みなさんが働く職場にも、高圧的な態度で職場を取り仕切る「お局」がいるのではないでしょうか。職場の人間関係を構築するために、「お局」の攻略は必須といえるでしょう。ここでは、「お局」の意味や特徴、対処方法を解説します。
「お局」の読み方
「お局」は「おつぼね」と読みます。現代においては「局」は「きょく」と読むのが一般的となっていますが、古来は「局」と書いて「つぼね」と呼び、個室のことを指した言葉でした。
「お局」の意味とは
「お局」は口うるさく高圧的な女性社員という意味で使用されており、いいイメージはまったく浮かばないでしょう。ところが、もともとは重要な身分を与えられた女性を表す高貴な言葉だったのをご存知でしたか?時代の流れの中で「お局」の意味はどのように変化していったのでしょうか。
古来は重要身分の女性を指したもの
「お局」という言葉は、古来は重要身分の女性を表す言葉として使われていました。宮中で局を与えられた女官のことを指したり、江戸時代において将軍家で局を与えられた奥女中のことを指したりしていました。
職場を取り仕切る女性という意味
最近になって、職場を取り仕切り高圧的な態度を取る年配女性社員を揶揄して「お局様」という言葉が誕生しました。現代のような「お局」は江戸時代にも存在しており、奥女中を取り締まる老女のことを「お局」と呼ぶようになったといわれています。現在のような「お局」のイメージがついたきっかけは、1989年に放送された大河ドラマ「春日局」です。大奥を牛耳っていた春日局が権力者の影で実権を握っていた様子が、社内を取り仕切る女性社員と似ていたことで「お局」と呼ばれるようになったといわれています。
参照:Weblio辞書「お局」
「お局」といわれる人の特徴
「お局」は職場を取り仕切る年配社員のことを指す言葉ですが、すべての女性社員があてはまるわけではありませんよね。厳しく指導するの女性社員を「お局」と呼ぶことはありません。では、「お局」と呼ばれる女性社員には具体的にどのような特徴があるのでしょうか。
口調が強く、理不尽な理由で怒る
「お局」の特徴として際立つのは、強い口調と理不尽さでしょう。気に入らない後輩社員に対しては、仕事の質問に答えなかったり周りに聞こえるような声で叱責したりします。何度も質問すると、「まだわからないの?」と嫌味のような返答をされますし、仕事内容を聞こうとすると「自分で考えて」と突き放されてしまうことも。理不尽な理由で突然怒り出すこともあり、「そんなことで?」と思うような内容をしつこく責め立てられることもあるでしょう。
気分によって発言が変わる
「お局」はその日の気分によって態度や発言が二転三転します。たとえ同じ行動をとったとしても、機嫌がよければ褒められますし虫の居所が悪い日は理不尽に責め立てられます。どのタイミングで機嫌が変わるのかは予測不可能。上機嫌に過ごしていたと思いきや10分後には不機嫌になっているということも珍しくありません。周囲は「お局」の気分の良し悪しを雰囲気で察する能力が必要となるのです。
嫌味や陰口をよく言う
「お局」は事あるごとに嫌味や悪口を言い放ちます。時には本人に聞こえるようにわざと大声で話をすることもあります。特に若手社員や控えめで大人しい社員をターゲットにするなど、反論できない人に対して攻撃的になるのが「お局」の特徴ともいえます。
自分の非を認めない
長い間同じ部署で勤務している「お局」は、自分の仕事に非常に高いプライドを持っています。資料の間違いを指摘しても認めなかったり言い訳をしたりすることは日常的で、ひどい場合は怒鳴り返してくることもあるようです。にもかかわらず、他人のミスは徹底的に追求し追い込んでいくという厄介な面を持っています。
なぜ「お局」になってしまうのか
怖くて近寄りがたい「お局」にも、当然若手社員だった時代があります。入社したての頃から高圧的な人はいませんので、会社に勤めているうちにいつの間に「お局」となってしまうのです。では、お局」となってしまう原因とは一体何なのでしょうか。「お局」になってしまう最大の要因は、会社に長く在籍していたことが考えられるのです。
承認欲求が高い
