「頭が下がる」の本来の意味と使い方、注意点、同意語と反意語

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    「頭が下がる」は日本の昔からの風習である「頭を垂れてお辞儀をする」動作から生まれた言葉です。私たちの生活の中やビジネス上でも便利に利用されることがあります。同様の表現で異なる意味の言葉もあるため、正しい使い方を確認しておきましょう。

    目次

    「頭が下がる」の意味

    「頭が下がる」の意味

    「頭が下がる」の本来の意味や、似た表現だけど意味の違う言葉について説明します。

    「頭が下がる」の本来の意味

    日本人特有の行動として、相手に「敬意や尊敬の気持ちを表す」際にお辞儀をします。お辞儀をする場合は、上半身を折り曲げ頭を垂れます。この頭を垂れる行動「頭が下がる」は敬意を表す意味として使われるようになりました。

    「頭が上がらない」とは意味が違う

    「頭が下がる」は相手に対して敬意や尊敬の気持ちを表すときに使う言葉です。同じようなニュアンスをもつ言葉に「頭が上がらない」がありますが意味が異なります。「頭が上がらない」は権力や立場が自分と比べて上であることに対して負い目を感じた場合や、相手に対して自分の犯した過ちや負い目を感じて対等にふるまえない場合に使います。

    使用例1.は相手に対する尊敬の気持ちを表しているため、「頭が下がる」を使います。使用例2.は相手に対して負い目を感じているために「頭が上がらない」を使います。

    • 使用例1. 彼の地道な努力には頭が下がる。
    • 使用例2. 彼にはいつもおごってもらっているので頭が上がらない。

    「頭を下げる」や「頭を垂れる」とも意味が違う

    「頭を下げる」や「頭(こうべ)を垂れる」も同様の表現ですが少しずつ意味が異なります。「頭を下げる」は単に「おじぎをする」という意味で使う場合、謝ったり詫びたりする場合や、「頭が下がる」と同じように相手を「敬服する」という意味で使う場合があります。「頭を垂れる」は「頭を前に下げる」という意味に加え、へりくだり相手に敬服する場合に使います。

    使用例1.の「頭を下げる」は先生に対してあいさつをする行為として使っています。使用例2.の「頭を下げる」は接触してしまった彼女に詫びる意味で使用しています。使用例3.の「頭を垂れる」は校長先生の訓示に対して敬服の意味を込めて使っています。

    • 使用例1. 彼は、校門の前に先生が立っていることに気が付き頭を下げました。
    • 使用例2. 廊下をすれ違う際に弾みで肩に接触してしまった彼女に頭を下げました。
    • 使用例3. 彼は校長先生の訓示を受けた際に頭を垂れました。

    「頭が下がる」の使い方

    「頭が下がる」の使い方

    「頭が下がる」を使える相手と使い方について説明します。

    「頭が下がる」を使う相手

    一般的に自分と同等の者や目下の者に対して相手を尊敬したり、敬意を表したりする場合に使います。3種類の使用例を示します。

    ・使用例1. 彼の仕事に対するひたむきな姿勢には頭が下がります。
    会社の同僚の仕事に対する真摯な姿勢に対して、尊敬の気持ちを抱き敬意を表している表現です。ビジネスのシーンにおいて、第三者を相手にして比較的よく使われる表現の1つです。

    ・使用例2. 妻の献身的な育児には頭が下がります。
    自分の身を顧みず、我が子への妻の献身的な育児は尊敬に値し、敬意を表したいという思いが表現されています。自分の妻に対し、1人の大人として純粋に尊敬の気持ちを表している表現です。

    ・使用例3. 彼女の日々の地道な努力には頭が下がります。
    会社の同僚である彼女は常に地道な努力を重ね会社へ貢献しています。その姿はなかなかまねができるものではなく、尊敬の気持ちをもって見守っていることを表現しています。

    目上の人に使う場合は

    上司や目上の人は、本来、尊敬すべき対象でありほめるべき対象ではありません。例えば「A部長の指導力には頭が下がります」は「指導力」以外は、尊敬できないとも受け取られかねないことから避けるべき表現です。「A部長の指導力には感服しております」や「心より感謝しております」とすべきです。

    ただし、日常の会話などで自分と同じような立場の第三者に対して「A部長の指導力には頭が下がります」という使い方であれば間違ってはいません。自分と第三者との間には何ら駆け引き抜きを挟む余地はありませんので、「A部長の指導力をほめている、A部長は指導力に秀でている」と理解してくれるからです。

    「頭が下がる」を使う際の注意点

    「頭が下がる」を使う際の注意点

    「頭が下がる」は使う相手や使い方とその意味を十分に理解した上で使います。注意すべき3つの点について説明します。

    目上の人に使わない

    「頭が下がる」とは感心する、尊敬するというように相手をほめる言葉です。目上の人に対してほめるという行為は、横柄であると解釈されるおそれがあり適切ではないと言われています。目上の相手に対して尊敬の念を表すためには「敬服いたします」や「感服いたします」などを使い、次の使用例のような表現としましょう。

