看護や介護福祉業界、ビジネス用語としてよく耳にする「マンパワー」。しかし、実際に正しい意味を理解している方は少ないのではないでしょうか?そこで、今回は例文を基にして「マンパワー」の意味や正しい使い方などを紹介します。
「マンパワー」の意味とは
「マンパワー」とは労働力という意味の言葉です。ビジネスではもちろん看護や介護福祉業界など、さまざまな場所で使用されています。「マンパワーが足りない」「マンパワーを投入する」といった言い回しで耳にしたことがあるのではないでしょうか。
「マンパワー」の意味は「労働力」
「マンパワー」の一般的な意味は「人の労働力」です。「マンパワーが足りない」とは、労働力が不足していることを表します。また、仕事に投入される「人的資源」という意味も持ちます。ビジネスにおいては主にこちらの意味として使われることが多いです。
看護や介護福祉業界やビジネスで使われる単語
「マンパワー」は看護や介護福祉業界、ビジネスでよく使われる単語です。看護や介護福祉業界では主に「人の労働力」という意味で使われます。これらの仕事では直接体を動かす「労働力」が多く必要です。特に、近年では看護師や介護士の不足が問題になっており、「労働力」としての「マンパワー」がよく使用されます。
また、ビジネスの場面では主に「人的資源」という意味で使われます。ビジネスにおける人材の確保や適した人物の活用は重要であり、「人的資源」としての「マンパワー」がよく使用されるのです。
「人手」との違い
「マンパワー」と似た意味の言葉に「人手」があります。文章の中では「人手」という意味で「マンパワー」が使われることもありますが、実際には少し意味が異なります。「人手」とは仕事に携わる「働き手」という意味を持っています。しかし、「マンパワー」とは「労働力」や「人的資源」という意味です。文章や会話の中では「マンパワー」を「人手」と置き換えることもできますが、実際には「人手」が「働き手自体」であるのに対して、「マンパワー」は「働き手の能力」という意味をもちます。
「マンパワー」の由来・語源
カタカナで使われる「マンパワー」ですが、その語源は英語の「manpower」に由来しています。英語でも同様に、労働力や人的資源を表す言葉です。
「manpower」に由来している
「マンパワー」は英語では「manpower」と表します。ここで、「man」とは男性という意味ではなく、「人」という意味です。「power」は「力」という意味であり、人の力つまり「労働力」となります。英語でもカタカナの「マンパワー」と同じようにさまざまな場面で使用される言葉です。
海外ではあまり使われていない
英語の「manpower」はカタカナの「マンパワー」と同様の意味をもちますが、実は海外ではあまり使われていません。英語圏で「労働力」と言いたい場合は、「labor force」や「working force」を使うのが一般的です。「labor」とは「労働」という意味であり、「force」は「力」という意味です。つまり、「労働の力」や「仕事の力」という意味を表しています。
似た意味をもつ「ヒューマンリソース」
「マンパワー」と似た意味の言葉に「ヒューマンリソース」があります。英語圏でもよく使われる言葉であり、「human resouce」と表します。「resouce」は資源という意味であり、「ヒューマンリソース」は「人の資源」と考えられます。「マンパワー」と似た意味をもちますが、「労働力」という意味よりも「人的資源」という意味として使われる言葉です。
「マンパワー」の類義語・言い換え表現
さまざまな場面で使われる「マンパワー」ですが、類義語や言い換え表現もいくつか存在します。例えば、「マンパワー」を働き手という意味で使う場面では、「人手」という言葉に置き換えられます。同じように、働き手という意味では「人員」や「労働力人口」などといった表現も考えられます。また、「マンパワー」を人的資源という意味で使う場面では、「ヒューマンリソース」や「有効労働力」と表現されます。このように使用する意味や文脈に応じて、さまざまな表現の仕方や類義語が存在します。
「マンパワー」の文章・会話例文
ここで、「マンパワー」を使った文章や会話の例を紹介します。
- 「当医院は人手が不足している。追加のマンパワーが必要だ。」
