クライアントにメールを打つときなどよく使う「留意点」。注意点との違いとは?これをしっかり答えられないあなたは「留意点」を正しい使えていないかも?この機会に正しい「留意点」の使い方、類語、例文を見ていきましょう。
「留意点」の読み方
学生だと、アルバイトやインターンで社会に接する機会があるとはいえ、なかなかビジネスメールを打つ機会がなく、こういった言葉になじみがないかもしれません。まずは、留意点の読み方から見ていきましょう。
留意点は「りゅういてん」と読みます。
留意点と同じ読み方で、「留意する」という風にも使われます。
「留意点」の意味とは?
留意点の読み方がわかったところで、さっそく意味を見ていきます。
「留意点」の国語辞典の意味は「特に注意する点・事柄」
国語辞典の意味を見てみましょう。
特に注意する点や事柄のこと。
つまり、こころに留めて注意を払うこと、という意味で使われます。
相手に気を付けてほしいことを簡潔に示す時に「留意点」を使う
人に注意してほしいことを書く際に「資料に記入していただく際に留意点が3つあります。1つめは~」とズラズラ文章として書いてしまうと見にくいです。
一方で、留意点はその単語1つで「特に注意してほしい事柄」という意味をもっているので、箇条書きでも意味が通じます。そのため、メールや資料など文章にまとめる際に、短い時間で読み手が理解できるように簡潔に書けます。
【留意点】
1…
2…
3…
ビジネスシーンでは、必要な事をわかりやすく簡潔に書くと喜ばれますので、簡潔に文章を書くことを心がけてみましょう。
また、留意点は使い方を少し変えれば、上司やクライアントなどていねいに話すべき人にも使えるので今回でしっかり使えるようにマスターしましょう!
「留意点」の使い方・例文
次に、実際のビジネスシーンで使えるようになるために、留意点の使い方を例文を通じてつかみましょう。
目上の人に留意点を用いる場合は「ご留意点」と、留意点の前に「ご」をつけると、より丁寧な印象になります。「ご」はつけるようにすると、誠意が伝わって好印象でしょう。
メール上での例文
・以下の3点留意点をご確認ください。
1…
2…
3…
・【ご留意点】
1…
2…
3…
メール内では、箇条書きにするとわかりやすいでしょう。
会話上での例文
- 資料の記入にあたっての留意点が3つあります。
- 式典の際の留意点が資料にありますので、事前にご確認ください。
- 会場を使用する際の留意点を説明致します。
メールでも、会話上でも留意点を使うと「ぜったいにやらないでください!」という強いニュアンスではなく、気に留めておいてくださいという柔らかな表現になり、角が立ちません。
「留意点」と「注意点」の違い
次に特に留意点と意味が混ざりやすい「注意点」について、留意点と比較をしながら、意味、例文までみていきましょう。
「注意点」の意味
国語辞典の意味を見てみましょう。
注意すべき事項。
注意点は留意点よりも、強く注意しなければならないというニュアンスがあります。たとえば、電子レンジの注意点であれば、「1.加熱しすぎないでください 2.子供だけで使わせないでください」など、守らないとケガややけどをしてしまうような事柄を指します。一方で、留意点にはこころに留めておいてくださいという意味で強制ではないので、注意点のほうがより強いよびかけという違いがあるといえます。
「注意点」を使った例文
- 説明書の注意点をよく読んで、使用上のルールを守ってご利用ください。
- 修学旅行をするにあたり、注意点がしおりに書いてあるのでよく読んで当日集合してください。
- SNS利用時の注意点としては、自分の住所や個人情報が特定されるような写真や文章を書かないことです。
- こちらの薬の使い方と注意点はこちらに記載があります。
例文から、注意点を使うニュアンスをつかみましょう!
