「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の意味|作者は誰?例文・対義語・英語訳も紹介

実るほど頭を垂れる稲穂かな
目次

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の意味とは?

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の意味とは?

実るほど頭を垂れる稲穂かな」の読み方、意味を解説します。

読み方は「みのるほど こうべをたれる いなほかな」

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の読み方は「みのるほどこうべをたれるいなほかな」です。

意味は「学問や徳が深まった立派な人ほど謙虚な姿勢である」

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の意味は「学問や徳が深まった立派な人ほど謙虚な姿勢である」です。

このことわざは、稲の様子を人間に例えています。
まず、稲の成長を想像してみましょう。

  • 成長とともに実が付き、実が育つ
  • まるでおじぎをしているかのように、垂れ下がってくる
  • 実入りが良く、実が多いほど、垂れ下がり具合が大きくなる

これを人間に当てはめて考えると、以下のようになります。

  • 実が付き、実が育つ→学問や徳が深まった立派な人
  • まるでおじぎをしているかのように、垂れ下がってくる→謙虚な姿勢
  • 実入りが良く、実が多いほど、垂れ下がり具合が大きくなる→立派な人ほど謙虚な姿勢

また、「頭を垂れる」は「相手に敬意を払って謙る」という意味です。そのため、以下のように捉えることも可能です。

  • 実るほど、相手に敬意を払って謙る(頭を垂れる)、稲穂かな
  • →立派な人ほど、相手に敬意を払って謙るものだな

参考までに、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」を逆の意味で捉えることもできます。

  • 垂れ下がらず勢いよく見える稲は、実際のところ実が少なかったり実入りが悪かったりする
  • →見た目や肩書が立派でも謙虚でない人は、中身が伴っていない、人格者とは遠い人物

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の作者は誰?

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の作者は誰?

作者は不明です。

広辞苑では、詠み人不詳のことわざとして扱われています。

いつの時代に詠まれたのかも不明です。
ただ、5.7.5の俳句調で詠まれているため、俳句が発生した以降の時代だと推測できます。

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の類義語・似た意味の四字熟語

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の類義語・似た意味の四字熟語

続いては「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の類義語・似た意味の四字熟語を6つ紹介します。近い意味の言葉を知っておけば、イメージがよりしやすくなりますよ。

「米は実が入れば俯(うつむ)く」

米は実が入れば俯く

  • 読み方 こめはみがはいればうつむく
  • 意味 人は地位が上がると高慢で尊大になりがちだが、稲は実るほどうつむいて謙譲となる

こちらもお米をモデルにしたことわざですね。同じように、米が実るほど垂れ下がってくることを表現しています。

能ある鷹は爪を隠す

  • 読み方 のうあるたかはつめをかくす
  • 意味 実力のある人ほど、それを表面に現さない

実力を周囲に見せびらかさない謙虚な点が似ていますね。上記意味は、有能な鷹は獲物に知られないよう鋭い爪を隠しておく、から転じています。

「和光同塵(わこうどうじん)」

和光同塵

  • 読み方 わこうどうじん
  • 意味 才能や徳を隠して、世の中に交じって謙虚に暮らす

才能や徳のある立派な人が、謙虚に暮らすという点が似ていますね。「和光」は光を和らげる(光る才能や徳を隠す)、「同塵」は塵に交わる(世間に交わる)です。

「大智如愚(だいちじょぐ)」

大智如愚

  • 読み方 だいちじょぐ
  • 意味 優れた賢い人は、一見愚かな人に見える(本当の賢者は知識や才能を見せびらかさないから)

優れた賢い立派な人が、謙虚な態度(知識や才能を見せびらかさない)をとる点が似ていますね。また、「大智は愚の如し」とも読めます。一段とすぐれた知恵をもつ人(大智)は、愚かに見える(愚の如し)です。

「内清外濁(ないせいがいだく)」

内清外濁
・読み方 ないせいがいだく
・意味 心は清らかだが、外見は汚れたように装う(世間と上手く付き合っていく処世術)

若干意味が遠いようにも思えますね。ですが、心の清らかさ(立派なこと)を周りに見せつけない謙虚さ、が似ているといえます。

「金声玉振(きんせいぎょくしん)」

金声玉振

  • 読み方 きんせいぎょくしん
  • 意味 備わっている才知と人徳の釣り合いがとれている

才知と人徳の釣り合いがとれているとは、立派かつ謙虚な人のことと捉えられます。「金声」は鐘を鳴らすこと、「玉」は磬(けい)という打楽器、「振」は収めるです。古代中国の音楽は鐘から始まり、磬でしめくくりました。転じて、最初から最後まで整っているたとえです。