    ・使用例1. 「敬服いたします」
    B部長のリーダーシップと指導力には敬服いたします。

    ・使用例2. 「感服いたします」
    C様の家族への思いやりや配慮には感服いたします。

    繰り返して何度も使わない

    相手に対して尊敬の気持ちを伝える言葉ですが、繰り返し使うことは良い印象を与えないことがあります。「敬服いたします」や「感銘を受けます」など、他の表現で言い換えましょう。

    「頭が上がらない」との違いを理解して使う

    「頭が下がる」が相手に対して感心し、尊敬の念をもつときに使う言葉であるのに対して、「頭が上がらない」は自分の犯した過ちや相手に対する負い目を感じた場合に使います。同じような言い方をしますが両者ではその意味が異なることを理解して、以下の使用例を参考にしながらしっかりと使い分けるようにしましょう。

    ・使用例1. 上司に使う場合
    課長にはいつも仕事を助けてもらっているので頭が上がらない。

    ・使用例2. 相手に対して負い目を感じて対等にふるまえない場合
    十分ではない給料でも不満の1つも言わずにやりくりをしてくれている妻には頭が上がらない。

    「頭が下がる」の類義語・言い換え

    「頭が下がる」の類義語・言い換え

    「頭が下がる」の類義語と反意語について説明します。

    「頭が下がる」と同様の敬意表現

    「頭が下がる」は相手に対して尊敬の気持ちを表す敬意表現です。「頭が下がる」と同じような敬意表現に「敬服する」「感服する」「感銘を受ける」「感動する」などが挙げられます。

    「敬服する」とは深く感心し、尊敬の気持ちを抱くという意味です。同じような言葉に「感服する」があります。「感銘を受ける」とは深く感動し、尊敬の気持ちを抱くという意味です。同様の意味の言葉に「感動する」があります。

    「頭が下がる」と逆の意味の言葉

    「頭が下がる」の反意語には「軽蔑する」「さげすむ」「蔑視する」などがあります。それぞれの意味と使用例を示します。

    ・「軽蔑する」の意味 「人を馬鹿にして軽く見ること」
    使用例:私は日頃の彼の行動を軽蔑します。

    ・「さげすむ」の意味「相手を見下すこと」
    使用例:誰もが彼をさげすんで見ています。

    ・「蔑視する」の意味「人を見くびること」
    使用例:もはや彼は周りの者の蔑視に耐えられないでしょう。

    「頭が下がる」を英語では

    「頭が下がる」を英語では

    「頭が下がる」にはいくつかの英語表現があります。

    「帽子を脱ぐ」の意味の言い方

    「take my hat off」は文字通り「帽子を脱ぐ」という意味です。日本語でも「脱帽する」は「頭が下がる」や「感謝する」などの意味を表しますが、英語でも同様の表現を使い、感謝の気持ちや敬意を表します。これは興味深いことです。

    • 使用例1.  I take my hat off to his hard work. 「彼の勤勉には頭が下がる。」
    • 使用例2. I take my hat off to him for his effort.  「彼の努力に頭が下がる。」

    「尊敬する」の意味の言い方

    「頭が下がる」は「尊敬する」や「感謝する」という意味なので、この意味に相当する英語は一般的にadmireやrespectがよく使われます。

    ・使用例1. I admire him more than any other guy. 「彼には一番頭が下がる。」

    admireをrespectに置き換えて同じ意味の文章とすることも可能です。

    ・使用例2. I respect him more than any other guy. 「彼には一番頭が下がる。」

    まとめ

    「頭が下がる」という表現は「頭を垂れてお辞儀をする」動作から生まれた言葉で日本語の独特な美しい表現です。日本語には同じように独特な表現があります。

    一例を挙げても「琴線に触れる」、「木漏れ日」、「お疲れ様」など枚挙にいとまがありません。簡単にその意味について紹介しておきましょう。

    「琴線に触れる」という言葉は、琴の名演奏者が奏でる音色を聴いた者が演奏者の心情を理解できたという言い伝えから来ており、「心の底から共鳴し感動する様子を表す言葉」として使われています。

    「木漏れ日」は小説などでも使われる表現ですが「木の葉の隙間から漏れて広がる日の光」のことを表しています。何とも想像力豊かな表現といえます。目を閉じると鮮やかな日の光が一杯に広がるような表現です。

    「お疲れ様」は直訳すれば「お疲れですね」となりますが、その背景には「今日は頑張ってくれて本当にありがとう、また明日も互いに頑張ろう」との思いが込められています。

    是非、皆さんも美しい日本語の表現を探してみませんか。

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