「注意点」と「留意点」の使い分けに注意
注意点と留意点は深刻度がちがうと説明したとおり、なかには「注意(点)」が使えても「留意(点)」が使えないケースがあります。
たとえば、以下のように書かれていた場合、留意(点)は使用できません。
「この先崖、注意!」
留意点はこころに留めておくべき注意すること、ですが強制力を持たず、仮に注意しなかったとしても、害がおよぶようなことは基本的にありません。しかし、注意点に関しては守らないとケガや事故などなんらかの害が及んでしまうので、十分に用心してください。警戒してください。という意味合いを含んでいます。そのため、崖など万が一落ちてしまった場合ケガや命の危険がある場面では留意(点)ではなく、注意(点)を使用する方が適切だといえます。
「留意点」の類義語・言い換え表現
次に留意点とよく比べられる類義語と言い換え表現を5つ紹介します。類義語や言い換え表現もまとめて見直す事で、より適切に「留意点」を使えるようになりますよ。
「用心」
「用心」とは、「万が一困ったことにならないように備えて気を付けておくこと」という意味です。留意点と大きく異なる点は、起こる確率はそこまで高くはないが、備えなかった場合悪いことや困ったことになってしまうことがある、ということです。
「火の用心」や「詐欺被害にご用心」など頻繁にはおこらないけれど、起こると大変な災害や犯罪に対して使われることばのため、気を付ける度合いは留意点よりも高いといえるでしょう。
「警戒」
「警戒」とは、「危険や災害に備えて、あらかじめ注意し、用心すること」という意味です。留意点と最も異なる点は気を付ける度合いです。警戒は自然災害やウイルスなど深刻度が比較的高く、差し迫ったものに使われることが多いです。
例えば、「コロナウイルス流行に警戒する」、「余震に警戒する」など留意(点)はもちろん、用心よりも気を付ける度合いが高いです。留意(点)、用心、警戒の気を付ける度合いに順位をつけるとすれば、留意(点)<用心<警戒と表現できます。
「配慮」
「配慮」とは、「心をくばること。心づかい」の意味として使われます。つまり、さまざまなところに注意し、気を配ること、という意味です。注意という意味では留意点と似ている部分がありますが、使われる意味合いとしては大きく異なります。留意点と最も違う部分は、配慮は他人のために注意をし、気を配るという「他人に対しての思いやり」が含まれることがあることです。
例えば「ご配慮いただき、ありがとうございます」、「聴覚しょう害に配慮されたマスクが販売」というように使えます。
「要点」
「要点」とは、「物事の中心となる部分。重要な点」という意味です。留意点にも見逃さないよう注意する点という意味があるため、似ていますが、異なるのは話の重要さです。要点は話の最も核となる部分を示すのに対し、留意点はあくまで大切なことを注意し、こころに留めておくべき事柄、を指します。そのため、留意点よりも、要点のほうが重要で核な部分の話だと理解するといいでしょう。
例として「新聞記事の要点を短いレポートにまとめる」、「言いたいことの要点をしぼる」などと使えます。
「押さえておく点」
「押さえておく点」とは、「重要な点を理解し、配慮する」という意味です。留意点と同じ意味のため、言い換え表現となります。留意点よりも意味がわかりやすいので、子供からお年寄りまで幅広い年齢の方が見る資料に使うといいでしょう。状況に応じて使い分けましょう。
例として、「今押さえておきたい流行メイクのポイント」「押さえておく点を資料の下部にまとめてあります」というように使えます。
「留意点」の英語表現
最後に留意点を用いた英語表現を紹介します。留意点の英語は非常にシンプルでわかりやすいです。あえて英語で意味を見ることで、留意点について更に理解が深まります。
留意点の英語は下記の通り表現されます。
- point to remember
- things to keep in mind
- point of attention
- focal point
さまざまな表現があることがわかりますね!
まとめ
留意点は「こころに留めて注意するべき事柄」という意味です。ほかにも「注意点」「用心」「警戒」など類義語や言い換え表現も多く存在するので、それぞれのことばの意味を理解することが大切です。正しい場所で正しいことばを使って、クライアントの信頼を勝ち取りましょう!