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の対義語

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の対義語

対義語も確認しておきましょう。「能無し犬の高吠え」と「我田引水」の2つを紹介します。

能無し犬の高吠え

  • 読み方 のうなしいぬのたかぼえ
  • 意味 実力のない者ほど、口先だけ達者なことを言う

謙虚で立派な人とは反対の、実力なく口は達者な小人物を表します。上記の意味は、役に立たない犬ほど大きな声で吠える、から転じました。

「我田引水」

我田引水

  • 読み方 がでんいんすい
  • 意味 他人の事情は考えず、自己中心的な言動をとる

謙虚で立派とは、正反対の態度といえますね。上記の意味は、自分の田んぼにだけ水を引き入れること、から転じました。

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の英語・中国語表現

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の英語・中国語表現

続いては、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の英語と中国語表現です。気になる方は参考にしてください。

英語では「The boughs that bear most hang lowest.」

The boughs that bear most hang lowest.」(一番実を付けている枝が、一番低く垂れ下がる)
稲穂と枝の違いはありますが、とても似ていますね。

他に、以下の2つもあります。
「The more noble, the more humble.」(高貴な人ほど慎ましい)
「Pride will have a fall.」(高慢は失脚を招く)

成熟的稻穗低着头」(成熟した稲穂は頭を下げる)
稲穂の成長を同じように言い表したものですね。

他に、以下の2つもあります。
「真人不露相」(才能のある人は、それを軽々しく見せびらかさない)
「知者不言、言者不知」(知恵ある者は言葉が少なく、言葉多い者は知恵が少ない)

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」は生き方・考え方の指針となる

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」は生き方・考え方の指針となる

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」は生き方や考え方の指標とされることが多いことわざ。ここでは、実際にどのように使われるのか、4つの例を紹介します。

経営の神様こと松下幸之助氏の信条

松下幸之助氏といえば、パナソニックを一代で築き上げた経営者です。過去に業績が落ちたとき先頭に立ち、危機を克服したことで経営の神様との呼び名が広がりました。この方は、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」を信条のひとつとして生きてこられたそうです。世の中の成功した経営者には、謙虚な方が多いですね。

吉野彰氏はリチウムイオン電池を開発し、2019年にノーベル化学賞を受賞した名城大教授です。そんな吉野彰氏はインタビューで、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」が自身の信条のうちのひとつと語りました。また若い人に向けて、実る前は首を垂れたらいけないというメッセージも残したようです。若い人は、とんがってシャキッとすべきとアドバイスをされました。

早稲田人とは、早稲田大学で学ぶ・学んだ全ての学生を指します。早稲田大学は、早稲田人が「実るほど頭を垂れる稲穂かな」を体現した生き方になることを目指しています。もちろん、大学を卒業し社会に出たあとも含めてです。

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」を目指す早稲田人としての生き方は、早稲田大学の歴史と伝統のなかで自然と形成されてきたよう。「志はあくまで高く、頭(ず)はあくまで低く」という姿勢が受け継がれてきました。

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」はビジネスにおいても、大切な考え方でしょう。ビジネスでは例えば、社長や管理職、課長、部長のような立場が上の人に対して、彼・彼女らが、偉ぶらず腰の低く謙虚である場合に使えます。

そういった人たちは、周りから慕われ尊敬されていて、評価も高いはずです。キャリアアップしたあとも、忘れないようにしておきたいことわざですね。

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の使い方と例文

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の使い方と例文
  • あの人はまさに、実るほど頭を垂れる稲穂かな、のような人だ
  • 調子に乗らず、実るほど頭を垂れる稲穂かな、を忘れないように

座右の銘のほかには、人を褒めるときや戒めの言葉として使えます。
ただし「謙虚な姿勢をいつまでも忘れないように」と単に表現することが多いでしょう。

海外の反応の中にみる「実るほど頭を垂れる稲穂かな」

海外の反応の中にみる「実るほど頭を垂れる稲穂かな」

2019年に開催されたサッカーAFCアジアカップで撮影された、ある1枚の写真がベトナムで一時期反響を呼びました。その写真は日本対ベトナム戦のあとのもので、日本代表の森保一監督がベトナム代表のパク監督と、頭を下げながら握手している様子がおさめられています。日本が勝利し、ベトナムはベスト8敗退になった試合です。

「勝者」である森保一監督の謙虚な態度が、ベトナム人にとっては感動的だったようですね。ネット上で、「日本人の謙虚さを象徴する1枚だ」「敬意が感じられる握手に感動した」「日本人の実るほど頭を垂れる稲穂かなという言葉は本当だ」などの称賛の声が多く上がりました。

ベトナム人以外にも、日本人の謙虚な精神(「実るほど頭を垂れる稲穂かな」)に感動する海外の人は多いようです。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」は世界に誇れる、日本人の素晴らしい精神を表す言葉とも言えるでしょう。

まとめ

ここまで「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の意味や類義語、対義語、英語・中国語表現など紹介してきました。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」は、立派で謙虚な人、を表すことわざです。日常生活のなかで頻繁には使われません。ですがド忘れしないように、稲穂と絡めてイメージ付け、しっかりインプットしておきましょう。

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