、評価を述べることです。
似た言葉に「批判」がありますが、こちらは「批評したことを判定、判断する」ことなので少し違います。一般的に「批評」はただ良し悪しを指摘するのではなく、ものごとの背景や理由を考慮した上で、良い部分は評価し、悪い部分は指摘することです。「どの映画を観るかを決めるのに、批評を見比べている」や「後輩は他人の批評を気にしすぎてしまい、仕事が進まないようだ」などと使います。

「クリティカル」が付く単語

「クリティカル」が付く単語

「クリティカル」が付く単語は、さまざまな分野で使われています。以下では10の言葉について意味を詳しく解説します。

1.クリティカルヒット

「クリティカルヒット」とは、ゲームでの「致命的な一撃」をいいます。バトルゲームなどで通常よりも大きなダメージを与えた、受けたことを意味します。多くの場合「クリティカルヒット」は通常よりも低確率で、致命的な数値のダメージをいいます。また、野球などのスポーツでの「クリティカルヒット」とは、試合を決める「決定打」のことです。

2.クリティカルマス

「クリティカルマス」とは、市場である商品やサービスの普及率が一気に拡大するときの分岐点のことで、マーケティング業界でよく使われます。通常、新商品が市場に投入されると、まず新しいものが好きな層に知られ、流行に敏感な層、そして保守的な層へ拡大していきます。この過程の中で「クリティカルマス」に達すると商品の普及率が急拡大するといわれており、新商品が市場に定着するかの指標にもなっています。

3.クリティカルパス

「クリティカルパス」とは、「プロジェクトを最短で終えるための全行程」をいうマネジメント用語です。スケジュールに重要と思われる工程をすべて入れ、効率的に作業できるようにします。また、医療分野で使われる「クリティカルパス」は「診療計画表」のことです。「診療計画表」には、順調に治療が進んだ場合の経過が示されています。看護と治療方針を統一し、質の高い医療を提供するチーム医療のために作られます。

4.クリティカルシンキング

「クリティカルシンキング」とは「批判的思考」のことです。ものごとを鵜呑みにせず、「これで正しいのか」と批判的な考えからスタートし、検討や考察を重ねて答えを見つけようとする考思考法をいいます。常に疑問を持ち続け、論理的かつ客観的に判断しようとするのがポイントです。また、「クリティカルリーディング」はある文献を客観的に分析し、評価しながら読み解くことをいいます。

5.クリティカルケア

患者が命に関わる危機的状態になることを医療分野では「クリティカル期」といい、その患者に行う看護と治療が「クリティカルケア」です。生命の「クリティカル」な状態は病院の中に限らず、突然の発病や事故に遭うなどでいつでもどこでも起こりえます。以前はICUのような重体患者を扱う場で行われてきましたが、近年の医療技術と器具の発達により、「クリティカルケア」を行うシーンや場所は拡大しています。

6.クリティカルポイント

「クリティカルポイント」とは、ものごとの限界点をあらわす比喩表現です。物理学や数学での「クリティカル」は、物質が化学的・物理的な変化をして別の状態に移行する境目である「臨界」を指しています。「クリティカルポイント」の元々の意味は、純物質が気体から液体、または液体から気体に変化する圧力および温度の上限である「臨界点」です。「会社存続のクリティカルポイント」というと、「会社が存続できなくなる臨界点」を指しています。

7.クリティカルアクティビティとクリティカルエラー

「クリティカルアクティビティ」とは、プロジェクトをスケジュール通りに終わらせるためのタスクのことで、IT業界で使われます。「クリティカルアクティビティ」の進行が遅れるとプロジェクト完了も遅れてしまうため、途中でプロジェクト計画を調整し、後ろに待つタスクを当初の計画よりも早く終わらせる必要があります。また、「クリティカルエラー」もIT業界で使われる言葉です。ソフトウェアが修復不可能になったり、コンピューターが動作不能になったりする「致命的なエラー」をいいます。

8.クリティカルイレブンミニッツ

「クリティカルイレブンミニッツ」とは、航空機事故が起こりやすいといわれる「魔の11分」のことです。低空域飛行になる航空機離陸直後の3分と着陸時の8分間を指しており、突風や雷、バードストライク(飛行中の鳥との衝突)に遭う可能性が高いタイミングです。加えて着陸時は自動から手動操縦に切り替えるタイミングで、人為的なミスにも注意する必要があります。

9.クリティカル運用

「クリティカル運用」とは、打ち上げたロケットから人工衛星や探査機を分離させた後、初期動作を確認することです。たとえば小惑星探査機の「クリティカル運用」では、試料採取用の装置が動くか、太陽電池パネルは展開するか、地上の管制室と接続できるかなどを確認します。

10.クリティカルデート

「クリティカルデート」は法律用語で、領域がどちらの国に属するかを問う紛争時に使われることが多い言葉です。他国に実効支配されている領域があった場合、紛争が起こった時点と紛争が具体的になった時点、当事国が実効支配している国に対して交渉を始めた時点、当事国が裁判手続を開始した時点などの中から、どこを「クリティカルデート」とするかで結論が変わる可能性があります。

「クリティカル」の使い方と例文集

「クリティカル」の使い方と例文集

「クリティカル」の使い方を、例文とともに紹介します。

例文
  • 今までやってきたことをクリティカルに考え直してみると、業務改善につながることがある
  • この問題は当社の事業にクリティカルな影響が出る可能性があるので、もっと真剣に捉えるべきだ
  • わが社が成長するためには、クリティカルな問題にしっかりと向き合う必要がある
  • この不祥事により、今期の決算はクリティカルになることが予想される
  • 現在はクリティカルな状況だが、冷静な対応で乗り切ろう

まとめ

「クリティカル」とは、「危機的な」と「批判的な」を意味するカタカナ語です。ビジネスシーンでは「危機的な」と、それが転じた「重大な」の意味で使われることが多いので、戸惑わずに使えるようになっておきましょう。「クリティカルマス」や「クリティカルパス」など、「クリティカル」が付く言葉も一緒に知っておくとよいでしょう。

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