「大天使」の意味とは?ミカエル・ラファエル・ガブリエルなど大天使の名前と役割を解説

大天使
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「大天使」の意味とは

「大天使」の意味とは

「最後の審判」や「受胎告知」などの宗教画やその他の芸術、文化でみられる「大天使」。日本ではなかなか詳しく知る機会はないかもしれませんが、西洋文化では切っても切り離せない存在です。この記事では、「大天使」の意味や、四大天使、七大天使の名前や役割について詳しく解説します。

「天使」は神の使い

「大天使」を解説する前にそもそも「天使」とは何か、を説明します。「天使」というと背中に羽の生えた子供をイメージする人も多いでしょうが、彼らはどのような存在かを知ることが「大天使」を知るための第一歩となります。

「天使」は神の使いです。神からのメッセージを人間に伝えるための役目を担っています。さまざまな宗教でこの認識は一致していますが、キリスト教の『ヨハネの黙示録』では、天使のラッパで世界に厄災が起こったり、悪魔と闘ったりと、メッセンジャー以外の役割も記載されています。

「大天使」は天使の階級の1つ

天使には階級があるといわれており「大天使」もその階級の1つとされます。「天使」は神の使いでメッセンジャーであると説明しましたが、大天使はその中でも、特に役割をもって神の言葉を人間に伝える役目を持っているといわれています。

英語では「archangel」(アークエンジェルまたはアーカンジェル)と表現します。これは「首位の、主要な」の意味を持つ接頭辞「arch」に「天使」を意味する「angel」をつけたものです。

天使の階級

天使の階級

天使に階級があること自体、はじめて知る方もいらっしゃるでしょう。ここでは、天使の階級とは何か、「大天使」はどの階級に属するのかについて解説します。

9つの階級を示した『天上位階論』

天使の階級は宗教によってとらえ方が異なります。ユダヤ教では厳密に位が決まっていないものの、天使の中で特に役割などが際立って強調されたものが「大天使」と呼ばれるようになりました。

キリスト教では偽ディオニシウスの『天上位階論』によって9つの階級が示され、それが広く浸透しました。『天上位階論』では、まず3つの階級(上位・中位・下位)に分け、さらにそれぞれに3つずつの階級があるとしました。9つの階級は以下の通りです。
・第一位階:熾天使(してんし・セラフィム)
・第二位階:智天使(ちてんし・ケルビム)
・第三位階:座天使(ざてんし・オファニム)
・第四位階:主天使(しゅてんし・ドミニオンズ)
・第五位階:力天使(りきてんし・ヴァーチャーズ)
・第六位階:能天使(のうてんし・パワーズ)
・第七位階:権天使(けんてんし・ごんてんし・プリンシパリティーズ)
・第八位階:大天使(だいてんし・アークエンジェルス)
・第九位階:天使(てんし・エンジェルス)
第一位階~第三位階が上位、第四位階~第六位階が中位、第五位階~第九位階が下位となります。上の位に行くほど神と近くなり、下に行くほど人間界に近くなるといわれています。

「大天使」は第8位で人間と神との連絡係

上述の通り、『天上位階論』によると「大天使」は第八位階となります。「大」と付くわりには下から二番目と低い位と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。低い位だからこそ人間界と近く、人間と神の連絡係の役割を果たせたとも考えられています。

四大天使の名前と役割

四大天使の名前と役割

「大天使」には特に重要な役割を担っていた「四大天使」がいます。特にミカエル、ラファエル、ガブリエルはどの宗教でも言及される大天使であり、この3大天使にウリエルを加えて四大天使と呼ばれています(ただし、ウリエルは宗派によって異なる)。ここでは、四大天使それぞれについて詳しく解説します。

ミカエル

ミカエルはユダヤ教・キリスト教・イスラム教と異なる教派において共通して記述されており、大天使の中でも最も偉大な天使といわれています。「ミカエル」を直訳すると「神のような者」という意味になります。守護者とされ、人間を守る天使とされました。ルネサンス期には剣を持つ姿が描かれるようになり、ともに手にしている秤とあわせて兵士などの守り手と考えられるようになりました。その重要な立ち位置から、第一位階である熾天使だったと解釈されることもあります。