会社への在籍年数が長くなると、会社の全てを熟知していて何でも知っているという自信があります。自分がいないと仕事が回らず、他人から頼られていると思い込むことで自らのプライドを保っているのです。そのため、「お局」の知らないとことで仕事が進んでいることを嫌います。
自分の立場が危うくなるのを恐れている
プライベートを犠牲にして仕事に打ち込んできた人や、苦労して現在の地位に立っている人は、自分の立場を脅かす若手社員に危機感を覚えることがあります。一種の防衛反応ともいえますが、立場上反論できない若手社員をターゲットにすることで、自分の地位を死守しようとするのです。
責任が重く余裕がない
管理職などで多くの仕事を抱えている場合、他人に対する思いやりの心を持つ余裕がないことが理由でもあります。上層部からのプレッシャーと部下の仕事管理で板挟みになっており、蓄積したストレスを若手社員にぶつけることでストレス解消をしているケースもあります。
「お局」の対処方法
毎日嫌味を言われて自信を失ったり、会社に行きたくないと思ってしまったりする方は多いのではないでしょうか。悩みすぎると心も身体も壊してしまって、場合によっては病気になってしまうことも。「仕事を辞めるわけにもいかないし、どうすればいいのだろうか。」と思い悩んでいる人のために、明日からできる「お局」の対処方法について解説します。
嫌味を言われても反応しない
相手が傷つく姿や落ち込んでいる姿を見て満足するのが「お局」の特徴ですので、自分の悪口を言っていたとしても反応しないのが一番効果的です。後輩をきちんと指導するのが先輩社員の仕事ですので、ろくに指導もせず嫌味や悪口を言うような人は放っておきましょう。会社は仕事をする場所と割り切り、どうしても関わらなければいけない業務以外では距離を取って過ごしましょう。
相手に敬意を見せる
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」という言葉があるように、「お局」の懐に入るのも方法の一つです。「お局」は承認欲求が非常に高いので、「さすがです」や「尊敬しています」といった敬意を見せることで、標的となる確率は大幅に減るでしょう。苦手な人に対して好意的に接するのは本意ではありませんが、業務上どうしても距離を取ることが不可能という場合は、あえて近寄ってみると解決することがあるかもしれません。「お局」を味方につけることで、今後の仕事がスムーズに進むこともあるでしょう。
ひどい場合は上司や会社に報告
業務や心身に支障が出る場合には上司に相談し、それでも解決しない場合は会社に報告しましょう。あまりにもひどい言動が目立つようであれば会話を録音することをおすすめします。録音が難しい場合は、いつ何をされたのかを具体的にノートに書いておきます。きちんと証拠を残しておくことで、いざというときに「お局」をパワハラで訴えることもできます。
「お局」の英語表現
職場で幅を利かせる「お局」は、海外にも存在するのでしょうか。ここでは、「お局」の英語表現について解説します。
直接的な英語表現はない
「お局」は日本独自の呼称であるため、直接的な英語表現はありません。そのため、「お局」の特徴である「女性であること」、「職場にいること」、「威張り散らしていること」を組み合わせた表現をします。
the lady of the office
the lady of the officeで「職場の女主人」という意味があります。ladyは一般的に「女性」という意味で使われますが、ここでは「女主人」の意味で使用します。
an arrogant senior woman in the office
an arrogant senior woman in the officeで、「職場で威張る年をとった女性」という意味となります。arrogantが「横柄・威張る」、senior womanが「年をとった女性」となります。
まとめ
「お局」は強い口調で相手を叱責したり、機嫌によって理不尽に八つ当たりしたりします。ただ、長年会社に在籍した経験から知識は豊富ですので、うまく付き合えれば仕事がスムーズに進むでしょう。業務を滞りなく進めるためと、心身を守るために「お局」の対処法を試してみてくださいね。