この文章では「労働力」という意味で「マンパワー」が使われています。医療現場では人材不足が課題になることが多く、慢性的に医療従事者の労働力が不足しています。
- 「我が社を再建するためには、財政問題だけでなくマンパワーの問題も解決する必要がある。」
この文章では「人的資源」という意味で「マンパワー」が使われています。単に労働力だけでなく、優秀な人材や能力のある労働者が必要という意味です。
医療・看護・介護福祉業界での「マンパワー」の使い方
特に、「マンパワー」という言葉をよく耳にするのは、医療・看護・介護福祉業界です。これらの業界は人手不足が深刻であり、常に労働力を必要としています。そのため、「マンパワー」が重要であり、よく使われているのです。ここからは実際の使い方について紹介していきます。
「マンパワー」が不足している
「マンパワー」という言葉を最もよく耳にするのは、「マンパワーが不足している」という言い回しです。この場合は「労働力」という意味で「マンパワー」を使っており、「労働力が不足している」と言い換えられます。医療現場をはじめとして、人手が足りないときや労働力が必要なときに使われます。
「マンパワー」を投入する
「マンパワーを投入する」という言い回しもよく耳にします。この場合も「労働力」という意味で「マンパワー」を使っており、「労働力を投入する」と言い換えられます。追加の人材を投入する場合に使われ、労働力を補う意味です。人手が足りない現場には医療や介護が適切に行えなくなってしまうので、迅速に「マンパワー」を投入する必要があります。
ビジネス用語としての「マンパワー」の使い方
医療・看護・介護福祉業界の他にも、さまざまなビジネスの場面で「マンパワー」という言葉を耳にします。単に「労働力」という意味で使われることもありますが、「人的資源」という意味として使われることが多いです。そこで、ビジネス用語としての「マンパワー」を紹介します。
「マンパワー」を確保する
「マンパワーを確保する」という言い回しは、ビジネスにおいてよく耳にします。人手が足りず、「労働力を確保する」という意味にもとらえられますが、ビジネス用語としては「人的資源を確保する」という意味になります。これは単純な「働き手」を確保するのではなく、「労働者の技能や優秀な能力」を資源として確保するという意味になります。人事や採用の際によく耳にする使い方です。
「マンパワー」を活用する
「マンパワーを活用する」という言い回しも重要です。この場合も「労働力」という意味より、「人的資源」という意味として使われます。難しい課題や問題に直面したときに、「マンパワーを活用する」という言葉を使うことがあります。これは働き手の技術や能力によって、その問題を解決するという意味になります。
「看護マンパワー」と「福祉マンパワー」
たくさんの業種がある中でも、看護や福祉において「マンパワー」という言葉は特に重要です。人手不足が問題になっている職種が多く、労働力や人的資源の確保が難しいからです。そのため、一般的な「マンパワー」と区別して、「看護マンパワー」と「福祉マンパワー」という独立した言葉も存在します。
「看護マンパワー」とは
「看護マンパワー」とは看護に携わる人たちの労働力を表す言葉です。また、看護師や看護スタッフ、ボランティアなどの看護に関わる労働者自体を表す場合もあります。彼らの存在は非常に重要ですが、看護業界は長年人手不足に悩まされています。賃金や労働環境などさまざまな原因が考えられますが、医療の充実と共に特別な技術や医療知識の必要な「看護マンパワー」の充足は、必要不可欠といえます。
「福祉マンパワー」とは
「福祉マンパワー」とは介護や福祉に携わる人たちの労働力を表す言葉です。また、介護士や社会福祉士、保育士などの介護や福祉に関わる労働者自体を表す場合もあります。介護福祉業界は看護業界よりも更に人手不足に悩まされています。高齢化の進む現代、「福祉マンパワー」の不足は大きな課題であるため、「福祉マンパワー」と称することによって福祉業界全体のイメージ改善と人材確保を図っています。
まとめ
「マンパワー」という言葉は、ビジネスや医療看護福祉業界で広く使われている言葉です。看護や福祉の場では人手や労働力という意味で使われ、ビジネスの場では人的資源という意味でも使われています。このように「マンパワー」という言葉はいくつかの意味を含んでいるので、適した場で正しい使い方をしなければなりません。