ラファエル

ラファエルは人を肉体的にも精神的にも癒す大天使です。「ラファエル」という名前はヘブライ語で「神が癒したもの」を意味し、自身がヒーラーでありヒーラーを育てる役割も担っています。また、「トビト記」において、ラファエルがトビトの息子の旅に付き添い、悪魔アスモデウスから守ったことから、旅人を守る天使ともいわれています。

ガブリエル

ガブリエルは「神のメッセンジャー」といわれています。最後の審判のラッパを鳴らしたり、聖母マリアへキリストの誕生を伝えたりしたのがガブリエルといわれています。それは、キリスト教の美術において多くの作家が描いた「受胎告知」に描かれている天使がガブリエルとされていることからもわかります。

ウリエル

四大天使のうち、ミカエル、ラファエル、ガブリエルはどの教派でも共通して重要な大天使であるとされていますが、ウリエルは教派によって含まれない場合や、別の天使が4番目の大天使とされている場合もあります。

ウリエルは「神の光、神の炎」を意味します。担った役割は教典によりさまざまですが、例えば『エノク書』では、有名なノアの方舟のエピソードにて、ノアに洪水が来ることを知らせ方舟を作らせたのがウリエルだったと書かれています。また『ペトロの黙示録』では、「最後の審判にてすべての魂を席に座らせる」役割を担っており、「懺悔の天使、地獄の支配者」として書かれています。

「大天使」は以前、最高位の階級だった?

四大天使、特にミカエルは天使の中でも特に重要な位置にいたとされていますが、『天上位階論』では大天使は8番目と低い位となっています。これは、ミカエルが熾天使でもあるという説と、『天上位階論』より以前は大天使が一番上の位だったのを、この書籍によって第8位まで位を下げられた、という説があります。

「七大天使」の名前と役割

「七大天使」の名前と役割

大天使は15体以上いるといわれますが、四大天使に3体の大天使を加えた「七大天使」が聖典等で何度も言及される特に重要な大天使です。ここでは七大天使について説明します。

「七大天使」は宗教により異なる

「七大天使」が「大天使の中でも特に重要な存在」であることは共通していますが、「その中に誰が入るのか」はミカエル・ラファエル・ガブリエルの三大天使だけが共通しており、それ以外は四大天使のウリエルのように聖典や宗派によって異なります。

「七大天使」の名前一覧

各聖典や教派における七大天使の名前は以下のとおりです。三大天使はすべて共通のため四大天使以降を紹介します。
・エクノ書
4.ウリエル
5.ラグエル
6.ゼラキエル
7.レミエル

・ディオニュシオス文書
4.ウリエル
5.カマエル
6.ヨフィエル
7.ザドキエル

・教皇グレゴリウス1世時代のカトリック教会
4.ウリエル(もしくはアナエル)
5.サマエル
6.オリフィエル
7.ザカリエル

・コプト正教会
4.アニエル
5.スリエル
6. サラティエル
7.ザドキエル

・東方正教会
4.ウリエル
5.セラフィエル
6.イェグディエル
7.バラキエル
8.イェレミエル(必ずしも加えられるものではなく、ウリエルと同体とされることもある)

「天使」の類義語、対義語

「天使」の類義語、対義語

「大天使」は階級の名前のため類義語・対義語はありません。ここでは「天使」の類義語と対義語を紹介します。

「天使」の類義語

「天使」の類義語は「エンジェル、ゼレル」です。「エンジェル」は天使の英訳をカタカナにしたものですが、英語表現だけでなく、日本語の文中にも天使の意味として使われることがあります。

「天使」の対義語

「天使」の対義語は「悪魔」です。悪魔は、神に背き神が創造した世界を破壊するもの、悪へ導くものとされています。

まとめ

「大天使」とは天使の階級の1つで、神と人間とをつなぐ重要なメッセンジャーです。中でも、ミカエル、ラファエル、ガブリエルは異なる宗教においても共通して言及される主要な大天使として、宗派によってはウリエルを加えた四大天使とされてきました。一見、ビジネスには無関係と思われるかもしれませんが、美術品にも登場するほど西洋文化に根ざしている存在です。教養の1つとして知っていると、話の幅が広がるでしょう。

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